JPH0543607B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は対向して設けた２枚のベルトにより被
搬送物を挾持して搬送することが出来るコンベア
装置に関するものである。

＜従来の技術＞ 今日、対向して設けた２枚のベルトにより被搬
送物を挾持して搬送することが出来るコンベア装
置が種々開発されているが、その中で特公昭56−
3288号公報に示される技術は、粉体、粒体、塊状
体或いは流体等の被搬送物を垂直を含む傾斜搬送
を行うことが出来るコンベア装置として知られて
いる。

同公報に示される技術は、支持ベルトとカバー
ベルトとを対向して設けると共に、これ等のベル
トに長手方向の張力を付与し、この張力の作用に
よつて被搬送物を前記ベルト間に挾持して搬送す
るものである。

また前記技術に於ける被搬送物のコンベア装置
に対する供給は、支持ベルトとカバーベルトの間
に被搬送物の受け入れ開口を形成すると共に、該
開口よりも上流側の支持ベルトにホツパーを設
け、該ホツパーに収容された被搬送物を支持ベル
トに定量供給することによつて行うものである。

従つて、被搬送物はホツパーから定量供給され
ることにより、支持ベルト上に略一定の巾と高さ
とを持つた連続帯状に載置されて前記開口まで搬
送される。そして該開口に於いてカバーベルトと
支持ベルトとの間で挾持されて搬送されるもので
ある。

＜発明が解決しようとする課題＞ 上記コンベア装置に於いて、被搬送物がホツパ
ーから移送中の支持ベルトに対し連続的に定量供
給され、これにより該支持ベルト上に連続帯状に
載置された形態を維持して開口まで搬送された場
合、該開口に於いて支持ベルトとカバーベルトと
に挾持される際に、被搬送物がカバーベルトによ
り押圧されて荷崩れを起こし、このため被搬送物
がベルトの巾方向に広がつてしまうことがある。

また前記ホツパーの支持ベルトに対する取り付
け位置は個々のコンベア装置によつて異なつてい
る。これは被搬送物の形態或いはコンベア装置を
設置すべき環境条件等によつて定まるものであ
る。このためホツパーから受け入れ開口までの距
離が大きいと、支持ベルトによる搬送中に被搬送
物が荷崩れを起こしてベルトの巾方向に広がるこ
とがある。

前記したように被搬送物がベルトの巾方向に広
がつた場合には、コンベア装置の湾曲部或いは垂
直搬送部に於いて支持ベルト及びカバーベルトに
よる被搬送物の挾持姿勢が変化するために、これ
等のベルトの巾方向端部に於ける重合部から被搬
送物が漏洩する虞がある。

そこで本発明の目的は、支持ベルトに載置され
た被搬送物の巾を規制して開口に供給することに
より、ベルトの重合部から被搬送物が漏洩するこ
との無いコンベア装置を提供することにある。

＜課題を解決するための手段＞ 上記課題を解決するために本発明のコンベア装
置は、対向して設けた２枚のベルトによつて被搬
送物を挾持して搬送することか出来るコンベア装
置に於いて、前記２枚のベルトの間に被搬送物を
受け入れるための開口を形成し、前記開口に前記
２枚のベルトの内の一方のベルトに載置された被
搬送物の巾を規制するための規制手段を設けて構
成されるものである。

＜作用＞ 上記手段によれば、対向して設けた２枚のベル
トの間に被搬送物を受け入れるための開口を形成
すると共に、該開口に前記２枚のベルトの内一方
のベルトに載置された被搬送物の巾を規制するた
めの規制手段を設けたので、前記ベルトに供給さ
れた被搬送物をベルトの中央に集積することが出
来る。これにより、前記開口に於いて２枚のベル
トによつて被搬送物が押圧されて荷崩れしても、
その広がり巾を規制することが出来、従つて２枚
のベルトの重合部からの被搬送物の漏洩を防止す
ることが出来る。

＜実施例＞ 以下上記手段を適用したコンベア装置の一実施
例を図によつて説明する。

第１図はコンベア装置の全体説明図、第２図Ａ
〜Ｃは支持ローラの説明図、第３図は規制手段の
側面説明図、第４図はその平面説明図である。

第１図に示されるコンベア装置は、粉炭や穀物
粉等の粉体、塩や砂糖或いは砂等の粒体、石炭や
石灰石等の塊状体或いは泥水等の流体等の被搬送
物を低い位置から高い位置へと垂直搬送するため
のコンベア装置にかかるものである。

