JPH0542476A - 磁気研磨方法 - Google Patents

磁気研磨方法

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JPH0542476A
JPH0542476A JP3200740A JP20074091A JPH0542476A JP H0542476 A JPH0542476 A JP H0542476A JP 3200740 A JP3200740 A JP 3200740A JP 20074091 A JP20074091 A JP 20074091A JP H0542476 A JPH0542476 A JP H0542476A
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magnetic
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polishing method
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Kazuhiro Tsuchiya
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の磁気研磨方法は、強磁性材粒子と研
磨砥粒を別体とすることにより、磁気研磨装置の大幅な
小型化と研磨工程の自動化、並びに均一な研磨面を得る
ことを目的とする。 【構成】 ヨーク、励磁コイル、電源、被研磨物と対面
する磁極、強磁性体粒子、油性ワックス等で固められた
研磨砥粒、より構成され、被研磨物と対面する磁極間に
磁界を発生させながら、被研磨物と磁極を相対的に揺動
させる磁気研磨方法において、油性ワックス等を混合し
た研磨砥粒を、強磁性体粒子と別体で磁極と被研磨物間
に充填したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はNC工作機械等に切削工
具の替わりに磁気研磨ツールを取り付け、切削加工等の
形状出し加工後の金型等の仕上げ、自動研磨や、金属
製、セラミックス製等の製品の鏡面研磨、加工変質層除
去研磨等に使用される。
【0002】
【従来の技術】従来は図2に示すごとく、数100μm
の粒径の強磁性材粒子1の表面に数μmの酸化アルミニ
ウム等の研磨砥粒2を金属結合状態で付着させ、研磨砥
粒2と強磁性材粒子1が一体となった磁性研磨砥粒とな
っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のように、研磨砥
粒2を強磁性材粒子1の表面に、ある厚さで結合させた
磁性研磨砥粒は、図1に示す磁気研磨装置及び、図3に
示す被研磨物周辺の部分拡大図に示すように、磁極6と
被研磨物7間に詰め込まれた場合、表面の酸化アルミニ
ウムは強磁性材でないため、透磁率が鉄の数1000分
の1と小さく、磁気回路としての磁気抵抗が非常に大き
くなってしまう。そのため、励磁コイルの巻数及びコイ
ルに流す電流が同じでも、磁気回路に発生する磁界の強
さが小さく、しかも表面の酸化アルミニウム等の研磨砥
粒層2の厚さがバラつくと、その厚さに反比例して磁界
の強さが弱くなるため、研磨量の制御が非常に困難で、
しかも、必要な磁界を発生するための励磁コイル4の巻
数及び印加する電流を多く必要としたため、装置が大型
になってしまうといった課題があった。また、同じ装置
の場合は研磨時間が数10倍かかってしまうといった課
題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記、課題を解決するた
めに、本発明の磁気研磨方法はヨーク、励磁コイル、電
源、被研磨物と対面する磁極、強磁性体粒子、油性ワッ
クス等で固められた研磨砥粒、より構成され、励磁コイ
ルに電圧を印加し、被研磨物と対面する磁極間に磁界を
発生させながら、被研磨物と磁極を相対的に回転あるい
は揺動させる磁気研磨方法において、被研磨物に塗布す
るかまたは、強磁性体粒子と油性ワックス等で混合する
研磨砥粒を、強磁性体粒子と別体で充填し、または補給
したことを特徴とする。
【0005】
【作用】このように、強磁性体でない研磨砥粒2で覆わ
れた磁性研磨砥粒の替わりに、強磁性体粒子と研磨力の
ある粒子を分け、しかもそれを油性ワックス等で保持さ
せることにより、鉄またはニッケル系の強磁性体粒子8
どうしが接触するため、酸化アルミニウム等の非磁性材
材料でできた研磨砥粒2が間に入らず、磁気回路に発生
する磁界の強さを従来の数倍から数十倍に高めることが
