JPH0544063A - 歯車の化学研磨方法 - Google Patents
歯車の化学研磨方法Info
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- JPH0544063A JPH0544063A JP20064291A JP20064291A JPH0544063A JP H0544063 A JPH0544063 A JP H0544063A JP 20064291 A JP20064291 A JP 20064291A JP 20064291 A JP20064291 A JP 20064291A JP H0544063 A JPH0544063 A JP H0544063A
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- gear
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 歯車のOBDのばらつきが小さく精度の優れ
た化学研磨方法。 【構成】 熱処理工程後の歯車のOBD(オーバーボー
ル径)を測定し、該測定値に基づき完成品のOBD狙い
値になるように化学研磨処理時間を決定し化学研磨処理
する。歯車のOBD値と化学研磨による取り代との間に
直線関係のあることを利用して、熱処理後の歯車のOB
D値に基づき、完成品の歯車のOBD値を狙って化学研
磨処理時間が決定されるので、図1に示すように、化学
研磨処理後の完成品の歯車のOBD値のばらつきを著し
く狭くすることができ高精度の歯車の化学研磨が可能で
ある。
た化学研磨方法。 【構成】 熱処理工程後の歯車のOBD(オーバーボー
ル径)を測定し、該測定値に基づき完成品のOBD狙い
値になるように化学研磨処理時間を決定し化学研磨処理
する。歯車のOBD値と化学研磨による取り代との間に
直線関係のあることを利用して、熱処理後の歯車のOB
D値に基づき、完成品の歯車のOBD値を狙って化学研
磨処理時間が決定されるので、図1に示すように、化学
研磨処理後の完成品の歯車のOBD値のばらつきを著し
く狭くすることができ高精度の歯車の化学研磨が可能で
ある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は歯車を加工し熱処理した
後の化学研磨方法に関する。
後の化学研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】化学研磨は、金属の溶解を溶液の酸化剤
により加速し、平滑な研磨面を得る方法であって、被研
磨面に混入している種々な不純物、あるいは変質層が除
去されて、金属表面が鏡面化し平滑化されるので、機械
構造用部品にこれを施した場合、大幅に疲労強度が向上
することは良く知られている。特に、部品が浸炭焼入れ
処理を行ったものである場合には、浸炭処理時に表層部
に発生する浸炭異常層を除去する効果も作用するので、
特に顕著な疲労強度の向上が得られる。
により加速し、平滑な研磨面を得る方法であって、被研
磨面に混入している種々な不純物、あるいは変質層が除
去されて、金属表面が鏡面化し平滑化されるので、機械
構造用部品にこれを施した場合、大幅に疲労強度が向上
することは良く知られている。特に、部品が浸炭焼入れ
処理を行ったものである場合には、浸炭処理時に表層部
に発生する浸炭異常層を除去する効果も作用するので、
特に顕著な疲労強度の向上が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、機械構造用部
品の中でも、歯車のように高度の寸法精度が要求される
部品に対して、化学研磨処理を施そうとする場合、加工
工程、熱処理工程での精度のばらつきに加えて、化学研
磨処理での精度のばらつきが重畳するため、製品精度の
確保が困難となる場合が多い。従って、強度特性の大幅
な向上が確認されながら、化学研磨の工業的利用が進ん
でいないのが現状である。
品の中でも、歯車のように高度の寸法精度が要求される
部品に対して、化学研磨処理を施そうとする場合、加工
工程、熱処理工程での精度のばらつきに加えて、化学研
磨処理での精度のばらつきが重畳するため、製品精度の
確保が困難となる場合が多い。従って、強度特性の大幅
な向上が確認されながら、化学研磨の工業的利用が進ん
でいないのが現状である。
【0004】そのような精度確保の問題に対し、強度的
