JP3270510B2 - 電子ビーム照射装置 - Google Patents

電子ビーム照射装置

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JP3270510B2 JP09979392A JP9979392A JP3270510B2 JP 3270510 B2 JP3270510 B2 JP 3270510B2 JP 09979392 A JP09979392 A JP 09979392A JP 9979392 A JP9979392 A JP 9979392A JP 3270510 B2 JP3270510 B2 JP 3270510B2
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征夫 井口
一弘 鈴木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、金属などの基板上に
高電圧・低電流で発生させた電子ビームを迅速かつ規則
正しくドット状あるいは線状に照射して、その表面改質
を行う場合に有用な電子ビーム照射装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】最近、金属や合金の材料表面に向けて高
電圧・低電流で発生させた電子ビームをドット状あるい
は線状に照射することによりこれら金属材料や合金材料
の表面近傍域の改質を行い、新しい機能を付加した材料
を開発しようとする試みが盛んになってきた。
【0003】金属や合金材料の表面改質を施すための手
段としては、電子ビームを照射する他に、レーザ照射、
プラズマ照射あるいはメカニカルな手法などがあるが、
とくに電子ビーム照射では、高真空を利用しなければな
らない不利はあるものの、照射面積が上掲の手法に比較
して小さくてよく、しかも照射対象物の厚さ方向へビー
ムを深く侵入させることができ、また、電子ビームの走
査、揺動が容易で照射作業の高速化が可能であり大型の
工業材料に適用できること、さらに熱効率が良いなど多
数の利点があり、機能材料として例えば方向性けい素鋼
板を対象とした表面改質においては上記の電子ビーム照
射は極めて有効な手段であった。
【0004】電子ビームの照射技術を採用するに当たっ
ては、大量生産される鋼板に対して連続的な処理を可能
とする、エァ−トゥ−エァ方式による高速連続式真空装
置やビームの径が小さくかつビームの侵入深さが深い電
子ビームを射出することができる装置などが必要であっ
て、この点に関しては特開昭64-65265号公報や特開平2
−118022号公報のように多数の提案が見られ、すでに工
業化の段階にまできている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の文献のなかで
も、特開平2−118022号公報に開示の技術は、電子ビー
ムの照射領域の変動に合わせてビームの焦点距離を調整
しようとするものであって、これによれば電子ビームの
照射強度が照射位置によって大きく変わるようなことが
なくなり製品特性を格段に改善することができた。
【0006】しかしながら、かかる方式においても装置
を構成する機器の制御信号中に以下に述べるようなノイ
ズが含まれることがあり、これが製品特性の改善を図る
際の障害になっていた。
【0007】すなわち、電子ビーム照射装置に配置され
る収束コイルは、電子銃より射出したビームを収束する
の役目をもっていて、D/A コンバータとこのD/A コンバ
ータから出力した信号を増幅するアンプを備えるが、と
くに基板に対してドット状に電子ビームを照射するよう
な場合においては、上記D/A コンバータから出力される
信号が変化する度にヒゲ状のスパイクノイズ(通常、グ
リッジと呼ばれる。)が含まれることとなり、これが電
子ビームの照射においてばらつきをもたらす要因の一つ
になっていたのである。
【0008】この発明の目的は、上述したような装置を
構成する機器制御用の信号中に含まれるノイズを排除し
てより精度の高い電子ビーム照射を行うことができる装
置を提案するところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、電子ビーム
を射出する電子銃と、この電子銃にて射出した電子ビー
ムを収束する収束コイルと、このコイルで収束させた電
子ビームを照射すべき基板の幅方向に偏向させる偏向コ
イルを備えた電子ビーム照射装置において、上記偏向コ
イルは、電子ビームの走査信号を高速変換するD/A コン
バータを備え、このD/A コンバータと偏向コイルをつな
ぐ信号伝達経路中に、D/A コンバータより出力された信
号の変化に伴って発生するスパイクノイズを軽減するサ
ンプルホールド回路と、この回路より出力された信号を
増幅する周波数特性の良好な偏向アンプを配置してなる
電子ビーム照射装置である。
【0010】さて、図1にこの発明に従う電子ビーム照
射装置の一例を示し、図における番号1は配置口1a,
1bを有し真空槽を形成するためのケーシング、2は電
子ビームBを射出する電子銃であって、この電子銃2は
高圧インシュレータ2aと電子を放出するフィラメント
2bとこのフィラメント2bによって放出された電子を
加速するための陽極2cおよび電子線発生部を常に真空
に保持するためのコラム弁2dからなる。また、3は電
子銃2より射出した電子ビームBを収束するための収束
コイル、4は収束させた電子ビームの進行方向を変化さ
せて所望領域への照射を担う偏向コイルであって、この
偏向コイル4は図2に示すように、CPU (中央演算処
理装置) から出力された電子ビームBの走査信号をデジ
タル信号からアナログ信号へ変換するためのD/A コンバ
ータ4aが配置されていて、これにつながる偏向コイル
4との間には、D/A コンバータ4aより出力された信号
の変化に伴って発生するスパイクノイズを軽減するサン
プルホールド回路4bと、この回路4bより出力された
信号を増幅する周波数特性の良好な偏向アンプ4cが配
置される。ここで、上記の偏向アンプ4cと偏向コイル
4との間には偏向アンプ4cによって増幅された信号を
迅速に偏向コイル4に伝えるためにスピードアップ回路
を配置することもできる。
【0011】
【作用】電子銃2より射出した電子ビームBの偏向は、
CPUにて計算された偏向量をD/A コンバータ (デジタ
ル- アナログコンバータ) 4aにてアナログ電圧に変換
し、これをさらに偏向アンプ4cで増幅したのち偏向コ
