JPH05279744A - 電子ビームの照射方法 - Google Patents

電子ビームの照射方法

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JPH05279744A
JPH05279744A JP7731092A JP7731092A JPH05279744A JP H05279744 A JPH05279744 A JP H05279744A JP 7731092 A JP7731092 A JP 7731092A JP 7731092 A JP7731092 A JP 7731092A JP H05279744 A JPH05279744 A JP H05279744A
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JP
Japan
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electron beam
irradiation
strip
energy density
time
Prior art date
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Pending
Application number
JP7731092A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Naruse
豊 成瀬
Takayuki Naoi
孝之 直井
Hitoshi Aizawa
均 相澤
Kaizo Okamoto
改造 岡本
Eiji Hina
英司 日名
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 連続走行中の金属ストリップに対し、電子ビ
ームを連続的に照射する方法において、金属ストリップ
に対する必要照射時以外のアイドルタイムは、電子ビー
ムの照射エネルギー密度を10 J/in2以下に低減する。 【効果】 製品品質の低下や設備の増強を招く不利なし
に、必要生産量に応じたムダのない生産が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、連続走行中の金属ス
トリップに対し、電子ビームを効率良く安定して照射す
ることができる電子ビームの照射方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】金属ストリップの特性改善技術、例えば
電磁鋼板の鉄損改善技術として、電子ビームを、セラミ
ック被膜さらには絶縁被膜を被成した電磁鋼ストリップ
の表面に照射する方法が知られている(特開昭63-96218
号公報、特開昭63−186826号公報) 。上記の技術は、強
く絞った電子ビームをストリップに対し、その幅方向に
特定のピッチで照射することを特徴としている。ここに
1本の線状痕の形成に要するビーム照射時間は、ストリ
ップの特性改善効果が最大となるエネルギー入力量から
決定され、また照射ピッチも同様な理由で決定される。
【0003】ところで電子ビームの発生装置(EBガ
ン) は、一般にその特性上、ビームの走査は偏向コイル
(偏向レンズ、電子レンズとも言う)によって極めて迅
速に行なうことが可能な反面、ビームの ON, OFF操作は
タイムラグを伴うなど問題が多いことから、ビーム照射
は連続照射で行なわれている。
【0004】ここで、上記の電子ビーム照射によるスト
リップ特性改善技術を、実生産ラインに適用する場合を
考えると、ストリップの搬送速度は、本来、その製品生
産量に基づいて決定されるべきものであるが、電子ビー
ムによる線状痕1本当たりの照射時間及び照射ピッチ
は、上述したとおり製品の品質から決定されるため、製
品品質を考慮するとストリップ搬送速度は一義的に決定
されてしまい、生産量を調整することができなかった。
逆に生産量を調整するには、設備の停止日数で調整せざ
るを得ず、ライン駆動系の設備にムダが生じたり、ライ
ン運転要員の調整等が必要であった。
【0005】上述したライン速度の律速条件を、図1を
用いて説明する。品質特性上最適な照射条件でのビーム
の走査速度をS、また走査ピッチをPとする。この時、
ストリップの照射幅をWとすると1本の線状痕を形成す
るのに必要な時間Ts
【数1】 Ts =W/S ……(1) となる。このTs の間にストリップがPだけ搬送されれ
ば定常的に(連続的に)照射できることになり、従って
ライン速度vは
【数2】 v=P/Ts =(P/W)・S ……(2) で表される速度に律速されることになる。
【0006】上記の問題の解決策として、別途にアイド
ルターゲットを設け、必要照射時以外はこのアイドルタ
ーゲットに電子ビーム照射(EB照射)を行うことによ
って照射時間の調整を行うことが考えられる。しかしな
がらこの技術では、アイドルターゲットという余分な設
