JPH0543028Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 物品の上昇高さを任意に調節する昇降駆動装置
であつて、例えば、カラーテレビのブラウン管製
造に際して、寸法の異なるブラウン管のパネルに
シヤドウマスクを着脱するためのシヤドウマスク
昇降装置等に好適であるが、その他、物品の扛重
高さが物品の種類に応じて変動させる必要のある
場合等に利用されるものである。

従来の技術 一般にシリンダ装置によつて物品を移動させる
場合には、シリンダ内を往復動するピストンの上
死点と下死点とにおいてピストンは停止するが、
上死点と下死点の中間位置において停止させるこ
とが困難であるので、例えば、シリンダ装置によ
つて物品の昇降高さを変更させる必要がある場合
には、ストローク長の異なる複数のシリンダ装置
を併用している。

すなわち、第３図に示す従来例は、基台Ｆに固
設した大ストローク長を有する一対の大シリンダ
装置C₁，C₁の夫々のピストンロツドR₁，R₁を中
ストローク長を有する一対の中シリンダ装置C₂，
C₂の夫々のピストンロツドR₂，R₂に連結し、更
に、前記中ストローク長の中シリンダ装置C₂，
C₂の夫々に小ストローク長を有する一対の小シ
リンダ装置C₃，C₃を夫々結合し、夫々のシリン
ダ装置C₃，C₃のピストンロツドR₃，R₃を連結し
た昇降杆Ｂに一対の物品支承杆Ｓ，Ｓを立設し、
該支承杆Ｓ，Ｓを前記基台Ｆに取付けた昇降案内
筒Ｇ，Ｇ内に挿通し、該支承杆Ｓ，Ｓの上端に物
品支承具Ｈ，Ｈを取付け、該支承具Ｈ，Ｈに物品
を支承する。

そこで、先ず、大シリンダ装置C₁，C₁に作動
圧液体を供給すると、ピストンロツドR₁，R₁は
該シリンダ装置固有の大ストローク長だけ上昇
し、物品支承杆Ｓ，Ｓも同一の大ストローク長上
昇する。

次に、中シリンダ装置C₂，C₂を作動すると、
物品支承杆Ｓ，Ｓは更に中ストローク長だけ上昇
し、小シリンダ装置C₃，C₃を作動すると、物品
支承杆Ｓ，Ｓは（大ストローク長＋中ストローク
長＋小ストローク長）の高さに上昇する。

したがつて、物品は大・中・小の３段階の組合
せによる複数の高さ位置で停止することができる
が、シリンダ装置のストローク長以下の高さ位置
で停止させることはできない。勿論、ストローク
長の異なる多数のシリンダ装置を組合せることに
より停止高さ位置の数は増大するか、無段階に停
止高さ位置を選択することはできないばかりでな
く、装置が大形化し且つ操作が複雑になる。

最近、大型、小型の各種のカラーテレビの出現
によつてブラウン管の規格寸法も多種類に亘り、
多種類のカラーブラウン管を製造するに際してブ
ラウン管のパネルにシヤドウマスクを自動装着す
るときのシヤドウマスクの装着高さ位置を管種ご
とに変更しなければならない場合が益々増大して
いる。

このような場合に既述したような従来の複数の
シリンダ装置の併用によりシヤドウマスクの装着
高さを変更するとしても限界があり、多管種に対
応できないことは勿論、僅かな高さの変更調節を
シリンダ装置で行うことは困難である。

特に、ブラウン管のパネルにシヤドウマスクを
装着する場合の装着位置精度は、３次元において
超高精度が要求されるものであるために、シヤド
ウマスク装着機は複雑な位置決め機構が取付けら
れているので、パネルの規格寸法が異なる都度、
超高精度を要求される異なる寸法の位置決め機構
を取付けた高価なシヤドウマスク装着機を夫々準
備しなければならない。

考案が解決しようとする問題点 そこで、本考案は、無段階に停止高さ位置を調
節できる昇降駆動装置を提供することによつて上
述した従来技術の欠点を除去しようとするもので
ある。

問題点を解決するための手段 本考案は、液体圧シリンダ昇降操作される物品
支承部材と該流体圧シリンダを取付け且つパスル
モータで回転駆動するねじ軸に螺合した昇降微調
整台とを設け、前記シリンダで昇降操作した物品
支承部材の停止高さ位置を前記該パルスモータの
回転制御により無段階に可変調節する昇降駆動装
置である。

作 用 流体圧シリンダで該シリンダ固有のストローク
長の高さ位置まで急速に物品支承部材を上昇さ
せ、且つパスルモータで回転駆動されたねじ軸を
回転させることにより前記流体圧シリンダ自体を
無段階に微動昇降させて、物品支承部材上の物品
を超高精度をもつて所定の高さ位置に停止させ
る。

