JPH0543628Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、引き起こして刈り取つた縦姿勢の茎
稈を後上方に搬送して横倒し姿勢にする縦搬送装
置を設けるとともに、縦搬送装置から搬送されて
きた茎稈を横倒し姿勢のまま後上方の結束装置へ
搬送する供給搬送装置を設けてある回収装置付刈
取結束機に関する。

〔従来の技術〕

かかる回収装置付刈取結束機では、縦搬送装置
によつて搬送されてきた茎稈を供給搬送装置へ受
け渡す場合に、株元が垂れ下つて横倒し姿勢が崩
れぬように縦搬送装置の後端部から供給搬送装置
の始端部に亘つて株元払い杆を設けてあつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、この株元払い杆は、茎稈の株元に摺接
してこれを払い上げ案内するものであるため、受
け渡される茎稈に摺接抵抗を与えることになる。
そして茎稈が特に柔軟な場合には、その抵抗が茎
稈の株元を遅れさせて搬送姿勢を乱し、結束され
た茎稈束の株元が不揃いになる原因となつてい
た。

本考案は、このような実情に着目して創案され
たものであり、その目的は、縦搬送装置から供給
搬送装置への茎稈の受け渡しを円滑にし、結束不
良の発生を防止することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の特徴構成は、縦搬送装置から供給搬送
装置へ受け渡される茎稈の株元部を載せつけて係
止搬送するため、突起付きの補助搬送装置を設け
てある点にあり、その作用・効果は次の通りであ
る。

〔作用〕

つまり、縦搬送装置から搬送されてきた茎稈の
株元を、補助係止搬送装置に載せつけて係止搬送
し、供給搬送装置へ受け渡すことで、株元が垂れ
下がつたり遅れないようにするのである。

〔考案の効果〕

その結果、供給搬送装置での搬送姿勢の乱れが
改善され、結束不良の発生が減少した。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第５図及び第６図に示すように、コンバインを
ベースとした走行機体の前部に刈取前処理部Ａを
装着し、その後部に結束装置Ｂを設けると共に、
更にその後方で且つ操縦部１左側方に持上げ搬送
装置一例としての挟持搬送装置Ｃを、また、その
後方に回収部Ｄを搭載して回収装置付刈取結束機
を構成してある。

前記刈取前処理部Ａは、植立茎稈（茎稈）を引
き起こす引起し装置２、引起こされた穀稈を中心
に掻き集める一対のパツカー３，３、掻き集めら
れた穀稈を刈取る刈取装置４、及び、刈取られた
穀稈を徐々に横倒し姿勢にし乍ら後方上方へ搬送
する縦搬送装置５等から構成してある。前記縦搬
送装置５は、穀稈の穂先を係止し乍ら搬送する穂
先係止搬送装置５Ａと、株元を挟持し乍ら搬送す
る株元挟持搬送装置５Ｂとからなり、縦姿勢の穀
稈を横倒し姿勢にし乍ら上方に搬送する。搬送さ
れてきた穀稈は、第１補助搬送装置３９によつて
機体外側に設けられた供給搬送装置６へ受け渡た
される。

前記縦搬送装置５の穂先側、換言すると穂先係
止搬送装置５Ａの機体右側方には、縦廻し式の補
助穂先係止搬送装置５Ｃを設けてある。この補助
穂先係止搬送装置５Ｃは、横軸芯周りで回転する
前後一対のスプロケツト間に亘つて係止突起付チ
エーン３８を巻架して構成してある。そして、前
記縦搬送装置５で搬送される穀稈の稈身が長く、
穂先側が穂先係止搬送装置５Ａから大きくはみ出
す場合には、はみ出した部分を係止突起付チエー
ン３８の上側経路部分で係止し、縦搬送装置５の
速度に合わせて搬送していくことで、搬送穀稈が
穂先遅れの状態になるのを防止する。

前記第１補助搬送装置３９は、第２図及び第３
図に示すように縦搬送装置５の後端付近から供給
搬送装置６の始端付近に亘つて突起付きのチエー
ン３９Ａを巻架したもので、縦搬送装置５によつ
て搬送さてきた穀稈の株元を載せつけて後外側へ
係止搬送する。要するに、穀稈が縦搬送装置５か
ら供給搬送装置６へ受け渡される穀稈の株元が遅
れないようにしている。

