JPH0541057U - 電子ビーム照射装置 - Google Patents

電子ビーム照射装置

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JPH0541057U
JPH0541057U JP8978991U JP8978991U JPH0541057U JP H0541057 U JPH0541057 U JP H0541057U JP 8978991 U JP8978991 U JP 8978991U JP 8978991 U JP8978991 U JP 8978991U JP H0541057 U JPH0541057 U JP H0541057U
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JP
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electron beam
irradiation
electron
filament
retainer
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JP8978991U
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English (en)
Inventor
征夫 井口
一弘 鈴木
雅明 川浪
和秀 細野
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JFE Steel Corp
NEC Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
NEC Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子ビームの長時間にわたる連続的な照射に
おける照射位置変動やビーム強度の経時的な変化を回避
する。 【構成】 電子ビームを射出する電子銃2と、この電子
銃2にて射出した電子ビームBを収束する集束コイル6
と、この集束コイル6にて集束した電子ビームBの所定
領域への照射を担う偏向コイル7を備えた電子ビーム照
射装置において、上記電子銃2を、電子を放出するフィ
ラメント2aとこのフィラメント2aを両側から3mm以
上にわたって挟持(L)して固定保持するリティナー2
bおよびリティナー押え2cにて構成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、電子ビーム照射装置に関し、とくに該装置の電子銃に工夫を加え ることによって、長時間にわたって連続的に照射するような場合においても電子 ビームを所望領域へ安定かつ正確に照射しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、金属あるいは合金表面上に、高電圧・低電流で発生させたビーム径の小 さい電子ビームをドット状あるいは線状に照射することにより、これら金属ある いは合金の表面改質を行い、新しい機能材料を開発しようとする試みがさかんに なってきた。
【0003】 金属や合金の表面改質を施すための手段としては、上記のような電子ビームを 照射するものの他、レーザ照射やプラズマ照射あるいはメカニカルな手法などが あるが、とくに電子ビーム照射では、高真空を利用しなければならないハンディ はあるものの、照射面積が上記の手法に比較して小さく、しかも照射対象物の厚 さ方向へビームを深く進入させることができること、また電子ビームの走査、揺 動が容易で照射作業の高速化が可能であり大形の工業材料に適用できること、さ らに熱効率がよいなど多数の利点があり、機能材料としてたとえば鋼板表面上に 薄いセラミックと絶縁被膜を備えた方向性けい素鋼板の如きを対象とした表面改 質においては上記の電子ビーム照射は極めて有効な手段であった。
【0004】 この点に関する先行技術としては、大量生産される鋼板に対して連続的な処理 ができるように、エァ−トゥ−エァ方式を採用した高速連続式真空装置 (特開昭 64-65265号公報) の他、ビームが小さく進入深さの大きい電子ビームを得ること ができるようにし、照射対象物である鋼板の幅方向にわたって均一に規則正しく かつ迅速に照射可能とした電子ビーム照射装置 (特願平2−145491号, 特願平2 −145492号明細書参照) 、あるいは、製品特性のより一層の改善を図るために電 子ビームの照射領域が変わっても常に同等のビーム強度となるようにビームの焦 点距離を適宜補正しながら基板の幅方向にわたって電子ビームを照射するいわゆ るダイナミックフォーカス法を適用した電子ビーム照射法 (特願平2−145493号 明細書参照)など多数の提案がみられ、すでに工業化の段階にまできている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、電子ビーム照射による製品品質を改善するに当たっての最大のポイ ントは細く絞った電子ビームを長時間にわたって連続的に照射しても常に同様の 品質を確保できることが重要であるところ、かかる技術の適用のみでは電子ビー ムの照射時間が長くなるとビームの照射位置が変動したり、ビームの強度が変化 することもあり、この点に関する改善が求められていた。
