JPH0543534B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は支持アームに固定された軸受板のよう
な軸受と、二つの傾斜位置の間でこの軸受に対し
て調節しうる鏡要素とを有する乗用車のような自
動車に使用される調節可能なバツクミラーに関す
る。

車両の内側および車の外側に取りつけるための
調節可能なバツクミラーは知られている。前者の
場合には、鏡要素の横断面がくさび形になつてお
り、且つ目をくらませる光が発生した際に目をく
らませない位置に鏡を配置することができるよう
に傾斜位置の如何により鏡要素の前部または後部
が鏡の反射の大部分を生ずるように全般的に水平
な軸線のまわりに傾斜させることができるように
なつている。他方、二つの位置の間で調節可能な
鏡要素を有する外側バツクミラーの場合には、こ
の鏡要素は全般的に垂直な軸線のまわりに傾斜さ
せることができるようにハウジングの中に装着さ
れておりそれによりいわゆる死角を検出するため
に車線を変更する前に鏡を調節することができ
る。後者の場合には、鏡要素は指示器を介して調
節することができ、すなわち、鏡要素は指示器レ
バーが車線の変更を指示するために操作されたと
き、特に運転者が追越し路線の中に移動しようと
するときに死角を検出する位置に傾斜せしめられ
る。

既知の調節可能なバツクミラーの場合には、鏡
要素は手により機械的に調節されるかまたは電動
機または作動磁石により電気的に調節される。手
による調節は内側バツクミラーの場合の良く知ら
れた接作方法であるが、付加的な手の動作が必要
であり、従つて運転者に機敏さを要求し且つ路上
の状態を観察する実際の務めから運転者の注意を
転ずることが必要であるという点で不利点を有し
ている。電動機または電磁石による調節は特殊の
駆動要素すわち電動機または電磁石が必要であ
り、その結果鏡の重量を増し、従つて振動のリス
クを増すので、構造が比較的に複雑であり、従つ
て高価である。たとえば、このような電磁作用を
利用する調節可能な車両用バツクミラーの例が、
実開昭57−191649号公報、実開昭57−702号公報、
実開昭55−34909号公報に記載されている。

また、調節可能な車両用バツクミラーを車両の
エンジンの負圧を利用して作動させる提案もなさ
れている。その一例が実開昭55−98646号公報に
記載されている。この公知例では、実施例とし
て、ミラーケース４の背面にダイヤフラム装置１
１が装着してあり、このダイヤフラム装置１１の
引き棒１０が傾動板７を介してインナーミラー３
を傾斜させるように作動する。このような構成で
は、構造が複雑となり、また、バツクミラー全体
の寸法、重量が大きく、製造コストも大きい。

本発明の目的は自動車用の調節可能なバツクミ
ラーの調節を改良し且つ経済的に好ましく且つ確
実に作動しそして鏡の重量を不必要なまで増大さ
せない鏡要素のための新規な自動的に作動しうる
調節装置を提供することである。

本発明は鏡要素を調節するための真空装置を有
する調節可能なバツクミラーを提供するものであ
る。既知の調節可能なバツクミラーと対比して、
この鏡要素は手操作によりまたは電気的に調節さ
れないで例えば真空装置を例えば圧力安全弁の下
流側の車両のエンジンの吸込マニホルドに接続す
ることにより容易に発生させることができる真空
により調節される。鏡要素はエンジンの運転中の
み、すなわち、車両の走行中のみ調節されるよう
になつているので、閉ざされた真空装置を使用す
る必要はない。そのかわりに真空を運転状態のエ
ンジンにより直接に発生させれば充分である。

真空装置を作動させるためのトリガとして光電
池を設けることが好ましい。この光電池はある最
小量の光が光電池に入射したときに真空装置の制
御弁を調節するために制御信号を発生する。従つ
て、非常に明るいヘツドライトを有する車両が後
方から走行してくるときに自動調節が確実になさ
れる。それ故に、通常の場合には、バツクミラー
が慣用のバツクミラーの位置に配置され、すなわ
ち、デイマー作用（制光作用）は実際に必要なと
きのみに起るようになつている。

真空装置はハウジングの中に設置され且つ相互
に傾けることができまたはミラーハウジング自体
から形成することができる諸部分からなる真空箱
を備えていることが好ましい。また、この型式の
真空箱は大量生産される物品として比較的に簡単
にそして安価に製造することができる。

本発明による調節可能なバツクミラーの実施態
様の略図を添付図面に示してある。

乗用車のような自動車に使用される調節可能な
バツクミラーを第１図および第２図に示した。こ
のバツクミラーは詳細に示していない方法で車両
のボデイ上のアーム２に配置されたハウジング１
を有している。ハウジング１は軸受板３を収納し
ている。軸受板３は中にアーム２に形成された球
形部分５が配置されるソケツト継手として設計さ
れた取付部分４を有しており、従つて軸受板３は
アーム２にヒンジ留めされている。