前記コンベア装置は無端ベルトで構成された支
持ベルト１とカバーベルト２とが互いに重合し得
るように対向配置され、これ等のベルト１，２が
重合する位置に被搬送物を受け入れるための開口
３が形成されている。この開口３は被搬送物の受
け入れを円滑に行うことが出来るように、直進す
る支持ベルト１に、カバーベルト２を楔状に導入
して形成されている。

前記支持ベルト１は、高い位置に設けられた駆
動ローラ１ａと、低い位置に設けられたテールロ
ーラ１ｂと、リターンローラ１ｃ，１ｄとの間に
巻回されて、搬送及びリターンが出来るように構
成されている。またカバーベルト２は高い位置に
設けられたヘツドローラ２ａと、低い位置に設け
られたテールローラ２ｂと、リターンローラ２
ｃ，２ｄとの間に巻回されて、前記支持ベルト１
と共に移送され、且つリターンすることが出来る
ように構成されている。尚、本実施例に於いてカ
バーベルト２は支持ベルト１と接触して、その接
触摩擦により従動し得るように構成されている。

前記支持ベルト１及びカバーベルト２には、前
述した各ローラへの巻回経路中に設けた張力付与
機構４ａ，４ｂによつて該ベルト１，２の長手方
向への張力が付与されており、該張力の付与によ
りこれ等のベルト１，２を互いに密接して被搬送
物を挾持し得るものである。

また前記コンベア装置は、支持ベルト１の低い
位置に設けられたテールローラ１ｂから開口３ま
での水平搬送部５ａと、この水平搬送部５ａに連
続して形成された第１湾曲部５ｂと、この第１湾
曲部５ｂに続く垂直搬送部５ｃと、更にこの垂直
搬送部５ｃと連続した第２湾曲部５ｄと、この第
２湾曲部５ｄに続く水平搬送部５ｅとから構成さ
れている。

そして前記水平搬送部５ａと第１湾曲部５ｂと
の接続位置に開口３が形成され、また第２湾曲部
５ｄと水平搬送部５ｅとの接続位置に開放部６が
形成されている。このように水平搬送部５ａと、
水平搬送部５ｅとに於いては第２図Ａに示すよう
に支持ベルト１のみにより被搬送物を搬送し、第
１湾曲部５ｂに於いては第２図Ｂに示すように、
支持ベルト１とカバーベルト２とが協働して、更
に第２湾曲部５ｄに於いては第２図Ｃに示すよう
に支持ベルト１とカバーベルト２とが協働して搬
送を行うものである。

また前記水平搬送部５ａ、第１湾曲部５ｂ、第
２湾曲部５ｄ及び水平搬送部５ｅには、第２図Ａ
〜Ｃに示すように構成した複数の支持ローラ７が
配置されている。

前記支持ローラ７は、支持ベルト１に載置され
た被搬送物が落下することの無いように、前記ベ
ルト１を図に示すような凹状に形成するためのも
のである。このため支持ローラ７は、水平状に設
けたローラ７ａと、該ローラ７ａに対し所定のト
ラフ角θを持つて設けられた２本のローラ７ｂ，
７ｃとにより構成されている。そして前記各ロー
ラ７ａ〜７ｃは、フレーム７ｄに固着したブラケ
ツト７ｅに回動自在に支承されて構成されてい
る。

前記の如く構成された支持ローラ７は、図に示
すように水平搬送部５ａ，５ｅ及び第２湾曲部５
ｄに於いては支持ベルト１にかかる荷重を支持す
るために、該ベルト１側に配置され、また第１湾
曲部５ｂに於いてはカバーベルト２にかかる荷重
を支持するために該ベルト２側に配置されてい
る。

また前記水平搬送部５ａであつて開口３の上流
側所定位置には公知のホツパー８が設けられてい
る。

前記ホツパー８には図示しないコンベア或いは
バケツトクレーン等により、被搬送物が供給され
て収容されている。そしてホツパー８内に収容さ
れた被搬送物は、該ホツパー８に形成したゲート
から該ゲートの形状に応じて支持ベルト１上に定
量供給されるものである。

