JPH0544218U - フイルター材 - Google Patents

フイルター材

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JPH0544218U
JPH0544218U JP9394691U JP9394691U JPH0544218U JP H0544218 U JPH0544218 U JP H0544218U JP 9394691 U JP9394691 U JP 9394691U JP 9394691 U JP9394691 U JP 9394691U JP H0544218 U JPH0544218 U JP H0544218U
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pleated
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は、プリーツ相互の間隔が保持された、
簡単で安定した構造よりなるフィルター材を提供するこ
とを目的とするものである。 【構成】本考案は、不織布Xからなり、連続した環状の
プリーツ折り線22によってプリーツ加工されているこ
とを特徴とするフィルター材21をその要旨とするもの
である。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はフィルター材に関する。詳細にはプリーツ加工されていると共に、プ リーツ相互の間隔が保持されているフィルター材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フィルター材としては、プリーツを形成してその表面積を大きくしフィ ルター機能を高めたものが多く使用されていた。
【0003】 例えば図6に示すように、濾紙に直線状のプリーツ折り線2を等間隔に設けて プリーツ加工したものである。このフィルター材1にあっては、プリーツ折り線 1に沿って折り曲げてフィルターに装着したとき、フィルター材1の断面が波形 となり、その上流側の表面積はプリーツを設けないフラットな濾過面を有するも のに比べて著しく大きくなり、フィルター機能は飛躍的に向上していた。
【0004】 ところが、このフィルター材にあっては、濾過すべき被処理流体による圧力に よって、隣接するプリーツ相互が密着し、その分フィルター材の表面積が小さく なり、フィルター機能の低下を招いていた。
【0005】 このような不具合を解消するため、プリーツ相互の間隔を保持するためのスペ ーサーをプリーツ相互の間に介在させたフィルター材が提案されている。 このフィルター材は、プリーツの山部分と山部分、谷部分と谷部分の間に、断 面波形の帯状スペーサー、コイル、間隔子、くし歯などのスペーサーを介在させ たものであり、流体による圧力によってもプリーツ相互の間隔がスペーサーによ り所定の間隔に保持されていた。
【0006】 ところが、このフィルター材にあっては、プリーツ加工の他に、プリーツ相互 間にスペーサーを介在させるという工程を必要とし、その分製造に手間がかかり 、コストも高くなっていた。更にスペーサーという別部材を取付けるため、重量 も大きくなるという問題があった。
【0007】 又、別のフィルター材として、実開平3−43307号公報に記載されたもの がある。このフィルター材11は、図7に示すように、濾紙上に縦、横、斜め方 向に、何本ものプリーツ折り線12を設け、このプリーツ折り線12に沿って折 り曲げることにより、起伏に富む立体構造体としたものであり、プリーツ相互の 密着は同構造体に作られた立体的な障害によって妨げられるようになっている。 ところが、このフィルター材は、濾紙に何本もの複雑なプリーツ折り線を設け 、同折り線に沿って順序よく正確に折り曲げる必要があり、その加工には、多く の手間と時間とを要していた。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
本考案の解決しようとする課題は、被処理流体による圧力によってプリーツ相 互が密着し、フィルター機能が低下する点、プリーツ相互の間隔を保持するため 、スペーサーを介在させたり、複雑なプリーツを形成したりするなど煩雑な作業 を必要とする点である。 本考案はこのような問題に鑑みなされたものであり、プリーツ相互の間隔が保 持された、簡単で安定した構造よりなるフィルター材を提供することを目的とす るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】
上記目的を達成するため、請求項1記載の考案は、不織布からなり、連続した 環状のプリーツ折り線によってプリーツ加工されていることを特徴とするフィル ター材をその要旨とした。 又、請求項2記載の考案は不織布の5%モジュラスが20kg/5cm幅以下 であり、剛軟度が100〜1600mgfであることを特徴とするフィルター材 をその要旨とした。
【0010】 以下、本考案のフィルター材を更に詳しく説明する。 本考案のフィルター材として用いる不織布は、5%モジュラスが20kg/5 cm幅以下であり、剛軟度が100〜1600mgfであるものが好ましい。こ れらの伸度と剛軟度は、プリーツ折り形状を保持し、プリーツ相互の間隔を保持 するのに充分な剛性と、プリーツ加工の際の折り曲げ時に発生する歪みを充分に 吸収できる伸度とを示したものである。