軸受板３は取付部分４によりハウジング１に取
りつけられそれにより軸受板３とともにハウジン
グ１をアーム２に対して調節できるようになつて
いる。

支持板６が軸受板３の前側に配置され且つ傾け
ることができるように２個のヒンジ７および８に
より軸受板３に連結されている。ヒンジ７および
８は軸受板３および支持板６の下側領域に配置さ
れている。加圧ばね９が軸受板３と支持板６との
間の上側領域において延び、そしてこれらの２個
の軸受板３および支持板６を第１図に示した位置
に引き離すように押圧している。折りたたみ可能
な囲繞ベローズ１０が２個の軸受板３および支持
板６の上に重なり合い且つこれらの軸受板３支持
板６が第１図に示した位置よりもさらに離れるよ
うに押圧されることを阻止し、すなわちベローズ
１０は軸受板３および支持板６の第１図に示した
一方の端末位置を決定し、この端末位置まで軸受
板３、支持板６を相互に傾けることができる。そ
のうえ、ベローズ１０は外側に対して気密シール
を形成しており、それにより軸受板３、支持板６
およびベローズ１０は外側に向かつてカプセル状
に封入された真空箱１１を形成している。この真
空箱１１の上面は第２図に示したように楕円形で
ある。

軸受板１３はチユーブ１３が連結される貫通開
口部１２を有している。また開口部１２は真空箱
１１の内部１４に真空発生させるために吸入管系
（図示せず）に連結することができる。もしもこ
の真空が加圧ばね９の力に打ち勝つために充分に
大きければ、支持板６が軸受板３の方向にヒンジ
７および８のまわりに枢動せしめられ、その結
果、スペーサ４６により支持板６に固定された鏡
要素１５が第１図に示した位置から一方の傾斜位
置に傾けられる。この傾斜位置はくさび形の横断
面を有する目をくらませない鏡要素１５の位置に
相当する。

例えば、チユーブ１３と吸引管系（図示せず）
との連結を遮断することにより内部１４の真空が
再び釣り合わされると直ちに、加圧ばね９が軸受
板６を鏡要素１５の通常の鏡の位置に相当する第
１図に示した出発位置に強制的に復帰させる。

第３図による実施態様は軸受板３および支持板
６がフイルムヒンジ１７により一緒にヒンジ留め
されているという点で第１図による実施態様とは
本質的に異なつている。そのうえ、支持アーム２
およびその上に配置された球形部分５は連続した
穴１８を有している。穴１８は取付部分４のソケ
ツト継手に至る開口部１９の中に延び、そしてそ
れにより支持板６を調節するために内部１４の中
に必要な真空が発生せしめられる。

第４図による実施態様においては、軸受板３が
囲繞突出端縁２０を備えている。突出端縁２０は
支持板６の同様な囲繞突出端縁２１と重なり合
う。二つの端縁２０および２１の間には、真空箱
の内部１４を外側からシールして調節のために必
要な真空を内部１４の中で発生させるために、Ｏ
リング２２がシールとして設けられている。板ば
ね２３が軸受板３および支持板６を引き離すよう
に押圧し、そしてヒンジ７および８は端末ストツ
パを備えることができる。端末ストツパはこれら
の２個の板の一方の端末位置、すなわち、第４図
に示した位置を決定している。傾斜しうるように
相互に連結された軸受板３および支持板６の他方
の端末位置は例えば支持板６の囲繞突出端縁によ
り、すなわち、端縁２１が軸受板３の前部と接触
するときに決定することができる。

第５図および第６図に示した実施態様において
は、真空箱１１を形成する軸受板３および支持板
６は第６図に示したように上面図では実質的に長
方形である。軸受板３および支持板６の両方はコ
ンサーテイーナの形状に設計された可繞性のベロ
ーズ２４により囲繞されている。この設計は軸受
板３および支持板６が第５図に示した鏡要素１５
の通常の出発位置において相互に斜めに配置され
ている。この出発位置は鏡要素１５をハウジング
１の前側部に配置された囲繞端縁２５の内側から
配置するように決定することができる。鏡要素１
５の傾斜位置は軸受板３と支持板６との間の端末
ストツプ（図示せず）により決定されるかまたは
折りたたみ可能なベローズ２４の折曲部２４ａが
相互に隣接して配置されてそれにより軸受板３に
対する支持板６のそれ以上の傾斜移動を阻止する
ことにより決定される。

