JPH0543548A - N−(3−ピリジルアルケニル)スルホンアミド誘導体およびこれを含有する医薬製剤 - Google Patents

N−(3−ピリジルアルケニル)スルホンアミド誘導体およびこれを含有する医薬製剤

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JPH0543548A
JPH0543548A JP20779691A JP20779691A JPH0543548A JP H0543548 A JPH0543548 A JP H0543548A JP 20779691 A JP20779691 A JP 20779691A JP 20779691 A JP20779691 A JP 20779691A JP H0543548 A JPH0543548 A JP H0543548A
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JP
Japan
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pyridylalkenyl
sulfonamide derivative
formula
pyridyl
thromboxane
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Application number
JP20779691A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Onishi
浩之 大西
Masayuki Fujitake
真之 藤嶽
Naoya Mikami
直哉 三上
Harue Akasofu
春恵 赤祖父
Nobuyuki Nakada
信行 中田
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】下記の化学構造式 【化14】 [Xは水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、シア
ノ基、低級アルキル基、低級アルキルオキシ基を示し、
Zは水素、低級アルキル基または低級アルキルオキシカ
ルボニル基を示し、Rは−O(CH2nCO21,−C
3=CR2−CO21,−(CH2n−CO2
1(R1,R2,R3は水素または低級アルキル基を示し、
nは0〜4の整数)であり、mは0〜4の整数]で示さ
れるN−(3−ピリジルアルケニルスルホンアミド誘導
体および薬学的に許容し得るその塩。 【効果】本発明にかかる化合物は、トロンボキサンA2
およびプロスタグランディンH2拮抗作用並びにトロン
ボキサンA2合成阻害作用を有するため、抗血栓剤およ
び抗アレルギー剤として有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なN−(3−ピリジ
ルアルケニル)スルホンアミド誘導体または薬学的に許
容しうるその塩およびそれを含有する抗血栓剤および抗
アレルギー剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】心筋梗塞や脳梗塞とい
った血栓症は、近年増加の一途をたどっており、これを
有効に予防する抗血栓薬の出現が強く望まれている。こ
れらの疾患の原因としては、血小板等の細胞より生じる
強力な血小板凝集物質であるトロンボキサンA2(TX
2)が重要な働きをしており、この作用を阻害するこ
とが血栓形成を阻止する上での有効な手段であることが
知られている。
【0003】また、アレルギーや喘息にも、TXA2
ロイコトリエンD4(LTD4)などのケミカルメディエ
ーターが平滑筋収縮物質として関与しており、TXA2
の作用を抑えることが遅発性喘息治療に有効な手段の一
つである。
【0004】このような観点から、TXA2の生成を阻
害する合成阻害剤やTXA2拮抗剤等がすでに知られて
いるが、いずれも問題点を含んでいる。例えばダゾキシ
ベン(Dazoxiben)、オザグレール(Ozag
rel)等の生合成阻害剤は、トロンボキサン合成酵素
を阻害するため、逆にこの酵素の基質であるプロスタグ
ランディンH2(PGH2)を蓄積することになる。PG
2自身もTXA2と同様に血小板凝集作用や平滑筋収縮
作用をもち、さらにPGH2から生成されるPGE2等の
プロスタグランディンも同様の作用をもっている。従っ
て、TXA2の生成を阻害したにもかかわらず、これに
代わる凝集物質や収縮物質を生み出すことになり、この
ことが、実際の薬剤の効果を半減させてしまうことにな
っている。一方、S−145やダルトロバン(Dalt
roban)等のTXA2拮抗薬はTXA2リセプターに
拮抗するため、TXA2の生成量が少ない場合にはこれ
に拮抗して有効な阻害作用を示すが、TXA2の生成が
過剰になってくると、その有効性は減少する。
【0005】従って、このような場合には、TXA2
生成そのものを阻害することが必要となってくる。
【0006】また、TXA2拮抗薬は、抗血栓性を示す
プロスタグランディンであるPGI2の生成には関与し
ていない。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】本発明者等は、多
