JPH0543460Y2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0543460Y2
JPH0543460Y2 JP1990074993U JP7499390U JPH0543460Y2 JP H0543460 Y2 JPH0543460 Y2 JP H0543460Y2 JP 1990074993 U JP1990074993 U JP 1990074993U JP 7499390 U JP7499390 U JP 7499390U JP H0543460 Y2 JPH0543460 Y2 JP H0543460Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
winding
primary winding
current
ignition coil
auxiliary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1990074993U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0432519U (ja
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP1990074993U priority Critical patent/JPH0543460Y2/ja
Publication of JPH0432519U publication Critical patent/JPH0432519U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH0543460Y2 publication Critical patent/JPH0543460Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 (A) 産業上の利用分野 本考案は、内燃機関等に於いて、混合気に、放
電の花火で点火せしめる、電流遮断型誘導放電方
式点火装置の、イグニシヨンコイルの性能向上を
図り、低速回転から、高速回転に至る広い範囲の
回転数に於いて、点火プラグに、放電持続時間の
長い、強力なエネルギーの火花を発生せしめる為
の、イグニシヨンコイルの構成に関するもので、 本考案により、混合気の燃焼効率を高め、出力
上昇と、燃料消費の、節減に資すると共に、排気
ガスの浄化に寄与する事を目的としたものであ
る。
(B) 従来の技術 内燃機関等で用いられる、電流遮断型誘導放電
方式点火装置に於いて、点火プラグに、強力な、
エネルギーの火花を発生せしめる為には、イグニ
シヨンコイルの一次巻線に、十分な値の直流電流
を流した状態で、急激に電流を遮断する事で発生
する逆起電力を、昇圧して、二次巻線から、高電
圧を点火プラグに導く方法がとられているが、イ
グニシヨンコイルの、一次巻線に流れる電流が、
十分な値に達するには、一次巻線のインダクタン
スの作用で、若干の時間を要する。
従つて、低速回転域では点火後、次ぎの点火ま
での時間が長い為、一次巻線に流れる電流は、十
分な値に達して問題は無いが、回転数が上昇し
て、高速回転域に及ぶに従つて、一次巻線に流れ
る電流が減少し、遮断電流が低下して、一次巻線
に発生する逆起電力のエネルギーが小さくなり、
二次巻線から、点火プラグに導かれる電圧が低下
して次第に火花が小さくなり、ついには失火に至
る。この点に関する抜本的、対策は、インダクタ
ンスに直流電圧を加える手法の限界から、原理的
に無理であり、不可能とされて来たものである。
従来、この点に関する一つの解決手段として、
一次巻線に直列に抵抗器を挿入して、一次巻線の
インタクタンスと、抵抗分で定まる時定数の値を
若干、小さくする事で、一次巻線のインダクタン
スの影響を緩和し、一次巻線に、流れる電流の、
立ち上がり特性の向上を図つたものが、一般的に
多用されている。
しかしながら、この手段では、若干の効果が得
られるものの、回転数が上昇して、高速回転域に
及ぶに従い、一次巻線に流れる電流が減少し、遮
断電流が低下して、十分に満足される性能が得ら
れない。
他の解決手段として、イグニシヨンコイルの、
構造を、一次巻線の巻線数が少なくても、所定の
値のインダクタンスと、低巻線抵抗値が得られる
閉磁路型の特殊な構造として、飽和電流の値を、
一般的な開磁路型イクニシヨンコイルに於ける、
4〜5アンペア程度の値に対し、30アンペアー程
度に設定し、6アンペア程度に達した時点から一
