JPH054350Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、微弱電波を利用してセキユリテイー
信号を別置された受信器に送信するようにしたワ
イヤレス発信器の改良に関する。

〔背景技術〕

この種のワイヤレス発信器は、防犯センサーや
火災センサーなどに付設されたり、あるいは看護
を要する老人が独り歩きをする場合や、病人が看
護人から離れているときなどに緊急事態を報知す
るために使用されている。

ところで、このようなワイヤレス発信器は、そ
の内部に所定の高周波信号を発生する発振回路を
設けており、この発振回路によつて発生された電
波信号をセンサーなどが検知した異常信号で変調
してアンテナ部より受信器側に電波信号の形で送
信するようになつている。

例えば、第１１図はこのようなワイヤレス発信
器を看護人のいない病人が使用した場合の例を示
すもので、病人ｍがベツトに寝ているときには、
ベツト脇にワイヤレス発信器ａを置き、ベツトを
離れて散歩などをする場合は、ワイヤレス発信器
ａを携帯し、看護人を呼ぶべき緊急事態が発生し
たときには、ワイヤレス発信器ａの操作スイツチ
を操作して、異常信号を受信器ｂ側に向けて送信
し、受信器ｂ側ではこの異常信号を受信して、住
宅情報盤ｃなどの報知手段を鳴動するなどして、
看護人に報知するワイヤレスセキユリテイーシス
テムを示している。

ところで、このようなワイヤレス発信器の従来
の構造は、第１２図に示したように、押釦スイツ
チ２０１を設けた上部ケース２００の一部に、蓋
カバー３００を別ピースとして取り外し可能に取
着できるようになつており、蓋カバー３００を取
り外すと露顕する上部ケース２００と本体ケース
５００の一部に電池の収容部２０２と、各種スイ
ツチ４０１，４０２の操作部４００ｄ，４００ｅ
を設けた構造となつているが、電池（不図示）の
取り替えや各種スイツチの操作部４００ｄ，４０
０ｅを操作するメンテナンス時には、本体ケース
５００内に収容された回路基板を露顕させないよ
うにするため、第１３図に示したように、本体ケ
ース５００に回路基板４００を収容し、その上方
に上部ケース２００を被せてから、蓋カバー３０
０を取着出来る構造とされており、このためワイ
ヤレス発信器は、回路基板４００を収容する３ピ
ースの外殻構造とされている。なお、４００ａ，
４００ｂは発振回路部のLC共振回路を構成する
コイルとコンデンサ、４００ｃはループアンテナ
である。

しかしながら、ワイヤレス発信器をこのような
３ピース構造の外殻構造とすることは、部品点数
が増えるため、製造コストが嵩み、使用時に部品
の一部を紛失したりすることも多く、商品上更に
回路基板上の実装スペースを十分にとることが出
来ないなどの種々の問題を有している。

〔考案の目的〕

本考案は、叙上の問題点を解決するため提案さ
れるもので、外殻を２つの部分で構成し、蓋カバ
ーを取り外して露顕する回路基板の表面には、使
用者が手で触れても支障のない電子部品を実装さ
せた構造にした部品点数が少なく、製造コストの
低いワイヤレス発信器を提供することを特徴とし
ている。

〔考案の開示〕

上記目的を達成するため提案される本考案は、
セキユリテイー信号を、アンテナを有した発信回
路部より電波信号の形で輻射するようにしたワイ
ヤレス発信器において、上記ワイヤレス発信器
を、アンテナを有した発信回路部を形成した回路
基板を収容するベース本体と、このベース本体の
上部に着脱可能とされた蓋ケースとより成る２ピ
ース構造に構成するとともに、上記回路基板は、
表面には電池、ワイヤレス発信器の使用時に設定
するデイツプスイツチなどの使用者が手で触れて
も支障のない電子部品を設け、かつ裏面には上記
発信回路部を構成するその他の電子部品を実装し
た構成にしたことを特徴とする。