イル4に印加することによって行う。ここで、電子ビー
ムを基板Kに例えばドット状に照射する場合には、上記
CPUでは、ある一定時間 (=停留時間) 毎に照射領域
に応じて偏向量を変化させる演算を行うが、その際のD/
A コンバータ4aの出力波形はオシロスコープでの観察
によれば図3に示すような階段波形になっている。
【0012】図4に示すような構成になる偏向コイル4
を備えた従来形式の装置では、上記の階段波形が図5に
示すような状況になっている。すなわち、D/A コンバー
タの出力信号が変化する度にヒゲ状のスパイクノイズ
(以下、単にグリッジと記す。) gが発生していたので
ある。これはD/A コンバータ4aの出力信号が変化する
途中で不定の値となってしまうためでD/A コンバータ4
a特有の現象である。
【0013】かかるグリッジgの発生は通常は問題には
ならないが、D/A コンバータの出力値の微小量を約20μ
s 以下の微小時間で変化させるような場合( 電子ビーム
を高速で偏向照射する場合など) には、電子ビームの照
射条件等に悪影響を与え、これまで以上に製品特性の改
善を図ることは非常に困難だったのである。
【0014】この発明では、D/A コンバータ4aと偏向
コイル4との間にサンプルホールド回路4bを設け、出
力信号中のグリッジgを排除するようにしたので、より
精度の高い電子ビーム照射ができるようになる。
【0015】サンプルホールド回路4bの構成例を図6
に示す。かかる回路は、ホールドコンデンサ4b1 , 入
出力バッファ4b2 , 4b3 およびスイッチ4b4 より
構成されている。スイッチ4b4 が閉じられているサン
プル期間中( 図7のt1 とt 3 参照) は入力バッファ4
2 を経てホールドコンデンサ4b1 で急速に充電さ
れ、出力バッファ4b3 を経て出力される。また、ホー
ルド期間中 (図7のt2参照) はスイッチ4b4 開かれ
て上記のその入力が遮られることとなる。理想的にはホ
ールドコンデンサ4b1 はスイッチ4b4 が開かれる直
前の電圧を保持する。以上のように、この発明はD/A コ
ンバータ4aの出力が変化し安定するまでの時間
(t2 ) をホールド期間にすることによってグリッジg
を回避するものである。
【0016】この発明に適合するD/A コンバータとして
は、分解能が16ビット程度で変換時間が5μS 程度のも
のを、また偏向アンプについては周波数特性が80 kHz程
度のものを、また偏向コイルにつていはインダクタンス
が110 μH ±10%程度のものを用いるのがとくに望まし
い。
【0017】
【実施例】
実施例1 上掲図1に示した如き構成になる装置を適用して、C:
0.043 wt% (以下単に%で示す) , Mn:0.35%, P:0.
007 %, S:0.008 %を含有する板厚0.7 mmになる冷延
鋼板の表面上に、加速電圧:150KV,加速電流1.5mA にし
て板の幅方向に沿って100 〜2000μm,長手方向に沿って
100 〜2500μm の間隔でドット状に電子ビームを照射
し、照射後の均一性を顕微鏡によって直接観察した。そ
の結果、すべての面にわたって均一であることが確かめ
られた。
【0018】実施例2 仕上げ焼鈍を施した一方向性けい素鋼板に絶縁被膜を形
成したのち、図1に示した装置を適用して電子ビームを
照射 (加速電圧:150KV,電流:0.7mA,板の幅方向に6mm
の間隔, 板の長手方向に6mmの間隔) し、製品特性の改
善状況および幅方向における反り状況について調査し
た。その結果を従来法に従って電子ビームを照射した場
合の結果とともに表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】表1より明らかなように、この発明に従え
ば、照射対象物の形状劣化を伴うことはなく製品特性を
有利に改善できることが確かめられた。
【0021】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、金属や合金
などの表面改質に有用な電子ビーム照射において、電子
ビームを迅速にしかも広範囲にわたって均一に照射でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従う装置の構成説明図である。
【図2】この発明に従う装置に配置される偏向コイルの
回路を示した図である。
【図3】電圧と時間の関係を示した図である。
【図4】従来装置に配置される偏向コイルの回路を示し
た図である。
【図5】グリッジの発生状況の説明図である。
【図6】サンプルホールド回路の構成を示した図であ
る。
【図7】サンプルホールドの入出力電圧とホールド信号
の状況を示した図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 電子銃 3 収束コイル 4 偏向コイル 4a D/A コンバータ 4b サンプルホールド回路 4c 偏向アンプ g グリッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金内 奉八 東京都港区芝5丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−39850(JP,A) 特開 昭50−108696(JP,A) 特開 昭64−59749(JP,A) 特開 平3−272556(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 37/30 G21K 5/04 H01J 37/147

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームを射出する電子銃と、この電
    子銃にて射出した電子ビームを収束する収束コイルと、
    このコイルで収束させた電子ビームを照射すべき基板の
    幅方向に偏向させる偏向コイルを備えた電子ビーム照射
    装置において、上記偏向コイルは、電子ビームの走査信
    号を高速変換するD/A コンバータを備え、このD/A コン
    バータにつながる偏向コイルとの間に、D/A コンバータ
    より出力された信号の変化に伴って発生するスパイクノ
    イズを軽減するサンプルホールド回路と、この回路より
    出力された信号を増幅する周波数特性の良好な偏向アン
    プを配置してなる電子ビーム照射装置。
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