定の電流値とする、定電流制御を行ない一次巻線
に流れる電流の、立ち上がり特性の向上を図つ
た、定電流制御型誘導放電方式点火装置が、一部
で用いられている。
この方式の点火装置は、低速回転から、高速回
転に至る広い範囲の回転数に於いて、点火プラグ
に強力なエネルギーの火花を発生する、優れた性
能の点火装置であるが、特殊な構造の、閉磁路型
イグニシヨンコイル及び、定電流制御等の為の電
子回路等が複雑で高価となり、価格的に不利な点
と、一次巻線のインダクタンスの値は、一次巻線
に流れる電流の、立ち上がり特性から、その値は
制約され大きく出来ない為、性能向上にも限界が
あり、前述の手段に比し、かなりの改善効果が得
られるものの、インダクタンスに直流電圧を加え
る手法の限界から、問題点を完全にクリアーする
事は出来ない。
この辺が従来の技術の限界である。
(C) 考案が解決しようとする問題点 従来、内燃機関等で、用いられる、電流遮断型
誘導放電方式点火装置に於いて、点火プラグに、
強力なエネルギーの火花を、発生せしめるには、
イグニシヨンコイルの、一次巻線に、飽和電流に
近接もしくは達する、十分な値の、直流電流を流
した状態で、急激に、電流を遮断する事で発生す
る、逆起電力を昇圧して、二次巻線から、高電圧
を点火フラグに導く方法がとられているが、イグ
ニシヨンコイルの一次巻線に流れる電流が、十分
な値に達するには、一次巻線の、インダクタンス
の作用で、若干の時間を要する。
従つて、低速回転域では、点火後、次ぎの点火
までの時間が長い為、一次巻線に流れる電流は、
十分な値に達して、全く問題は無いが、回転数が
上昇し、高速回転域に及ぶに従つて、一次巻線に
流れる電流が減少し、遮断電流が低下する。
従つて、一次巻線に発生する逆起電力のエネル
ギーも小さくなつて、二次巻線から、点火プラグ
に導かれる電圧が低下して、次第に火花が小さく
なり、ついには失火に至る性状は、前述の通りで
ある。これは、一次巻線に流れる電流の、立ち上
がり特性が良くない為である。
鉄心に巻線した構造から成る、イグニシヨンコ
イルは、インダクタンスである インダクタンスに、直流電圧を加えると、イン
ダクタンス自身の逆起電力の作用で、インダクタ
ンスの値と、巻線抵抗分で定まる時定数の値に従
い、時間の経過に伴つて、電流が除々に緩やかに
立ち上がり、飽和電流に達する現象は自然法則で
あり、従来、この点からの制約は、止むを得ない
事とされて来たものである。
従つて、電流遮断型誘導放電方式点火装置に於
ける、イグニシヨンコイルの、一次巻線に流れる
電流の、立ち上がり特性を、飛躍的に向上せしめ
る為の、抜本的、対策は、原理的に無理であり、
不可能とされて来たものである。
この辺が、従来方式のイグニシヨンコイルに於
けるネツクであり、問題点である。
(D) 問題点を解決する為の手段及び作用 本考案の、無誘導形イグニシヨンコイルは、内
燃機関等で用いられる、電流遮断型誘導放電方式
点火装置の性能向上を図る為、イグニシヨンコイ
ルの、一次巻線に流れる電流の、立ち上がり特性
の向上を図り、高速回転域における遮断電流の低
下を補い、低速回転から、高速回転に至る広い範
囲の回転数に於いて、点火プラグに放電持続時間
の長い強力なエネルギーの火花を発生せしめる為
のイグニシヨンコイルの構成に関するものであ
る。
電流遮断型誘導放電方式点火装置に於いて、回
転数が上昇し、高速回転域に及ぶに従い、イグニ
シヨンコイルの、一次巻線に流れる電流が次第に
減少する現象は、従来方式のイグニシヨンコイル
に於いては、インダクタンスに直流電圧を加える
手法に依る以上、原理的に止むを得ない事で、こ
の点に関する抜本的、解決策は無く、従つて、不
可能とされて来たものである。
インダクタンスに直流電圧を加えると、インダ
クタンス自身の逆起電力の作用で、インダクタン
スの値と、巻線抵抗分で定まる時定数の値に従い
時間の経過に伴つて、電流が除々に、緩やかに立
ち上がり、飽和電流に達する現象は、自然法則で
あり、従来、この点からの制約は、原理的に止む
を得ない事とされて来たものである。
本考案は、この点に着目して、極めてシンプル
な構成で、抜本的、解決を図つたものである。
つまり、イグニシヨンコイルの、一次巻線の、
インダクタンスの値を、一般的な値に保つたまま
で、イグニシヨンコイルの動作時に(一次巻線に
電流が流れ始め、飽和電流に達する過程)一次巻
線のインダクタンス(自己誘導作用)の値を、減
少せしめる為の手段である。
ちなみに、一般的なイグニシヨンコイルの、一
次巻線のインダクタンスの値は、5mH〜12mH
