JPH0541972U - 車両の前側方確認装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】車両５のサイドミラー１の後方視野映像内に前
側方反射鏡２による前側方視野映像を識別可能に表示さ
せる車両の前側方確認装置を提供する。 【構成】車両５のサイドミラー１（ドアミラー）の後方
に車両５の前側方付近の視野映像を前記サイドミラー１
方向に反射する前側方反射鏡２を設け，前記サイドミラ
ー１で前記前側方反射鏡２による前側方視野映像を視認
し得るようにしたもので，前記サイドミラー１の車両後
方視野映像の一部に前記前側方反射鏡２の反射映像を写
り出させる形状に前側方反射鏡２を構成すると共に，前
記サイドミラー１の車両後方視野映像と前記前側方反射
鏡の反射映像とを識別するため，前側方反射鏡２に鏡面
着色等の前側方反射鏡映像識別手段を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は，車両のサイドミラーの視界外となり死角となる車両前側方を運転席 から視認し得るよう改良された車両の前側方確認装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

車両における後方視界は車室内に設置されるバックミラーと車両側方に設置さ れるサイドミラー（フェンダーミラー又はドアミラー）とによって得られ，運転 者は振り返ることなく後方の確認を行うことができる。しかしながら，サイドミ ラーの設置位置より前方，即ち，前車輪側方付近は運転席からは視認し得ない死 角となっており，特にドアミラー装着車両においては，死角の範囲はより大きな ものとなっている。前側方が視認できないことによって，進行方向への車幅感覚 が正確に得られないため狭路の通過，擦れ違い等が困難になること，幅寄せの可 能範囲が正確に得られないため駐停車が不正確になること，前側方の低位置障害 物（縁石，側溝など）の確認ができないため衝突，脱輪等を起こしやすいことな どの運転操作上の問題点が発生する。特に運転席の反対側の前側方は運転席から 全く視認し得ない死角部で，従来は運転者の経験上の勘に頼るか，同乗者の助け を求めるしかなかった。 上記問題点を解決する従来例として，実開平１−１０７６４５号公報に車両用 反射鏡が開示されている。この車両用反射鏡は，図７（ａ）（ｂ）に示すように ，車両ｃの側方に前部反射鏡ａを設け，その後方位置に反射面が互いに向き合う ように後部反射鏡ｂを設けたものである。この構成によって，前部反射鏡ａの視 野に後方視界と共に後部反射鏡ｂが写しだされるので，前部反射鏡ａで後部反射 鏡ｂが写し出す車両前側方の視野を運転席から見ることができると説明されてい る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら，上記従来例の車両用反射鏡によれば，前部反射鏡ａの後方視野 映像の中に後部反射鏡ｂによる車両前側方の映像が混在し，双方の映像を識別し 難い問題点を有している。 本考案は上記問題点に鑑み，車両のサイドミラーによる後方視野内に，サイド ミラーの後方に設けた前側方反射鏡による前側方映像を識別可能に表示させる前 側方確認装置を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案が採用する手段は，車両のサイドミラーの後 方に車両の前側方付近の視野映像を前記サイドミラー方向に反射する前側方反射 鏡を設け，前記サイドミラーで前記前側方反射鏡の視野映像を視認し得るように してなる車両の前側方確認装置において，前記サイドミラーの車両後方視野映像 と前記前側方反射鏡の反射映像とを識別する前側方反射鏡映像識別手段を前記前 側方反射鏡に設けてなることを特徴とする車両の前側方確認装置として構成され る。 上記前側方反射鏡画像識別手段は例えば，前側方反射鏡の鏡面を着色し，もし くは鏡面に着色フィルターを装着し，もしくは鏡面周囲を縁取りしたものとして 構成される。

【０００５】

【作用】

本考案によれば，サイドミラーの後方に設けた前側方反射鏡による車両の前側 方視野映像をサイドミラーの後方視野映像の一部に写し出すことによって，運転 席からの死角となる車両の前側方部分を視認することができる。また前側方反射 鏡の鏡面を着色する，あるいは着色フィルター装着する，あるいは前側方反射鏡 の鏡面を縁取りする前側方反射鏡映像識別手段を設けることによって後方視野映 像と前側方視野映像とが明確に識別できる。

【０００６】

【実施例】

以下，添付図面を参照して本考案を具体化した実施例につき説明し，本考案の 理解に供する。尚，以下の実施例は本考案を具体化した一例であって，本考案の 技術的範囲を限定するものではない。また，本実施例においては，サイドミラー としてドアミラーを設置した車両について説明する。 ここに，図１は車両左側面におけるドアミラーと前側方反射鏡との取付け位置 及びそれぞれの視野を示す斜視図，図２（ａ）（ｂ）はドアミラーと前側方反射 鏡との取付け位置を示す車両の平面図（ａ）と側面図（ｂ），図３はドアミラー と前側方反射鏡との視野と光軸角度を示す説明図，図４はドアミラーに写る映像 の説明図，図５は前側方反射鏡の断面図である。 図２（ａ）（ｂ）において，車両５の前ドア６にはドアミラー１が車体左右の 所定位置に１Ｒ，１Ｌとして設置されている。このドアミラー１Ｒ，１Ｌのそれ ぞれの後方に前側方反射鏡２Ｒ，２Ｌが設置されている。ドアミラー１Ｒ，１Ｌ は所定範囲の後方視野を鏡面で反射して運転席方向から見えるように角度調節自 在に設けられている。また，前側方反射鏡２Ｒ，２Ｌはそれぞれ車両５の左右前 部側方のフェンダーとその前側方付近を中心とした視野映像を各ドアミラー１Ｒ ，１Ｌ方向に反射して，ドアミラー１Ｒ，１Ｌの鏡面の中に写し出せるよう角度 調節自在に設けられている。前側方反射鏡２Ｒ，２Ｌは，ドアミラー１Ｒ，１Ｌ の後方視界を妨げないよう小型に構成されると共に，ドアミラー１Ｒ，１Ｌの視 野中心からやや外れた位置に取付けられている。

