JPH0541345U - 交直変換装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案の目的は、直流出力側に遮断器６を介
して接続される超電導コイル４と、これに並列接続され
る還流用スイッチ５を備えた交直変換装置において、ア
ームを構成する半導体素子に異常が発生しても、短時間
の内に再運転できる交直変換装置を提供することにあ
る。 【構成】 交直変換装置をを構成するアーム（３ａと３
ｄ、３ｂと３ｅ、および３ｃと３ｆ）に異常が発生した
場合、異常アームを切り離すスイッチ（１１ａと１１
ｄ、１１ｂと１１ｅ、及び１１ｃと１１ｆ）と、予備ア
ーム（３ｇと３ｈ）を直流回路に接続するためのスイッ
チ（１１ｇと１１ｈ）と、前記予備アームを交流回路に
接続するための交流スイッチ１１ｉ，１１ｊ，１１ｋを
備えた交直変換装置。

Description

【考案の詳細な説明】

［考案の目的］

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、超電導エネルギ貯蔵システムに用いられる、交流を直流に或いは直 流を交流に変化する交直変換装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

超電導コイルの抵抗分はほとんど零に近いため、コイルの時定数が非常に大き い。そのため超電導コイルに直流電流を還流させてエネルギを貯蔵し、核融合な どのパルス負荷や、電力のピ―ク負荷対策に用いる超電導エネルギ貯蔵システム （以下単にＳＭＥＳと記す）の研究が進められてい。ＳＭＥＳは長時間ににわた る電力の調整の他に、電力系統とつなぐ交直変換装置を自己消弧可能な素子（例 えば、ゲ―トタ―ンオフサイリスタ、以下単に、ＧＴＯと記す）で構成すれば、 系統安定化及び系統無効電力補償等の機能を有することができる。

【０００３】 図２に従来のＳＭＥＳを示す。図２において、１は変圧器、２は交流コンデン サ、３ａ〜３ｆはＧＴＯであり、自励式変換器を構成している。４は超電導コイ ル、５はサイリスタスイッチ、６は直流遮断器、７は異常検出回路、８はサイリ スタオン回路、９は制御指令に応じてＧＴＯのオンオフを決めるゲ―トタイミン グ制御回路、１０は遮断器入切回路である。変換器に異常が発生した場合、異常 検出回路７によって変換器の異常を検出する。異常検出回路７より異常信号７１ が、サイリスタオン回路８に出力される。サイリスタオン回路８は、異常信号７ １によって、超電導コイル電流を還電させるためのサイリスタスイッチ５をオン させる。サイリスタスイッチ５がオン後、ゲ―トタイミング制御回路９は、ＧＴ Ｏ３ａ〜３ｆにゲ―トオンオフ信号９１ａ〜９１ｆを出力し、ＧＴＯをオフさせ る。するとサイリスタスイッチ５へ直流電流は転流する。ＧＴＯ３ａ〜３ｆがオ フ後、遮断器入切回路１０は、直流遮断器６を遮断させて、変換器と超電導コイ ル４を分離する。超電導コイル４とサイリスタスイッチ５は直流電流を還流させ た状態で変換器の復帰を待つ。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、図２に示す従来のＳＭＥＳにおいては、変換器に異常が発生すると変 換器が復帰するまで長時間系統安定化及び系統無効電力補償等のＳＭＥＳ本来の 機能を停止せざるを得ない。又、例えば、超電導コイル蓄積エネルギ２０Ｍｊ、 直流電流１０ＫＡ、サイリスタスイッチ５の電圧降下３ＶのＳＭＥＳにおいて、 変換器の異常時により超電導コイル４とサイリスタスイッチ５間で直流電流を還 流させる場合、サイリスタスイッチ５の電圧降下により超電導コイル４のエネル ギは２０分程度でサイリスタスイッチ５により消費され、超電導コイル４の２０ Ｍｊものエネルギが無駄に消費される。又、更に大規模なＳＭＥＳも検討されて おり、その場合、より多くのエネルギが無駄に消費されることになる。変換器故 障時のエネルギ処理は、ＳＭＥＳが大規模になるにつれて、大きな課題となる。 本考案の目的は、変換器の異常時、変換器の停止時間を短時間または瞬時に抑 えることにより、直流電流還流時のサイリスタスイッチによる蓄積エネルギの消 費を抑えると共に、ＳＭＥＳ本来の機能を損なうこともなく、経済的な運用を行 える超電導エネルギ貯蔵システム用の交直変換装置を提供することにある。 ［考案の構成］

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記の目的を達成すために、直流正極端子と直流負極端子間に直流遮 断器を介して接続される超伝導コイルと、該超伝導コイルに並列接続される還流 用スイッチと、前記直流正極端子と直流負極端子に接続される直流正極母線と直 流負極母線との間に接続される複数組の常用アームと、この常用アームは直列接 続される少くとも２個の自己消弧可能な素子から成り、各々の直列接続点が交流 系統に接続される交直変換装置において、前記常用ア―ムに各々設けれ、常用ア ―ムに異常が発生した場合、該異常発生ア―ムを前記直流正極母線と直流負極母 線から切離すスイッチと、直列接続される少くとも２個の自己消弧可能な素子か ら成り、直列接続点に交流端子を有する予備ア―ムと、前記常用ア―ムに異常が 発生した場合、前記予備アームを前記直流正極母線と直流負極母線間に接続する スイッチと、各々の一端が前記交流系統の各相に接続され、各々の他端が共通接 続され且つ前記予備アームの交流端子と接続される交流スイッチを具備したこと を特徴とするものである。