程度で、巻線抵抗値が、1オーム〜3オーム程度
のものが多用されており、飽和電流に達するには
数mSECの時間を要する。
二次巻線に於けるインダクタンスの値は、60H
程度のものが多用されており、一次巻線と、二次
巻線の巻線数の比で定まる、昇圧比の値は、80〜
150程度のものが多用されている。
従来の、電流遮断型誘導放電方式点火装置に於
いては、イグニシヨンコイルの、一次巻線に、直
流電流を流した状態で、つまり、イグニシヨンコ
イルの鉄心を、励磁した状態から、電流を、急激
に遮断して、鉄心が無励磁状態に急変する過程で
発生する逆起電力を利用し、二次巻線で昇圧され
た高電圧を、点火プラグに導いている。
しかし、鉄心が励磁された状態から、無励磁状
態に急変せしめる事は、必ずしも本質的に重要な
事ではなく、鉄心の励磁状態に求められるのは、
急激に変化する励磁状態の変化の度合いである。
従つて、鉄心は、無励磁状態から、急激に、励
磁状態に急変しても、前述の場合と同様に逆起電
力を発生し、二次巻線で昇圧された、高電圧が点
火プラグに導かれる。
本考案の、無誘導形イグニシヨンコイルに於い
ては、鉄心9に巻線した、一次巻線1,二次巻線
2から成るイグニシヨンコイルの、「一次巻線1
に対して、層状に設けた、補助巻線3の入力端子
7と、一次巻線1の入力端子4を接続して、補助
巻線3と、一次巻線1を同一巻線方向とし、補助
巻線3の出力端子8から、地気間に、塞流線輪1
0と、抵抗器12を直列に設けた構成に成るもの
である。」 補助巻線〜塞流線輪〜抵抗器(電流設定用)〜
地気の径路に、常時、一次巻線に流れる電流に対
して、一定の値の逆方向の電流を流しておく。
従つて、イグニシヨンコイルの、鉄心の状態は
一次巻線に電流が流れていない状態に於いて、既
に逆方向の電流で励磁されている。
この状態で、一次巻線の経路が閉じると、補助
巻線を、一次巻線に対して、層状に設けている為
両巻線に対して、鉄心の同一部位が共通に介在さ
れる事から、一次巻線から発生する磁束が、補助
巻線から発生している、逆方向の磁束と、互いに
打ち消す方向に作用し、相殺されて、この過程の
動作で、一次巻線に於ける、インダクタンス(自
己誘導作用)の値が減少し、鉄心は無励磁状態と
なる。
この過程の動作が、無誘導性に近似したもので
一次巻線に流れる電流の、立ち上がり特性を飛躍
的に向上せしめる事が出来る。
このような動作を為さしめるには、一次巻線と
補助巻線に対して、鉄心の同一部位が、共通に介
在される条件を満たす事が、必須、且つ絶対条件
である。
開磁路型イグニシヨンコイルに於ける場合は、
棒状の鉄心(けい素鋼板を積層した角柱状の鉄
心)の、ほぼ全域に渡つて、二次巻線,一次巻線
を設けた、巻線構造となつている為、一次巻線の
上層部あるいは、下層部等、どの部位に補助巻線
を設けても、一次巻線に介在される鉄心の部位
と、補助巻線に介在される鉄心の部位とが、同一
部位となり、両巻線に対して、共通の部位が介在
される。
尚、一次巻線と、補助巻線間の結合度は、空気
に対し、一万倍以上の大きな値の透磁率を有する
鉄心のため、鉄心を介した、相互誘導作用によ
る、結合に変わりは無いが、一次巻線と、補助巻
線に対して、鉄心の同一部位が、共通に介在され
る条件を満たしている場合に於いてのみ、補助巻
線から発生している逆方向の磁束と、一次巻線か
ら、発生する磁束が、互いに、打ち消す方向に作
用し相殺されるものである。
ちなみに、閉磁路型イグニシヨンコイルの場合
に於いては、巻線を設け得る部位が、複数個所、
存在する為に、一次巻線と、補助巻線を、互いに
鉄心上の異なる部位に設けると、両巻線間の結合
度は、鉄心を介した結合のみに依るものとなり、
単に、補助巻線に流れている電流で、鉄心に磁気
バイアスを加えた状態に過ぎなくなり、両巻線間
の、直接的な磁気的、関与が為されない為、前述
の無誘導性は発揮されない。
一次巻線に対して、層状に補助巻線を設ける事
で、前述の条件を満たすものである。
従つて、これは回路上の問題ではなく、巻線構
造上の問題である。
以上の過程の動作が、無誘導形イグニシヨンコ
イルの名称の所以である。
一次巻線に流れる電流が、飽和電流に近接もし
くは、達した時点で、一次巻線の径路が急激に遮
断されると、鉄心の励磁状態は、無励磁状態から
急激に励磁状態となり、一次巻線及び、補助巻線
に逆起電力を発生し、二次巻線で昇圧された高電
圧が、点火プラグに導かれる。
この関係は、回転数が上昇し、高速回転域に達
しても劣化する事なく、保たれる為、前述の無誘
導性で、点火プラグに放電持続時間の長い、強力