前記供給搬送装置６は、２本の突起付ベルト６
Ａ，６Ｂを左右平行に巻架したものである。この
突起付ベルト６Ａ，６Ｂの下側経路に沿つて、突
起付チエーン４０Ａを巻架してなる第２補助搬送
装置４０を設けてあり、第１補助搬送装置３９か
ら受け渡された穀稈を挟持して後上方へ搬送す
る。

この搬送経路の終端で且つ前記結束装置Ｂの集
草空間の手前には、換言すると結束装置Ｂのパツ
カーアーム８先端軌跡の作用終端部近傍には、穀
稈の株元端を切り揃える回転カツター９を設けて
ある。

前記回転カツター９は、第４図に示すように図
上反時計廻りに回転する小径円盤形の供給刃９Ａ
と、図上時計廻りに回転する大径円盤形の切断刃
９Ｂとを一部重合状態で軸支したものであり、そ
の重合部分である切断域を供給搬送装置６の搬送
経路に臨ませてある。前記回転カツター９の株元
側には、前記切断刃９Ｂの切出し側の辺縁に沿つ
て湾曲した切り屑排出用の案内板４３を設けてあ
り、また、切断刃９Ｂの株元側の側面には、切り
屑排出用の羽根９ｂを固着してある。

供給搬送装置６の突起付ベルト６Ａ，６Ｂによ
つて横倒し姿勢で搬送されてきた穀稈の株元端が
標準設定位置より突出している場合には、その株
元を周速度の遅い供給刃９Ａで後方上方の重合部
分に送り込みながら、周速度の速い切断刃９Ｂで
切断して株元端を切り揃えていく。切り取られた
切り屑は、前記羽根９ｂの作用によつて案内板４
３のガイド面４３ａに沿つて送られ、その上端か
ら前方に放出される。

次に、前記回転カツター９と前記第１、第２補
助搬送装置３９，４０の駆動構造について説明す
る。

第３図に示したように、結束装置Ｂに連動連結
された駆動軸１０の株元側に相当する左外端部に
駆動チエーンスプロケツト１０Ａを固着し、供給
刃９Ａの軸１１Ａと切断刃９Ｂの軸１１Ｂに第
１・第２チエーンスプロケツト１２Ａ，１２Ｂを
夫々固着してある。更に、株元側の突起付ベルト
６Ｂに連動連結された軸１１Ｃの両端部に第３チ
エーンスプロケツト１２Ｃ及び第４チエーンスプ
ロケツト１２Ｄを固着してある。そして、前記駆
動チエーンスプロケツト１０Ａ及び第１・第３チ
エーンスプロケツト１２Ａ，１２Ｃに亘てチエー
ン１３Ａを巻回し、かつ、第４・第２チエーンス
プロケツト１２Ｄ，１２Ｂに亘つてチエーン１３
Ｂを巻回して、駆動軸１０から伝達される回転動
力を供給刃９Ａ、切断刃９Ｂ、突起付ベルト６Ｂ
に夫々分岐伝達するようにしてある。尚、株元側
の突起付ベルト６Ｂに伝達された動力は、下部の
連結軸１１Ｄを介して穂先側の突起付ベルト６Ａ
へ伝達されるようになつている。

また、前記結束装置Ｂの駆動軸１０の突起付ベ
ルト６Ａ，６Ｂ間に固着された第５チエーンスプ
ロケツト１２Ｅと、供給刃９Ａの軸１１Ａに固着
された第６チエーンスプロケツト１２Ｆと、その
前方に軸支された第７チエーンスプロケツト１２
Ｇに亘つて第２補助搬送装置４０の突起付チエー
ン４０Ａを巻架するとともに、第７チエーンスプ
ロケツト１２Ｇの軸１１Ｅに伝動軸１１Ｆをベベ
ルギヤ連結し、この伝動軸１１Ｆに固着された第
８チエーンスプロケツト１２Ｈと縦搬送装置５の
後端付近に軸支された第９チエーンスプロケツト
１２Ｉとに亘つて前記第１補助搬送装置３９の突
起付チエーン３９Ａを巻架してある。