実施例 第１図は正面図であつて、基台１の下面に取付
けた垂直ブラケツト２の上下方向に軸受３ａ，３
ｂを離間配設し、該軸受３ａ，３ｂに支承された
ボールねじ軸４の下端に該ねじ軸４を回転制御駆
動するパルスモータ５を取付け、該ねじ軸４に昇
降微調整台６を螺合すると共に、該微調整台６の
側面には、前記垂直ブラケツト２に並設した一対
の垂直案内部材７ａ，７ｂの夫々に沿つて昇降す
る一対の摺動案内片８ａ，８ｂを設け、昇降微調
整台６の上面には一対の下向き液体圧シリンダ９
ａ，９ｂが対角線上に設けられ、夫々のシリンダ
９ａ，９ｂのピストンロツド１０ａ，１０ｂの下
端には、夫々４本のシヤドウマスク支承杆１１
ａ，１１ｂ，１１ｃ及び１１ｄを立設した昇降部
材１２が取付けられ、前記シヤドウマスク支承杆
１１ａ，１１ｂ，１１ｃ及び１１ｄは、夫々前記
基台１に取付けた昇降案内筒１３ａ，１３ｂ，１
３ｃ及び１３ｄ内を貫通し、夫々のシヤドウマス
ク支承杆１１ａ，１１ｂ，１１ｃ及び１１ｄの上
端には、シヤドウマスク支承台１４ａ，１４ｂ，
１４ｃ及び１４ｄを取付け、夫々の支承台１４
ａ，１４ｂ，１４ｃ及び１４ｄには、シヤドウマ
スクが該支承台より外れないようにする複数の爪
部材１５ａ，１５ｂ，１５ｃ及び１５ｄを突設す
る。

また、前記昇降微調整台６は基台１に複数のば
ね１６で吊持され、該ばね１６によつてシリンダ
９ａ，９ｂを取付けた昇降微調整台６の自重の一
部を負担して、パルスモータ５による昇降微調整
台６の昇降動負荷を軽減する。

なお、昇降部材１２の昇降動上限及び下限位置
は、基台１に垂設した部材に取付けたスイツチS₁
及びS₂が昇降部材１２の作動子１７を検知するこ
とによつて規制される。

そこで、シヤドウマスク支承杆１１ａ〜１１ｄ
上に支承載置されるシヤドウマスクの大きさは、
ブラウン管の管種によつて異なるパネルの寸法に
合せて決められ、種々の寸法を有するシヤドウマ
スクの外周に取付けた弾性片のパネルピン係合孔
の高さ位置も異なるので、該パネルピン係合孔を
所定の高さに位置させるため、該所定の高さ位置
近傍まではシリンダ９ａ，９ｂのピストンロツド
１０ａ，１０ｂを伸縮操作することによつて、急
速にシヤドウマスク支承杆のシヤドウマスク支承
台１４ａ〜１４ｄを略所定の高さに上昇或は下降
停止させ、且つ、パスルモータ５を作動してボー
ルねじ軸４の回動を制御することによつて、前記
シリンダ９ａ，９ｂを設けた昇降部材１２を微少
量の昇降動調節して、前記シヤドウマスク支承台
１４ａ〜１４ｄを精確な所定高さ位置に停止させ
ることができるものであり、更に、ボールねじ軸
４の回動制御による昇降部材１２の昇降動は、ば
ね１６によつて円滑軽快に行われる。

なお、本実施例におけるパスルモータは例えば
エンコーダとサーボモータとの組合せで取付けて
もよい。

考案の効果 本考案は、物品を所定の高さにきわめて精確に
昇降停止させる際に、パスルモータで駆動される
ねじ軸に昇降部材に螺合したから、従来の多段ス
トロークシリンダ装置による昇降高さ位置の調節
に比し、無段階且つ極めて微量の昇降調節を簡単
な機構及び操作によつて行うことができ、且つ所
定の昇降高さ近傍位置までは、シリンダ装置によ
つて急速に操作することができるので、所定の昇
降高さ位置に物品を精確に停止させるための時間
が大巾に節減でき、しかも、停止精度はきわめて
優れ、ブラウン管パネルとシヤドウマスクの着脱
装置に本考案を組込むときは、多管種のパネルに
対しても対応できるものであるばかりでなく、流
体圧シリンダが下向きに取付けられているので、
ピストンロツドが下方へ伸張するときに物品支承
部材が降下して高さを減じ、ピストンロツドが上
方へ縮小するときに物品支承部材が上昇して高さ
を増加させるから、ピストンロツドの伸張ストロ
ーク長と物品支承部材の昇降ストローク長との重
なる部分だけ、上下方向の作動空間が削減され該
装置の設置自由度を増大し、その実用的効果は著
大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の正面図、第２図は本考案の昇
降微調整台と昇降部材との関係を示す要部平面
図、第３図は従来例を示す概略正面図である。 １……基台、４……ボールねじ軸、５……パル
スモータ、６……昇降微調整台、９ａ，９ｂ……
流体圧シリンダ、｛１１ａ，１１ｂ，１１ｃ，１
１ｄ……シヤドウマスク支承杆、１４ａ，１４
ｂ，１４ｃ，１４ｄ……シヤドウマスク支承台｝
物品支承部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 流体圧シリンダを下向きに取付け且つパルスモ
   ータで回転駆動するねじ軸に螺合した昇降微調整
   台と該流体圧シリンダのピストンロツドの下端に
   取付けられて昇降操作される物品支承部材とを設
   け、前記シリンダで昇降操作した物品支承部材の
   停止高さ位置を前記パルスモータの回転制御によ
   り無段階に可変調節する昇降駆動装置。