JPH0542757A - インクジエツト記録用紙 - Google Patents

インクジエツト記録用紙

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JPH0542757A
JPH0542757A JP3229499A JP22949991A JPH0542757A JP H0542757 A JPH0542757 A JP H0542757A JP 3229499 A JP3229499 A JP 3229499A JP 22949991 A JP22949991 A JP 22949991A JP H0542757 A JPH0542757 A JP H0542757A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 印字濃度が高い上発色性が良好であり、高画
質且つ高解像度で印字記録することができると共に、用
紙の保存性に優れたインクジェット記録用紙を提供する
こと。 【構成】 少なくとも木材セルロース及び10重量%分
散時の液のpHが4.0〜8.0の填料を含有する基紙
の、少なくとも一方の面に、アルカリ金属塩を0.01
〜5.0g/m2 付与したインクジェット記録用紙であ
って、該インクジェット記録用紙の冷水抽出pHが6.
0〜8.0であることを特徴とするインクジェット記録
用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録用紙
に関し、特に品位の良い印字を記録することのできる上
質紙タイプのインクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来技術】インクジェット記録方式は、種々の機構に
よりインクの小滴を吐出し、記録用紙上に付着させるこ
とによりドットを形成し印字記録を行うものである。従
って、記録紙上に機械的にドットを打ち印字記録するド
ットインパクトタイプの記録方式に比べて騒音が少な
く、又フルカラー化が容易であり、高速印字が可能であ
る等の利点がある。
【0003】一方、インクジェット記録に使用されるイ
ンクは、通常、酸性染料等の直接染料を用いた水性イン
クであるため、乾燥性が悪いという欠点があった。従っ
て、このようなインクジェット記録方式に用いられるイ
ンクジェット記録用紙には、ドットを形成させる際に
【0004】記録用紙に付着したインクの乾燥速度を
増大させること、印字濃度が高いこと、及びドット
の広がりやにじみが少ないこと等の特性が要求される。
【0005】上記の問題点を改善するために、従来比
表面積の大きなシリカを内添して紙のインク吸収量を大
きくし、記録用紙表面に付着したドットのインクの乾燥
速度を増大させることが行われていた。この場合、用紙
に付着したインクが紙の中に広く吸収されるために、ド
ットが広がって印字濃度の低下が生じるのみならず、ド
ットがにじむので近年の高画質及び高解像度のニーズに
答えることができないとうい欠点があった。
【0006】係る欠点を解決するために、基紙の表面に
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の諸種
の表面サイズ剤を塗布した記録用紙が提案され良好な結
果が得られている。
【0007】他方、填料として炭酸カルシウムを含有し
た中性紙は、保存性や白色度において優れるために記録
用紙の基紙として広く使用さている。この場合、係る中
性紙の冷水抽出pHが通常9.0〜10.0であるため
に、該記録用紙に酸性染料等を用いた水性インクで印字
した場合には印字濃度が低下したり、印字が不均質とな
ったり、或いはフルカラーインクジェットプリンターを
用いてフルカラーに印字した場合には、各水性インクの
発色性が変化したり、印字後の色が変色するためにオリ
ジナルのカラーを忠実に再現することができないという
欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等は
上記の欠点を解決すべく鋭意検討した結果、特定の填料
を含有する基紙の少なくとも一方の面にアルカリ金属塩
を所定量付与し、インクジェット記録用紙の冷水抽出p
Hを6.0〜8.0とした場合には極めて良好な結果を
得ることができることを見出し本発明に到達した。
【0009】従って、本発明の目的は、印字濃度が高い
上発色性が良好であり、高画質且つ高解像度の画像を記
録することができるとともに記録後の用紙の保存性に優
れたインクジェット記録用紙を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
少なくとも木材セルロース及び10重量%分散時の液の
pHが4.0〜8.0の填料を含有する基紙の、少なく
とも一方の面に、アルカリ金属塩を0.01〜5.0g
/m2 付与したインクジェット記録用紙であって、該イ
ンクジェット記録用紙の冷水抽出pHが6.0〜8.0
であることを特徴とするインクジェット記録用紙によっ
て達成された。
【0011】本発明における冷水抽出pHとは、JIS
P8133に準じて測定されるpHである。本発明に
使用する木材セルロースは特に限定されるものではな
く、公知の木材セルロースの中から適宜選択して使用す
ることができる。本発明において使用する填料は、10
重量%分散時の液のpHが4.0〜8.0であることが
必要であるが、特に中性(pH7)付近であることが好
ましい。
【0012】上記10重量%分散時の液とは、水により
洗浄を繰り返して水溶性の不純物を除いた填料を水に1
0重量%分散させた時の分散液である。分散液のpHが
8.0以上であると、印字濃度が低下したりフルカラー
印字の際の発色性に影響を与えるので好ましくない。逆
に、pHが4.0以下の場合には、使用するアルカリ金
属塩の量が所定の範囲を越え記録性が悪化することがあ
る。
【0013】上記填料としては、例えば、カオリナイ
ト、イライト、プラスチックピグメント又はこれらの2
種以上の混合物等を挙げることができるが、分散液のp
Hを4〜8とすることができる範囲内のものであれば、
他の填料を併用して使用することもできる。
【0014】本発明においては、印字が良好であり且つ
紙の製造を容易にすることができることから、特にカオ
リナイト又はイライトを使用することが好ましい。又、
pHが8以上若しくは4以下の填料であっても填料に表
面処理或いはコーティングによって分散液のpHを4.