できる。
【0006】以下に、磁気回路にはたらく磁気抵抗の大
きさを、従来の、磁性材料の外周部を非磁性の研磨砥粒
2で覆った磁性研磨材と、本発明の強磁性体粒子8のみ
の場合を比較し、磁気回路に働く磁界の強さの違いを説
明をする。
【0007】図7のように磁性研磨材1が磁極6と被研
磨物7の間に1列に並んでいる場合で考えると、磁性研
磨材1の粒径を立方体で仮定し、一辺の長さを a、研
磨砥粒2の膜厚を b、磁極6と被研磨物7の間隙を
G、とすると、間隙 Gの間に磁性研磨材1は G/a
個、直列に並ぶ。研磨砥粒2は強磁性体ではないから透
磁率は小さく、空隙部と考えても差し支えない。
【0008】研磨砥粒部の、磁束の流れる方向15の長
さの総和を Lbとすると Lb =2b・G/a これに対し、強磁性材部1の長さの総和 La は La =(a−2b)・G/a となり、強磁性体粒子1の透磁率を μa、非磁性体の研
磨砥粒2の透磁率を μb、強磁性体粒子1の磁界と垂直
な断面積を S=a2とすると、非磁性材の透磁率μb
は μb=μa/1000 程度であるから、G の間の磁気抵抗 Rは R=La/μa・S+Lb/μb・S =(a+1998b)・G/μa・a3 となる。ここでa=200μm、b=5μm程度である
から上式( )内のaに対し1998bの大きさは、約
50倍と、磁気抵抗に及ぼす磁性研磨材の酸化アルミニ
ウム等の非磁性研磨砥粒2の大きさの要因が非常に大き
いことがわかる。すなわち表面を酸化アルミニウム等の
非磁性研磨砥粒2で覆われた磁性研磨材1を磁気研磨に
使った場合と、強磁性体粒子8と研磨砥粒9を分けた場
合では磁気回路に発生する磁界の強さが数10倍違うこ
とがわかる。
【0009】
【実施例】以下に、実施例に基づいて説明する。
【0010】図3は、円筒状の被研磨物7の周囲にパラ
フィン系のワックス10で覆われた研磨砥粒9を塗り付
け、フェライト製の粒径100μm〜500μmの強磁
性体粒子8を磁極6と被研磨物7の間隙3mmの間に充
填させ、ヨーク3に磁界をかけて、被研磨物7を回転及
び軸方向に揺動させた磁気研磨方法である。
【0011】この場合、最初は、研磨砥粒9とパラフィ
ン系ワックス10が被研磨物7の上を覆っているだけで
全く研磨されないが、被研磨物7の回転と揺動による摩
擦熱でパラフィンが溶け、研磨砥粒9が強磁性体粒子8
の外周部に付着し出して被研磨物7の表面の研磨を開始
する。研磨砥粒9の被研磨物7に押し付けられる応力
は、磁気回路に発生する磁界の強さに比例し、従来の、
表面を研磨砥粒2で覆われた磁性研磨材1、を使用した
場合と比べ数十倍の力を発生し、研磨力が飛躍的に増大
する。
【0012】図4は、同様に、円筒物の研磨においてパ
ラフィン系ワックス10、5μm〜10μmの粒子径の
研磨砥粒9、及び、100μm〜500μmの粒子径の
強磁性体粒子8を混合した研磨材を、磁極6と被研磨物
7の間隙に充填させて、被研磨物7を揺動及び回転させ
た例である。この場合も、摩擦熱でパラフィン系ワック
ス10が溶けることにより、強磁性体粒子8が磁極6と
被研磨物7との間に間隙を作らず密着して直列に並ぶた
め、磁気回路に非常に大きな磁界を発生し、図3の例と
同様の効果を出す。
【0013】図5は、凹凸のある被研磨物11の表面
に、あらかじめパラフィン系のワックス10で固めた研
磨砥粒9を塗布しておき、回転及び揺動する磁極12と
被研磨物11との間に磁界をかけ、5mmの間隙に10
0μm〜500μmの粒径の強磁性体粒子8を充填さ
せ、金型等の凹凸の有る被研磨物11を研磨した例であ
る。この場合は、NCフライス等で形状を作った後、同
じ加工機を使って、先端のエンドミルに替えて磁気研磨
用磁極を装填し、引き続き金型研磨を同じNCソフトを
使って行うことも出来る。また、仕上げのレベルに応じ
て研磨材の種類を、研削力のあるものから、研削力はや
や落ちるが鏡面つや出しが可能なものへ替えることによ
り、同じ加工機で連続して鏡面仕上げまで可能となっ
た。
【0014】図6は、パラフィン系ワックス10で固め
た研磨砥粒9をあらかじめ塗布した平板状被研磨物13
を、2個の向かい合った磁極6の間に、左右等間隔の、
1mm〜3mmの間隙をもたせセットし、その間隙に2
00μm〜300μmの粒径の強磁性体粒子8を充填さ
せ、磁極6間に磁界をかけ被研磨物13を上下左右に摺
動させて研磨した例である。この場合も前記の例と同様
に、研磨のレベルに合わせた研磨砥粒を選択することが
できる。
【0015】
【発明の効果】以上の実施例からわかるように、本発明