くの新規なN−(3−ピリジルアルケニル)スルホンア
ミド誘導体を合成しそれらの薬理活性を鋭意研究した結
果、驚くべきことに特定の誘導体が、TXA2合成阻害
作用とともにTXA2拮抗作用を有することを見いだ
し、このことにより、上述した合成阻害剤や拮抗剤がも
つ問題点を解決できることがわかった。
【0008】本発明は、新規で有用なN−(3−ピリジ
ルアルケニル)スルホンアミド誘導体を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的に沿う本発明
は、下記に示す化2
【化2】 [式I中、Xは水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原
子、ニトロ基、シアノ基、低級アルキル基、または低級
アルキルオキシ基を示し、Rは式−O(CH2nCO2
1、−CR3=CR2−CO21、または−(CH2n
−CO21(ただし、R1、R2、R3は水素または低級
アルキル基を示し、nは0から4の整数である)を示
し、Zは水素、低級アルキル基または低級アルキルオキ
シカルボニル基を示し、mは0から4の整数である]で
示されるN−(3−ピリジルアルケニル)スルホンアミ
ド誘導体である。
【0010】また、本発明は、前記化2で示されるN−
(3−ピリジルアルケニル)スルホンアミド誘導体を含
有するトロンボキサンA2拮抗剤である。
【0011】また、本発明は、前記化2で示されるN−
(3−ピリジルアルケニル)スルホンアミド誘導体を含
有するトロンボキサンA2合成阻害剤である。
【0012】本発明はさらに、前記化2で示されるN−
(3−ピリジルアルケニル)スルホンアミド誘導体を含
有するプロスタグランディンH2拮抗剤である。
【0013】さらに本発明は、前記化2で示されるN−
(3−ピリジルアルケニル)スルホンアミド誘導体を含
有する抗血栓剤である。
【0014】また本発明は、前記化2で示されるN−
(3−ピリジルアルケニル)スルホンアミド誘導体を含
有する抗アレルギー剤である。
【0015】本化合物は、トロンボキサン合成阻害作用
をもつため、TXA2の産生抑制とともに前述したPG
2の産生を増大させる。しかしながら本化合物はTX
2拮抗作用も併せもつため、PGH2の作用をリセプタ
ー部位においてTXA2と同様に阻害する。従って、本
化合物は有効な抗血栓剤および抗アレルギー剤となりう
る。さらに血小板内等に蓄積したPGH2は血管壁にお
いてPGI2に変換され、これが血栓形成を阻害するこ
とがわかっているため、本化合物はより有効な予防薬と
なりうる。
【0016】上記式中Xの定義において、ハロゲン原子
の例としてはフッ素、塩素、臭素が挙げられ、低級アル
キル、低級アルキルオキシ、低級アルキルオキシカルボ
ニルのアルキル部分としては、メチル、エチル、n−プ
ロピル、iso−プロピル、シクロプロピル、ブチル、
iso−ブチル、tert−ブチルのような炭素原子1
から4個を有する直鎖状、環状または分枝鎖状のアルキ
ル基が好適である。
【0017】本発明の化合物は、場合によっては薬学的
に許容し得る塩として使用してもよく、そのような塩と
しては、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金
属塩や塩酸塩などが挙げられる。
【0018】本発明のN−(3−ピリジルアルケニル)
スルホンアミド誘導体は下記に示す化3
【化3】 (式中、R4は前述のRと同じか、または保護されたヒ
ドロキシ基もしくは保護されたアルデヒド基を示し、m
およびZは前述したものと同一である)で示されるN−
(3−ピリジルアルケニル)アミン誘導体と、下記に示
す化4
【化4】 (式中、Xは前述したものと同一である)で示されるベ
ンゼンスルホニルクロリド誘導体を適当な塩基(例えば
トリエチルアミン)の存在下で反応させ、必要により得
られた生成物を加水分解することによって得られる。R
4が保護されたヒドロキシ基または保護されたアルデヒ
ド基のときは、脱保護反応を行ったのち、R(前述した
ものと同一である)へ変換し、必要により得られた生成
物を加水分解することによって得られる。保護されたヒ
ドロキシ基とは、例えばメトキシメチルオキシ基や、メ
トキシエトキシメチルオキシ基などを示し、保護された
アルデヒド基とは、ジメトキシメチル基やジエトキシメ
チル基、環状アセタールなどを示す。
【0019】前記N−(3−ピリジルアルケニル)アミ
ン誘導体は、下記に示す化5
【化5】 (R4は前述したものと同一である)で示されるニトリ
ル誘導体を接触還元することにより得られる。必要なら
ば、アミンを保護し、化3で示される化合物(Zは前述
したものと同一である)へ誘導する。
【0020】前記ニトリル誘導体は、下記に示す化6
【化6】 (式中、R4は前述したものと同一である)で示される
ケトン誘導体についてWittig−Horner−E
mmons反応を行い、炭素数を増やすことにより得ら
れる。
【0021】なお、本発明に係る化合物のうち、二重結
合を有するものは、E体、Z体両方の幾何異性体を含む
ものである。
【0022】
【作用】本発明のN−(3−ピリジルアルケニル)スル
ホンアミド誘導体はトロンボキサンA2拮抗剤および合