【0011】 本考案でいう5%モジュラスとは、JIS L−1096 6.12に規定さ れた試験法を準用した方法により求めた数値である。すなわち、5%モジュラス とは、5cm幅の短冊状の試験片をチャック間距離が200mmとなるように引 張り試験機に取付け、試験片を200mm/分の速度で上下に試験片を引張り、 試験片を5%伸ばすのに要した応力の測定値をいう。尚、試験片は引張り方向が 不織布のタテ方向とヨコ方向の2種類となるように作製されている。 この5%モジュラスの値は小さければ小さいほど小さな力で伸びることを示し 、値が小さければ小さいほど歪みが吸収され易いことを示している。
【0012】 本考案のフィルター材において、不織布の5%モジュラスが20kg/5cm 幅よりも大きな場合には、プリーツ折り線に沿って折り曲げたときに発生する歪 みが充分に吸収されず、不用な箇所で折れ曲がってしまう、所謂角が発生し、予 定する形状のプリーツを得ることができないという不具合を招く恐れがある。
【0013】 一方、本考案でいう剛軟度とは、JIS L−1086 6.13に規定され た試験法を準用する方法により求めた数値をいう。すなわち、剛軟度とは、ガー レー試験機を用い、同試験機により30mm×40mmの試験片(試験片は不織 布のタテ方向とヨコ方向の2種類とした)の剛軟度を測定した数値である。この 剛軟度の値は大きければ大きいほど曲がりにくいことを示し、外力による変形を 受けにくく、形状保持性に優れていることを示している。 本考案のフィルター材において、剛軟度が100mgfよりも小さい場合には 、プリーツ加工後に、プリーツ形状が容易に崩れてしまい、充分な形状保持性が 得られない恐れがある。なお、剛性があまり大きくなるとプリーツがかかりにく くなるため、剛軟度は1600mgfを越えない方がよい。
【0014】 フィルター材として使用する場合、不織布は、一枚のみでも良いが、2枚若し くはそれ以上積層しても良い。又、バインダ接着型不織布とメルトブロー不織布 を積層した不織布など多種類の不織布を組み合わせて積層したものであっても良 い。又、不織布にエチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル−酢酸 ビニル共重合体、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂などの樹脂を含浸させてプ リーツ加工後の折り形状の補強を計ったり、塵埃を静電気力により捕集するため のエレクトレット化処理を施しても良い。このような不織布にプリーツ加工が施 され、連続した環状のプリーツ形状が形成されるのである。
【0015】 プリーツ加工法としては、図2に示すように、連続した環状に成形された押型 23によって、不織布Xをプレスすることによって、プリーツ折り線22を設け 、該不織布Xをこの折り線22に沿って交互に折り曲げていく等、従来より知ら れた加工法を用いることができる。なお、押型23によるプレスは熱プレスであ っても良い。
【0016】 プリーツ折り線22としては、図2及び4に示すひし形状のものであっても良 いが、折り曲げ時に歪みが生じ易い為、図3に示すなだらかな曲線によって折り 線22が構成されたレンズ状のものの方が歪みが発生しにくいという点から望ま しい。又、プリーツ折り線22を構成する環の形状は横幅が短く、縦幅が長い、 つまりプリーツ折り線22の環の連なる方向に細長く設ければ設けるほど歪みは 小さく生じにくくなる。しかしながら、余りに横幅が短く、縦幅が長いと、直線 状となってしまい、折曲げたとき、図1に示すようなプリーツ24の折り形状が 立体的でなくなり、同プリーツ24の立体的構造によるプリーツ24相互の間隔 の保持すべき障害がなくなってしまうことになる。
【0017】 又、図3及び4に示すように、隣り合うプリーツ折り線の山となる部分(環の 中心に位置する部分)と谷となる部分(環の端に位置する部分)とが出合う様に 、周期をずらして折り線を設けた場合には、山部分同志が出合う図2の場合に比 べて、折り曲げ時の歪みの発生が小さくなり好ましい。尚、図3及び4の場合、 点線部分は折り曲げ時に重なり合うため、例えば図5に示すように、ここを熱シ ールや接着剤によって接合することにより、フィルター材の形状保持性の向上を 計ることができる。この様な接合加工をすると、従来、プリーツ加工された濾材 の形状安定化のために使用されていた側板や補強用テープなどを省略することが でき、フィルタの軽量化と共に、加工コストを下げることができる。
【0018】 上記の如くして、プリーツ加工されたフィルター材21は、図1に示すように 、該フィルター材21の上流側と下流側とに連続した環状(レンズ状やひし形状 など)の面が形成された立体構造をとり、これがプリーツ24相互の密着を防ぐ 障害となり、プリーツ24相互の間隔を所定間隔に保持するようになっている。
【0019】 尚、本考案のフィルター材にあっては、気体用、液体用の何れの被処理流体に も使用することができるが、特に気体の濾過用として有用である。
【0020】
【実施例】
実施例1 ポリクラール繊維50%とポリエステル繊維50%とからなる繊維ウェブに、 エチレン−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主体とするエマルジョンを含浸し た後、乾燥して、目付70g/m2 のバインダ接着型不織布を作製する。次いで 、上記バインダ接着不織布の上に、ポリエチレン樹脂粉末10g/m2 を散布し た後、その上にメルトブロー法によってポリプロピレン微細繊維を集積し、熱圧 着することによって目付20g/m2 のメルトブロー不織布を作製し、これらメ ルトブロー不織布とバインダ接着型不織布とをラミネートした目付100g/m 2 の不織布を作製する。更にこの不織布にコロナ荷電によるエレクトレット化処 理を施し、プリーツ加工すべき不織布Xを得た。なお、この不織布Xの5%モジ ュラスは、タテ13.7kg/5cm幅、ヨコ5.7kg/5cm幅であり、剛 軟度はタテ569mgf、ヨコ226mgfであった。この不織布Xに、図2に 示す連続したひし形状の押型23によってプレスすることによって、連続したひ し形状のプリーツ折り線22を設けた。次いで、この不織布Xをこの折り線22 に沿って交互に反対方向に折り曲げていくことによりフィルター材21を得た。