は磁気研磨装置の磁気回路を全て強磁性材料にて構成す
ることにより、磁気回路に発生する磁界が従来の数10
倍と大きくなるため、励磁コイルの巻数を少なくでき、
印加する電流を少なくできる。これにより、従来、数1
0Kgの銅線で励磁コイルを構成しなければならなかっ
たのが、数Kgで済み研磨装置の小型化が計れた。ま
た、従来は研磨砥粒層の厚さのばらつきにより研磨量の
制御が困難であり均一な研磨ができにくかったが、本発
明は強磁性体粒子と研磨砥粒を別体にしたことにより、
磁気回路に発生する磁界が安定するため、制御が容易に
なり、均一な研磨が可能となった。また、磁極と被研磨
物との間隙が大きくても磁気回路に生ずる磁界は従来ほ
ど変化しないため、凹凸の有る物の研磨も、均一な研磨
面を得ることができる。又、強磁性体粒子と研磨砥粒を
別体にしたことにより、従来は時間の経過で研磨能力が
劣化した時、磁性研磨材を全て交換しなければならなか
ったが、本発明の方法によれば、ワックスと混合した研
磨砥粒または研磨砥粒のみを加工中に補給することがで
きるため、時間の経過によって研磨量が低下することが
なく、しかも、切削加工から研磨まで被研磨物を機械か
ら着脱することなくできるため、加工時間の短縮が計れ
た。以上、本発明は優れた効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気研磨方法の代表的な装置の全体側
面図。
【図2】従来の磁気研磨方法で使用した磁性研磨材粒子
の断面図。
【図3】本発明の磁気研磨方法の図1に示す装置の研磨
部分の拡大側面図で、ワックスで固めた研磨砥粒を、被
研磨物に塗布した場合の図。
【図4】本発明の磁気研磨方法の、強磁性体粒子をワッ
クス及び研磨砥粒と混合し、円筒を研磨している部分拡
大斜視図。
【図5】本発明の磁気研磨方法で凹凸の有る金型等に、
ワックスで固めた研磨砥粒を塗布し、強磁性体粒子で研
磨している部分拡大斜視図。
【図6】本発明の磁気研磨方法の、平板両面研磨の部分
拡大斜視図。
【図7】本発明の磁気研磨方法の磁界の強さを説明する
磁極と被研磨物間の従来方法の部分拡大断面図。
【符号の説明】
1.磁性研磨材の強磁性体粒子 2.強磁性体粒子と金属結合した研磨砥粒 3.ヨーク 4.励磁コイル 5.電源 6.磁極 7.円筒状被研磨物 8.フェライトまたはパーマロイ等の強磁性体粒子 9.研磨砥粒 10.油性またはパラフィン系ワックス 11.凹凸のある被研磨物 12.回転する磁極 13.平板状被研磨物 14.被研磨物の回転または揺動方向 15.磁界の方向 a.磁性研磨材の粒径 b.研磨砥粒の粒径 G.磁極と被研磨物の間隙

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヨーク、励磁コイル、電源、被研磨物と対
    面する磁極、強磁性体粒子、油性ワックス等で固められ
    た研磨砥粒、より構成され、励磁コイルに電圧を印加
    し、被研磨物と対面する磁極間に磁界を発生させなが
    ら、被研磨物と磁極を相対的に回転あるいは揺動させる
    磁気研磨方法において、被研磨物表面に油性ワックス等
    で固めた研磨砥粒を塗布し、強磁性体粒子を研磨砥粒と
    別体で、磁極と被研磨物との間隙に充填したことを特徴
    とする磁気研磨方法。
  2. 【請求項2】前記、磁気研磨方法において、請求項1記
    載の強磁性体粒子と研磨砥粒を別体で油性ワックス等と
    混合し、磁極と被研磨物との間隙に充填したことを特徴
    とする、請求項1記載の磁気研磨方法。
  3. 【請求項3】前記、磁気研磨方法において、請求項1叉
    は2の研磨途中または初期において、請求項1記載の研
    磨砥粒または油性ワックス等で固めた研磨砥粒を磁極と
    被研磨物との間隙に補給したことを特徴とする、請求項
    1記載の磁気研磨方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07237114A (ja) * 1994-02-22 1995-09-12 Kiyoshi Suzuki 非磁性材の磁気研磨法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH07237114A (ja) * 1994-02-22 1995-09-12 Kiyoshi Suzuki 非磁性材の磁気研磨法

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