に最も厳しい歯元フィレット部のみを研磨するために、
歯車の各歯溝に密着嵌合する突起部を有する治具を用い
て化学研磨処理を行う方法(公開技報89−1562
8)等が提案されている。
に最も厳しい歯元フィレット部のみを研磨するために、
歯車の各歯溝に密着嵌合する突起部を有する治具を用い
て化学研磨処理を行う方法(公開技報89−1562
8)等が提案されている。
【0005】しかし、そのような方法では、治具の脱着
による生産性の低下が生じると同時に、極めて狭い空隙
部に化学研磨液を供給する必要があるため、研磨不良が
生じ易く、設備的な工夫が必要な場合が多い。また、歯
面は化学研磨処理が施されないため、歯面強度(耐ピッ
チング性)の向上は望めず、歯元強度と同時に歯面強度
の向上が要求される歯車に対しては、適用できないとい
う問題点があった。
による生産性の低下が生じると同時に、極めて狭い空隙
部に化学研磨液を供給する必要があるため、研磨不良が
生じ易く、設備的な工夫が必要な場合が多い。また、歯
面は化学研磨処理が施されないため、歯面強度(耐ピッ
チング性)の向上は望めず、歯元強度と同時に歯面強度
の向上が要求される歯車に対しては、適用できないとい
う問題点があった。
【0006】本発明は機械構造用部品のうち歯車のよう
に高度の寸法精度を要する部品に対する化学研磨処理の
前記のごとき問題点を解決するためになされたものであ
って、特別な治具を要せず、寸法精度のばらつきを少な
くして、研磨処理のできる歯車の化学研磨方法を提供す
ることを目的とする。
に高度の寸法精度を要する部品に対する化学研磨処理の
前記のごとき問題点を解決するためになされたものであ
って、特別な治具を要せず、寸法精度のばらつきを少な
くして、研磨処理のできる歯車の化学研磨方法を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は化学研磨処
理に伴う歯車精度の変化を詳細に調査したが、その結
果、歯形誤差、歯すじ誤差、歯溝の振れ等は殆ど変化せ
ず、OBD(オーバボール径)のみが大きく変化するこ
とが明らかとなった。図2は自動車変速機に使用されて
いるはす歯歯車(モジュール1.150、圧力角22
°、ねじれ角25°、ピッチ円径34.26mm)につ
いて、化学研磨による取り代と歯車のOBDの関係を得
たものであるが、取り代の増加に伴い、大きくOBDが
減少し、かつ両者には直線関係が存在することがわか
る。
理に伴う歯車精度の変化を詳細に調査したが、その結
果、歯形誤差、歯すじ誤差、歯溝の振れ等は殆ど変化せ
ず、OBD(オーバボール径)のみが大きく変化するこ
とが明らかとなった。図2は自動車変速機に使用されて
いるはす歯歯車(モジュール1.150、圧力角22
°、ねじれ角25°、ピッチ円径34.26mm)につ
いて、化学研磨による取り代と歯車のOBDの関係を得
たものであるが、取り代の増加に伴い、大きくOBDが
減少し、かつ両者には直線関係が存在することがわか
る。
【0008】従って、化学研磨浴の状態が変化すること
による取り代のばらつきは、歯車のOBDバラツキに直
結することとなり、いかに化学研磨浴を一定の研磨速度
に保つかということが、化学研磨歯車の精度確保の一つ
のポイントとなる。そのため、分極抵抗法を用いて、研
磨速度を一定に保つ方法が提案されており(TSN90
−04392)、この方法によれば通常の方法よりは研
磨速度のばらつきが低減されるものの、前工程のOBD
のばらつき範囲に対しては、決定的な解決策とはならな
い。
による取り代のばらつきは、歯車のOBDバラツキに直
結することとなり、いかに化学研磨浴を一定の研磨速度
に保つかということが、化学研磨歯車の精度確保の一つ
のポイントとなる。そのため、分極抵抗法を用いて、研
磨速度を一定に保つ方法が提案されており(TSN90
−04392)、この方法によれば通常の方法よりは研
磨速度のばらつきが低減されるものの、前工程のOBD
のばらつき範囲に対しては、決定的な解決策とはならな
い。
【0009】そこで、図2で得られた歯車のOBDと化
学研磨による取り代との直線関係を利用して、歯車のO
BDのばらつきに対応して化学研磨による取り代を加減
すれば、歯車のOBDのばらつきを消滅させることがで
きるとの着想のもとに本発明を完成した。
学研磨による取り代との直線関係を利用して、歯車のO
BDのばらつきに対応して化学研磨による取り代を加減