備を必要とするだけでなく、このアイドルターゲットは
常に繰り返しEB照射を受けることから冷却が必要とな
るなど設備が複雑とする不利が避けられない。このよう
に冷却水が必要であったり、ターゲットの周期的交換が
必要とされるなど工業的に考えた場合、初期設備費の面
及びランニングコストの面において必ずしも有利な方法
とは言えない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこでこの発明では、
アイドルターゲット等を用いることなく鋼板にEB照射
を行う場合でも、何らの弊害を招くことなしに照射時間
を調整することができる電子ビームの照射方法を提案す
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】さて発明者らの研究によ
れば、鋼板に対する電子ビームの照射エネルギー密度が
10 J/in2以下であれば、鋼板に悪影響を与えないことが
突き止められた。この発明は上記の知見に立脚するもの
である。
【0009】すなわちこの発明は、連続走行中の金属ス
トリップに対し、電子ビームを連続的に照射する方法に
おいて、金属ストリップに対する必要照射時以外のアイ
ドルタイムは、電子ビームの照射エネルギー密度を10 J
/in2以下まで低減することからなる電子ビームの照射方
法(第1発明)である。
【0010】ここに鋼板に対する電子ビームの照射エネ
ルギー密度を低減するのに有効な手段は次のとおりであ
る。 i)電子ビームの焦点を鋼板面から外す(第2発明)。 ii)電子ビームの電流を低下する(第3発明)。 iii)電子ビームの移動速度を速める(第4発明)。 なお上記したi) 〜ii) の手段を組み合わせて使用する
ことはいっこうに差し支えない。
【0011】
【作用】図2に、電磁鋼板における電子ビームの照射エ
ネルギー密度と鉄損特性との関係について調べた結果を
示したが、同図より、照射エネルギー密度が5 J/in2
なると鋼板に与える影響はなくなっている。ここに電子
ビーム照射による鉄損の改善は、一般に電子ビーム照射
による鋼板の熱歪によるものと考えられている。従って
上図から、照射エネルギー密度が5J/in2以下では鋼板
は電子ビーム照射の影響を受けなくなるものと解釈でき
る。とはいえ測定上の誤差、ばらつき等を考え安全率を
2とすると、10 J/in2以下であれば電子ビーム照射を行
っても鋼板は影響を受けないということができる。そこ
でこの発明では、アイドルタイムには照射エネルギー密
度を 10J/in2以下でストリップ又は周辺設備に照射し続
けることにしたものである。
【0012】次に、電子ビーム照射エネルギー密度の低
減手段について説明する。先ず、電子ビームの発生原理
について説明すると、図3に示すとおり、電子銃1のカ
ソード2から出た電子は、アノード3との間で加速電圧
(通常150 kV程度)を加えられて加速され、電子ビーム
4としてストリップ5に照射される。この時グリッド6
に加えるバイアス電圧によりビーム電流は制御される。
そして電子レンズ7によりストリップ5に焦点を合わせ
て集束される。その際、偏向コイル8により照射位置が
制御される。
【0013】そこでストリップ5への照射を制限すべき
アイドルタイムにおいては、 i)電子レンズ7を制御して、ストリップ5の表面から離
れた位置を焦点とする(ストリップ5では焦点が合わな
い)、 ii)グリッド6に作用するバイアス電圧を制御して、ス
トリップ5へ照射する電子ビーム4のビーム電流を低下
させる、 iii)偏向コイル8を制御して、電子ビーム4のストリッ
プ5に対する移動速度を速くする ことのいずれかの手段又はそれらの組合せにより、スト
リップ5に照射される電子ビーム4のエネルギー密度を
10 J/in2以下(ビーム軌跡上において) まで低減するの
である。このようにこの発明では、必要照射時以外は照
射エネルギー密度を鋼板に悪影響を及ぼさない程度まで
低減しておくので、アイドルタイムにおける電子ビーム
の照射位置は必ずしもストリップに限るわけではなく、
製造ラインの周辺設備であっても損傷を与えることはな
い。
【0014】上記の制御手段はいずれも、電子ビーム照
射装置の線源装置又はビーム経路の光学系を制御するも
のであることから、高い応答速度の下で正確に制御する
ことができ、たとえば走査1/2 周期ごとにタイミングを
合わせて、エネルギー密度を下げて板面又は板面外を照
射しつつ待機させることにより、所期した目的が達成さ
れるのである。
【0015】
【実施例】ストリップの特性改善効果が最大となるビー
ム走査速度が10m/秒、走査ピッチが10mmであり、またビ
ーム照射幅が 100mmであるとき、一本の線状痕を形成す
るのに必要な時間TS は、
【数3】 TS = (100mm)/(10×103mm/秒)= 0.01 秒 となる。従来法に従って連続ビーム照射を行うには、0.