成阻害剤として血栓症やアレルギーの予防または治療に
使用され、投与量は症状により異なるが、一般に成人1
日量10〜600mg、好ましくは20〜200mgで
あり、症状に応じて必要により1〜3回に分けて投与す
るのがよい。投与方法は投与に適した任意の形態をとる
ことができ、特に経口投与が望ましいが静注も可能であ
る。
【0023】本発明の化合物は有効成分または有効成分
のひとつとして単独もしくは通常の方法で製剤担体また
は賦形剤等と混合され、錠剤、糖衣錠、散剤、カプセル
剤、顆粒剤、懸濁剤、乳剤、注射液等に製剤化された種
々の形態で適用できる。担体または賦形剤の例として
は、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、でんぷん、ブ
ドウ糖、乳糖、デキストリン、アルギン酸、マンニトー
ル、タルク、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられ
る。
【0024】次に実施例および試験例を示して本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定
されるものではない。
【0025】
【実施例】
[実施例1] (1)窒素雰囲気下、マグネシウム2.03gを5ml
の乾燥テトラヒドロフランに懸濁し、4−ブロモメトキ
シメチルオキシベンゼン16.45gの乾燥テトラヒド
ロフラン溶液40mlを滴下し、Grignard試薬
を生成させる。150mlの乾燥テトラヒドロフランを
加えて希釈し、0℃に冷却後、ピリジン−3−アルデヒ
ド7.96gの乾燥テトラヒドロフラン溶液20mlを
滴下する。24時間撹拌後、反応混合物に飽和食塩水を
加えて、有機層を分離し、水層から酢酸エチルで抽出す
る。有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去する。得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、メタ
ノール−塩化メチレン(5:95 v/v)溶出画分よ
り、α−(4−メトキシメチルオキシフェニル)ピリジ
ンメタノール14.09gが得られる。
【0026】(2)α−(4−メトキシメチルオキシフ
ェニル)ピリジンメタノール2.06gを100mlの
クロロホルムに溶解し、活性二酸化マンガン4.38g
を加え、室温で24時間撹拌する。反応混合物を瀘別
し、瀘液の溶媒を減圧留去すると、4−メトキシメチル
オキシフェニル 3−ピリジル ケトン2.01gが得
られる。
【0027】(3)窒素雰囲気下、乾燥エタノール30
mlに、ナトリウム0.33gを加え、ナトリウム溶解
後、ジエチル シアノメチルホスフォネート2.58g
の乾燥エタノール溶液10mlを滴下し、10分間撹拌
する。4−メトキシ メトキシオキシフェニル 3−ピ
リジル ケトン3.22gの乾燥エタノール溶液10m
lを滴下し、72時間還流後、溶媒を減圧留去する。こ
れに水を加えて、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食
塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を
減圧留去する。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーに付し、メタノール−塩化メチレン(5:
95 v/v)溶出画分より、(E+Z)−3−(4−
メトキシメチルオキシフェニル)−3−(3−ピリジ
ル)アクリロニトリル3.47gが得られる。
【0028】(4)適当量のラネーニッケルを飽和アン
モニア性メタノール溶液50mlに懸濁し、(E+Z)
−3−(4−メトキシメチルオキシフェニル)−3−
(3−ピリジル)アクリロニトリル3.47gを加え、
常温15気圧水素雰囲気下、24時間撹拌した後、この
反応混合物を瀘過し、瀘液を減圧留去する。得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、アン
モニア水−メタノール−クロロホルム(1:10:10
0 v/v)溶出画分より、(E+Z)−3−(4−メ
トキシメチルオキシフェニル)−3−(3−ピリジル)
アリルアミン2.16gが得られる。
【0029】(5)(E+Z)−3−(4−メトキシメ
チルオキシフェニル)−3−(3−ピリジル)アリルア
ミン2.16gとトリエチルアミン0.97gの塩化メ
チレン100ml溶液に、0℃でクロロベンゼンスルホ
ニルクロリド2.02gを加えたのち、室温で11時間
撹拌する。反応混合物に飽和食塩水を注ぎ、有機層を分
離して、水層から塩化メチレンで抽出を行い、合わせた
有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥
し、溶媒を減圧留去する。得られた残渣をカラムクロマ
トグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(1:
1 v/v)溶出画分より、(Z)−N−[3−(4−
メトキシメチルオキシフェニル)−3−(3−ピリジ
ル)アリル]−4−クロロベンゼンスルホンアミド0.