第７図に示した実施態様においては、ハウジン
グ２６は鏡要素１５の傾斜移動がハウジング壁部
の移動により惹起されるようにそれ自体が可撓性
を有している。

この実施態様においては、例えばプラスチツク
材料から一体に射出成形されたハウジング２６が
気密の封入成形された真空箱を構成している。詳
細に図示していない支持アーム２の球形部分５が
気密シールを保証するようにハウジング２６の中
に後部から突出している。球形部分５はハウジン
グ２６の内部２７の中の鏡要素１５の位置を調節
するために必要な真空を発生させるために第４図
および第５図に示した穴１８を有している。

ハウジング２６の前側部分には、くさび形の横
断面を有する鏡要素１５を収納する凹部２８が設
けられている。この鏡要素１５は、第７図に示し
たように、凹部２８の底部が開口部２９を有して
いる場合に気密シールを形成する。

ハウジング２６の囲繞側壁部はベローズ形の波
形領域３０を備えている。波形領域３０はハウジ
ング２６の内部２７の中に充分な真空が発生した
ときに収縮して板ガラス１５を第７図に示した位
置から傾斜位置に移動させる。第７図は波形領域
３０がハウジング２６の上側領域において下側領
域よりも広なつており、それにより板ガラス１５
の所望された傾斜移動が１種のヒンジとして作用
する単一の下側波形部分３１のまわりに起るよう
になつている状態を示している。

鏡要素１５の傾斜移動を制限するためにハウジ
ング２６の中に端末ストツパ（図示せず）を設け
ることができる。

第８図は鏡要素１５の調節を真空により自動的
に達成しうる態様を示している。

滑り弁３３に至るホースライン３２が球形部分
５およびアーム２を貫通する穴１８に接続されま
たは第１図および第４図による実施態様において
はチユーブ１３に接続される。この滑り弁３３は
第８図に示した位置ではホースライン３２を別の
ホースライン３４に接続することができる。ホー
スライン３４は車両のエンジンの吸込マニホルド
（図示せず）に接続された吸入管３５に接続され
ている。

滑り弁３３が第８図に示した位置にあるとき
に、ホースライン３２および３４が相互に接続さ
れ、それにより吸入管３５の中に発生した真空が
ホースライン３４および３２の中に作用し、そし
て真空箱１１の中にも穴１８を通して真空が発生
せしめられる。その結果、鏡要素１５は前述した
ように目をくらませない傾斜位置に移動せしめら
れる。

鏡要素１５の調節を自動制御するために、アー
ム２上に光電池３６が設けられている。もしもあ
る最小の強さの光が光電池３６にあたり、例え
ば、もしも主ビームであるヘツドライトが明る過
ぎる車両がこのバツクミラーを備えた車両の後方
から走行してくるとすれば、光電池３６が電気制
御信号を発信し、この信号はケーブル３７を介し
てスイツチング電子回路３８に送られる。このス
イツチング電子回路３８はケーブル３９を介して
スイツチング磁石４０に制御信号を送る。磁石４
０は滑り弁３３のスライダーを調節する。第８図
は増大した量の光が光電池３６に当たり、その結
果滑り弁のスライダーが吸入位置に移動せしめら
れた状態を示す。

光電池３６に入射した光の量がある閾値以下に
減少すると直ちに、光電池３６はスイツチング電
子回路３８に制御信号を供給しなくなり、従つて
スイツチング信号はスイツチング磁石４０に送ら
れなくなる。従つて、滑り弁３３のスライダーは
ホースライン３２および３４の接続を遮断するよ
うに移動せしめられる。その結果、ホースライン
３２および３４は外部の大気に連絡してそれによ
り真空箱１１の中の真空が低下せしめられそして
鏡要素１５がその出発位置に戻る。

昼間、そして特に昼光が特に明るいときに光電
池３６が制御信号をスイツチング回路３８に発信
することを阻止するために、第２光電池を比較計
として設けることができる。この第２光電池は後
方から走行してくる別の車両のヘツドライトから
の光によつて影響をうけないように配置されるべ
きである。この場合には、光電池３６は各々の光
電池に入射する光の量の間にある最小の差がある
ときに鏡要素１５を傾斜させるのみの作用をす
る。