なエネルギーの火花を発生せしめる事ができる。
尚、従来方式の点火装置に於ける、イグニシヨ
ンコイルの、鉄心の励磁状態は、一次巻線に加え
られた直流電流で流れる、単一方向の電流で励磁
され磁化される事から、鉄心のヒステレシス損失
の為、鉄心を効率良く動作せしめる事が出来なか
つたが、本考案の無誘導形イグニシヨンコイルに
於いては、一次巻線に流れる電流の、立ち上がり
特性を、要求される性能に満足したうえで、補助
巻線側に流れる電流の値を、一次巻線に流れる電
流の値に比し、若干、小さく設定すると、一次巻
線に流れている電流の遮断時に於ける鉄心の磁化
状態は、一次巻線に流れている電流で発生する、
磁束方向の極性から、補助巻線側に流れている電
流の方向による、磁束方向の極性に瞬時に反転す
る事から、鉄心のヒステリシス損失が、小さくな
る事も、高速回転域では、プラス要因となり、イ
グニシヨンコイルの性能向上に寄与する。
以上の、極めてシンプルな構成に成る、無誘導
形イグニシヨンコイルで、従来技術の延長上では
不可能とされていた、電流遮断型誘導放電方式点
火装置の、高速回転域に於ける、問題点に関して
抜本的に、実用上、完全に解決する事が出来る。
(E) 実施例 本考案の、無誘導形イグニシヨンコイルを用い
て構成した、電流遮断型誘導放電方式点火装置を
図面に基づいて説明すると、第1図の、点火装置
の回路図及び、その動作を示す第2図に於いて、
鉄心9に巻線した、一次巻線1,二次巻線2から
成るイグニシヨンコイルの、「一次巻線1に対し
て、層状に設けた、補助巻線3の入力端子7と、
一次巻線1の入力端子4を接続して、補助巻線3
と、一次巻線1を同一巻線方向とし、補助巻線3
の出力端子8から、地気間に、塞流線輪10と、
抵抗器12を直列に設けた構成に成るものであ
る。」 二次巻線2の径路は、一次巻線1の巻線の入力
側に内接され、二次巻線2〜二次巻線2の出力端
子6〜点火プラグ16へ。
補助巻線3の径路は、端子4〜端子7〜補助巻
線3〜端子8〜塞流線輪10〜抵抗器12〜地気
の径路から成り、一次巻線1の端子4と、地気間
に加えられた電池17の径路で回路が形成され
る。
補助巻線側に流れる電流I2は、電池17の電圧
と、補助巻線3,塞流線輪10の巻線抵抗分と、
電流設定用抵抗器12とで定まる、一定の値の電
流I2に達する。
一次巻線1に流れる電流I1の回路は、電池17
〜端子4〜一次巻線1〜端子5〜ブレーカポイン
ト13〜地気(電池の帰路)で形成される。
一次巻線1に流れる電流I1は、ブレーカポイト
13ガ閉じた時点、ONから流れ始めるが、補助
巻線3と、一次巻線1の、巻線方向が同一方向
で、補助巻線3を、一次巻線1に対して層状に設
けている為、鉄心9の同一部位が、両巻線に対し
て共通に介在され、且つ、I1とI2の電流方向が、
互いに逆方向となる為、一次巻線1から発生する
磁束を、補助巻線3から発生している逆方向の磁
束で、互いに打ち消す方向に作用し、相殺され
て、I1が一次巻線1に流れ始め、飽和電流I1′に
達する過程で、一次巻線1のインダクタンス(自
己誘導作用)の値が減少し短時間に電流I1が立ち
上がり、飽和電流I1′に近接もしくは達する。
この過程の動作が、無誘導性に近似た動作とな
る。
この点が、本考案の、無誘導形イグニシヨンコ
イルを用いて構成した電流遮断型誘導放電方式点
火装置の特徴である。
鉄心に巻線した構造から成るイグニシヨンコイ
ルはインダクタンスである。
インダクタンスに、直流電圧を加えると、イン
ダクタンス自身の逆起電力の作用で、インダクタ
ンスの値と、巻線抵抗分で定まる時定数の値に従
い、時間の経過に伴つて、電流が除々、緩やかに
立ち上がり、飽和電流に達する現象は、自然法則
である。
従来、この点からの制約は、原理的に止むを得
ない事とされてきたのであるが、本考案に於いて
は、この点に着目して、極めてシンプルな構成で
イグニシヨンコイルの動作に関する、従来からの
電磁事象の理論的、定説からの制約を覆し抜本的
解決を図つたものである。
従つて、一次巻線,二次巻線から成る従来方式
の、一般的なイグニシヨンコイルを用いて構成し
た、電流遮断型誘導放電方式点火装置に比し、一
次巻線1に流れる電流I1の、立ち上がり特性が、
飛躍的に向上して、短時間に飽和電流I1′に近接
もしくは達する。
この過程に於ける塞流線輪10の作用は、補助
巻線3の逆起電力に対して、短絡を防ぎ、一次巻
線1に流れる電流I1の、立ち上がり特性の劣化を
防止する。
鉄心9の励磁状態は、補助巻線3に流れている
電流I2による励磁状態から、一次巻線1に流れる