85gと、(E)−N−[3−(4−メトキシメチルオ
キシフェニル)−3−(3−ピリジル)アリル]−4−
クロロベンゼンスルホンアミド0.51gが得られ
る。。
【0030】(6)(E)−N−[3−(4−メトキシ
メチルオキシフェニル)−3−(3−ピリジル)アリ
ル]−4−クロロベンゼンスルホンアミド0.28gを
メタノール7mlに溶解し、6規定塩酸0.5mlを加
え、20分間加熱還流する。塩化メチレンで希釈し、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液を少しずつ加えてアルカリ
性とした後、有機層を分離し、水層からメタノール−塩
化メチレン(5:95v/v)で抽出する。合わせた有
機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾
燥し、溶媒を減圧留去すると、4−[3−(4−クロロ
ベンゼンスルホンアミド)−1−(3−ピリジル)−
(E)−1−プロペニル]−フェノール0.26gが得
られる。
【0031】(7)4−[3−(4−クロロベンゼンス
ルホンアミド)−1−(3−ピリジル)−(E)−1−
プロペニル]−フェノール76mgとトリエチルアミン
38mgを塩化メチレン−N,N−ジメチルホルムアミ
ド(7:3 v/v)10mlに溶解し、クロロ炭酸エ
チル31mgの1ml塩化メチレン溶液を滴下し、17
時間室温で撹拌する。
【0032】反応混合物を減圧濃縮し、水を加え、酢酸
エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫
酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去する。得られ
た残渣をシリカゲルプレパラティブTLCに付し、メタ
ノール−塩化メチレン(3:97 v/v)で展開する
と、Rf0.97〜0.84のバンドから4−{3−
[N−(4−クロロベンゼンスルホニル)−N−(エト
キシカルボニル)アミノ]−1−(3−ピリジル)−
(E)−1−プロペニル}フェニルオキシカルボン酸エ
チル38mgが得られ、このものの分光学的データは下
記に示す化7の構造を支持する。
【0033】また、Rf0.55〜0.84のバンドか
ら、4−[3−(4−クロロベンゼンスルホンアミド)
−1−(3−ピリジル)−(E)−1−プロペニル]フ
ェニルオキシカルボン酸エチル53mgが得られ、この
ものの分光学的データは下記に示す化8の構造を支持す
る。
【0034】
【化7】 1H NMR(CDCl3) δ: 1.15(3H,t,J=7.0Hz) 1.39(3H,t,J=7.0Hz) 4.12(2H,q,J=7.0Hz) 4.33(2H,q,J=7.0Hz) 4.55(2H,d,J=6.0Hz) 6.13(1H,t,J=6.0Hz) 7.03−8.00(10H,m) 8.37−8.67(2H,m)
【化8】 1H NMR(CDCl3) δ: 1.40(3H,t,J=7.0Hz) 3.68(2H,dd,J=6.0,6.0Hz) 4.34(2H,q,J=7.0Hz) 5.90(1H,t,J=6.0Hz) 6.00(1H,t,J=6.0Hz) 6.83−7.87(10H,m) 8.27−8.63(2H,m) [実施例2] (1)窒素雰囲気下、(E)−N−[3−(4−メトキ
シメチルオキシフェニル)−3−(3−ピリジル)アリ
ル]−4−クロロベンゼンスルホンアミド0.90gを
乾燥テトラヒドロフランに溶解し、0℃に冷却後、1.
