JPH0541010Y2

JPH0541010Y2 -

Info

Publication number: JPH0541010Y2
Application number: JP5524783U
Authority: JP
Priority date: 1983-04-12
Filing date: 1983-04-12
Publication date: 1993-10-18
Also published as: JPS59160227U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、防湿性及び耐熱性に優れたヒートシ
ール防錆紙に関するものである。

従来より金属部品などの包装材料として、防錆
剤を適用した防錆シートが知られている。そして
近年、包装方法の合理化に伴い、防錆包装の分野
においてもヒートシールにより自動包装が開発さ
れている。これに用いられる防錆シートとして
は、一般的なものとして、支持体に紙を使用し、
これに防錆剤とヒートシール接着剤を混合又は
別々にして、塗布又は含浸させたヒートシール防
錆紙がある。しかしこの種の防錆紙は多孔性であ
るため、湿気を通すために錆が発生し易く、また
気化防錆ガスが逃げ易いために防錆効果が劣ると
いう難点がある。また湿度変化に対して寸法安定
性に欠けるなどの難点もある。また支持体にポリ
エチレン、ポリプロピレン等のプラスチツクフイ
ルムを使用した防錆フイルムも知られているが、
この種の防錆フイルムはヒートシールの際に支持
体が熱溶融する傾向があり、高湿下でのヒートシ
ール性に欠けるという難点があつて、汎用される
には至つていない。そのため、支持体にポリエス
テル等の耐熱性を有するプラスチツクフイルムを
使用することも考えられるが、この種のフイルム
は、防錆剤が含浸せず、均一な防錆剤を形成する
のが困難であり、やはり実用し得ないものであ
る。

そこで、本考案者らはかかる従来の難点を解消
せしめ、優れた防錆性能をもち、且つ耐熱性を有
するヒートシール防錆紙を得るべく、鋭意研究の
結果、次のような構成のヒートシール防錆紙を開
発した。即ち、本考案は基紙１の片面にヒートシ
ール防錆層２が設けられ、他面に防湿層３及び熱
溶融防止層４が順次設けられていることを特徴と
するヒートシール防錆紙である。

本考案における防湿層は、金属の発錆の最大要
因となる外部からの湿気浸入を防ぐためのもの
で、溶融防止層を設けるための接着機能を兼備し
ている材料によつて形成される。かかる材料とし
ては、例えば、パラフイン、モンタンワツクスな
どのワツクス類、SBR、ポリブデンなどのゴム
類、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢
酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニ
リデンなどのプラスチツクフイルム類が例示され
る。その中でも、本考案においては、ポリエチレ
ン、エチレン酢酸ビニル等の融点80℃以上の疎水
性高分子物質が耐熱性を有し、且つ接着能に優れ
ている点で、好ましく用いられる。

また、熱溶融防止層は、ヒートシール防錆紙を
使用する際に、150〜250℃に保つたヒートプレー
トによつて、前記防湿層が熱溶融しないように設
けるもので、耐熱性を有する材料によつて形成さ
れる。かかる材料としては、紙、金属箔、布、融
点200℃以上の高分子フイルム等が例示される。
なお、熱溶融防止層は防湿層上に設けられるもの
であるが、例えばホツトメルトコーテイングによ
り、防湿層が冷却する前に、貼り合せる方法が採
られる。

本考案においてはヒートシール防錆層は基紙の
片面に、防錆剤及びヒートシール接着剤が混合又
は別々にして、バーコーター、サイズプレス等に
より塗布又は含浸される。防錆剤としては、ダイ
カン、亜硝酸ナトリウム、有機酸、有機塩酸など
が用いられ、ヒートシール接着剤としては酢酸ビ
ニル、エチレン−酢酸ビニル、エチル−アクリル
酸、酢酸ビニル−アクリル、アクリル系、スチレ
ン−ブタジエン、塩化ビニリデン、アイオノマー
等のエマルジヨンまたは樹脂溶液が用いられる。

本考案によれば、防錆層を有する反対面に防湿
層が設けられているので、外部からの湿気の浸入
を防ぐことができる。更に防湿層は、気化防錆ガ
スが基紙から透過することも防止するので、確実
に防錆でき、優れた防錆性能が発揮できるもので
ある。

以下に実施例を挙げて、本考案を更に具体的に
説明するが、勿論これれらに限定されるものでは
ない。

実施例米坪60g／m²のクラフト紙の片面に、ジシクロ
ヘキシルアンモニウムナイトライト（ダイカン）
〔商品名ダイアナ、三菱化成(株)製〕の50重量％水
溶液と酢酸ビニル−アクリルラテツクス〔商品名
サイビノール301、サイデン化学(株)製〕の50重量
％溶液を重量比１：１の割合で混合し、バーコー
ターで固形分が18g／m²となるように、塗布、乾
燥してヒートシール防錆紙を製造した。このヒー
トシール防錆層の反対面に低密度ポリエチレンを
溶融し、厚さ25μとなるようにホツトメルトコー
テイングし、米坪35g／m²の上質紙を貼合わせ
た。

防錆性能の評価 JIS−Ｇ−3141に規定される75mm×75mm×１mm
の冷延鋼板を、本考案のヒートシール防錆紙で一
重包装し、足踏式ヒートシーラで、加温160℃、
シール時間の１秒の条件下でヒートシールを行な
い、これを温度50℃、温度80％RHの条件下に１
ケ月放置し、鋼板表面における錆発生の有無を目
視した。その結果、錆は全く発生しなかつた。

なお、比較のため、実施例において、低密度ポ
リエチレンのホツトメルトコーテイング及び上質
紙の貼り合わせしないものを比較例とした。上記
と同様な方法で防錆性能を評価テストを行つたと
ころ、錆が発生した。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のヒートシール防錆紙の断面
図である。１……基紙、２……ヒートシール防錆層、３…
…防湿層、４……熱溶融防止層。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

基紙１の片面にヒートシール防錆層２が設けら
れ、他面に防湿層３及び熱溶融防止層４が順次設
けられていることを特徴とするヒートシール防錆
紙。