電流I1が、飽和電流1′に近接もしくは、達した時
点では、無励磁状態もしくは、I1,I2の設定値に
より、I1方向で、若干の励磁状態にある。
この状態で、ブレーカポイント13が開いて、
OFFとなると、急激にI1が遮断され、I2のみとな
る。
鉄心9の励磁状態は、瞬時に、補助巻線3に流
れている電流I2による、磁束方向の極性で励磁さ
れ一次巻線1及び、補助巻線3に、パルス状の逆
起電力を発生する。
この過程に於ける塞流線輪10の作用は、補助
巻線3の、逆起電力に対して、短絡を防ぎ、遮断
特性の劣化を防止する。
蓄電器14は、一次巻線1の逆起電力で発生す
る、ブレーカポイント13の、接点アークの発生
を抑え、接点アークによる、遮断特性の劣化を防
止する。
ブレーカポイント13が開き、OFFとなると
瞬時に、二次巻線2に昇圧された高電圧HVが発
生し、二次巻線2の、巻線間容量、その他の容量
から成る、漂遊容量15に充電されると共に、出
力端子6を経て、点火プラグ16に導かれ、混合
気に介在される点火プラグ16の、電極間隙の電
圧限界を越えると、放電を開始し、混合気に点火
する。ちなみに、大気中の、1cmの電極間隙に於
ける、放電開始電圧は、10kv程度である。
内燃機関等のシリンダー内に於ける圧縮比の値
は、10近くに設定されており、点火プラグ16の
電極間隙は、1mm前後に設定されている。
従つて、点火プラグ16に要する、高電圧HV
は10kv程度の高電圧を要する。
尚、点火プラグの汚損等を考慮して、更に高電
圧を要求される事になる。
放電開始時のアークは、1マイクロセコンド程
度の、極めて短時間に放電終期に達する、容量性
放電に依るものである。
一旦、放電を開始すると、点火プラグの、電極
間隙に介在する混合気がイオン化され、引き続い
て、イグニシヨンコイルの電磁エネルギーの放出
に依る誘導放電で、アークが継続される。
一旦、放電を開始した後は、混合気のイオン化
の為、放電開始時に比し、かなり低い電圧でアー
クガ継続される。
つまり、放電開始時の、容量性放電は、アーク
の引き金としての役割を果たしており、10kV程
度以上の高電圧を要するが、一旦、放電を開始し
た後は、300V〜500V程度以上の低い電圧でイグ
ニシヨンコイルの電磁エネルギーの放出により、
アークが継続される。
アークの継続時間は、放電開始時の、容量性放
電に依る、1マイクロセコンド程度の継続時間に
比し、1mSEC〜2mSEC程度と、千倍以上持続し
て、混合気の燃焼に関与する。
本考案の、無誘導形イグニシヨンコイルに於い
ては、前述の、無誘導性で、一次巻線1に流れる
電流I1の、立ち上がり特性が、飛躍的に向上する
為、従来方式のイグニシヨンコイルに比し、一次
巻線1の、インダクタンスの値を、若干、大きく
昇圧比の値を、若干、小さく設定する事も可能と
なり、一次巻線1に流れる電流I1の、遮断時に発
生する、逆起電力のエネルギーが増大し、一次側
に対する二次側の、負荷効果も小さくなり、更に
性能を向上せしめる事ができる。
第2図の、ONから立ち上がる点線は、従来方
式の、一般的なイグニシヨンコイルに於ける、一
次巻線に流れる電流の、立ち上がり特性の傾向を
示したもので、通常の手段で、イグニシヨンコイ
ルの、一次巻線(インダクタンス)に、直流電圧
を加えた場合、この傾向は避けられないものであ
る。
補助巻線3に、常時、流している電流I2の値は
一次巻線1に流れる電流I1の値に、必ずしも近接
させる必要は無く、一次巻線1のアンペアターン
と、補助巻線3のアンペアターンの値を近接せし
めると良く、従つて、補助巻線3の巻線を、一次
巻線1の、巻線数の、数倍に設定すると、補助巻
線3に流れる電流I2の値は、一次巻線1に流れる
電流I1の値の、数分の一でよく実用的な値とな
る。
近年、ブレーカポイント13の接点に替わつて
遮断特性や、信頼性等の向上の為、トランジスタ
等を用いて、無接点化した点火装置が多用されて
いるが、本考案の無誘導形イグニシヨンコイルは
イグニシヨンコイル自体の構成に関するものであ
り、従つて、接点方式、無接点方式を問わず、電
流遮断型誘導放電方式点火装置に適用し、取り入
れる事ができる。
本考案の、無誘導形イグニシヨンコイルの構成
及び、動作原理を、定電流制御型誘導放電方式点
火装置の、閉磁路型イグニシヨンコイルに適用し
取り入れて、一次巻線の、インダクタンスの値を
従来に比し、若干、大きく、昇圧比の値を、若干
小さく設定すると、一次巻線に流れる電流の、立
ち上がり特性が向上して、一次巻線に流れている
電流の遮断時に発生する、逆起電力のエネルギー