6Mのn−ブチルリチウムのヘキサン溶液1.40ml
を滴下し、10分間撹拌後、クロロ炭酸エチル0.24
gの乾燥テトラヒドロフラン5ml溶液を滴下し、室温
で16時間撹拌する。反応混合物に飽和食塩水を加え
て、有機層を分離し、水層から酢酸エチルで抽出する。
有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥し、溶媒を減圧留去する。得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、メタノー
ル−塩化メチレン(2:98 v/v)溶出画分よりN
−(4−クロロベンゼンスルホニル)−N−エトキシカ
ルボニル−N−[(E)−3−(4−メトキシメチルオ
キシフェニル)−3−(3−ピリジル)アリル]アミン
0.90gが得られる。
【0035】(2)N−(4−クロロベンゼンスルホニ
ル)−N−エトキシカルボニル−N−[(E)−3−
(4−メトキシメチルオキシフェニル)−3−(3−ピ
リジル)アリル]アミン0.90gをメタノール25m
lに溶解し、1mlの6規定硫酸を加え、60℃で3.
5時間撹拌する。反応混合物を減圧留去し、塩化メチレ
ンを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてアル
カリ性とする。有機層を分液し、水層から塩化メチレン
で抽出して、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無
水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去するとN
−(4−クロロベンゼンスルホニル)−N−エトキシカ
ルボニル−N−[(E)−3−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−3−(3−ピリジル)アリル]アミン0.78g
が得られる。
【0036】(3)窒素雰囲気下、N−(4−クロロベ
ンゼンスルホニル)−N−エトキシカルボニル−N−
[(E)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−3−(3
−ピリジル)アリル]アミン0.78gを乾燥テトラヒ
ドロフラン20mlに溶解し、0℃に冷却して、1.6
Mn−ブチルリチウムのヘキサン溶液1.24mlを加
え、10分間撹拌する。10mlのテトラヒドロフラン
に溶解したブロモ酢酸エチル0.33gを滴下し、さら
に乾燥ジメチルスルホキシド4mlを加え、室温で11
時間撹拌する。反応混合物に飽和食塩水を加え、有機層
を分離し、水層から酢酸エチルで抽出する。合わせた有
機層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を
減圧留去する。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーに付し、メタノール−塩化メチレン(2:
98 v/v)溶出画分より4−{(E)−3−[N−
(4−クロロベンゼンスルホニル)−N−エトキシカル
ボニルアミノ]−1−(3−ピリジル)−1−プロペニ
ル}フェニルオキシ酢酸エチル0.50gが得られる。
このものの分光学的データは、下記に示す化9の構造を
支持する。
【0037】
【化9】 1H NMR(CDCl3)δ: 1.16 (3H,t,J=7.5Hz) 1.32 (3H,t,J=7.5Hz) 3.10 (2H,q,J=7.5Hz) 3.25 (2H,q,J=7.5Hz) 3.58 (2H,d,J=6.0Hz) 3.65 (2H,s) 6.06 (1H,t,J=6.0Hz) 6.80−8.03 (10H,m) 8.33−8.60 (2H,m) [実施例3]4−{(E)−3−[N−(4−クロロベ
ンゼンスルホニル)−N−エトキシカルボニルアミノ]
−1−(3−ピリジル)−1−プロペニル}フェニルオ
キシ酢酸エチル0.40gを30mlのメタノールに溶
解し、2規定水酸化ナトリウム水溶液3.0mlを加
え、30分間撹拌する。溶媒を減圧濃縮し、2規定塩酸
で中和して析出した結晶を瀘取し、エタノール−水から
再結晶すると、4−[(E)−3−(4−クロロベンゼ
ンスルホンアミド)−1−(3−ピリジル)−1−プロ
ペニル]フェニルオキシ酢酸0.24gが得られる。こ
のものの分光学的データは下記に示す化10の構造を支
持する。
【化10】 1H NMR(DMSO d6)δ:4.70(2H,
s) 5.83(1H,t,J=7.0Hz) 6.70−8.55(12H,m) [実施例4]実施例1(6)から(7)と同様にして、
(Z)−N−[3−(4−メトキシメチルオキシフェニ
ル)−3−(3−ピリジル)アリル]−4−クロロベン
ゼンスルホンアミドより、4−[(Z)−3−(4−ク
ロロベンゼンスルホンアミド)−1−(3−ピリジル)