また前記開口３には規制手段９となる一対の規
制板９ａが、支持ベルト１の両側に設けられてい
る。

前記規制板９ａは、開口３の受け入れ巾を規制
するためのものであり、支持ベルト１に載置され
て搬送される被搬送物の巾を規制することによ
り、被搬送物を該ベルト１の中央に集積するため
のものである。このように支持ベルト１によつて
搬送される被搬送物の巾を狭くすることにより、
開口３に於いて被搬送物が支持ベルト１と、カバ
ーベルト２とにより挾持される際に発生する荷崩
れの巾を規制するものである。

前記したように規制板９ａは、支持ベルト１に
載置されて搬送される被搬送物の巾を規制するこ
とにより、開口３の受け入れ巾を規制するもので
ある。このため規制板９ａは、第３図及び第４図
に示すように受け入れ部９ｂと、この受け入れ部
９ｂから徐々に巾を狭めつつ形成された供給部９
ｃとから構成されると共に、前記各部９ｂ，９ｃ
の巾を調整可能に構成されている。

即ち、規制板９ａの外側には夫々２本のネジ棒
９ｄが回動自在に取り付けられている。またコン
ベアフレーム１０には、前記ネジ棒９ｄに対応し
たブラケツト１０ａが固着されており、該ブラケ
ツト１０ａには、前記ネジ棒９ｄを螺合するため
の雌ネジ１０ｂが設けられている。また前記ネジ
棒９ｄの先端にはハンドル９ｅが固着されてお
り、該ハンドル９ｅを回転することにより、規制
板９ａを支持ベルト１の巾方向任意の位置に調整
することが出来る。

また前記規制板９ａは常に支持ベルト１によつ
て搬送される被搬送物と接触するため、該規制板
９ａの接触表面が磨耗し易い。このため、規制板
９ａは金属材料により製作されている。

また支持ベルト１によつて搬送される被搬送物
の全てを規制板９ａによつて支持ベルト１の中央
に集積して開口３に供給し得ることが好ましい。
即ち、支持ベルト１の表面近傍にある被搬送物が
規制板９ａをすり抜けて開口３に供給されること
は２枚のベルトの重合部からの漏洩を防止する上
で好ましいことではない。

従つて、規制板９ａの端部を各ベルト１，２と
直接接触させることが望ましい。然し、金属材料
からなる規制板９ａの端部を直接支持ベルト１或
いはカバーベルト２に接触させた場合、これ等の
ベルト１，２の表面に損傷を与え、甚だしい場合
にはベルト１，２を切断する虞がある。

このため、規制板９ａの各ベルト１，２と対向
する端部をこれ等のベルト１，２から離隔させる
ことでこれ等の間に間〓を形成し、且つ前記間〓
を遮蔽するためにゴム或いはプラスチツク製の可
撓性を有するスカート９ｆを形成している。

前記スカート９ｆを形成するための構造は特に
限定するものではなく、例えば規制板９ａの端部
と各ベルト１，２との間に形成された間〓を遮蔽
し得る寸法を持つたゴム或いはプラスチツクの帯
板を形成し、この帯板を規制板９ａの各ベルトと
対向する端部にボルト、ナツト等により固着する
ことで、スカート９ｆを形成することが可能であ
る。またコンベアフレーム１０に図示しないステ
ーを設け、このステーの先端に前記帯板を取り付
けることでスカート９ｆを形成することも可能で
ある。

本実施例では規制板９ａの端部にゴム製の帯板
を固着し、該帯板によつてスカート９ｆを形成し
ている。

以上のように構成された本実施例のコンベア装
置による被搬送物の搬送について説明すると、先
ずコンベア装置の運転開始に先立ち、搬送される
被搬送物の種類に応じて、即ち、被搬送物が粉
体、粒体、塊状体或いは流体であるかによつて、
また被搬送物の物性に応じて予め設定された位置
に規制板９ａを移動する。この移動は前記ハンド
ル９ｅを回転することにより行うことが出来る。

次にコンベア装置の水平搬送部５ａに設けたホ
ツパー８から被搬送物を連続的に供給する。この
被搬送物は前記ホツパー８に形成されたゲートの
形状に応じた巾と高さとを持つて、矢印ａ方向へ
移送される支持ベルト１に供給されることによ
り、該ベルト１上に連続帯状に載置される。この
帯状に載置された被搬送物は、規制板９ａの受け
入れ部９ｂに至つて上層の部分が規制板９ａと接
触すると共に下層の部分がスカート９ｆと接触
し、これ等の部材９ａ，９ｆの形状に従つて支持
ベルト１の中央に集積され、これに伴い高さ方向
へも集積される。