も増大し、一次側に対する、二次側の負荷効果も
小さくなり、更に性能を向上せしめる事が出来
る。
第3図は、無誘導形イグニシヨンコイルの断面
図を示したもので、第4図に、その平面図を示
す。電気鉄板19を介する、ケース18の低部
の、巻線支持台20上の、鉄心9を介する巻線用
ボビン21に巻線した、二次巻線2,一次巻線1
の周りに一次巻線1に対して、層状に補助巻線3
を設ける。一次回路は、キヤツプ22に設けた端
子4〜一次巻線1〜端子5〜ブレーカポイント1
3〜地気。(電池の帰路) 二次回路は、端子4に内接され、二次巻線2〜
端子6〜点火プラグ16の径路で形成される。
開磁路型イグニシヨンコイルの一般的構造から
二次巻線2の出力となる、二次巻線2の巻き始め
は、ケース18から絶縁された、鉄心9に接する
スプリング23を介して、出力端子6に至る構造
が一般的である。
従つて二次回路は、端子4〜二次巻線2〜鉄心
9に接するスプリング23〜出力端子6〜点火プ
ラグ16へ。
補助巻線3の回路は、端子4〜端子7〜補助巻
線3〜端子8〜塞流線輪10〜抵抗器12(電流
設定用)〜地気(電池の帰路)の径路で形成され
る。空隙部分に充填されたオイル25は、絶縁と
冷却用で、バツキング24で、オイルの漏出を防
ぐ。
(F) 考案の効果 内燃機関等で用いられる、電流遮断型誘導放電
方式点火装置に於いては、低速回転域では、従来
方式の点火装置で、要求される性能を十分に満足
している事から、全く問題は無いが、回転数が上
昇し、高速回転域に及ぶに従つて、イグニシヨン
コイルの、一次巻線に流れる電流が、次第に減少
し、遮断電流が低下して、一次巻線に流れる電流
の、遮断時に発生する、逆起電流のエネルギーが
小さくなり、ついには失火に至る。
この点が、従来方式の電流遮断型誘導放電方式
点火装置に於ける、最大の問題点である。
この点に関しては、回路設計等の検討により、
改良がなされているものの、未だ、抜本的、解決
がなされていない。
それは、インダクタンスに、直流電圧を加える
手法の限界によるものである。
イグニシヨンコイルは、鉄心に巻線した構造か
ら成つており、インダクタンスである。
「インダクタンスに、直流電圧を加えると、イ
ンダクタンス自身の逆起電力の作用でインダクタ
ンスの値と、巻線抵抗分で定まる、時定数の値に
従い時間の経過に伴つて、電流が、除々に、緩や
かに立ち上がり、飽和電流に達する現象は、自然
法則である。」 従来、この点からの制約は、止むを得ない事と
されて来たものである。
一般的なイグニシヨンコイルの、一次巻線の、
インダクタンスの値は、5mH〜12mH程度で巻
線抵抗値が、1オーム〜3オーム程度のものが多
用されている。
従つて、一次巻線に流れる電流が、十分な値に
達するには、数mSECの時間を要する。
従来からの考え方では、イグニシヨンコイルに
対する、一次巻線に流れる電流の、立ち上がり特
性を、飛躍的に向上せしめる為の、抜本的、対策
は原理的に無理であり、不可能とされてきたもの
である。
本考案は、この点に着目して、前述の手段によ
り、イグニシヨンコイルの動作に関わる、電磁事
象の、理論の定説を覆して、極めてシンプルな構
成で、抜本的、解決を図つたものである。
本考案の、無誘導形イグニシヨンコイルでは、
「一次巻線1に対して、層状に設けた、補助巻線
3の入力端子7と、一次巻線1の入力端子4を接
続して、補助巻線3と、一次巻線1を同一巻線方
向とし、補助巻線3の出力端子8から、地気間
に、塞流線輪10と、抵抗器12を直列に設けた
構成に成るものである。」 補助巻線3〜塞流線輪10〜抵抗器12〜地気
の径路に、常時、一次巻線1に流れる電流I1に対
して、逆方向の電流I2を流しておく。
ブレーカポイント13が閉じ、ONとなり、一
次巻線1の径路に、電流I1が流れ始めると、補助
巻線から発生している逆方向の磁束と、一次巻線
1から発生する磁束が、互いに、打ち消す方向
に、作用し、相殺されて、この過程で、一次巻線
1のインダクタンス(自己誘導作用)の値が減少
し、一次巻線1に流れる電流I1の、立ち上がり特
性が飛躍的に向上する。
本考案の、無誘導形イグニシヨンコイルを用い
て構成した、電流遮断型誘導放電方式点火装置が
機能し、真価を発揮する為には、一次巻線1と、
補助巻線3に対して、鉄心9の同一部位が、共通
に介在される条件を満たす事が、必須、且つ絶対
条件である。開磁路型イグニシヨンコイルの鉄心
9は、棒状の鉄心を用いている為、補助巻線3を
一次巻線1に対して、層状に設けると、必然的に
以上の条件を満足する。