すれば、歯車のOBDのばらつきを消滅させることがで
きるとの着想のもとに本発明を完成した。
【0010】本発明の歯車の化学研磨方法は、歯車の加
工工程および熱処理工程後の化学研磨方法であって、前
記熱処理工程後の歯車のOBD(オーバーボール径)を
測定し、該測定値に基づき完成品のOBD狙い値になる
ように化学研磨処理時間を決定し化学研磨処理すること
を要旨とする。
工工程および熱処理工程後の化学研磨方法であって、前
記熱処理工程後の歯車のOBD(オーバーボール径)を
測定し、該測定値に基づき完成品のOBD狙い値になる
ように化学研磨処理時間を決定し化学研磨処理すること
を要旨とする。
【0011】
【作用】図2で示したように、歯車のOBDは化学研磨
処理により直線的に減少する。従って化学研磨前(通常
熱処理工程直後)の状態で、OBDの化学研磨による減
少量分だけ歯車を大きく製作しておく必要がある。図3
は化学研磨前の歯車のOBDの狙い値dが、所定の取り
代εが得られる時間だけ化学研磨を行うことで、完成品
のOBDの狙い値Dに変化することを示している(図3
中の直線1)。
処理により直線的に減少する。従って化学研磨前(通常
熱処理工程直後)の状態で、OBDの化学研磨による減
少量分だけ歯車を大きく製作しておく必要がある。図3
は化学研磨前の歯車のOBDの狙い値dが、所定の取り
代εが得られる時間だけ化学研磨を行うことで、完成品
のOBDの狙い値Dに変化することを示している(図3
中の直線1)。
【0012】しかし、化学研磨前の歯車のOBDの狙い
値dは、加工工程、熱処理工程の工程条件によりばらつ
き、実際には一致しない。若し、そこで所定の取り代ε
が得られる標準時間だけ化学研磨を行うとすれば、前工
程のばらつきがそのまま完成品の誤差となる。例えば、
図3において、ある歯車のOBDが実際にはdより小さ
いd0という値になったとする。そこで、所定の取り代
εが得られる標準時間だけ化学研磨を行うことにより、
完全に狙いの取り代εが得られたとしても、図3の直線
2で示されるように、完成品の歯車のOBDの狙い値の
Dより小さい歯車のOBD値のD0となってしまう。
値dは、加工工程、熱処理工程の工程条件によりばらつ
き、実際には一致しない。若し、そこで所定の取り代ε
が得られる標準時間だけ化学研磨を行うとすれば、前工
程のばらつきがそのまま完成品の誤差となる。例えば、
図3において、ある歯車のOBDが実際にはdより小さ
いd0という値になったとする。そこで、所定の取り代
εが得られる標準時間だけ化学研磨を行うことにより、
完全に狙いの取り代εが得られたとしても、図3の直線
2で示されるように、完成品の歯車のOBDの狙い値の
Dより小さい歯車のOBD値のD0となってしまう。
【0013】本発明では、熱処理工程後の歯車のOBD
を測定することによって得られた測定値d0に基づい
て、次式によって化学研磨処理時間tが決定される。 t=〔(d0−D)/(ε・k)〕×t0 d0:熱処理工程直後の歯車のOBD測定値 D :完成品の歯車のOBD狙い値(中央値) ε :化学研磨の取り代狙い値 t0:標準化学研磨時間(取り代εが得られる標準時
間) k :OBDと化学研磨取り代の直線関係の傾き
を測定することによって得られた測定値d0に基づい
て、次式によって化学研磨処理時間tが決定される。 t=〔(d0−D)/(ε・k)〕×t0 d0:熱処理工程直後の歯車のOBD測定値 D :完成品の歯車のOBD狙い値(中央値) ε :化学研磨の取り代狙い値 t0:標準化学研磨時間(取り代εが得られる標準時
間) k :OBDと化学研磨取り代の直線関係の傾き
【0014】次いで、この式により決定された化学研磨
処理時間tだけ化学研磨を行うので、熱処理工程直後の
歯車のOBD測定値d0に応じた化学研磨が行われ、図
3の直線2に示すように、完成品の歯車のOBD狙い値
Dになった時点で化学研磨が終了する。そのため、完成
品の歯車はOBD狙い値Dに近い値とすることができ
る。
処理時間tだけ化学研磨を行うので、熱処理工程直後の
歯車のOBD測定値d0に応じた化学研磨が行われ、図
3の直線2に示すように、完成品の歯車のOBD狙い値
Dになった時点で化学研磨が終了する。そのため、完成
品の歯車はOBD狙い値Dに近い値とすることができ
る。
【0015】実際の操業を考えた場合、化学研磨浴の組
成はいくら精密な制御を行ったとしても、若干のばらつ
