JPH054002A - 変質した抽出有機の再生方法 - Google Patents
変質した抽出有機の再生方法Info
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- JPH054002A JPH054002A JP3029286A JP2928691A JPH054002A JP H054002 A JPH054002 A JP H054002A JP 3029286 A JP3029286 A JP 3029286A JP 2928691 A JP2928691 A JP 2928691A JP H054002 A JPH054002 A JP H054002A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明はパラジウムや白金等の白金族の精錬
や、廃触媒や電子部品からの貴金属の回収に用いられ
る、抽出剤として硫化ジアルキル系化合物を用いる抽出
有機の再生技術を提供する。 【構成】 変質した抽出有機と活性アルミナ、シリカゲ
ル、ゼオライトのうちの少なくとも一種以上とを5〜6
0゜C、SV0.5〜2.0で接触させるものであり、
該活性アルミナ、シリカゲル、ゼオライトがそれぞれ、
粒径50〜150ミクロン、比表面積100m2/g以
上、細孔容積0.3cm3/g以上の物であることを特
徴とするものである。 【効果】 貴金属の抽出に際して発生する変質物を抽出
有機より容易に、かつ簡単に吸着除去できる。また、変
質物と共に吸着された貴金属は再生処理により回収でき
るため、従来の蒸留方法のように貴金属がロスとして系
外に排出されるという欠点が無い。よって、本発明の抽
出有機の再生方法は工業的に有意義である。
や、廃触媒や電子部品からの貴金属の回収に用いられ
る、抽出剤として硫化ジアルキル系化合物を用いる抽出
有機の再生技術を提供する。 【構成】 変質した抽出有機と活性アルミナ、シリカゲ
ル、ゼオライトのうちの少なくとも一種以上とを5〜6
0゜C、SV0.5〜2.0で接触させるものであり、
該活性アルミナ、シリカゲル、ゼオライトがそれぞれ、
粒径50〜150ミクロン、比表面積100m2/g以
上、細孔容積0.3cm3/g以上の物であることを特
徴とするものである。 【効果】 貴金属の抽出に際して発生する変質物を抽出
有機より容易に、かつ簡単に吸着除去できる。また、変
質物と共に吸着された貴金属は再生処理により回収でき
るため、従来の蒸留方法のように貴金属がロスとして系
外に排出されるという欠点が無い。よって、本発明の抽
出有機の再生方法は工業的に有意義である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はパラジウムや白金等の白
金族の精錬や、廃触媒や電子部品からの貴金属の回収に
用いられる、抽出剤として硫化ジアルキル系化合物を用
いる抽出有機の再生技術に関する。
金族の精錬や、廃触媒や電子部品からの貴金属の回収に
用いられる、抽出剤として硫化ジアルキル系化合物を用
いる抽出有機の再生技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年硫化ジアルキル系化合物を抽出剤と
して白金、ロジウム、パラジウム、卑金属を含有する水
溶液からパラジウムを選択的に分離する工業的方法が開
発され、提案されている。例えば、特開昭51−847
02号公報であり、特開昭57−79135号公報であ
る。これらの方法でパラジウムの抽出剤として用いられ
硫化ジアルキルは以下に示すように容易に酸化され、ス
ルホキサイドやスルホンに変化することが知られている
(Izv.Sid.Otd.Akad.Nauk,SSSR,Ser.Khim,Nauk,(6)120
(1967))。
して白金、ロジウム、パラジウム、卑金属を含有する水
溶液からパラジウムを選択的に分離する工業的方法が開
発され、提案されている。例えば、特開昭51−847
02号公報であり、特開昭57−79135号公報であ
る。これらの方法でパラジウムの抽出剤として用いられ
硫化ジアルキルは以下に示すように容易に酸化され、ス
ルホキサイドやスルホンに変化することが知られている
(Izv.Sid.Otd.Akad.Nauk,SSSR,Ser.Khim,Nauk,(6)120
(1967))。
【0003】 R2S−−(酸化)−→R2SO−−(酸化)−→R2SO2 スルフィド スルホキサイド スルホン ここでRはアルキル基である。
【0004】このようにして発生したスルホキサイド等
の変質物はパラジウムの選択抽出性を悪化させ、且つ水
層と有機層との分離性も悪化させる。また、上記変質物
の発生は抽出有機の寿命が短くなることを意味し、抽出
工程でのコストの上昇をもたらすことになる。
の変質物はパラジウムの選択抽出性を悪化させ、且つ水
層と有機層との分離性も悪化させる。また、上記変質物