ハウジング１の下側部にはグリツプ４１を設け
てある。真空箱１１の支持板６はまた例えば自動
スイツチング素子が作動しないときにこのグリツ
プ４１を使用して手により調節することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は第２図を−線に沿つて裁つたバツ
クミラーの一実施態様の垂直横断面図、第２図は
前側部分を省略して示した第１図のバツクミラー
の正面図、第３図は第１図に示したバツクミラー
に類似したバツクミラーの別の実施態様の垂直横
断面図、第４図は調節可能なバツクミラーのさら
に別の実施態様の垂直横断面図、第５図は調節可
能なバツクミラーのさらに別の実施態様の垂直横
断面図、第６図は第５図のバツクミラーの正面図
であり且つ個々の部品を輪郭のみで示した図、第
７図は調節可能なバツクミラーの別の実施態様の
垂直断面図、且つ第８図はブロツク線図の型式で
示した調節装置を有する車両のための調節可能な
内側バツクミラーの一実施態様の正面図である。 １……ハウジング、２……アーム、３……軸受
板、４……取付部分、５……球形部分、６……支
持板、７，８……ヒンジ、９……ばね、１０……
ベローズ、１１……真空箱、１２……開口部、１
３……チユーブ、１５……鏡要素、１７……ヒン
ジ、１８……穴、２０，２１……突出端縁、２３
……ばね、２４……ベローズ、２６……ハウジン
グ、２８……凹部、２９……開口部、３０……波
形領域、３２，３４……ホースライン、３３……
滑り弁、３５……吸入管、３６……光電池、３８
……スイツチング電子回路、４０……磁石。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 負圧源を備えた車両のための調節可能なバツ
   クミラーであつて、車両に固定した支持アームに
   回動可能に取り付けた軸受板と、この軸受板にそ
   れに対して傾斜できるようにヒンジ手段を介して
   下部を連結してあり且つこの軸受板の対向面から
   隔たつて装着してあつてその間に空間を構成する
   鏡要素と、この鏡要素を前記軸受板から離れる方
   向へ弾力的に押圧しているばね手段と、前記軸受
   板と前記鏡要素の間の前記空間を密閉して真空箱
   を構成する密閉手段と、前記真空箱の内部を前記
   負圧源に接続することのできる真空制御装置と、
   前記鏡要素付近に設置してあり、所定の強さの光
   を受けたときに前記真空制御装置に信号を送つて
   それを作動させ、前記真空箱に負圧を作用させて
   鏡要素を回動させる少なくとも１つの光電池とを
   包含する調節可能なバツクミラーにおいて、前記
   ばね手段が前記真空箱内に設置してあつて鏡要素
   の内面を軸受板から離れる方向へ押圧しているば
   ねを包含することを特徴とする、調節可能なバツ
   クミラー。 ２ 負圧源を備えた車両のための調節可能なバツ
   クミラーであつて、車両に固定した支持アームに
   回動可能に取り付けた軸受板と、この軸受板にそ
   れに対して傾斜できるようにヒンジ手段を介して
   下部を連結してあり且つこの軸受板の対向面から
   隔たつて装着してあつてその間に空間を構成する
   鏡要素と、この鏡要素を前記軸受板から離れる方
   向へ弾力的に押圧しているばね手段と、前記軸受
   板と前記鏡要素の間の前記空間を密閉して真空箱
   を構成する密閉手段と、前記真空箱の内部を前記
   負圧源に接続することのできる真空制御装置と、
   前記鏡要素付近に設置してあり、所定の強さの光
   を受けたときに前記真空制御装置に信号を送つて
   それを作動させ、前記真空箱に負圧を作用させて
   鏡要素を回動させる少なくとも１つの光電池とを
   包含する調節可能なバツクミラーにおいて、前記
   密閉手段が、前記軸受板の外周縁まわりおよび前
   記鏡要素の外周縁まわりに密閉取り付けしたベロ
   ーズであり、このベローズの上部が前記ばね手段
   として作用すると共にその下部が前記ヒンジ手段
   として作用することを特徴とする、調節可能なバ
   ツクミラー。 ３ 負圧源を備えた車両のための調節可能なバツ
   クミラーであつて、車両に固定した支持アームに
   回動可能に取り付けた軸受板と、この軸受板にそ
   れに対して傾斜できるようにヒンジ手段を介して
   下部を連結してあり且つこの軸受板の対向面から
   隔たつて装着してあつてその間に空間を構成する
   鏡要素と、この鏡要素を前記軸受板から離れる方
   向へ弾力的に押圧しているばね手段と、前記軸受
   板と前記鏡要素の間の前記空間を密閉して真空箱
   を構成する密閉手段と、前記真空箱の内部を前記
   負圧源に接続することのできる真空制御装置と、
   前記鏡要素付近に設置してあり、所定の強さの光
   を受けたときに前記真空制御装置に信号を送つて
   それを作動させ、前記真空箱に負圧を作用させて
   鏡要素を回動させる少なくとも１つの光電池とを
   包含する調節可能なバツクミラーにおいて、前記
   軸受板が前記密閉手段と一体であり、この密閉手
   段が前記鏡要素の外周縁まわりに密閉装着したベ
   ローズの形をしており、このベローズ状の密閉手
   段の上部が前記ばね手段として作用すると共にそ
   の下部が前記ヒンジ手段として作用することを特
   徴とする、調節可能なバツクミラー。