きは生じるので、完全に完成品のOBD値にすることは
不可能であるが、熱処理工程直後の歯車のOBD測定値
d0に応じて、化学研磨時間を前述のように調整するこ
とで、大幅に完成品のOBDばらつき範囲を狭めること
が可能となる。
成はいくら精密な制御を行ったとしても、若干のばらつ
きは生じるので、完全に完成品のOBD値にすることは
不可能であるが、熱処理工程直後の歯車のOBD測定値
d0に応じて、化学研磨時間を前述のように調整するこ
とで、大幅に完成品のOBDばらつき範囲を狭めること
が可能となる。
【0016】
【実施例】本発明の実施例を従来例と比較して説明し、
本発明の効果を明らかにする。図4は本実施例に用いら
れた化学研磨装置の平面図である。装置は偏平楕円状に
配置されており、中心にはエンドレスのチェイン17が
回転可能に取り付けられ、駆動モータ16により時計回
りに回転する。
本発明の効果を明らかにする。図4は本実施例に用いら
れた化学研磨装置の平面図である。装置は偏平楕円状に
配置されており、中心にはエンドレスのチェイン17が
回転可能に取り付けられ、駆動モータ16により時計回
りに回転する。
【0017】このエンドレスのチェイン17を取り囲ん
で、脱脂槽6、第1水洗槽7、第2水洗槽8、化学研磨
槽9、第3水洗槽10、酸洗槽11、第4水洗槽12、
水切防錆油槽13が順次時計回りに配置されている。各
槽の上にはチェイン17からアーム21が延びており、
このアーム21の先端には、歯車4を把持する治具5と
この治具5を昇降する図示しない昇降シリンダが取り付
けられている。
で、脱脂槽6、第1水洗槽7、第2水洗槽8、化学研磨
槽9、第3水洗槽10、酸洗槽11、第4水洗槽12、
水切防錆油槽13が順次時計回りに配置されている。各
槽の上にはチェイン17からアーム21が延びており、
このアーム21の先端には、歯車4を把持する治具5と
この治具5を昇降する図示しない昇降シリンダが取り付
けられている。
【0018】なお、浴成分および浴温については、下記
の通りである。 脱脂槽 6:NaOHを主成分とするアルカリ脱脂
液、40℃ 化学研磨槽9:HF1mol/l、H2O22mol/l
を主成分とする化学研磨液、40℃ 酸洗槽 11:HCl2%を主成分とする酸洗液、室温
の通りである。 脱脂槽 6:NaOHを主成分とするアルカリ脱脂
液、40℃ 化学研磨槽9:HF1mol/l、H2O22mol/l
を主成分とする化学研磨液、40℃ 酸洗槽 11:HCl2%を主成分とする酸洗液、室温
【0019】脱脂槽6の手前には、セッティングゾーン
19が設けられ、搬送機3により搬送された歯車4が治
具5にセットされる。セッティングゾーン19の外側に
は、OBD測定機1が配置され、セットされた歯車4は
OBD測定針18によりOBDが測定される。測定され
たOBD測定値は直ちに制御系2にメモリーされる。ま
た、水切防錆油槽13の後ろには、取り出しゾーン20
が設けられ、装置を一周して化学研磨処理の終わった歯
車4が取り出し搬送機14によって搬出ゾーン15へ取
り出される。
19が設けられ、搬送機3により搬送された歯車4が治
具5にセットされる。セッティングゾーン19の外側に
は、OBD測定機1が配置され、セットされた歯車4は
OBD測定針18によりOBDが測定される。測定され
たOBD測定値は直ちに制御系2にメモリーされる。ま
た、水切防錆油槽13の後ろには、取り出しゾーン20
が設けられ、装置を一周して化学研磨処理の終わった歯
車4が取り出し搬送機14によって搬出ゾーン15へ取
り出される。
【0020】次に、この化学研磨装置の作動について説
明すると、浸炭焼入れを施した後の歯車4をOBD測定
機1にセットすると、OBD測定針18が作動し、自動
的にOBDが測定される。測定されたOBD測定値d0
は一旦制御系2にメモリーされると同時に、歯車4は搬
送機3によってセッティングゾーン19上の治具5に取
り付けられる。チェイン17が駆動モータ16により時
計回りに回転すると共に各水槽の上で昇降シリンダが作
動するので、治具5に取り付けられた歯車4は、脱脂槽
6、第1水洗槽7、第2水洗槽8へと順次所定時間浸漬
されなが搬送され、化学研磨槽9に至る。
明すると、浸炭焼入れを施した後の歯車4をOBD測定
機1にセットすると、OBD測定針18が作動し、自動
的にOBDが測定される。測定されたOBD測定値d0