0〜8.0に調整することができるものであれば、これ
を使用することもできる。尚、填料は、通常、紙中に3
〜30重量%添加される。
【0015】本発明においては、紙中にサイズ剤を添加
することができる。サイズ剤としては、例えば、アルキ
ルケテンダイマー、無水アルケニルコハク酸等の中性サ
イズ剤を使用することが好ましいが、紙の保存性を損な
わない範囲で、酸性抄紙に用いるロジン・硫酸バンド等
の酸性サイズ剤を併用することもできる。
【0016】本発明において使用するアルカリ金属塩
は、インクジェット記録用紙の冷水抽出pHを6.0〜
8.0に調整することができるものであれば特に限定さ
れるものではない。
【0017】上記アルカリ金属塩の具体例とては、例え
ば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物;ケ
イ酸ナトリウム等のケイ酸塩;炭酸ナトリウム、炭酸水
素ナトリウム等の炭酸塩及び炭酸水素塩;リン酸ナトリ
ウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウ
ム等のリン酸塩、リン酸水素塩及びリン酸二水素塩;ホ
ウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム等のホウ酸塩;アルミ
ン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム等のアルミン酸
塩;酢酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、フタル酸水
素カリウム等のカルボン酸のアルカリ金属塩;フェノー
ルナトリウム等のカルボン酸以外の酸性水素を有する有
機化合物のアルカリ金属塩等を挙げることができる。
【0018】これらのアルカリ金属塩の基紙に対する付
与は、該アルカリ金属塩を水に溶解した水溶液を基紙の
表面に塗布することより行う。このような水溶液の濃度
は0.1〜10.0重量%とすることが好ましい。又、
塗工量は0.01〜5.0g/m2 とすることが好まし
く、特に0.05〜2.0g/m2 とすることが好まし
い。
【0019】上記水溶液(塗工液という)を基紙に塗工
するに際しては、サイズプレスコート、エアーナイフコ
ート、ロールコート、バーコート、グラビアコート等の
公知の塗布方法の中から適宜選択して使用することがで
きる。
【0020】塗工液には、通常表面サイズ剤として使用
する高分子、例えば、でんぷん、ポリビニルアルコー
ル、カルボキシメチルセルロース等を必要に応じて併用
することができる。又、同様に表面サイズ剤、顔料、分
散剤、消泡剤、染料、流動変性剤等を添加することがで
きる。このようにして製造されたインクジェット記録用
紙の冷水抽出pHは6.0〜8.0に調整される。本発
明の記録用紙は、通常のオフセット等の印刷に用いるこ
とも、PPC用紙として使用することもできる。
【0021】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明のインクジェ
ット記録用紙は、10重量%分散時のpHが4.0〜
8.0の填料を含有し、冷水抽出pHが6.0〜8.0
であるので、インクジェット記録の印字濃度が高い上イ
ンクの発色性が良好であるのみならず、用紙の保存性に
も優れている。
【0022】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。
【0023】実施例1.LBKP(c.s.f.400
ml)94重量部、カオリナイト(10重量%分散時の
pHが4.9)6重量部、内添サイズ剤(アルキルケテ
ンダイマー系)0.02重量部及びカチオン化でんぷん
0.5重量部を配合して秤量64.0g/m2 の上質紙
を抄紙した。
【0024】次いで、得られた上質紙に、酸化でんぷん
を5重量%及び炭酸水素ナトリウムを7.0重量%に調
製した塗工液を、ナトリウム塩の塗工量が3.5g/m
2 となるようにサイズプレスコートし、本発明のインク
ジェット記録用紙を得た。得られたインクジェット記録
用紙の冷水抽出pHは7.8であった。
【0025】上記のインクジェット記録用紙を使用し
て、下記のA及びBのインクジェットプリンターによっ
て記録した。その結果は表1に示した通りである。 A:カラーインクジェットプリンター(10−725:
シャープ株式会社製の商品名)。 B:モノクロインクジェットプリンター(IJK−11
2IIカスタム:チノン株式会社製の商品名)。
【0026】実施例2.LBKP(c.s.f.400
ml)96重量部、イライト(10重量%分散時のpH
が6.7)4重量部、内添サイズ剤(無水アルケニルコ
ハク酸系)0.02重量部及びカチオン化でんぷん0.