01秒でストリップを走査ピッチである10mmだけ搬送する
必要があるから、ライン速度vは、
【数4】 v=(10mm)/(0.01 秒) =1000 mm/秒= 60 m/分 に律速される。なおここで走査線から次の走査線に移る
のに要する時間は走査時間に比較して遙かに小さいので
省略する。
【0016】実生産ラインにおいては、連続ラインの前
後の条件とくに接続溶接などにより減速を余儀なくされ
る。ここにライン速度が 60 m/分から 40 m/分までの減
速を余儀なくされた場合、走査ピッチ:10mmの搬送に要
する時間は
【数5】 (10mm)/ (40×1000mm/60秒) = 0.015秒 となるが、TS は0.01秒であるから、 0.005秒だけビー
ム照射を切る必要が生じる。しかしながらかような短時
間の開閉操作は、簡単には行うことができないため、開
閉操作前後の領域については所望特性を得ることはでき
なかった。
【0017】この点この発明では、余分な 0.005秒間に
ついては、たとえば図4に示すように、電子ビームの焦
点を広げることで実害なしに連続照射を活用することが
でき、また開閉操作を行う必要がないので、特性の劣化
を招くおそれもない。このようにこの発明では、アイド
ルタイムは電子ビームの照射エネルギー密度を低減する
ことにより、実生産ラインにおいてフレキシブルなライ
ン速度の選定が可能になる。
【0018】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、アイドルタ
ーゲットを設置することなしに、金属ストリップに対す
る電子ビーム照射時間を調整することが可能となった。
とくに幅広の金属ストリップを高速で処理する際、複数
の電子ビームで板幅を分割分担して照射する場合など、
より高い効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ライン速度の律則条件の算出要領説明図であ
る。
【図2】電子ビームの照射エネルギー密度と鉄損特性と
の関係を示した図である。
【図3】電子ビーム発生原理の説明図である。
【図4】照射エネルギー密度の低減手段として電子ビー
ムの焦点を外す方法を用いた場合の電子ビームの照射要
領説明図である。
【符号の説明】
1 電子銃(EBガン) 2 カソード 3 アノード3 4 電子ビーム 5 ストリップ5 6 グリッド6 7 電子レンズ 8 偏向コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相澤 均 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 岡本 改造 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 日名 英司 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続走行中の金属ストリップに対し、電
    子ビームを連続的に照射する方法において、金属ストリ
    ップに対する必要照射時以外のアイドルタイムは、電子
    ビームの照射エネルギー密度を10 J/in2以下まで低減す
    ることを特徴とする電子ビームの照射方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、照射エネルギー密度
    の低減が、電子ビームの焦点を鋼板面から外すことによ
    るものである電子ビーム照射方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、照射エネルギー密度
    の低減が、電子ビームの電流を低下させることによるも
    のである電子ビーム照射方法。
  4. 【請求項4】 請求項1において、照射エネルギー密度
    の低減が、電子ビームの移動速度を速めることによるも
    のである電子ビーム照射方法。
JP7731092A 1992-03-31 1992-03-31 電子ビームの照射方法 Pending JPH05279744A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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