第１図及び第２図に示すように、前記突起付ベ
ルト６Ａ，６Ｂの終端後方には結束装置Ｂを配置
してあり、送られてきた横倒し姿勢の穀稈を前記
パツカーアーム８で掻き込んで集束すると同時に
結束し、その穀稈束を放出具１４を使つて後方に
突出する。尚、４１は、掻き集められた穀稈を軽
く弾性付勢し、結束の際の株元端のずれを防止す
る板バネである。

前記放出具１４は、左右の横軸芯P₂周りで回
転する羽根状のものであり、その作用部を前記挟
持搬送装置Ｃの穀稈供給口１５に臨ませてある。

前記挟持搬送装置Ｃは、上方高く且つ後方へや
や傾いた姿勢でチエーンケース１６を設け、該チ
エーンケース１６内に軸支された下端の駆動スプ
ロケツト１７と上端の従動スプロケツト１８とに
亘つて突起付チエーン１９を巻架すると共に、該
チエーンケース１６から前側に露出された突起付
チエーン１９に沿つて挟持レール２０を設けて構
成してある。また、前記従動スプロケツト１８の
軸２１をチエーンケース１６外に延長し、その穂
先側の端部に穀稈掻上げ放出用の回転具２２を取
付けると共に、株元側には前記軸２１と一体的に
回転駆動される大径の回転軸２３を嵌着してあ
る。更に、前記挟持搬送装置Ｃの上端後方、換言
すると終端後方に、該装置Ｃから放出された穀稈
束を横倒し姿勢で一旦受け止め、その後に回収部
Ｄへ一気に放出する受止め部Ｅを設けてある。

前記挟持搬送装置Ｃの下部には、カウンター３
５を設けてあり、該カウンター３５のセンサーリ
ンクＳを搬送経路Ｒの上手側に臨ませて、搬送さ
れてきた穀稈束に接触するようにしてある。ま
た、前記カウンター３５の検出信号を受信して異
計する演算装置（図示せず）を操縦部１に設ける
と共に、その結果を数値で表示する表示装置３６
を操縦部１の操縦パネル１ａに設け、回収部Ｄに
搬送されてくる穀稈束を逐次カウントできるよう
にしてある。更に、前記操縦パネル１ａには、表
示装置３６の他に、演算装置をリセツトして表示
装置３６の数値を０に戻すリセツトボタン３７
と、表示装置３６の数値が設定値と一致したとき
に鳴り出すブザーBZを設けてある。従つて、回
収部Ｄ上の穀稈束を放出する毎にリセツトボタン
３７を押して数値を０にしておけば、常に回収部
Ｄ上に積載される回収穀稈束の数量が所定量に達
したごとにブザーBZを鳴らすとかでき、放出時
の穀稈束の数量を一定にすることができる。

前記穀稈供給口１５へ供給された穀稈束は、突
起付チエーン１９と挟持レール２０に株元を挟持
され乍ら、且つ、係止搬送装置４２によつて穂先
を係止され乍ら横倒し姿勢で上方後方に搬送さ
れ、その終端に達すると回転具２２と回転軸２３
を乗り越えて一旦前記受止め部Ｅに落下して横倒
し姿勢になつた後、下方の回収部Ｄへ落下放出さ
れる。尚、前記回転具２２は、穀稈束が挟持搬送
装置Ｃの終端に到達した際に垂れ下がつてた穂先
を掻き上げて穀稈束の放出姿勢を整え、受止め部
Ｅに落下した穀稈束の横倒し姿勢が乱れないよう
にするためのものである。また、穀稈束が受止め
部Ｅに落下した時点で穀稈束からばらけた数本の
穀稈が搬送経路に残つて後続の穀稈束に引つ掛か
つていると、穀稈束を受止め部Ｅから落下放出す
る際に放出姿勢を大きく乱す原因となる。そのた
め、回転軸２３を株元側に設けることで、穀稈束
を受止め部Ｅに落下放出される際にばらけた穀稈
を回転軸２３上に引つ掛け、摩擦を介して伝わる
回転軸２３の回転力と穀稈束の重量及び弾性復元
力で上方へ引つ張つて搬送経路から抜け出るのを
補助し、後続の穀稈束に引つ掛かるのを防止して
いる。