このとき、規制板９ａの端部と支持ベルト１の
間に形成された間〓をスカート９ｆによつて遮蔽
するため、支持ベルト１の表面近傍にある被搬送
物、即ち、下層部分にある被搬送物がスカート９
ｆによつて掃くようにして集積されることで、支
持ベルト１上に載置された全ての被搬送物が集積
される。従つて、被搬送物の集積漏れを防止する
ことが可能である。

次に支持ベルト１の中央に集積された被搬送物
は、規制板９ａの供給部９ｃから開口３に供給さ
れる。前記支持ベルト１の中央に集積された被搬
送物は、支持ベルト１に従動して矢印ａ方向に移
送されるカバーベルト２によつて押圧され、互い
に密着されると共に荷崩れを発生し、ベルトの巾
方向に広がる。しかし、その広がり巾は規制板９
ａによりベルトの中央付近までに規制され、それ
以上広がることは無い。

被搬送物は前記開口３に於いてカバーベルト２
と支持ベルト１との間で挾持され、第１湾曲部５
ｂへと搬送され、続いて垂直搬送部５ｃ、第２湾
曲部５ｄを経て水平搬送部５ｅに於いて支持ベル
ト１により水平搬送されるものである。

前記搬送経路に於いて、支持ベルト１とカバー
ベルト２とにより挾持された被搬送物は、規制板
９ａにより開口３での荷崩れ巾を規制されるた
め、ベルトの巾方向端部にまで広がることが無
く、従つて該ベルト１，２の重合部から外部に漏
洩することが無い。

前述の実施例に於いて、規制手段９を開口３に
設けたが、ホツパー８と開口３との距離が小さい
場合には規制板９ａをホツパー８に近接して設け
ることも可能である。

＜発明の効果＞ 以上詳細に説明したように本発明のコンベア装
置は、対向して設けた２枚のベルトの間に被搬送
物を受け入れるための開口を形成すると共に、該
開口に前記２枚のベルトの内一方のベルトに載置
された被搬送物の幅を規制するための規制板を設
け、更に、前記規制板の端部とベルトの表面との
間に可撓性を有するスカートを設けたので、前記
ベルトに供給された被搬送物の全てを該ベルトの
中央に集積することが出来る。このため、集積さ
れた被搬送物が２枚のベルトに押圧されて荷崩れ
しても、その広がり幅を規制することが出来る。
従つて、被搬送物の物性に応じて規制板の幅を適
宜調整することで荷崩れ幅を調整することが可能
となり、２枚のベルトの重合部からの被搬送物の
漏洩を防止することが出来る。

またスカートが可撓性を有するため、常にベル
トと接触しても該ベルトに損傷を与えることがな
く、且つベルトの表面を掃くようにして被搬送物
を集積することが出来る等の特徴を有するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図はコンベア装置の説明図、第２図Ａ〜Ｃ
は２枚のベルトによる被搬送物の挾持状態及び支
持ローラの説明図、第３図は規制手段の側面説明
図、第４図はその平面説明図である。 １は支持ベルト、１ａは駆動ローラ、１ｂ，２
ｂはテールローラ、２はカバーベルト、２ａはヘ
ツドローラ、３は開口、４ａ，４ｂは張力付与機
構、５ａ，５ｅは水平搬送部、５ｂは第１湾曲
部、５ｃは垂直搬送部、５ｄは第２湾曲部、６は
開放部、７は支持ローラ、７ａ〜７ｃはローラ、
８はホツパー、９は規制手段、９ａは規制板、９
ｄはネジ棒、９ｅはハンドル、９ｆはスカート、
１０はコンベアフレーム、１０ｂは雌ネジであ
る。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 対向して設けた２枚のベルトによつて被搬送
   物を挟持して搬送することが出来るコンベア装置
   に於いて、前記２枚のベルトの間に被搬送物を受
   け入れるための開口を形成し、前記開口に前記２
   枚のベルトの内の一方のベルトに載置された被搬
   送物の幅を規制するための規制板を設けると共
   に、前記規制板の端部とベルトの表面との間に可
   撓性を有するスカートを設けたことを特徴とした
   コンベア装置。 ２ 前記規制板の被搬送物を載置する一方のベル
   トの幅方向に対する位置を調整可能に構成したこ
   とを特徴とした請求項１記載のコンベア装置。