の発生は抽出有機の寿命が短くなることを意味し、抽出
工程でのコストの上昇をもたらすことになる。
【0005】従来、この状況を解決する方法としては当
該抽出有機を分別蒸留し、抽出剤と希釈剤とを回収する
方法が存在するのみであった。しかし、この分別蒸留は
高度の技術を要し、コストのかかる方法であり、前記変
質物かパラジウムと錯体を形成している場合には、該錯
体の安定度によってはパラジュウムロスが大きくなると
いったものであった。
該抽出有機を分別蒸留し、抽出剤と希釈剤とを回収する
方法が存在するのみであった。しかし、この分別蒸留は
高度の技術を要し、コストのかかる方法であり、前記変
質物かパラジウムと錯体を形成している場合には、該錯
体の安定度によってはパラジュウムロスが大きくなると
いったものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はかかる
問題点を含まない抽出有機の再生法の提供にある。
問題点を含まない抽出有機の再生法の提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の方法は、アルキル基の炭素数が4〜10である硫化
ジアルキルを抽出剤として用いる抽出有機の再生法にお
いて、該抽出有機と活性アルミナ、シリカゲル、ゼオラ
イトのうちの少なくとも一種以上とを5〜60゜C、S
V0.5〜2.0で接触させるものであり、該活性アル
ミナ、シリカゲル、ゼオライトがそれぞれ、粒径50〜
150ミクロン、比表面積100m2/g以上、細孔容
積0.3cm3/g以上の物であることを特徴とするも
のである。
明の方法は、アルキル基の炭素数が4〜10である硫化
ジアルキルを抽出剤として用いる抽出有機の再生法にお
いて、該抽出有機と活性アルミナ、シリカゲル、ゼオラ
イトのうちの少なくとも一種以上とを5〜60゜C、S
V0.5〜2.0で接触させるものであり、該活性アル
ミナ、シリカゲル、ゼオライトがそれぞれ、粒径50〜
150ミクロン、比表面積100m2/g以上、細孔容
積0.3cm3/g以上の物であることを特徴とするも
のである。
【0008】
【作用】本発明は、抽出有機中の変質物を吸着除去しよ
うとするものであるが、該抽出有機中には前記スルホキ
サイドやスルホンといった変質物のみでなく、用いる希
釈剤によっては希釈剤自体の変質物も含まれる。さら
に、これらの変質物質と貴金属との錯体や、(NH4)2
PtCl6といった懸濁粒子も存在する。
うとするものであるが、該抽出有機中には前記スルホキ
サイドやスルホンといった変質物のみでなく、用いる希
釈剤によっては希釈剤自体の変質物も含まれる。さら
に、これらの変質物質と貴金属との錯体や、(NH4)2
PtCl6といった懸濁粒子も存在する。
【0009】吸着時の有機の温度を高くすると前記変質
物の除去率は低下し、変質物とパラジウムとの錯体や懸
濁粒子の除去率は上昇する。このことから、活性アルミ
ナやシリカゲルやゼオライトと変質物との吸着は物理吸
着と考えられ、上記変質物と貴金属の錯体や懸濁粒子と
の吸着は化学吸着と考えられる。
物の除去率は低下し、変質物とパラジウムとの錯体や懸
濁粒子の除去率は上昇する。このことから、活性アルミ
ナやシリカゲルやゼオライトと変質物との吸着は物理吸
着と考えられ、上記変質物と貴金属の錯体や懸濁粒子と
の吸着は化学吸着と考えられる。
【0010】本発明において、吸着時の有機の温度を5
〜60℃とするのは、吸着機構の異なる変質物や該変質
物との錯体や懸濁物質を確実に除去するためである。す
なわち、温度が5℃未満では物理吸着の効果は低下しな
いものの化学吸着速度が著しく低下し、変質物と貴金属
との錯体や懸濁物質の除去が不十分となり、60℃を越
えると化学吸着速度や物理吸着速度は極めて早くなるも
のの、物理吸着における脱離速度も大きくなり、結果と
して変質物の吸着が不十分になるからである。また、抽
出剤である硫化ジアルキルの引火点が低いことからあま
り有機の温度を高くすることは作業環境の悪化や引火の
危険性を増すため避けることが好ましい。
〜60℃とするのは、吸着機構の異なる変質物や該変質
物との錯体や懸濁物質を確実に除去するためである。す
なわち、温度が5℃未満では物理吸着の効果は低下しな
いものの化学吸着速度が著しく低下し、変質物と貴金属
との錯体や懸濁物質の除去が不十分となり、60℃を越
えると化学吸着速度や物理吸着速度は極めて早くなるも
のの、物理吸着における脱離速度も大きくなり、結果と
して変質物の吸着が不十分になるからである。また、抽
出剤である硫化ジアルキルの引火点が低いことからあま
り有機の温度を高くすることは作業環境の悪化や引火の
危険性を増すため避けることが好ましい。
【0011】本発明において吸着体として活性アルミ
ナ、シリカゲル、ゼオライトを用いるのはこれらが吸着
能力の上から好適であるばかりでなく、安価で入手しや
すいからである。これらの吸着体を使用するに際して、