前記受止め部Ｅは、挟持搬送装置Ｃの終端後方
に左右横軸芯周りで上下揺動自在に受止め部材と
しての受止め板２４を備え、該受止め板２４をロ
ツク装置２９によつて水平姿勢に固定して挟持搬
送装置Ｃから落下放出された穀稈束を受止め可能
な受止め姿勢と、ロツク装置２９を解除して受止
め板２４の上下揺動が可能な状態、換言すると穀
稈束の重さで受止め板２４が下揺動して穀稈束の
落下放出が可能な放出姿勢とに自然に切換わるよ
うになつている。前記ロツク装置２９について詳
述すると、チエーンケース１６の側壁にＬ字形リ
ンク２５を回動自在に枢着し、その一片の先端に
ロツド２６を枢支連結すると共に、他片の先端に
当りピン２５ａを形成し、受止め板２４と一体的
に揺動する円弧状リンク２７の先端部分に接当さ
せてある。また、Ｌ字形リンク２５より下方に位
置する側壁にロツク装置２９を解除する操作具で
ある第１接触リンク２８を上下揺動可能に枢着
し、その先端を挟持搬送装置Ｃの搬送経路Ｒ中に
突出させると共に、前記ロツド２６の下端を枢支
連結してある。

尚、第１図中３０は、Ｌ字形リンク２５と第１
接触リンク２８を初期状態に戻し、ロツク装置２
９をロツク付勢可能な状態にするためのスプリン
グである。

前記受止め板２４を上揺動させて受止め姿勢に
復帰作動させる復帰機構３１について説明する
と、チエーンケース１６の側壁上部に復帰操作具
としての第２接触リンク３２を回動自在に枢着
し、その一端を第１接触リンク２８の搬送下手側
箇所に位置する挟持搬送装置Ｃの搬送経路Ｒ中に
突出させると共に、他端と前記円弧状リンク２７
とを小ロツド３３を介して連結してある。

次に、上記の構成に基づいて受止め部Ｅの動作
を具体的に説明する。

水平姿勢に固定された受止め板２４上に穀稈束
が受止められている状態において、後続の穀稈束
が挟持搬送装置Ｃの経路Ｒ中で第１接触リンク２
８に接触すると、第１接触リンク２８の上への揺
動に連動してＬ字形リンク２５が回動すると共
に、当りピン２５ａと円弧状リンク２７の接当が
解除され、換言するとロツク装置２９が解除され
て受止め板２４が上下揺動自在になる。そして、
穀稈束の重みで受止め板２４は下揺動して放出姿
勢となり、穀稈束は横倒し姿勢のまま回収部Ｄ上
に落下放出される。この直後、Ｌ字形リンク２５
と第１接触リンク２８はスプリング３０によつて
初期状態に押し戻されるが、受止め板２４は放出
姿勢のままである。次いで、経路Ｒ中にある前記
後続の穀稈束が第２接触リンク３２に接触する
と、該リンク３２の上への揺動に連動して小ロツ
ド３３が下方へ押し操作されると共に円弧状リン
ク２７が下揺動する。そして、円弧状リンク２７
の下揺動に伴つて受止め板２４が上揺動し、受止
め姿勢に復帰作動すると同時に当りピン２５ａと
円弧状リンク２７が接当状態となり、受止め板２
４は固定状態となる。

前記回収部Ｄは、積載された横倒し姿勢の穀稈
束をまとめて地上に降ろせるように後端の軸芯
P₃周りでダンプ可能に構成してある。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る回収装置付刈取結束機の実
施例を示し、第１図は供給搬送装置と結束装置と
持上げ搬送装置の側面図、第２図は同正面図、第
３図は補助搬送装置と供給搬送装置の一部縦断正
面図、第４図は第２補助搬送装置と回転カツター
の側面図、第５図は刈取結束機の全体側面図、第
６図はその平面図である。 ５……縦搬送装置、６……供給搬送装置、３９
……補助搬送装置、Ｂ……結束装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 引き起こして刈り取つた縦姿勢の茎稈を後上方
   に搬送して横倒し姿勢にする縦搬送装置５を設け
   るとともに、縦搬送装置５から搬送されてきた茎
   稈を横倒し姿勢のまま後上方の結束装置Ｂへ搬送
   する供給搬送装置６を設けてある回収装置付刈取
   結束機であつて、前記縦搬送装置５から供給搬送
   装置６へ受け渡される茎稈の株元部を載せつけて
   係止搬送するため、突起付きの補助搬送装置３９
   を設けてある回収装置付刈取結束機。