は一旦制御系2にメモリーされると同時に、歯車4は搬
送機3によってセッティングゾーン19上の治具5に取
り付けられる。チェイン17が駆動モータ16により時
計回りに回転すると共に各水槽の上で昇降シリンダが作
動するので、治具5に取り付けられた歯車4は、脱脂槽
6、第1水洗槽7、第2水洗槽8へと順次所定時間浸漬
されなが搬送され、化学研磨槽9に至る。
【0021】化学研磨槽9において昇降シリンダが作動
して歯車4が浸漬されると、制御系2のタイマが働きt
=〔(d0−D)/(ε・k)〕×t0時間経過した時に
制御系2からの信号により昇降シリンダが作動され、化
学研磨槽9から歯車4が引き上げられる。その後歯車4
は第3水洗槽10、酸洗槽11、第4水洗槽12、水切
防錆油槽13へと順次浸漬されながら搬送され、取り出
しゾーン20に至ると、取り出し搬送機14によって搬
出ゾーン15へ送られる。そして作業者によって抜き取
られ次の工程に運ばれる。
して歯車4が浸漬されると、制御系2のタイマが働きt
=〔(d0−D)/(ε・k)〕×t0時間経過した時に
制御系2からの信号により昇降シリンダが作動され、化
学研磨槽9から歯車4が引き上げられる。その後歯車4
は第3水洗槽10、酸洗槽11、第4水洗槽12、水切
防錆油槽13へと順次浸漬されながら搬送され、取り出
しゾーン20に至ると、取り出し搬送機14によって搬
出ゾーン15へ送られる。そして作業者によって抜き取
られ次の工程に運ばれる。
【0022】この実施例装置を用い、自動車変速機に使
用されているはす歯歯車(モジュール1.150、圧力
角22°、ねじれ角25°、ピッチ円径34.26m
m)について、機械加工をし、浸炭処理後に化学研磨を
施して完成品の歯車のOBDを測定し、平均値(x)と
そのばらつき(±3σ)を求めたところ、図1に示すよ
うな結果となった。なお、比較のため浸炭処理直後のO
BDの平均値とばらつき、および分極抵抗法による精密
な浴管理を行った従来法により化学研磨した場合のOB
Dの平均値とばらつきを求め、図1に併せて示した。
用されているはす歯歯車(モジュール1.150、圧力
角22°、ねじれ角25°、ピッチ円径34.26m
m)について、機械加工をし、浸炭処理後に化学研磨を
施して完成品の歯車のOBDを測定し、平均値(x)と
そのばらつき(±3σ)を求めたところ、図1に示すよ
うな結果となった。なお、比較のため浸炭処理直後のO
BDの平均値とばらつき、および分極抵抗法による精密
な浴管理を行った従来法により化学研磨した場合のOB
Dの平均値とばらつきを求め、図1に併せて示した。
【0023】図1に示したように、従来法は分極抵抗法
による精密な浴管理を行ったにもかかわらず、OBDの
ばらつき範囲は浸炭直後のOBDばらつき範囲よりも7
割程度拡がっている。これに対して本発明法は、熱処理
工程直後の歯車のOBD測定値に応じて、化学研磨時間
を調整したので、浸炭直後のOBDばらつき範囲よりも
2割程度OBDのばらつき範囲が狭くなっており、本発
明によれば化学研磨処理によりOBDのばらつきが著し
く改善されることが確認された。
による精密な浴管理を行ったにもかかわらず、OBDの
ばらつき範囲は浸炭直後のOBDばらつき範囲よりも7
割程度拡がっている。これに対して本発明法は、熱処理
工程直後の歯車のOBD測定値に応じて、化学研磨時間
を調整したので、浸炭直後のOBDばらつき範囲よりも
2割程度OBDのばらつき範囲が狭くなっており、本発
明によれば化学研磨処理によりOBDのばらつきが著し
く改善されることが確認された。
【0024】
【発明の効果】本発明の歯車の化学研磨方法は以上説明
したように、熱処理工程後の歯車のOBD(オーバーボ
ール径)を測定し、該測定値に基づき完成品のOBD狙
い値になるように化学研磨処理時間を決定し化学研磨処
理することを特徴とするものであって、歯車のOBD値
と化学研磨による取り代との間に直線関係のあることを
利用して、熱処理後の歯車のOBD値に基づき、完成品
の歯車のOBD値を狙って化学研磨処理時間が決定され
るので、化学研磨処理後の完成品の歯車のOBD値のば
らつきを著しく狭くすることができ高精度の歯車の化学
研磨が可能である。
したように、熱処理工程後の歯車のOBD(オーバーボ
ール径)を測定し、該測定値に基づき完成品のOBD狙
い値になるように化学研磨処理時間を決定し化学研磨処
理することを特徴とするものであって、歯車のOBD値