補助巻線3を、一次巻線1に対して、層状に設
けても、一次巻線1と、補助巻線3間の結合度は
空気に対し、一万倍以上の大きな値の透磁率を有
する鉄心の為、鉄心9を介した、相互誘導作用に
変わりは無いが、一次巻線1と、補助巻線3に対
し、鉄心9の同一部位が、共通に介在される条件
を、満足している場合に於いてのみ、補助巻線3
から発生している逆方向の磁束と、一次巻線1か
ら発生する磁束が、互いに、打ち消す方向に作用
し、相殺されて、一次巻線1の、インダクタンス
(自己誘導作用)の値が減少し、一次巻線1に流
れる電流I1の、立ち上がり特性が飛躍的に向上す
る。
従つて、これは、回路上の問題ではなく、巻線
構造上の問題である。
開磁路型イグニシヨンコイルの、主要構造は、
棒状の鉄心(けい素鋼板を積層した角柱状の鉄
心)の、ほぼ全域に渡つて、二次巻線2,一次巻
線1、を設けている為、どの部位に補助巻線3を
設けても、必然的に上記の条件を満足するが、参
考までに、閉磁路型イグニシヨンコイルの場合
は、巻線を設け得る部位が複数個所、存在する
為、一次巻線に対して、鉄心上の異なる部位に補
助巻線を設けると、単に補助巻線に流している電
流で、鉄心に磁気バイアスを加えた状態に過ぎな
くなり、一次巻線と、補助巻線間の直接的な磁気
的、関与が為されない為、従つて、無誘導性は発
揮されない。
この場合に於いても、補助巻線を、一次巻線に
対して、層状に設けると、開磁路型イグニシヨン
コイルの場合と同様に、両巻線に対して、鉄心の
同一部位が、共通に介在され、両巻線間の直接的
な磁気的、関与から、無誘導性が発揮される。
本考案の、無誘導型イグニシヨンコイルを用い
て構成した、電流遮断型誘導放電方式点火装置に
よる内燃機関等に於いては、イグニシヨンコイル
の、一次巻線に流れる電流の、立ち上がり特性が
前述の如く、飛躍的に向上して、その特性が高速
回転域に達しても、衰える事なく、保たれる為、
低速回転から、高速回転に至る、広い範囲の回転
数に於いて、点火プラグに、放電持続時間の長い
強力なエネルギーの火花を、発生せしめる事が出
来る。
従つて、混合気の燃焼効率が高まり、出力上昇
と、燃料消費の節減に資すると共に、排気ガスの
浄化に寄与する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、無誘導形イグニシヨンコイルを用い
て構成した、点火装置の実施例を示す回路図で、
第2図は、その動作表。第3図は、無誘導形イグ
ニシヨンコイルの、断面図。第4図は、無誘導形
イグニシヨンコイルの平面図。 各、図面中、1は、一次巻線。2は、二次巻
線、3は、補助巻線。4は、一次巻線の入力端子
で、二次巻線の入力と共通端子。5は、一次巻線
の出力端子。6は、二次巻線の出力端子。7は、
補助巻線の入力端子。8は、補助巻線の出力端
子。9は、イグニシヨンコイルの鉄心。10は、
塞流線輪。11は、塞流線輪の鉄心。12は、補
助巻線の電流設定用抵抗器。13は、ブレーカポ
イント。14は、蓄電器。15は、漂遊容量。1
6は、点火プラグ。17は、電池。18は、ケー
ス。19は、電気鉄板。20は、巻線用支持台。
21は、巻線用ボビン。22は、キヤツプ。23
は、スプリング。24は、バツキング。25は、
オイルである。I1は、一次巻線1に流れる電流。
I1′は、一次巻線1に流れる電流の飽和電流。I2
は、補助巻線3に流れている電流。ONは、ブレ
ーカポイント閉。OFFは、ブレーカポイント開。
Tは、時間。HVは、二次巻線に発生する高電圧
である。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 一次巻線1に対して、層状に設けた、補助巻線
    3の入力端子7と、一次巻線1の入力端子4を接
    続して、補助巻線3と、一次巻線1を同一巻線方
    向とし、補助巻線3の出力端子8から、地気間
    に、塞流線輪10と、抵抗器12を直列に設けた
    構成を特徴とする無誘導形イグニシヨンコイル。
JP1990074993U 1990-07-13 1990-07-13 Expired - Lifetime JPH0543460Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1990074993U JPH0543460Y2 (ja) 1990-07-13 1990-07-13

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1990074993U JPH0543460Y2 (ja) 1990-07-13 1990-07-13