〔実施例〕

以下に、添付図を参照して本考案の実施例を説
明する。

第１図、第２図は、携帯用ワイヤレス発信器に
適用した実施例を示している。

これらの図に見るように、本考案のワイヤレス
発信器は、船型の本体ケース１０１に、電池ケー
ス１０３を取付けた回路基板１００を収容し、そ
の上方に押釦スイツチ１０２ａを設けた蓋ケース
１０２を着脱可能に取付けた２ピースの外殻構造
とされている。

回路基板１００は、絶縁基板の表面に、発信器
のハウスコードやゾーンコード、ユニツトコード
を設定するためのデイツプスイツチ１００ｃ，１
００ｄ、蓋ケース１０２側に設けた押釦スイツチ
１０２ａによつて作動される発振回路部を駆動す
るスイツチ１００ｅ、発信器の動作状態を点灯表
示するLED１００ｆ（このLEDは、蓋カバー１０
２を本体ケース１０１に一体結合させたときに
は、蓋カバー１０２の対応した透孔１０２ｂより
点灯状態が視認される）を設けるとともに、ワイ
ヤレス発信器の駆動源となる電池（不図示）を収
容する電池ケース１０３を設けている。

また、一方絶縁基板の裏面には、図には示され
ていないが、コイルとコンデンサを組合わせた
LC共振回路、薄い導電板を打ち抜きアーチ状に
折り曲げて加工して形成された中間タツプ部付き
のループアンテナ、これらとともに発信回路部を
構成する様々な電子部品が実装されている。

このような構造において、本体ケース１０１と
蓋カバー１０２とは、その先端と後端の２個所に
対応した１組の係合部１０１ａ（蓋カバー側の係
合部はそのカバーで隠されている）を設けてあ
り、本体ケース１０１と蓋カバー１０２とを合致
させ、これらの係合部を係合させることにより一
体的に結合され、また係合部に対応して蓋カバー
１０２の後端に設けた操作孔（不図示）によりド
ライバーの先端を差し入れて係合を解除させれ
ば、容易に結合が外れ、回路基板１００の全体が
露顕するようになつている。そして、回路基板１
００の後部分のスペースに搭載される電池ケース
１０３は、回路基板１００を本体ケース１０１に
収容したときには、第２図に示したように、回路
基板１００の孔部１００ｇと欠落部１００ｈより
突出する係合爪１０１ｂに、電池ケース１０３側
に設けた凹部１０３ｂを係合あるいはその係合を
解除させることにより、容易に取着し、取り外し
出来る構造としている。

なお、回路基板１００の電池ケース１０３の搭
載される部分に設けた１組の突出させた導電片１
０３ｃは、電池ケース１０３の回路基板１００に
上記のようにして搭載させたときに、電池ケース
１０３の溝部に設けた導電片１０３ａとともに電
池の接続板を構成するものである。

第３図は、本考案のワイヤレス発信器に組込ま
れた発信回路部の構成を示した図である。

この発信回路部１は自励発振回路部１１、高周
波増幅部１２、アンテナ部１３より構成されてい
る。

自励発振回路部１１は、トランジスタＱ１と、
これに温度補償されたバイアス電圧を与える抵抗
R1，R2とダイオードＤ１，Ｄ２、直流負帰還を
施す抵抗R3と、発振周波数を定めるコイルＬ１、
コンデンサＣ１、トリマコンデンサTC及び安定
な発振を得るためトランジスタＱ１のベースへの
正帰還量を定めるコンデンサＣ３，Ｃ４から構成
されている。

ここに、トリマコンデンサTCは、コイルＬ１
とコンデンサＣ１とで構成されるLC共振回路の
共振周波数を微調整するために設けられている。

このような構成の自励発振回路部１１からの発
振出力は、結合コンデンサＣ６を介して増幅部２
のトランジスタＱ２に供給され、ここで増幅され
た後、アンテナ部１３のループアンテナANTに
導かれ、電波となつて輻射されることになる。

アンテナ部１３においては、ループアンテナ
ANTは１つのインダクタンスと等価であり、こ
のインダクタンスとコンデンサＣ７の形成する共
振回路をトランジスタＱ２により中間タツプA₀
点で駆動して整合を取つている。