あまりに細かい粒径の物を使用すると通液速度が低下
し、再生に時間がかかり効率的でなく、反対にあまりに
粗大なものを使用すると化学吸着の効果が低くなり、変
質物と白金属との錯体等の除去が不十分になる。そのた
め吸着体の粒径は50〜150ミクロンとしなければな
らない。
ナ、シリカゲル、ゼオライトを用いるのはこれらが吸着
能力の上から好適であるばかりでなく、安価で入手しや
すいからである。これらの吸着体を使用するに際して、
あまりに細かい粒径の物を使用すると通液速度が低下
し、再生に時間がかかり効率的でなく、反対にあまりに
粗大なものを使用すると化学吸着の効果が低くなり、変
質物と白金属との錯体等の除去が不十分になる。そのた
め吸着体の粒径は50〜150ミクロンとしなければな
らない。
【0012】SVを小さくすればするほど変質物や変質
物と白金属との錯体等の除去は完全となる。しかし、1
工程に要する時間はそれに伴い増加し、経済性を失する
ことになる。一方、SVを大きくすると1工程に要する
時間は短縮できるものの、化学吸着による変質物と白金
属との錯体等の除去率が低下する。経済性を失すること
なく、変質物や該変質物と白金属との錯体等を完全に吸
着除去するためにはSVは0.5〜2とすることが必要
である。
物と白金属との錯体等の除去は完全となる。しかし、1
工程に要する時間はそれに伴い増加し、経済性を失する
ことになる。一方、SVを大きくすると1工程に要する
時間は短縮できるものの、化学吸着による変質物と白金
属との錯体等の除去率が低下する。経済性を失すること
なく、変質物や該変質物と白金属との錯体等を完全に吸
着除去するためにはSVは0.5〜2とすることが必要
である。
【0013】また、用いる吸着体の比表面積を100m
2/g以上の物とするのは、比表面積が100m2/gを
下回ると変質物の吸着量が少なくなるからである。とこ
ろで、比表面積は粒系とも関連し、比表面積が大きいほ
ど粒系は小さくなる。よって、比表面積があまり大きく
なると、粒系が小さくなり通液抵抗が増すので好ましく
ない。そのため、吸着体の比表面積は340m2/g以
下とすることが好ましい。また、細孔容積についても同
様のことが言え、0.3cm3/g以上とすることが必
要であり、0.68cm3/g以下とすることが好まし
い。
2/g以上の物とするのは、比表面積が100m2/gを
下回ると変質物の吸着量が少なくなるからである。とこ
ろで、比表面積は粒系とも関連し、比表面積が大きいほ
ど粒系は小さくなる。よって、比表面積があまり大きく
なると、粒系が小さくなり通液抵抗が増すので好ましく
ない。そのため、吸着体の比表面積は340m2/g以
下とすることが好ましい。また、細孔容積についても同
様のことが言え、0.3cm3/g以上とすることが必
要であり、0.68cm3/g以下とすることが好まし
い。
【0014】
【実施例】以下実施例を用いて本発明を説明する。
【0015】(実施例1)粒径80〜100μm、細孔
容積0.3cm3/g、比表面積120m2/gの活性ア
ルミナ15kgを層高60cmになるようにカラムに充
填し、変質物をスルホキジド換算で5.5g/lの割合
で含む25℃の使用済み変質有機を通液速度SV=0.
5で前記カラムに通液し、再生有機を得た。変質有機と
再生有機とをそれぞれ液体クロマトグラフで測定し、得
たパターン図を図1に示した。
容積0.3cm3/g、比表面積120m2/gの活性ア
ルミナ15kgを層高60cmになるようにカラムに充
填し、変質物をスルホキジド換算で5.5g/lの割合
で含む25℃の使用済み変質有機を通液速度SV=0.
5で前記カラムに通液し、再生有機を得た。変質有機と
再生有機とをそれぞれ液体クロマトグラフで測定し、得
たパターン図を図1に示した。
【0016】
【図1】
【0017】図1において、横軸は各時間毎にカラムよ
り流出する有機中の各成分を示し、縦軸は各成分の量を
示す。図中の斜線部が吸着除去された変質物であり、変
質物の99%以上が除去されたことがわかる。 (実施例2)粒径55〜105μm、細孔容積0.6c
m3/g、比表面積125m2/gのシリカゲル20kg
を層高50cmになるようにカラムに充填し、実施例1
と同じ25℃の使用済み変質有機を同様に通液し、再生
有機を得た。変質有機と再生有機とをそれぞれ液体クロ
マトグラフで測定し、得たパターン図を図2に示した。
り流出する有機中の各成分を示し、縦軸は各成分の量を
示す。図中の斜線部が吸着除去された変質物であり、変
質物の99%以上が除去されたことがわかる。 (実施例2)粒径55〜105μm、細孔容積0.6c
m3/g、比表面積125m2/gのシリカゲル20kg
を層高50cmになるようにカラムに充填し、実施例1
と同じ25℃の使用済み変質有機を同様に通液し、再生
有機を得た。変質有機と再生有機とをそれぞれ液体クロ
マトグラフで測定し、得たパターン図を図2に示した。
【0018】
【図2】