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0432519U JPH0432519U (ja) 1992-03-17
JPH0543460Y2 true JPH0543460Y2 (ja) 1993-11-02

Family

ID=31615180

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1990074993U Expired - Lifetime JPH0543460Y2 (ja) 1990-07-13 1990-07-13

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0543460Y2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10344891A1 (de) * 2003-09-26 2005-04-21 Bosch Gmbh Robert Zündspule für einen Ottomotor

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4735132U (ja) * 1971-05-08 1972-12-19

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4735132U (ja) * 1971-05-08 1972-12-19

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0432519U (ja) 1992-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7506641B2 (en) Ignition device
US20140261346A1 (en) Ignition apparatus
JPS5821112B2 (ja) スパ−クプラグ点火装置
JPH03154311A (ja) 点火コイル
KR101818995B1 (ko) 에너지 저장 및 변환 기능을 갖춘 점화 코일
US3980922A (en) Capacitance discharge type breakerless ignition system for an internal combustion engine
US7182077B2 (en) High energy density inductive coils for approximately 300 ma spark current and 150 mj spark energy for lean burn engines
JPH0543460Y2 (ja)
JP2018084209A (ja) 内燃機関用点火装置
JPH04121458A (ja) 内燃機関用スピード・リミター
JPH02245473A (ja) 内燃機関の点火装置
JP4380917B2 (ja) 容量性放電システムと磁心・コイル組立体を備えた火花点火システム
US3824977A (en) Internal combustion engine ignition system
US4949696A (en) Capacitor ignition systems
JPH0311876Y2 (ja)
US6684866B2 (en) Ignition system for an internal combustion engine
US4448182A (en) Ignition system for internal combustion engines
RU2362902C2 (ru) Способ снижения пробивного напряжения в системах зажигания двигателей внутреннего сгорания
JP4621638B2 (ja) 点火装置
EP1887217A2 (en) Ignition system for an internal combustion engine
JPS6248967A (ja) 内燃機関用点火装置
JP2997577B2 (ja) 内燃機関用点火コイル
JPS60210824A (ja) 無誘導形イグニシヨンコイル
JP3200794B2 (ja) 内燃機関の点火コイル
JPS62210262A (ja) パルス発生回路とそれを用いた点火装置