【0006】 この考案の目的は、金属あるいは合金基板上の所望領域へ電子ビームを長時間 にわたって連続して照射する場合においても安定した照射が可能で、照射領域の すべてについてほぼ一定の品質になる製品を得ることができる装置を提案すると ころにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この考案は、電子ビームを射出する電子銃と、この電子銃にて射出した電子ビ ームを集束する集束コイルと、この集束コイルにて集束した電子ビームの所定領 域への照射を担う偏向コイルを備えた電子ビーム照射装置において、上記電子銃 は、電子を放出するリボン状のフィラメントとこのフィラメントを両側から3mm 以上にわたって挟持して固定保持するリティナーおよびリティナー押えからなる ことを特徴とする、長時間安定して使用するのに適した電子ビーム照射装置であ る。
【0008】 さて、図1に電子ビーム照射装置の構成を、また図2にこの考案に従う電子銃 の要部についてそれぞれ示し、図における番号1は排気口1a,1bを有し真空 槽を形成するためのケーシング、2は電子ビームBを射出する電子銃であって、 この電子銃2は図2に示すように、電子を放出するリボン状のフィラメント2a とこのフィラメント2aを両側から3mm以上にわたって挟持(以下挟持領域を接 触長さLとする。)して固定保持するリティナー2bおよびリボン状フィラメン トの固定用凹みを有するリティナー押え2cからなる。また、3は高圧インシュ レータ、4はフィラメント2aより放出された電子を加速するための陽極、5は 電子線発生部を常に真空状態に保つためのコラム弁、6は電子銃2より射出され た電子ビームBを集束するための集束コイルである。また、7は集束コイル6で 集束させた電子ビームBの進行方向を図示のa〜cのように鋼板Kの幅方向にお いて変化させるための偏向コイルである。上掲図2に示した電子銃2を照射装置 に組み込んだ状態の要部について図3に示す。なお図中2dはリティナーサポー ト、2eはグリッドカップであり、このグリッドカップ2eは、電子ビームを集 束する役目をもっている。フィラメント2aを固定保持するリティナー2bおよ びリティナー押え2cはこのグリッドカップ2eの中央域に配置される。上記の 構成になる電子ビーム照射装置においては、加速電圧を60kV〜500kV の高電圧と し、加速電圧を5mA以下の低電流としてビームの径を細く絞った電子ビームを発 生させることができる。
【0009】
【作用】
図4は電子ビームの利用に関し、加速電圧と電流の関係で用途別に示したもの であり、また、図5 (a) 〜 (e) に電子銃の構成要素であるフィラメントの模 式を示す。 上掲図4に示したような、たとえば高電圧・微少電流を利用する場合には一般 に図5 (a) に示す如きヘアーピンフィラメントが常用れている。しかし電子顕 微鏡(透過型、走査型)等の特殊な用途において最近では長時間の使用を可能に するためにヘアーピンフィラメントに換えてLaB6のフィラメントが使用されてい る。次に、30〜200kV 程度の電圧, 0.5 〜200mA 程度の電流を使用する電子ビー ム溶接においては図5 (b) のようなリボン状のフィラメントや図5 (c) のよ うな棒状のフィラメントが適用され、また、大電流を利用する電子ビーム加熱・ 溶解などでは図5 (d) のようならせん状あるいは円盤状のフィラメントが、さ らに低電圧・大電流を利用するホロカソード放電(HCD)にあっては、図5 ( e) のような中空で大型の陰極が適用され、用途の違いによってフィラメントの 形状が大きく異なる。
【0010】 電子ビームの照射による表面改質においては、上掲図5 (a), (b) あるいは (c) のようなフィラメントが使用されているが、とくに図5 (a) のようなも のは、径の細い電子ビームを照射できる利点がある反面で、熱変形のために電子 ビームの照射位置が短時間のうちにずれる不具合があり、一方図5 (b), (c) のようなものでは熱変形による影響を幾分引き延ばすことはできるが、ビーム径 を細くする観点からは不利であり、何れの場合も一長一短があったのである。上 記のリボン状のフィラメントや棒状のフィラメントに関しては、図6 (a), (b ) に示すように、フィラメントの先端のみを小さくすることも試みられてはいる が、電子ビームの長時間にわたる連続的な照射においては、電子銃2のフィラメ ント2aは2500℃以上に加熱されるため、図7に示したような接触長さLの小さ いもの (通常は3mm未満) では予め適正な位置に配置してもやはり熱変形によっ てその位置ずれが生じ、これがビームBの照射位置を変動させたりビームの強度 が変化する原因にもなっていて十分満足のいく結果が得られていない。
【0011】 この考案においては、フィラメント2aを固定保持するリティナー2b及びリ ティナー押え2cの接触長さLを3mm以上にしてフィラメント2aを強固に固定 するようにしたので、フィラメント2aが2500℃を超えるような高温状態におい てもその熱変形を極めて小さくすることができ、したがって、長時間にわたって 連続的な照射を施してもビームの照射位置の変動やビーム強度の変化は極めて小 さい。
【0012】 図8 (a), (b) はこの考案に従う装置を使用して幅200mm,厚さ0.7mm の冷延 鋼板に対して150 時間連続して電子ビームを照射 (照射条件:150 kV,1.0mA, 6 mm間隔,350μm 間隔でドット状に照射 )した場合の照射前後におけるフィラメン ト2aとグリッドカップ2eの位置関係を調査した結果を示したものである。こ の場合、フィラメント2aの変形はほとんど見られなかったが、図7に示した構 成になる電子銃を備えた装置においては、同一の条件で電子ビームを照射したに もかかわらず図9a, bに示すように150 時間連続運転を行った場合の運転前後 におけるフィラメント2aの位置ずれは非常に大きい。また、表1に、この考案 に従うものを適合例 (A) とし、また比較例を (B) として上記の電子ビーム照 射における鋼板へのひずみの導入状況 (鋼板の両端、中央部) およびビームの照 射痕跡状況を比較して示す。なお、表1中、○は電子ビーム照射によるひずみ量 が、その照射前後のX線の(110) 面のラインブロードニングの拡がり幅の差 (W −W0)が 0.5以上になりかつ、ビームの照射痕跡が円形状観察されたものを、× は電子ビーム照射によるひずみ量が、その照射前後のX線の(110) 面のラインブ ロードニングの拡がり幅の差 (W−W0)が 0.5未満で、ビームの照射痕跡が楕円 状または照射痕跡が薄いものを示す。