【0019】図2において、横軸は各時間毎にカラムよ
り流出する有機中の各成分を示し、縦軸は各成分の量を
示す。図中の斜線部が吸着除去された変質物であり、変
質物の99%以上が除去されたことがわかる。
り流出する有機中の各成分を示し、縦軸は各成分の量を
示す。図中の斜線部が吸着除去された変質物であり、変
質物の99%以上が除去されたことがわかる。
【0020】(実施例3)抽出剤としてジヘキシルスル
フィド(商品名SFI−6R 大八化学社製)を20体
積%含み、希釈剤としてシェルゾールABを用いた抽出
有機300lと、Au 1.0、Ag 0.1、Pt 1
1.0、Pd 50.0、Rh 3.5、Cu 6.5、
Bi 5.0、Te 3.0g/lを含む王水性水溶液1
50l(O/A=2)とをミキサーを用いて温度40
℃、接触時間3時間でPdを抽出し、次いで150lの
6%アンモニア水を逆抽出液として用いてPdを逆抽出
し、その後抽出有機層を各250lの純水を用いて2段
洗浄するという操作を同一抽出有機を用いて繰返し行っ
た。この時10回目の層分離時間とPd抽出率とを調べ
たところ逆抽出時の層分離時間は5〜6分、1段目の洗
浄時の層分離時間は360分、2段目の層分離時間は3
60分でありPd抽出率は99.9%以上であった。さ
らに上記操作を継続したところ、14回目で相分離時間
が極めて長くなり実質的に相分離が出来なくなった。こ
の洗浄後の抽出有機を分析したところ、劣化物は7.8
1体積%、内変質物として0.61体積%のジヘキシル
スルホキシド(DHSO)が生成していた。又、有機中
のPt、Rhの濃度はそれぞれ0.58g/l、0.3
9g/lであった。又、この抽出有機の水層との分離性
は極めて悪いものであった。
フィド(商品名SFI−6R 大八化学社製)を20体
積%含み、希釈剤としてシェルゾールABを用いた抽出
有機300lと、Au 1.0、Ag 0.1、Pt 1
1.0、Pd 50.0、Rh 3.5、Cu 6.5、
Bi 5.0、Te 3.0g/lを含む王水性水溶液1
50l(O/A=2)とをミキサーを用いて温度40
℃、接触時間3時間でPdを抽出し、次いで150lの
6%アンモニア水を逆抽出液として用いてPdを逆抽出
し、その後抽出有機層を各250lの純水を用いて2段
洗浄するという操作を同一抽出有機を用いて繰返し行っ
た。この時10回目の層分離時間とPd抽出率とを調べ
たところ逆抽出時の層分離時間は5〜6分、1段目の洗
浄時の層分離時間は360分、2段目の層分離時間は3
60分でありPd抽出率は99.9%以上であった。さ
らに上記操作を継続したところ、14回目で相分離時間
が極めて長くなり実質的に相分離が出来なくなった。こ
の洗浄後の抽出有機を分析したところ、劣化物は7.8
1体積%、内変質物として0.61体積%のジヘキシル
スルホキシド(DHSO)が生成していた。又、有機中
のPt、Rhの濃度はそれぞれ0.58g/l、0.3
9g/lであった。又、この抽出有機の水層との分離性
は極めて悪いものであった。
【0021】次に、直径30cmの塩化ビニールパイプ
製のカラムに粒径80〜100μm、比表面積120m
2、細孔容積0.3cm3/gの活性アルミナ(住友化学
製商品名KCG1525)15Kg(13.6l)を充
填し、SV=2で液温25℃の上記抽出有機95lをカ
ラム上部より通液した。得られた有機を分析したとこ
ろ、DHSOは0.04体積%、全劣化物0.71体積
%、Pt0.05g/l、Rh0.02g/lとなって
いた。
製のカラムに粒径80〜100μm、比表面積120m
2、細孔容積0.3cm3/gの活性アルミナ(住友化学
製商品名KCG1525)15Kg(13.6l)を充
填し、SV=2で液温25℃の上記抽出有機95lをカ
ラム上部より通液した。得られた有機を分析したとこ
ろ、DHSOは0.04体積%、全劣化物0.71体積
%、Pt0.05g/l、Rh0.02g/lとなって
いた。
【0022】上記方法で得られた再生有機中のSFI−
6Rの濃度を20体積%に再調整し、Au 1.0、A
g 0.1、Pt 11.0、Pd 50.0、Rh 3.
5、Cu 6.5、Bi 5.0、Te 3.0g/lを
含む王水性水溶液150lと上記調整後の再生有機30
0l(O/A=2)とをミキサーを用いて温度25℃、
接触時間3時間でPdを抽出し、次いで150lの6%
アンモニア水を逆抽出液として用いてPdを逆抽出し、
その後抽出有機層を各250lの純水を用いて2段洗浄
するという操作を同一抽出有機を用いて10回繰返し
た。この時10回目の層分離時間とPd抽出率とを調べ
たところ逆抽出時の層分離時間は6分、1段目の洗浄時
の層分離時間は360分、2段目の層分離時間は360
分でありPd抽出率は99.9%以上であった。この結
果、本発明の方法が抽出有機の再生に極めて有効である
ことがわかる。
6Rの濃度を20体積%に再調整し、Au 1.0、A
g 0.1、Pt 11.0、Pd 50.0、Rh 3.
