JPH0543018A - 移動式保管棚 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】保管効率を向上し得る移動式保管棚を提供す
る。 【構成】固定棚１間に、複数の区画収納空間３を有し、
前面前方に作業スペースＳを形成する移動棚２を、前後
方向で往復自在に複数配設し、これら固定棚１と移動棚
２の外方に荷捌き場15を形成し、これら荷捌き場15の上
方に亘って前後方向に走行自在なクレーン23を設け、こ
のクレーン23と固定棚１、移動棚２との間で左右方向に
乗り移り自在でかつ作業スペースＳ内で左右方向に移動
自在な可動体25を設け、この可動体25に、出し入れ具を
設けて構成する。 【効果】作業スペースＳは可動体25の移動を許す幅でよ
いことから、保管効率を向上できる。また荷捌き場15の
床にレールがないことから、直接搬送車両を荷捌き場15
に乗り入れることができ、他の物品搬入出用設備を不要
にできる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、たとえば工場内に設置
され、物品を常に効率よく保管し得るとともに、入出庫
を容易に、かつ安全に行えるようにした移動式保管棚に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の移動式保管棚の設備とし
ては、たとえば実開昭61−132303号公報に見られる棚設
備が提供されている。この従来構成では、前後一対の固
定棚間に、固定棚間方向に往復移動自在な複数の可動棚
を配設しており、また各棚は、上下方向ならびに左右方
向に複数の区画収納空間を有する。

【０００３】そして可動棚は、下部に設けた複数の車輪
を床側のレール上に載置するとともに、それぞれ搭載し
たモータを車輪に連動連結することで、一定経路上にお
いて各別に移動自在となる。その際に、棚同士の衝突を
避けるため、あるいは他物に対する可動棚の衝突を避け
るため、各棚の相対向する面側に他物検出装置を設けて
いる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の構成によると、固定棚と可動棚の間、または可動棚間
に形成される作業スペースの幅を、たとえば作業スペー
ス内でフォークリフト車が走行し、かつ旋回し得る長さ
に設定しなければならない。この作業スペースはかなり
広いものであって、その分、設置スペースに対する保管
スペースの割合（保管効率）が低下する。 また他物検出
装置を設けているが充分ではなく、他物検出装置を不測
にしてクリアし作業スペースに入った作業者に可動棚が
衝突し、事故を招く恐れがある。

【０００５】このような問題点を解消するため、可動棚
の外方の床上に敷設したレール上を走行自在で、かつ固
定棚と可動棚の下部に対向してそれぞれ設けられたガイ
ドレールと、固定棚と可動棚の可動棚移動方向である前
後方向の上端にそれぞれ設けられたガイドレールに案内
されて、固定棚と可動棚の間あるいは可動棚間に形成さ
れた作業スペースに進入して物品の受け渡しを行うクレ
ーン装置を設けた移動式保管棚が提供されている。しか
し、この構成では可動棚の外方の床上に敷設したレール
のために搬送車両をこの荷捌きエリアに進入できず、ク
レーン装置から外方に物品の受け渡しを行う搬入出設備
あるいはエリアを別途設ける必要があり、また棚へのク
レーン装置の荷重が作業スペース側に偏ってかかるため
に、クレーン装置の荷重以上に棚のフレームの強化が必
要であり、さらに作業スペースに下部ガイドフレームが
突出するために作業スペースを広くとる必要があるとい
う問題があった。

【０００６】本発明は上記問題を解決するものであり、
保管効率を向上し得、しかも常に安全な入出庫作業を行
えるとともに、クレーン装置から外方に物品の受け渡し
を行う搬入出設備を別途設ける必要がない移動式保管棚
を提供することを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
本発明の移動式保管棚は、上下方向ならびに左右方向に
複数の区画収納空間を有し、前後方向に往復移動自在な
移動棚を、前面前方に作業スペースを形成可能に複数配
設するとともに、各移動棚の上方中央付近左右方向にガ
イドレールを設け、前記移動棚の左右方向外方に荷捌き
場を形成し、前記荷捌き場の上方に亘って前後方向に移
動自在なクレーンを設け、このクレーンおよび前記作業
スペースを形成した前記移動棚のガイドレールとの間で
左右方向から乗り移り自在で、かつ作業スペース内で左
右方向に移動自在な可動体を設け、この可動体に、昇降
自在で、かつ前後方向に出退自在な出し入れ具を設けた
ことを特徴とするものである。

【０００８】

【作用】かかる本発明の構成によると、クレーンに可動
体を乗り移らせた後、出し入れ具の昇降動と出退動との
組み合わせ動作により、可動体と荷捌き場との間で物品
の受け渡しを行える。

【０００９】そして目的とする区画収納空間の前方に作
業スペースが生じるように移動棚を移動させた状態で、
クレーンを移動させて可動体を作業スペースの端部外方
に位置させる。次いで可動体をクレーンから作業スペー
スを形成した移動棚のガイドレールへ左右方向から乗り
移らせ、可動体を作業スペース内で移動させて目的とす
る区画収納空間の前方に対向させ停止させる。そして出
し入れ具の昇降動と出退動との組み合わせ動作により、
目的とする区画収納空間に対して物品の入出庫を行え
る。