【0021】 実施例2 ポリクラール繊維50%とポリエステル繊維50%とからなる繊維ウェブに、 エチレン−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主体とするエマルジョンを含浸し た後、乾燥して、目付55g/m2 のバインダ接着型不織布を作製する。次いで 、上記バインダ接着型不織布の上に、ポリエチレン樹脂粉末10g/m2 を散布 した後、その上にメルトブロー法によってポリプロピレン微細繊維を集積し、熱 圧着することによって目付25g/m2 のメルトブロー不織布を作製し、これら メルトブロー不織布とバインダ接着型不織布とをラミネートした目付90g/m 2 の不織布を作製する。更にこの不織布にコロナ荷電によるエレクトレット化処 理を施し、プリーツ加工すべき不織布Xを得た。なお、この不織布Xの5%モジ ュラスは、タテ11.8kg/5cm幅、ヨコ3.9kg/5cm幅であり、剛 軟度はタテ429mgf、ヨコ150mgfであった。 この不織布Xに実施例 1と同様なプリーツ加工を施してフィルター材21を得た。
【0022】 実施例3 ポリクラール繊維50%とポリエステル繊維50%とからなる繊維ウェブに、 エチレン−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主体とするエマルジョンを含浸し た後、乾燥して、目付100g/m2 のバインダ接着型不織布を作製する。次い で、上記バインダ接着型不織布の上に、ポリエチレン樹脂粉末10g/m2 を散 布した後、その上にメルトブロー法によってポリプロピレン微細繊維を集積し、 熱圧着することによって目付40g/m2 のメルトブロー不織布を作製し、これ らメルトブロー不織布とバインダ接着型不織布とをラミネートした目付150g /m2 の不織布を作製する。更にこの不織布にコロナ荷電によるエレクトレット 化処理を施し、プリーツ加工すべき不織布Xを得た。なお、この不織布Xの5% モジュラスは、タテ17.5kg/5cm幅、ヨコ7.5kg/5cm幅であり 、剛軟度はタテ1239mgf、ヨコ920mgfであった。 この不織布Xに実施例1と同様なプリーツ加工を施してフィルター材21を得 た。
【0023】 このようにして得られたフィルター材21にあっては、図1に示すように、プ リーツ24相互の間隔が立体的なプリーツ24の折り形状により保持されており 、同プリーツ24には角の発生がなく、シャープな折り形状のプリーツ24とな っていた。又、そのプリーツ24の折り形状は安定した状態に保持されていた。
【0024】
【考案の効果】
上記構成を備えたことにより、本考案のフィルター材にあっては、該フィルタ ー材の上流側と下流側とに連続した環状の面が形成された立体構造をとっている ことから、これがプリーツ相互の密着を防ぐ障害となり、プリーツ相互の間隔が 保持されるようになっている。このため、該フィルター材を通過する被処理流体 による圧力でプリーツ相互が密着し、フィルター機能が低下することはない。又 、このフィルター材にあっては、従来の複雑な折り線を設けて加工したり、スペ ーサーを介在させたりするなどの面倒な工程を必要とせず、単に不織布上に連続 した環状のプリーツ折り線を設けるだけで良く、極めて簡単に加工を行なうこと ができる。
【0025】 更に請求項2記載のフィルター材にあっては、5%モジュラスが20kg/5 cm幅以下であり、剛軟度が100〜1600mgfである不織布からなること から、プリーツの折り曲げ時に歪みが生じにくく、シャープなプリーツ形状を形 成することができ、かつそのプリーツ形状を安定した状態に保持することができ る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のフィルター材を示す斜視図である。
【図2】不織布にプリーツ折り線を設けている状態を示
す斜視図である。
【図3】プリーツ折り線の別例を示す平面図である。
【図4】プリーツ折り線の更に別の例を示す平面図であ
る。
【図5】接合加工したフィルター材を示す斜視図であ
る。
【図6】従来のフィルター材を示す断面図である。
【図7】従来の更に別のフィルター材を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
21・・・フィルター材 22・・・プリーツ折り線 24・・・プリーツ X ・・・不織布

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】不織布からなり、連続した環状のプリーツ
    折り線によってプリーツ加工されていることを特徴とす
    るフィルター材。
  2. 【請求項2】不織布の5%モジュラスが20kg/5c
    m幅以下であり、剛軟度が100〜1600mgfであ
    ることを特徴とする請求項1記載のフィルター材。
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