5重量部を配合して秤量64.0g/m2 の上質紙を抄
紙した。
【0027】次いで、得られた上質紙に、酸化でんぷん
を5重量%及びリン酸水素二ナトリウムを0.6重量%
に調製した塗工液を、ナトリウム塩の塗工量が0.4g
/m2 となるようにサイズプレスコートし、本発明のイ
ンクジェット記録用紙を得た。得られたインクジェット
記録用紙の冷水抽出pHは7.3であった。得られたイ
ンクジェット記録用紙を用い、実施例1と全く同様にし
て記録した。結果は表1に示した通りである。
【0028】実施例3.実施例1で抄紙した上質紙に、
酸化でんぷんを5重量%及び水酸化ナトリウムを0.0
5重量%に調製した塗工液をナトリウム塩の塗工量が
0.02g/m2 となるようにサイズプレスコートし、
本発明のインクジェット記録用紙を得た。得られたイン
クジェット記録用紙の冷水抽出pHは7.6であった。
得られたインクジェット記録用紙を用い、実施例1と全
く同様にして記録した。結果は表1に示した通りであ
る。
【0029】実施例4.実施例2で抄紙した上質紙に、
酸化でんぷんを5重量%及び表面サイズ剤(アクリル
系)を0.1重量%に調製した塗工液をサイズプレスコ
ートした後、フタル酸水素カリウムの0.2重量%水溶
液をカリウム塩の塗工量が0.04g/m2 となるよう
にバーコートし、本発明のインクジェット記録用紙を得
た。得られたインクジェット記録用紙の冷水抽出pHは
6.2であった。得られたインクジェット記録用紙を用
い、実施例1と全く同様にして記録した。結果は表1に
示した通りである。
【0030】実施例5.フタル酸水素カリウムに代えて
ケイ酸ナトリウムを使用し、ナトリウム塩の塗工量を
0.1g/m2 とした他は、実施例4と全く同様にし
て、本発明のインクジェット記録用紙を得た。得られた
インクジェット記録用紙の冷水抽出pHは7.7であっ
た。得られたインクジェット記録用紙を用い、実施例1
と全く同様にして記録した。結果は表1に示した通りで
ある。
【0031】実施例6.フタル酸水素カリウム0.2重
量%水溶液に代えてリン酸二水素ナトリウムの5.0重
量%水溶液を使用し、ナトリウム塩の塗工量を1.5g
/m2 とした他は、実施例4と全く同様にして、本発明
のインクジェット記録用紙を得た。得られたインクジェ
ット記録用紙の冷水抽出pHは6.3であった。得られ
たインクジェット記録用紙を用い、実施例1と全く同様
にして記録した。結果は表1に示した通りである。
【0032】比較例1.LBKP(c.s.f.400
ml)92重量部、炭酸カルシウム(10重量%分散時
のpHが9.4)8重量部、内添サイズ剤(アルキルケ
テンダイマー系)0.02重量部及びカチオン化でんぷ
ん0.5重量部を配合して秤量64.0g/m2 の上質
紙を抄紙した。
【0033】次いで、得られた上質紙に酸化でんぷんを
5重量%及び水酸化ナトリウムを0.05重量%に調製
した塗工液を、ナトリウム塩の塗工量が0.02g/m
2 となるようにサイズプレスコートした。得られた用紙
の冷水抽出pHは8.6であった。得られた用紙を用
い、実施例1と全く同様にして記録した。結果は表1に
示した通りである。
【0034】比較例2.実施例1で抄紙した上質紙に、
酸化でんぷんを5重量%及び表面サイズ剤(アクリル
系)を0.1重量%に調製した塗工液をサイズプレスコ
ートした。得られた用紙の冷水抽出pHは6.2であっ
た。得られた用紙を用い、実施例1と全く同様にして記
録した。結果は表1に示した通りである。
【0035】比較例3.実施例2で抄紙した上質紙に、
酸化でんぷんを5重量%及び水酸化ナトリウムを0.4
重量%に調製した塗工液を、ナトリウム塩の塗工量が
0.2g/m2 となるようにサイズプレスコートした。
得られた用紙の冷水抽出pHは8.5であった。得られ
た用紙を用い、実施例1と全く同様にして記録した。結
果は表1に示した通りである。
【0036】比較例4 実施例1で抄紙した上質紙に、酸化でんぷんを5重量%
及び表面サイズ剤(アクリル系)を0.1重量%に調製
した塗工液をサイズプレスコートした後、フタル酸水素
カリウム5.0重量%水溶液をカリウム塩の塗工量が
1.0g/m2 となるようにバーコートした。得られた
用紙の冷水抽出pHは5.5であった。得られた用紙を
用い、実施例1と全く同様にして記録した。結果は表1
に示した通りである。
【0037】比較例5.比較例1で抄紙した上質紙に、
酸化でんぷんを5重量%及び表面サイズ剤(アクリル
系)を0.1重量%に調製した塗工液をサイズプレスコ
ートした。得られた用紙の冷水抽出pHは8.3であっ
た。得られた用紙を用い、実施例1と全く同様にして記
録した。結果は表1に示した通りである。
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも木材セルロース及び10重量
    %分散時の液のpHが4.0〜8.0の填料を含有する
    基紙の、少なくとも一方の面にアルカリ金属塩を0.0
    1〜5.0g/m2 付与したインクジェット記録用紙で
    あって、該インクジェット記録用紙の冷水抽出pHが
    6.0〜8.0であることを特徴とするインクジェット
    記録用紙。
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