【０００７】 図１に示すように，前側方反射鏡２Ｌの視野は車両５の左前側方を写し出し， ドアミラー１Ｌに向かって反射するよう支持角度が調整される。ドアミラー１Ｌ は図３に示すように，車両５の左後方視野を後方視野映像３として捕らえると共 に，前側方反射鏡２Ｌが左前側方視野を前側方視野映像４として捕らえた映像を 鏡面に写し出す。この状態を運転席からドアミラー１Ｌを見るとき，図４に示す ようにドアミラー１Ｌによる後方視野映像３の一部に，前側方反射鏡２Ｌによる 前側方視界映像４が写し出される。 同図に示されるように，前記前側方視野映像４は後方視野映像３の中に写し出 されるため，後方視野映像３との識別がし難いものとなる。そこで，本実施例に おいては，図５に示すように前側方反射鏡２Ｌの鏡面８に着色フィルター７を設 けて，前側方視野映像４を着色された映像として後方視野映像３との識別を容易 なものとしている。この映像識別は，前記着色フィルター７による他，鏡面８を 着色することでも同様の効果が得られる。 また，鏡面８の周囲を縁取りすることによっても識別は可能である。上記は図 １にのっとり，車両５の左側面について説明したが，車両５の右側面についても 同様に構成される。但し，右ハンドル車においては，右側面は運転者が運転席窓 から右前側方を確認することが可能であるので，左側面を重視して構成し，右側 面は必要に応じて設置することができるものとする。

【０００８】 上記のように構成することによって，運転席からは視認し得ず死角部となる車 両の前側方が前側方反射鏡２とサイドミラー（ドアミラー１）とを介して視認可 能となる。よって，進行方向への車幅感覚が正確に得られないため狭路の通過， 擦れ違い等が困難になること，幅寄せの可能範囲が正確に得られないため駐停車 が不正確になること，前側方の低位置障害物（縁石，側溝など）の確認ができな いため衝突，脱輪等を起こしやすいことなどの問題点が解消される。特に運転席 の反対側の前側方は運転席から全く視認し得ない死角部で，従来は運転者の経験 上の勘に頼るか，同乗者の助けを求めるしかなかったことが解消され，安全運転 が実現される。 上記前側方反射鏡２Ｒ，２Ｌの設置は，通常の運転時には必要としないので， 通常運転時には図６に示すように折り畳んでドア６の凹部９に格納する，あるい はドア６内に引き込み格納し，必要に応じて図２に示した位置に引き出されて目 的の用に供することもできる。このように出し入れ可能に構成することによって サイドミラー（ドアミラー）による通常運転時の後方視野を充分に確保すること もできる。

【０００９】

【考案の効果】

以上の説明の通り本考案によれば，サイドミラーの後方に設けた前側方反射鏡 による車両の前側方視野映像をサイドミラーの後方視野映像の一部に写し出すこ とによって，運転席からの死角となる車両の前側方を視認することができる。ま た，前側方反射鏡はサイドミラーの後方視野を極力妨げない寸法形状と取付位置 に構成すると共に，前側方反射鏡の鏡面を着色する，あるいは着色フィルターを 装着する，あるいは鏡面を縁取りする等の前側方反射鏡映像識別手段によって後 方視野映像と前側方視野映像とが明確に識別できるようになる。従って，本考案 の採用により，従来は運転者の経験上の勘に頼るか，同乗者の助けを求めるしか なかった車両の前側方の視認が容易に実行でき，運転操作をより確かなものとす る効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る車両の前側方確認装置
の斜視図。

【図２】実施例による前側方反射鏡の設置を示す車両の
平面図（ａ）と側面図（ｂ）。

【図３】実施例によるドアミラーと前側方反射鏡の視野
と光軸方向の説明図。

【図４】実施例によるドアミラーの鏡面に写る映像の説
明図。

【図５】実施例による前側方反射鏡の鏡面の断面図。

【図６】実施例による前側方反射鏡の格納構造を示す斜
視図。

【図７】従来例による後部反射鏡の設置を示す車両の平
面図（ａ）と側面図（ｂ）。

【符号の説明】

１…ドアミラー（サイドミラー） ２…前側方反射鏡 ３…後方視野映像 ４…前側方視野映像 ５…車両 ７…着色フィルター（前側方反射鏡映像識別手段）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車両のサイドミラーの後方に車両の前側方
   付近の視野映像を前記サイドミラー方向に反射する前側
   方反射鏡を設け，前記サイドミラーで前記前側方反射鏡
   の視野映像を視認し得るようにしてなる車両の前側方確
   認装置において， 前記サイドミラーの車両後方視野映像と前記前側方反射
   鏡の反射映像とを識別する前側方反射鏡映像識別手段を
   前記前側方反射鏡に設けてなることを特徴とする車両の
   前側方確認装置。