5、Cu 6.5、Bi 5.0、Te 3.0g/lを
含む王水性水溶液150lと上記調整後の再生有機30
0l(O/A=2)とをミキサーを用いて温度25℃、
接触時間3時間でPdを抽出し、次いで150lの6%
アンモニア水を逆抽出液として用いてPdを逆抽出し、
その後抽出有機層を各250lの純水を用いて2段洗浄
するという操作を同一抽出有機を用いて10回繰返し
た。この時10回目の層分離時間とPd抽出率とを調べ
たところ逆抽出時の層分離時間は6分、1段目の洗浄時
の層分離時間は360分、2段目の層分離時間は360
分でありPd抽出率は99.9%以上であった。この結
果、本発明の方法が抽出有機の再生に極めて有効である
ことがわかる。
【0023】上記実施例で示したように、本発明の方法
に従えば変質した抽出有機を容易に、かつ簡単に再生で
き、変質物と共に吸着された貴金属は再生処理により回
収できるため、従来の蒸留方法のように貴金属がロスと
して系外に排出されるという欠点が無い。
に従えば変質した抽出有機を容易に、かつ簡単に再生で
き、変質物と共に吸着された貴金属は再生処理により回
収できるため、従来の蒸留方法のように貴金属がロスと
して系外に排出されるという欠点が無い。
【発明の効果】本発明の方法に従えば貴金属の抽出に際
して発生する変質物を抽出有機より容易に、かつ簡単に
吸着除去でき、また、本発明の方法を用いて再生した抽
出有機は貴金属の抽出に繰返して使用することが可能で
ある。また、変質物と共に吸着された貴金属は再生処理
により回収できるため、従来の蒸留方法のように貴金属
がロスとして系外に排出されるという欠点が無い。以上
のことより本発明の抽出有機の再生方法は工業的に有意
義なものである。
して発生する変質物を抽出有機より容易に、かつ簡単に
吸着除去でき、また、本発明の方法を用いて再生した抽
出有機は貴金属の抽出に繰返して使用することが可能で
ある。また、変質物と共に吸着された貴金属は再生処理
により回収できるため、従来の蒸留方法のように貴金属
がロスとして系外に排出されるという欠点が無い。以上
のことより本発明の抽出有機の再生方法は工業的に有意
義なものである。
【図1】図1は活性アルミナを吸着剤として用いた使用
済み有機の再生処理における、処理前と処理後の有機の
液体クロマトグラフの測定結果である。
済み有機の再生処理における、処理前と処理後の有機の
液体クロマトグラフの測定結果である。
【図2】図1はシリカゲルを吸着剤として用いた使用済
み有機の再生処理における、処理前と処理後の有機の液
体クロマトグラフの測定結果である。
み有機の再生処理における、処理前と処理後の有機の液
体クロマトグラフの測定結果である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年6月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はパラジウムや白金等の白
金族の精練や、廃触媒や電子部品からの貴金属の回収に
用いられる、抽出剤として硫化ジアルキル系化合物を用
いる抽出有機の再生技術に関する。
金族の精練や、廃触媒や電子部品からの貴金属の回収に
用いられる、抽出剤として硫化ジアルキル系化合物を用
いる抽出有機の再生技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年硫化ジアルキル系化合物を抽出剤と
して白金、ロジウム、パラジウム、卑金属を含有する水
溶液からパラジウムを選択的に分離する工業的方法が開
発され、提案されている。例えば、特開昭51−847
02号公報であり、特開昭57−79135号公報であ
る。これらの方法でパラジウムの抽出剤として用いられ
硫化ジアルキルは以下に示すように容易に酸化され、ス
ルホキサイドやスルホンに変化することが知られている
(Izv.sid.otd.Akad.Nauk.SS
SR.Ser.Khim.Nauk(6)120(19
67)。
して白金、ロジウム、パラジウム、卑金属を含有する水
溶液からパラジウムを選択的に分離する工業的方法が開
発され、提案されている。例えば、特開昭51−847
02号公報であり、特開昭57−79135号公報であ
る。これらの方法でパラジウムの抽出剤として用いられ
硫化ジアルキルは以下に示すように容易に酸化され、ス
ルホキサイドやスルホンに変化することが知られている
(Izv.sid.otd.Akad.Nauk.SS
SR.Ser.Khim.Nauk(6)120(19
67)。
【0003】 R2S−−(酸化)−→R2SO−−(酸化)−→R2SO2 スルフィド スルホキサイド スルホン ここでRはアルキル基である。
【0004】このようにして発生したスルホキサイド等
の変質物はパラジウムの選択抽出性を悪化させ、且つ、
水層と有機層との分離も悪化させる。また、上記変質物
の発生は抽出有機の寿命が短くなることを意味し、抽出
工程でのコストの上昇をもたらすことになる。
の変質物はパラジウムの選択抽出性を悪化させ、且つ、
水層と有機層との分離も悪化させる。また、上記変質物
の発生は抽出有機の寿命が短くなることを意味し、抽出
工程でのコストの上昇をもたらすことになる。