−1−プロペニル]フェニルオキシカルボン酸エチルが
得られ、このものの分光学的データは下記に示す化11
の構造を支持する。
【0038】
【化11】 1H NMR(CDCl3)δ:1.35(3H,t,J
=7.0Hz) 3.59(2H,dd,J=6.0,6.0Hz)
4.28(2H,q,J=7.0Hz) 6.00(1H,t,J=6.0Hz) 6.17(1H,t,J=6.0Hz) 7.0−8.65(12H,m) [実施例5]実施例2と同様にして、(Z)−N−[3
−(4−メトキシメチルオキシフェニル)−3−(3−
ピリジル)アリル]−4−クロロベンゼンスルホンアミ
ドより、4−{(Z)−3−[N−(4−クロロベンゼ
ンスルホニル)−N−エトキシカルボニルアミノ]−1
−(3−ピリジル)−1−プロペニル}フェニルオキシ
酢酸エチルが得られ、このものの分光学的データは下記
に示す化12の構造を支持する。
【0039】
【化12】 1H NMR(CDCl3)δ:1.16(3H,t,J
=7.0Hz) 1.27(3H,t,J=7.0Hz) 3.73−4.57(6H,m) 4.59(2H,s) 5.87−6.25(1H,m) 6.67−8.00(10H,m) 8.20−8.70(2H,m) [実施例6]実施例3と同様にして、4−{(Z)−3
−[N−(4−クロロベンゼンスルホニル)−N−エト
キシカルボニルアミノ]−1−(3−ピリジル)−1−
プロペニル}フェニルオキシ酢酸エチルより、4−
[(Z)−3−(4−クロロベンゼンスルホンアミド)
−1−(3−ピリジル)−1−プロペニル}フェニルオ
キシ酢酸が得られ、このものの分光学的データは化13
の構造を支持する。
【化13】 1H NMR(DMSO d6)δ:4.66(2H,
s) 5.70−6.08(1H,m) 6.62−8.68(10H,m) [薬理試験例1] 血小板凝集抑制作用 モルモット頸動脈より1/10容3.8%クエン酸ナト
リウム採血後、該血液を遠心分離し、血小板に富む血漿
(PRP:血小板数3×105個/μl)を得る。
【0040】該PRP200μlおよび生理食塩水2
3.75μlをキュベットに入れ、アグリゴメーターに
セットして37℃で2分間加温し、実施例1〜3のN−
(3−ピリジルアルケニル)スルホンアミド誘導体のジ
メチルスルホキシド(DMSO)溶液1.25μlを加
え3分間インキュベートした後、PGG2/H2の安定誘
導体であり、強力な血小板の凝集惹起作用を有するU−
46619(ケイマン・ケミカル・カンパニー(Cay
man chemical camp.)社製)(TX
2・PGH2類似安定化物)を加え、血小板凝集をアグ
リゴメーター[ヘマトレーサーVI:二光バイオサイエン
ス(株)]で測定した。U−46619(320nM)
によって惹起される血小板凝集に対する50%抑制濃度
を表1に示す。
【表1】 表1に示すように、実施例1〜3のN−(3−ピリジル
アルケニル)スルホンアミド誘導体は顕著な抗血小板凝
集活性を示した。また表1に示さない本発明に係るN−
(3−ピリジルアルケニル)スルホンアミド誘導体も同
様な活性を有することが確認された。なお、表1中の5
0%阻害濃度とは本発明に係るN−(3−ピリジルアル
ケニル)スルホンアミド誘導体を導入しない場合の血小
板凝集能を100%とした場合、該N−(3−ピリジル
アルケニル)スルホンアミド誘導体の導入により前記血
小板の凝集能を50%まで抑制するために要したN−
(3−ピリジルアルケニル)スルホンアミド誘導体溶液
濃度を意味する。
【0041】[薬理試験例2] トロンボキサン合成酵素阻害作用 市販ヒツジ精のう腺ミクロゾーム(Hilran Bi
ochemical社、イスラエル、Lot SM3
6)250μgにアラキドン酸10nmolを加えて室
温で90秒反応させ、PGH2を調整した。
【0042】トロンボキサン合成酵素源として市販ヒト
血小板膜画分(同上、Lot NDM77)200μ
g、検体と上記のようにして調整したPGH2溶液を混
合し、室温で60秒反応させた。ジエチルエーテル/メ
タノール/0.2Mクエン酸(30:4:1)を加え
て、生成したトロンボキサンB2を抽出し、RIA法
(Amersham社製キットを使用)で定量した。
【0043】結果を表2に示す。
【表2】 表2に示すように、実施例1〜3および6の化合物は有
効なトロンボキサン合成阻害作用を示した。また表2に
示さない本発明に係るN−(3−ピリジルアルケニル)
スルホンアミド誘導体も同様な作用を有することが確認
された。
【0044】[薬理試験例3]本発明化合物はTXA2
に対し、in vitroの系(後述)において表3に
示されるような拮抗作用を示した。なお表3に示さない
本発明に係るN−(3−ピリジルアルケニル)スルホン
アミド誘導体も同様な作用を有することが確認された。
【表3】 In vitroにおける本発明化合物のTXA2およ