【０００６】

【作用】

本考案によれば、過電圧等によりＧＴＯ素子破壊が生じ、これによりア―ム短 絡が発生し、変換器の停止に至っても、短時間または瞬時に異常ア―ムをスイッ チで切り離し、予備ア―ムにスイッチで切り換えることにより、短時間または瞬 時に再運転可能になり、経済的な運用を行える超電導エネルギ貯蔵システム用の 交直変換装置を提供することができる。

【０００７】

【実施例】

以下本考案の一実施例を、図２と同一部に同一符号を付して示す図１を参照し て説明する。

【０００８】 図１において、３ｇ，３ｈは予備ＧＴＯで、この予備ＧＴＯに直列にスイッチ １１ｇ，１１ｈを設けている。又、スイッチ１１ｉ，１１ｊ，１１ｋは交流コン デンサと変換器との間に取り付けられ、予備ＧＴＯア―ムと接続している。常時 はスイッチ１１ａ〜１１ｆは閉じており、スイッチ１１ｇ〜１１ｋは開いている 。異常は異常検出回路７で検出する。 次に図１を参照して本考案の作用を説明する。

【０００９】 通常、ＧＴＯ３ａ〜３ｆで運転を行い、ＧＴＯ３ｇ，３ｈは予備ア―ムとして 待機する。異常検出回路７によってア―ムの異常を検出した場合、以下の動作を 行う。

【００１０】 例えば、ＧＴＯ３ａが破損した場合、ＧＴＯ３ａのア―ム異常検出と同時にサ イリスタオン回路８は、異常信号７１によってサイリスタスイッチ５をオンさせ る。ゲ―トタイミング制御回路９はＧＴＯ３ａ〜２ｆにゲ―トオンオフ信号９１ ａ〜９１ｆを出力し、ＧＴＯをオフさせることで、サイリスタスイッチ５へ直流 電流を転流させる。遮断機器入切回路１０は、直流遮断器６を遮断させて、変換 器と超電導コイル４の分離後、スイッチ切換信号発生回路１２に直流遮断器の開 放状態の状態信号が入力され、スッチ１１ａ，１１ｄ，は開き、スイッチ１１ｇ ，１１ｈ，１１ｉは閉じる。その後、直流遮断器６を閉じ、変換器によってサイ リスタスイッチ５に逆電圧を印加させ、サイリスタスイッチ５をオフさせること で直流電流を変換器に転流させ、転流後、通常運転状態に戻す。 尚、ＧＴＯ３ａが破損した場合を説明たが、他のア―ムが破損しても同様な方 法で対応できる。

【００１１】 以上説明したように、本実施例によれば、変換器の異常発生時にＳＭＥＳ本来 の機能を損なうことなく、また、直流電流還流時のサイリスタスイッチによる蓄 積エネルギの消費を抑えると共に、短時間に再起動可能な経済的な超電導エネル ギ貯蔵システムを提供できる。又、本考案において、自己消弧可能な素子でなく 、サイリスタやダイオ―ド等を使用した場合、スイッチの代りに遮断器を使用し た場合、予備ア―ムを増やした場合も同一の効果が得られることは言うまでもな い。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明のように、本考案によれば、直流出力側に超電導コイルを接続する超 電導エネルギ貯蔵システムに用いる交直変換装置において、変換装置にスイッチ と予備ア―ムを設けることにより変換器の異常時に変換器の停止時間を短時間ま たは瞬時に抑えることにより、ＳＭＥＳ本来の機能を損なうことなく、経済的な 運用を行える超電導エネルギ貯蔵システムに用いる交直変換装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す交直変換装置のブロッ
ク図。

【図２】従来の交直変換装置のブロック図。

【符号の説明】

１…変圧器、２…交流コンデンサ、３ａ〜３ｆ…ＧＴ
Ｏ、４…超電導コイル、５…サイリスタスイッチ、６…
直流遮断器、７…異常検出回路、８…サイリスタオン回
路、９…ゲ―トタイミング制御回路、１０…遮断器入切
回路、１１ａ〜１１ｋ…スイッチ、１２…スイッチ切換
信号発生回路、７１…異常信号、９１ａ〜９１ｈ…ゲ―
トオンオフ信号。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｈ０２Ｍ 7/757 9181−5Ｈ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 直流正極端子と直流負極端子間に直流遮
   断器を介して接続される超伝導コイルと、該超伝導コイ
   ルに並列接続される還流用スイッチと、前記直流正極端
   子と直流負極端子に接続される直流正極母線と直流負極
   母線との間に接続される複数組の常用アームと、この常
   用アームは直列接続される少くとも２個の自己消弧可能
   な素子から成り、各々の直列接続点が交流系統に接続さ
   れる交直変換装置において、前記常用ア―ムに各々設け
   れ、常用ア―ムに異常が発生した場合、該異常発生ア―
   ムを前記直流正極母線と直流負極母線から切離すスイッ
   チと、直列接続される少くとも２個の自己消弧可能な素
   子から成り、直列接続点に交流端子を有する予備ア―ム
   と、前記常用ア―ムに異常が発生した場合、前記予備ア
   ームを前記直流正極母線と直流負極母線間に接続するス
   イッチと、各々の一端が前記交流系統の各相に接続さ
   れ、各々の他端が共通接続され且つ前記予備アームの交
   流端子と接続される交流スイッチを具備した超電導エネ
   ルギ貯蔵システムに用いられる交直変換装置。