【0005】従来、この状況を解決する方法としては当
該抽出有機を分別蒸留し、抽出剤と希釈剤とを回収する
方法が存在するのみであった。しかし、この分別蒸留は
高度の技術を要し、コストのかかる方法であり、前記変
質物がパラジウムと錯体を形成している場合には、該錯
体の安定度によってはパラジウムロスが大きくなるとい
ったものであった。
該抽出有機を分別蒸留し、抽出剤と希釈剤とを回収する
方法が存在するのみであった。しかし、この分別蒸留は
高度の技術を要し、コストのかかる方法であり、前記変
質物がパラジウムと錯体を形成している場合には、該錯
体の安定度によってはパラジウムロスが大きくなるとい
ったものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はかかる
問題点を含まない抽出有機の再生法の提供にある。
問題点を含まない抽出有機の再生法の提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の方法は、アルキル基の炭素数が4〜10である硫化
ジアルキルを抽出剤として用いる抽出有機の再生法にお
いて、該抽出有機と活性アルミナ、シリカゲル、ゼオラ
イトのうちの少なくとも一種以上とを5〜60℃、SV
=0.5〜2.0で接触させるものであり、該活性アル
ミナ、シリカゲル、ゼオライトがそれぞれ、粒径50〜
150ミクロン、比表面積100m2/g以上、細孔容
積0.3cm3/g以上の物であることを特徴とするも
のである。
明の方法は、アルキル基の炭素数が4〜10である硫化
ジアルキルを抽出剤として用いる抽出有機の再生法にお
いて、該抽出有機と活性アルミナ、シリカゲル、ゼオラ
イトのうちの少なくとも一種以上とを5〜60℃、SV
=0.5〜2.0で接触させるものであり、該活性アル
ミナ、シリカゲル、ゼオライトがそれぞれ、粒径50〜
150ミクロン、比表面積100m2/g以上、細孔容
積0.3cm3/g以上の物であることを特徴とするも
のである。
【0008】
【作用】本発明は、抽出有機中の変質物を吸着除去しよ
うとするものであるが、該抽出有機中には前記スルホキ
サイドやスルホンといった変質物のみでなく、用いる希
釈剤によっては希釈剤自体の変質物も含まれる。さら
に、これらの変質物質と貴金属との錯体や、(NH4)
2PtCl6といった懸濁粒子も存在する。
うとするものであるが、該抽出有機中には前記スルホキ
サイドやスルホンといった変質物のみでなく、用いる希
釈剤によっては希釈剤自体の変質物も含まれる。さら
に、これらの変質物質と貴金属との錯体や、(NH4)
2PtCl6といった懸濁粒子も存在する。
【0009】吸着時の有機の温度を高くすると前記変質
物の除去率は低下し、変質物とパラジウムとの錯体や懸
濁粒子の除去率は上昇する。このことから、活性アルミ
ナやシリカゲルやゼオライトと変質物との吸着は物理吸
着と考えられ、上記変質物と貴金属の錯体や懸濁粒子と
の吸着は化学吸着と考えられる。
物の除去率は低下し、変質物とパラジウムとの錯体や懸
濁粒子の除去率は上昇する。このことから、活性アルミ
ナやシリカゲルやゼオライトと変質物との吸着は物理吸
着と考えられ、上記変質物と貴金属の錯体や懸濁粒子と
の吸着は化学吸着と考えられる。
【0010】本発明において、吸着時の有機の温度を5
〜60℃とするのは、吸着機構の異なる変質物や該変質
物との錯体や懸濁物質を確実に除去するためである。す
なわち、温度が5℃未満では物理吸着の効果は低下しな
いものの化学吸着速度が著しく低下し、変質物と貴金属
との錯体や懸濁物質の除去が不十分となり、60℃を越
えると化学吸着速度や物理吸着速度は極めて早くなるも
のの、物理吸着における脱離速度も大きくなり、結果と
して変質物の吸着が不十分になるからである。また、抽
出剤である硫化ジアルキルの引火点が低いことからあま
り有機の温度を高くすることは作業環境の悪化や引火の
危険性を増すため避けることが好ましい。
〜60℃とするのは、吸着機構の異なる変質物や該変質
物との錯体や懸濁物質を確実に除去するためである。す
なわち、温度が5℃未満では物理吸着の効果は低下しな
いものの化学吸着速度が著しく低下し、変質物と貴金属
との錯体や懸濁物質の除去が不十分となり、60℃を越
えると化学吸着速度や物理吸着速度は極めて早くなるも
のの、物理吸着における脱離速度も大きくなり、結果と
して変質物の吸着が不十分になるからである。また、抽
出剤である硫化ジアルキルの引火点が低いことからあま
り有機の温度を高くすることは作業環境の悪化や引火の
危険性を増すため避けることが好ましい。
【0011】本発明において吸着体として活性アルミ
ナ、シリカゲル、ゼオライトを用いるのはこれらが吸着
能力の上から好適であるばかりでなく、安価で入手しや
すいからである。これらの吸着体を使用するに際して、
あまりに細かい粒径の物を使用すると通液速度が低下
し、再生に時間がかかり効率的でなく、反対にあまりに
粗大なものを使用すると化学吸着の効果が低くなり、変
質物と白金属との錯体等の除去が不十分になる。そのた
め吸着体の粒径は50〜150ミクロンとしなければな
らない。
ナ、シリカゲル、ゼオライトを用いるのはこれらが吸着