びPGH2に対する拮抗作用のIC50値は以下の実験系
を用いて求めた。
【0045】体重300〜500gのハートレイ系雄性
モルモットより摘出した気管切片を37℃のtyrod
e液中、酸素(95%)−二酸化炭素(5%)の混合ガ
ス通気のマグヌス槽に0.3gの負荷をかけて懸垂し
た。約1時間安定させた後、気管切片の槽にU−466
19を10-7Mの濃度で加えた。この時の気管平滑筋の
収縮に対して、本発明化合物を加えた際のU−4661
9による収縮を測定し、IC50値を算出した。
【0046】[急性毒性]ICR系雄性マウス(5週
令)を用いて、経口投与による急性毒性試験を行った。
本発明のN−(3−ピリジルアルケニル)スルホンアミ
ド誘導体のLD50値はいずれも300mg/kg以上で
あり、高い安全性が確認された。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば新規なN−(3−ピリジ
ルアルケニル)スルホンアミド誘導体が提供される。
【0048】本発明の上記化合物は、トロンボキサンA
2およびプロスタグランディンH2拮抗作用がありしかも
トロンボキサンA2の合成を阻害する作用を有し、トロ
ンボキサンA2が関与する疾患である血栓症に対して有
効な予防薬として使用することができる。
【0049】また、アレルギーに関する疾患に対して有
効な治療薬として使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤祖父 春恵 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内 (72)発明者 中田 信行 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記に示す化1 【化1】 [式I中、Xは水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原
    子、ニトロ基、シアノ基、低級アルキル基または低級ア
    ルキルオキシ基を示し、Rは、式−O(CH2nCO2
    1、−CR3=CR2−CO21、または−(CH2n
    −CO21(ただし、R1、R2、R3は水素または低級
    アルキル基を示し、nは0から4の整数である)を示
    し、Zは水素、低級アルキル基または低級アルキルオキ
    シカルボニル基を示し、mは0から4の整数である]で
    示されるN−(3−ピリジルアルケニル)スルホンアミ
    ド誘導体。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のN−(3−ピリジルアル
    ケニル)スルホンアミド誘導体を含有するトロンボキサ
    ンA2拮抗剤。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のN−(3−ピリジルアル
    ケニル)スルホンアミド誘導体を含有するトロンボキサ
    ンA2合成阻害剤。
  4. 【請求項4】請求項1に記載のN−(3−ピリジルアル
    ケニル)スルホンアミド誘導体を含有するプロスタグラ
    ンディンH2拮抗剤。
  5. 【請求項5】請求項1に記載のN−(3−ピリジルアル
    ケニル)スルホンアミド誘導体を含有する抗血栓剤。
  6. 【請求項6】請求項1に記載のN−(3−ピリジルアル
    ケニル)スルホンアミド誘導体を含有する抗アレルギー
    剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001009119A3 (en) * 1999-07-28 2001-08-16 Millennium Pharm Inc Chemokine receptor antagonists
US6288084B1 (en) 1998-09-04 2001-09-11 Millennium Pharmaceuticals, Inc. Chemokine receptor antagonists and methods of use therefor

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US6503926B2 (en) 1998-09-04 2003-01-07 Millennium Pharmaceuticals, Inc. Chemokine receptor antagonists and methods of use therefor
WO2001009119A3 (en) * 1999-07-28 2001-08-16 Millennium Pharm Inc Chemokine receptor antagonists

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