【0013】
【表1】
【0014】 表1において、電子ビームの照射直後においては (A),(B) 何れも良好な結 果がえられているが、150 時間経過後では適合例 (A) については良好な結果が そのまま持続されているものの、比較例 (B) については鋼板両端部における電 子ビームの照射強度が小さくしかもビーム痕跡も楕円状になっているのが観察さ れた。
【0015】
【実施例】
C:0.013 wt%( 以下単に%で示す) 、Mn:0.31%、P:0.008 %、S:0.00 9 %、O:0.0049%、N:0.0043%を含有した板幅180 mm, 板厚0.25mmになる鋼 板に対し、上掲図1に示した装置を使用して鋼板の幅方向にわたり、その長手方 向において5mm間隔となるように電子ビームを連続的に照射し照射直後、照射開 始から75時間後および150 時間後のそれぞれにおける鋼板の両端部、中央部のひ ずみ量および電子ビームの痕跡状況を比較調査した。その結果を表2に示す。な お、表2における評価法は表1における評価と同様のものである。
【0016】
【表2】
【0017】
【考案の効果】
かくしてこの考案によれば、電子銃を構成するフィラメントの熱変形を防止す ることができるので長時間連続して電子ビームを照射する場合においても照射位 置が変動するようなことはなく、電子ビームの照射領域の全域において同等の品 質を有する製品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子ビーム照射装置の構成説明図である。
【図2】電子銃の構成を示した図である。
【図3】電子ビーム照射装置の要部を示した図である。
【図4】加速電圧と電流の関係を用途別に示した図であ
る。
【図5】図5 (a) 〜 (e) は各種フィラメントの形状
を示した図である。
【図6】図6 (a), (b) は径の細い電子ビームを照射
する構成になるフィラメントを示した図である。
【図7】従来の電子銃の構成を示した図である。
【図8】図8 (a), (b) は電子ビームの照射前後にお
けるフィラメントの配置状況を示した図である。
【図9】図9 (a), (b) は電子ビームの照射前後にお
けるフィラメントの配置状況を示した図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 1a 排気口 1b 排気口 2 電子銃 2a フィラメント 2b リティナー 2c リティナー押え 2d リティナーサポート 2e グリッドカップ 3 高圧インシュレータ 4 陽極 5 コラム弁 6 集束コイル 7 偏向コイル B 電子ビーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C22B 9/22 (72)考案者 鈴木 一弘 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)考案者 川浪 雅明 東京都港区芝5丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)考案者 細野 和秀 東京都港区芝5丁目7番1号 日本電気株 式会社内

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームを射出する電子銃と、この電
    子銃にて射出した電子ビームを収束する集束コイルと、
    この集束コイルにて集束した電子ビームの所定領域への
    照射を担う偏向コイルを備えた電子ビーム照射装置にお
    いて、 上記電子銃は、電子を放出するリボン状のフィラメント
    とこのフィラメントを両側から3mm以上にわたって挟持
    して固定保持するリティナーおよびリティナー押えから
    なる、ことを特徴とする電子ビーム照射装置。
JP8978991U 1991-10-31 1991-10-31 電子ビーム照射装置 Pending JPH0541057U (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009044871A1 (ja) * 2007-10-05 2009-04-09 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha 電子源及び電子ビーム装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009044871A1 (ja) * 2007-10-05 2009-04-09 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha 電子源及び電子ビーム装置
JP5171836B2 (ja) * 2007-10-05 2013-03-27 電気化学工業株式会社 電子源及び電子ビーム装置

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