なお、コイルＬ２及びコンデンサＣ５，Ｃ８
は、それぞれチヨークコイル、バイパスコンデン
サを構成しており、電源ラインに高周波信号が回
り込むのを阻止している。

第４図は、携帯用ワイヤレス発信器に適用した
場合のハード構成を示した図である。

図において、６は救急信号発生回路であり、蓋
ケース１０２側に設けた押釦スイツチ１０２ａを
操作すると作動され、その出力は、タイマー回路
５に入力され、ここで予め設定された時間間隙の
タイミングパルスが発生される。このタイミング
パルスは、ワンシヨツトパルス発生器４をトリガ
し、この結果送信ON／OFF３を間欠的に駆動す
る。

信号コード発生器２はハウスコード設定器２
１、ゾーンコード設定器２２、ユニツトコード設
定器２３の他にスーパバイズ設定器２４からの出
力を受けて、必要な信号を生成する。

ワンシヨツトパルス発生器４の後段に設けた送
信ON／OFF回路３の出力は、信号コード発生回
路２と高周波発信回路部１を駆動し、アンテナ１
０４より所定の周波数で変調された電波信号を輻
射する。

次いで、本考案のワイヤレス発信器を携帯用発
信器として使用した場合を例にとつて、更に具体
的に説明する。

第５図は、携帯用ワイヤレス発信器Ａとして使
用したシステムの構成例を示している。

独り歩きの老人や病人などの看護を要する者が
看護人から離れた状態にあるときに、携帯して使
用する。ワイヤレス発信器Ａは、すでに第４図の
ハード構成図で示したように、ワイヤレスシステ
ムに設定されるハウスコード、火災、防犯、緊急
などの監視対象を区別するためのゾーンコード、
その発信器に割り当てられたユニツトコードが設
定され、必要に応じてスーパバイズ機能のON，
OFF設定も可能とされている。ここに、スーパ
バイズ機能とは、所定時間毎に受信器Ｂ側からシ
ステム内のすべてのワイヤレス発信器Ａ……を個
別に順次呼出をかけて、ワイヤレスシステムの異
常を検知するようにしたものである。第１図に示
した実施例では、ベース本体１０１から蓋ケース
１０２を取り外しすれば、上記したすべての設定
が対応したデイツプスイツチ１００ｃ，１００ｄ
の操作片を操作することにより可能とされてい
る。

独り歩きの老人や看護人から離れた状態にある
病人などに緊急事態が生じて、ワイヤレス発信器
Ａの押釦スイツチ１０２ａを押操作すると、ハウ
スコード、ゾーンコード、ユニツトコードの付加
されたセキユリテイー信号か発信回路部で生成さ
れ、アンテナ部より電波信号の形で輻射される。
この場合の電波信号は例えばFSK方式で変調さ
れる。一方、このとき輻射された電波信号は受信
器Ｂによつて受信され、信号処理がなされた後、
ホストコンピユータなどに送出されて必要な処理
がなされている。

本考案は、前述のような携帯用のワイヤレス発
信器に限定されるべきでなく、受信器と組合わせ
られてワイヤレスセキユリテイーシステムとして
使用され、火災センサーや防犯センサーに付設さ
れる設置型の発信器としても使用出来ることはい
うまでもない。

第６図、第７図は、防犯センサーに付設されて
使用されるワイヤレス発信器に適用された第二の
実施例を示した図である。

図例のものは、第１図、第２図に対応させて蓋
ケース１０２を本体ケース１０１より取り外した
状態と分解斜視図を示している。回路基板１００
を蓋ケース１０２と本体ケース１０１より成る２
ピースの外殻に収容させた点は第一の実施例と同
様であるが、このワイヤレス発信器の特徴は、Ｐ
部の拡大図より分かるように、ワイヤレス発信器
A′の本体内にリードスイツチ１００ｉを内蔵し
ており、ワイヤレス発信器A′に対応して設けた
永久磁石（不図示）とこのリードスイツチ１００
ｉとを組合わせてコンビネーシヨンタイプのセン
サーを構成している。