と化学研磨による取り代との間に直線関係のあることを
利用して、熱処理後の歯車のOBD値に基づき、完成品
の歯車のOBD値を狙って化学研磨処理時間が決定され
るので、化学研磨処理後の完成品の歯車のOBD値のば
らつきを著しく狭くすることができ高精度の歯車の化学
研磨が可能である。
【図1】浸炭処理後、従来法による化学研磨後および本
発明法による化学研磨後の歯車のOBDの平均値および
ばらつき範囲を示す図である。
発明法による化学研磨後の歯車のOBDの平均値および
ばらつき範囲を示す図である。
【図2】歯車のOBDと化学研磨による取り代との関係
を示す線図である。
を示す線図である。
【図3】歯車のOBD狙い値Dと取り代との関係を説明
する線図である。
する線図である。
【図4】本発明に用いられる化学研磨装置の平面図であ
る。
る。
1 OBD測定機 2 制御系 4 歯車 5 治具 6 脱脂槽 7、8、10、1
2 水洗槽 9 化学研磨槽 11 酸洗槽 16 駆動モータ 18 OBD測定
針
2 水洗槽 9 化学研磨槽 11 酸洗槽 16 駆動モータ 18 OBD測定
針
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 昌澄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 鈴木 康行 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 鈴木 憲一 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 梶野 正樹 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 清水 富美男 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 歯車の加工工程および熱処理工程後の化
学研磨方法であって、前記熱処理工程後の歯車のOBD
(オーバーボール径)を測定し、該測定値に基づき完成
品のOBD狙い値になるように化学研磨処理時間を決定
し化学研磨処理することを特徴とする歯車の化学研磨方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20064291A JPH0544063A (ja) | 1991-08-09 | 1991-08-09 | 歯車の化学研磨方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20064291A JPH0544063A (ja) | 1991-08-09 | 1991-08-09 | 歯車の化学研磨方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0544063A true JPH0544063A (ja) | 1993-02-23 |
Family
ID=16427792
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20064291A Pending JPH0544063A (ja) | 1991-08-09 | 1991-08-09 | 歯車の化学研磨方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0544063A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006046369A (ja) * | 2004-07-30 | 2006-02-16 | Toyoda Mach Works Ltd | ハーモニックドライブ装置、伝達比可変装置、及びハーモニックギヤの製造方法 |
-
1991
- 1991-08-09 JP JP20064291A patent/JPH0544063A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006046369A (ja) * | 2004-07-30 | 2006-02-16 | Toyoda Mach Works Ltd | ハーモニックドライブ装置、伝達比可変装置、及びハーモニックギヤの製造方法 |
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