【００１０】また、可動体と荷捌き場との間で物品の受
け渡しが行われている間に、目的とする区画収納空間の
前方に作業スペースが生じるように移動棚を移動させる
ことが可能となり、作業のサイクルタイムが速くなる。

【００１１】また移動棚のガイドレールは中央に配置さ
れることから、可動体および物品の荷重は移動棚の中央
にかかり、以て可動体および物品の荷重以上に移動棚の
フレームを強化する必要はなく、また作業スペースにガ
イドレールに突出することがないことから、作業スペー
スを狭くすることができ、保管効率を向上できる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図１は、本発明の一実施例における移動式保管
棚の斜視図、図２は同移動式保管棚の概略平面図、図３
は同移動式保管棚の要部側面図である。

【００１３】１は上下方向ならびに左右方向に複数の区
画収納空間３を有する前後一対の固定棚であり、これら
固定棚１間に、上下方向ならびに左右方向に複数の区画
収納空間３を有し、固定棚間方向である前後方向で往復
移動自在な複数（実施例では２台）の移動棚２が配設さ
れる。各移動棚２は、左右両端の側下部フレーム４にそ
れぞれ前後方向で２個の車輪５を有す。

【００１４】そして移動棚２は、床側に敷設したレール
８上に車輪５を介して載置するとともに、それぞれ搭載
したモータ（図示せず）を車輪５に連動連結すること
で、前後方向である一定経路11上において各別に往復移
動自在となる。ここで固定棚１の設置間隔は、前記区画
収納空間３の奥行寸法（前後寸法）よりも少し長い寸法
の作業スペースＳを形成すべく設定される。

【００１５】また、固定棚１の上部には外壁６に沿って
左右方向にガイドレール７が設けられ、移動棚２の上部
中心には左右方向にガイドレール９が設けられる。さら
に、固定棚１と移動棚２の左右方向の外方には荷捌き場
15が形成され、この荷捌き場15の上方には前後方向、す
なわち一定経路11に沿った方向に亘って一対のクレーン
レール20が固定部材21を介して配設され、これらクレー
ンレール20に輪体22を介して支持案内されるクレーン23
が設けられる。このクレーン23に搭載したモータ（図示
せず）を輪体22に連結連動することで、クレーン23は荷
捌き場15の上方に亘って前後方向に走行自在となる。ま
たクレーン23の下部に左右方向に２対のガイドレール24
が配設される。このガイドレール24に輪体31を介して支
持案内され、作業スペースＳを形成した固定棚１と移動
棚２あるいは移動棚２と移動棚２のガイドレール７，９
に輪体32を介して支持案内される箱状の支持体33が設け
られ、この支持体33に搭載したモータ（図示せず）を輪
体31，32に連結連動することで、支持体33は左右方向に
移動自在で、かつクレーン23と作業スペースＳを形成し
た固定棚１と移動棚２間あるいは移動棚２間で左右方向
から乗り移り自在となる。この支持体33には下部中央に
可動体25が垂直に支持される。

【００１６】この可動体25は、前後面が開放の箱状であ
って、その前後方向の長さは作業スペースＳの長さより
も少し短く設定してあり、以て可動体25は作業スペース
Ｓ内で左右方向に移動自在となる。この可動体25内には
昇降自在なキャリッジ26が設けられ、そしてキャリッジ
26には前後方向に出退自在な出し入れ具27が設けられ
る。

【００１７】なお前記クレーン23の走行と支持体33の移
動とは従来の天井クレーン制御方式により、前記キャリ
ッジ26の昇降と出し入れ具27の出退とは従来の自動倉庫
のクレーン制御方式により、それぞれ好適に制御され
る。

【００１８】次に上記実施例の作用を説明する。前記可
動体25側と荷捌き場15に進入したフォークリフト車など
の搬送車両（図示せず）との間で物品の受け渡しを行う
に、まずガイドレール７，９，24の支持案内により支持
体33をクレーン23に乗り移らせ、可動体25を荷捌き場15
内に位置させる。この状態で、前記キャリッジ26の昇降
動と出し入れ具27の出退動との組み合わせ動作を行い、
以て可動体25と搬送車両との間で物品の受け渡しを行え
る。

【００１９】そして目的とする固定棚１あるいは移動棚
２の区画収納空間３の前方に作業スペースＳが生じるよ
うに移動棚２を移動させる。この移動棚２の移動は、モ
ータの駆動により車輪５を強制回転させることで、車輪
５を介してレール８に支持させた状態で一定経路11上で
行われる。その際に光電スイッチからの投光が反射板で
反射されるなどして移動制御信号の授受が行われ、以て
移動棚２は衝突などすることなく移動制御される。