能力の上から好適であるばかりでなく、安価で入手しや
すいからである。これらの吸着体を使用するに際して、
あまりに細かい粒径の物を使用すると通液速度が低下
し、再生に時間がかかり効率的でなく、反対にあまりに
粗大なものを使用すると化学吸着の効果が低くなり、変
質物と白金属との錯体等の除去が不十分になる。そのた
め吸着体の粒径は50〜150ミクロンとしなければな
らない。
【0012】SVを小さくすればするほど変質物や変質
物と白金属との錯体等の除去は完全となる。しかし、1
工程に要する時間はそれに伴い増加し、経済性を失する
ことになる。一方、SVを大きくすると1工程に要する
時間は短縮できるものの、化学吸着による変質物と白金
属との錯体等の除去率が低下する。経済性を失すること
なく、変質物や該変質物と白金属との錯体等を完全に吸
着除去するためにはSVは0.5〜2とすることが必要
である。
物と白金属との錯体等の除去は完全となる。しかし、1
工程に要する時間はそれに伴い増加し、経済性を失する
ことになる。一方、SVを大きくすると1工程に要する
時間は短縮できるものの、化学吸着による変質物と白金
属との錯体等の除去率が低下する。経済性を失すること
なく、変質物や該変質物と白金属との錯体等を完全に吸
着除去するためにはSVは0.5〜2とすることが必要
である。
【0013】また、用いる吸着体の比表面積を100m
2/g以上の物とするには、比表面積が100m2/g
を下回ると変質物の吸着量が少なくなるからである。と
ころで、比表面積は粒径とも関連し、比表面積が大きい
ほど粒径は小さくなる。よって、比表面積があまり大き
くなると、粒径が小さくなり通液抵抗が増すので好まし
くない。そのため、吸着体の比表面積は340m2/g
以下とすることが望ましい。また、細孔容積についても
同様のことが言え、0.3cm3/g以上とすることが
必要であり、0.68cm3/g以下とすることが好ま
しい。
2/g以上の物とするには、比表面積が100m2/g
を下回ると変質物の吸着量が少なくなるからである。と
ころで、比表面積は粒径とも関連し、比表面積が大きい
ほど粒径は小さくなる。よって、比表面積があまり大き
くなると、粒径が小さくなり通液抵抗が増すので好まし
くない。そのため、吸着体の比表面積は340m2/g
以下とすることが望ましい。また、細孔容積についても
同様のことが言え、0.3cm3/g以上とすることが
必要であり、0.68cm3/g以下とすることが好ま
しい。
【0014】
【実施例】以下実施例を用いて本発明を説明する。
【0015】(実施例)粒径80〜100μm、細孔容
積0.3cm3/g、比表面積120m2/gの活性ア
ルミナ15kgを層高60cmになるようにカラムに充
填し、変質物をスルホキジド換算で5.5g/lの割合
で含む25℃の使用済み変質有機を通液速度SV=0.
5で前記カラムに通液し、再生有機を得た。変質有機と
再生有機都をそれぞれ液体クラマトグラフで測定し、得
たパターン図を図1に示した。
積0.3cm3/g、比表面積120m2/gの活性ア
ルミナ15kgを層高60cmになるようにカラムに充
填し、変質物をスルホキジド換算で5.5g/lの割合
で含む25℃の使用済み変質有機を通液速度SV=0.
5で前記カラムに通液し、再生有機を得た。変質有機と
再生有機都をそれぞれ液体クラマトグラフで測定し、得
たパターン図を図1に示した。
【0016】図1において、横軸は各時間毎にカラムよ
り流出する有機中の各成分を示し、縦軸は各成分の量を
示す。図中の斜線部が吸着除去された変質物であり、変
質物の99%以上が除去されたことがわかる。 (実施例2)粒径55〜105μm、細孔容積0.6m
3/g、比表面積125m2/gのシリカゲル20kg
を層高50cmになるようにカラムに充填し、実施例1
と同じ25℃の使用済み変質有機を同様に通液し、再生
有機を得た。変質有機と再生有機とをそれぞれ液体クロ
マトグラフで測定し、得たパターン図を図2に示した。
り流出する有機中の各成分を示し、縦軸は各成分の量を
示す。図中の斜線部が吸着除去された変質物であり、変
質物の99%以上が除去されたことがわかる。 (実施例2)粒径55〜105μm、細孔容積0.6m
3/g、比表面積125m2/gのシリカゲル20kg
を層高50cmになるようにカラムに充填し、実施例1
と同じ25℃の使用済み変質有機を同様に通液し、再生
有機を得た。変質有機と再生有機とをそれぞれ液体クロ
マトグラフで測定し、得たパターン図を図2に示した。
【0017】図2において、横軸は各時間毎にカラムよ
り流出する有機中の各成分を示し、縦軸は各成分の量を
示す。図中の斜線部が吸着除去された変質物であり、変
質物の99%以上が除去されたことがわかる。
り流出する有機中の各成分を示し、縦軸は各成分の量を
示す。図中の斜線部が吸着除去された変質物であり、変
質物の99%以上が除去されたことがわかる。
【0018】(実施例3)抽出剤としてジヘキシルスル
フィド(商品名SFI−6R 大八化学社製)を20体
積%含み、希釈剤としてシェルゾールABを用い抽出有
機300lと、Au 1.0、Ag 0.1、Pt 1
1.0、Pd 50.0、Rh 3.5、Cu 6.