また、この実施例では、中間タツプ部１０４ｄ
を形成して強度を補強したループアンテナ１０４
とLC共振回路を構成するコイル１００ａとコン
デンサ１００ｂを回路基板１００の表面に実装し
たいるが、これらの電子部品も第一の実施例と同
様に回路基板１００の裏面に実装しても良く、後
者の方が使用者がいたずらに発信回路部に手を触
れるのが防止できる。第一の実施例の各部と対応
する部分には、同一符号を付して説明を省略す
る。なお、１００ｋは蓋カバー１０２の内側に設
けた凸部によつて常時押圧されており、ワイヤレ
ス発信器A′の蓋カバー１０２が外された時に、
押圧が解除されて作動するタンパースイツチであ
る。

第８図は、第二の実施例の使用状態を説明した
図であるが、リードスイツチを内蔵したワイヤレ
ス発信器A′は、ドア枠の一部に取付けられ、他
方の永久磁石（不図示）は、ドアの対応した部分
に取付けて、ドアの開閉を検知できるようにして
おり、ドアの開閉状態をリードスイツチON，
OFF操作によつて検知すると、ワイヤレス発信
器A′のループアンテナ１０４からは、開閉検知
信号が電波信号の波で輻射され、これを受信器Ｂ
で受信して必要な処理を行うセキユリテイーシス
テムを示している。

第９図、第１０図は、本考案の更に第三の実施
例を示したもので、火災センサーなどの外部セン
サーに付設されて使用されるものを示している。
基本的な構造は、第二の実施例と同じであるが、
ワイヤレス発信器A″の本体ケース１０１内に収
容された回路基板１００の一部には、火災センサ
ーなどの外部センサー（不図示）の配線を接続す
る接続端子１００ｊが設けられている。

第一の実施例の各部と対応した部分には、同一
符号を付して説明を省略する。

〔考案の効果〕

本考案によれば、ワイヤレス発信器の外殻構造
が、本体ケースと蓋ケースの２つの部分により構
成されているので、構造が簡単であり、回路基板
上の実装スペースが十分とれる。

また、本体ケースと蓋ケースとを取り外した場
合には回路基板の表面全体が露顕し、その場合回
路基板の表面には、メンテナンス時に手で触れて
も支障のない電子部品のみが実装されているの
で、メンテナンス時に使用者が不用意に電子部品
に手を触れることによつて生じるトラブルを未然
に防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第一の実施例を示す構造説明
図、第２図はその分解斜視図、第３図は本考案の
ワイヤレス発信器に組込まれた発信回路部の回路
構成例図、第４図はワイヤレス発信器のハード構
成図、第５図は第一の実施例に示されたワイヤレ
ス発信器の使用状態説明図、第６図、第７図はそ
れぞれ第二の実施例を示す第１図、第２図に対応
した構造説明図と分解斜視図、第８図は第二の実
施例の使用状態説明図、第９図、第１０図はそれ
ぞれ第三の実施例を示す第１図、第２図に対応し
た構造説明図と分解斜視図、第１１図はワイヤレ
ス発信器を携帯用に使用した場合の使用説明図、
第１２図は従来のワイヤレス発信器の構造説明
図、第１３図はその分解斜視図である。 符号の説明、Ａ，A′，A″……本考案のワイヤ
レス発信器、１……発信回路部、１００……回路
基板、１０１……本体ケース、１０２……蓋カバ
ー、１０３……電池ケース、１０４……アンテ
ナ、１００ｃ，１００ｄ……デイツプスイツチ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 セキユリテイー信号を、アンテナを有した発信
   回路部より電波信号の形で輻射するようにしたワ
   イヤレス発信器において、 上記ワイヤレス発信器を、アンテナを有した発
   信回路部を形成した回路基板を収容するベース本
   体と、このベース本体の上部に着脱可能とされた
   蓋ケースとより成る２ピースの外殻構造に構成す
   るとともに、上記回路基板は、表面には電池、ワ
   イヤレス発信器の使用時に設定するデイツプスイ
   ツチなどの使用者が手で触れても支障のない電子
   部品を設け、かつ裏面には上記発信回路部を構成
   するその他の電子部品を実装した構成にしたこと
   を特徴とするワイヤレス発信器。