【００２０】このように作業スペースＳを形成した状態
で、支持体33をクレーン23から作業スペースＳを形成し
た固定棚１と移動棚２間あるいは移動棚２間に左右方向
から乗り移らせ、可動体25を作業スペースＳ内で移動さ
せる。そして可動体25を目的とする区画収納空間３の前
方に対向させて停止させる。この状態で前述したように
キャリッジ26の昇降動と出し入れ具27の出退動との組み
合わせ動作を行い、以て目的とする区画収納空間３に対
して物品の入出庫を行える。

【００２１】このように、目的とする区画収納空間３に
対して物品の入出庫を行うことができるとともに、上記
構成により、作業スペースＳは可動体25の移動を許す幅
でよいことから、設置スペースに対する保管スペースの
割合（保管効率）を向上できる。また、荷捌き場15の床
上にレールがないことから、直接搬送車両を荷捌き場15
に乗り入れることができ、他の物品搬入出用設備を不要
にできる。さらに、作業スペースＳ内では可動体が移動
し作業者は入る必要がないことから、常に安全な入出庫
作業を行うことができる。

【００２２】また、可動体25と荷捌き場15との間で物品
の受け渡しが行われている間に、目的とする固定棚１あ
るいは移動棚２の区画収納空間３の前方に作業スペース
Ｓが生じるように移動棚２を移動させることができるこ
とから、作業のサイクルタイムを速くでき、作業能率を
向上させることができる。

【００２３】さらに、移動棚２のガイドレール９は中央
に配置されることから、支持体33、可動体25および物品
の荷重は移動棚２の中央にかかり、以て移動棚２のフレ
ームに平等に荷重が分散することから従来のように、支
持体33、可動体25および物品の荷重以上に移動棚２のフ
レームを強化する必要はなく、コストを抑えることがで
き、また作業スペースＳにガイドレールに突出すること
がないことから、作業スペースＳを狭くすることがで
き、保管効率を向上することができる。

【００２４】なお、上記実施例では、固定棚１と移動棚
２とを配設した形式を示したが、これは全てを移動棚２
とし、端部の移動棚２と壁などの他物との間に作業スペ
ースＳを形成する構成でもよい。このとき壁にガイドレ
ール７を設置する。また、図４に示すように、固定棚１
より低い移動棚２’を配設するときは、移動棚２’の上
面中央付近左右方向に固定棚１と同じ高さまで壁状のガ
イドレール９の支持体41を設け、この支持体41上にガイ
ドレール９を敷設することで同様の効果を期待できる。

【００２５】なお、本発明の移動式保管棚に収納される
物品として、自動車も可能であり、自動車の駐車設備と
して使用することができる。

【００２６】

【発明の効果】上記構成の本発明によると、目的とする
区画収納空間に対して物品の入出庫を行うことができる
とともに、作業スペースは可動体の移動を許す幅でよい
ことから、設置スペースに対する保管スペースの割合
（保管効率）を向上できる。また、荷捌き場の床にレー
ルがないことから、直接フォークリフト車などの搬送用
車両を荷捌き場に乗り入れることができ、他の物品搬入
出用設備の設置を不要にできる。さらに、作業スペース
内では可動体が移動し作業者は入る必要がないことか
ら、常に安全な入出庫作業を行うことができる。また、
可動体と荷捌き場との間で物品の受け渡しが行われてい
る間に、目的とする区画収納空間の前方に作業スペース
が生じるように移動棚を移動させることができることか
ら、作業のサイクルタイムを速くでき、作業能率を向上
させることができる。

【００２７】また移動棚のガイドレールは中央付近に配
置されることから、可動体および物品の荷重は移動棚の
中央付近にかかり、以て棚のフレームに平等に荷重が分
散することから可動体および物品の荷重以上に移動棚の
フレームを強化する必要はなく、コストを抑えることが
でき、また作業スペースにガイドレールに突出すること
がないことから、作業スペースを狭くすることができ、
保管効率を向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における移動式保管棚の斜視
図である。

【図２】同移動式保管棚の概略平面図である。

【図３】同移動式保管棚の要部側面図である。

【図４】本発明の他の実施例における移動式保管棚の斜
視図である。

【符号の説明】

Ｓ 作業スペース １ 固定棚 ２ 移動棚 ３ 区画収納空間 ７，９，24 ガイドレール 15 荷捌き場 20 クレーンレール 23 クレーン 25 可動体 26 キャリッジ 27 出し入れ具 33 支持体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下方向ならびに左右方向に複数の区画
   収納空間を有し、前後方向に往復移動自在な移動棚を、
   前面前方に作業スペースを形成可能に複数配設するとと
   もに、各移動棚の上方中央付近左右方向にガイドレール
   を設け、前記移動棚の左右方向外方に荷捌き場を形成
   し、前記荷捌き場の上方に亘って前後方向に移動自在な
   クレーンを設け、このクレーンおよび前記作業スペース
   を形成した前記移動棚のガイドレールとの間で左右方向
   から乗り移り自在で、かつ作業スペース内で左右方向に
   移動自在な可動体を設け、この可動体に、昇降自在で、
   かつ前後方向に出退自在な出し入れ具を設けたことを特
   徴とする移動式保管棚。