5、Bi5.0、Te 3.0 各g/lを含む王水性
水溶液150l(O/A=2)とをミキサーを用いて温
度40℃、接触時間3時間でPdを抽出し、次いで15
0lの6%アンモニア水を逆抽出液として用いてPdを
逆抽出し、その後抽出有機層を各250lの純水を用い
て2段洗浄するという操作を同一抽出有機を用いて繰り
返し行った。この時10回目の層分離時間とPd抽出率
とを調べたところ逆抽出時の層分離時間は5〜6分、1
段目の洗浄時の層分離時間は360分、2段目の層分離
時間は360分でありPd抽出率は99.9%以上であ
った。さらに上記操作を繰り返したところ、14回目で
相分離操作が極めて長くなり実質的に相分離が出来なく
なった。この洗浄後の抽出有機を分析したところ、劣化
物は7.81体積%、内変質物として0.61体積%の
ジヘキシルスルホキシド(DHSO)が生成しいた。
又、有機中のPt、Rhの濃度はそれぞれ0.58g/
l、0.39g/lであった。又、この抽出有機の水層
との分離性は極めて悪いものであった。
フィド(商品名SFI−6R 大八化学社製)を20体
積%含み、希釈剤としてシェルゾールABを用い抽出有
機300lと、Au 1.0、Ag 0.1、Pt 1
1.0、Pd 50.0、Rh 3.5、Cu 6.
5、Bi5.0、Te 3.0 各g/lを含む王水性
水溶液150l(O/A=2)とをミキサーを用いて温
度40℃、接触時間3時間でPdを抽出し、次いで15
0lの6%アンモニア水を逆抽出液として用いてPdを
逆抽出し、その後抽出有機層を各250lの純水を用い
て2段洗浄するという操作を同一抽出有機を用いて繰り
返し行った。この時10回目の層分離時間とPd抽出率
とを調べたところ逆抽出時の層分離時間は5〜6分、1
段目の洗浄時の層分離時間は360分、2段目の層分離
時間は360分でありPd抽出率は99.9%以上であ
った。さらに上記操作を繰り返したところ、14回目で
相分離操作が極めて長くなり実質的に相分離が出来なく
なった。この洗浄後の抽出有機を分析したところ、劣化
物は7.81体積%、内変質物として0.61体積%の
ジヘキシルスルホキシド(DHSO)が生成しいた。
又、有機中のPt、Rhの濃度はそれぞれ0.58g/
l、0.39g/lであった。又、この抽出有機の水層
との分離性は極めて悪いものであった。
【0019】次に、直径30cmの塩化ビニールパイプ
製のカラムに粒径80〜100μm、比表面積120m
2、細孔容積0.3cm3/gのアルミナ(住友化学製
商品名KCG1525)15Kg(13.6l)を充填
し、SV=2で液温25℃の上記抽出有機951をカラ
ム上部より通液した。得られた有機を分析したところ、
DHSOは0.04体積%、全劣化物0.17体積%、
Pt 0.05g/l、Rh0.02g/lとなってい
た。
製のカラムに粒径80〜100μm、比表面積120m
2、細孔容積0.3cm3/gのアルミナ(住友化学製
商品名KCG1525)15Kg(13.6l)を充填
し、SV=2で液温25℃の上記抽出有機951をカラ
ム上部より通液した。得られた有機を分析したところ、
DHSOは0.04体積%、全劣化物0.17体積%、
Pt 0.05g/l、Rh0.02g/lとなってい
た。
【0020】上記方法で得られた再生有機中のSFI−
6Rの濃度を20体積%に再調整し、Au 1.0、A
g 0.1、Pt 11.0、Pd 50.0、Rh
3.5、Cu6.5、Bi 5.0、Te 3.0 各
g/lを含む王水性水溶液150lと上記調整後の再生
有機 300l(O/A=2)とをミキサーを用いて温
度25℃、接触時間3時間でPdを抽出し、次いで15
0lの6%アンモニア水を逆抽出液として用いてPdを
逆抽出し、その後抽出有機層を各250lの純水を用い
て2段洗浄するという操作を同一抽出有機を用いて10
回繰り返した。この時10回目の層分離時間とPd抽出
率とを調べたところ逆抽出時の層分離時間は6分、1段
目の洗浄時の層分離時間は360分、2段目の層分離時
間は360分でありPd抽出率は99.9%以上であっ
た。この結果、本発明の方法が抽出有機の再生に極めて
有効であることがわかる。
6Rの濃度を20体積%に再調整し、Au 1.0、A
g 0.1、Pt 11.0、Pd 50.0、Rh
3.5、Cu6.5、Bi 5.0、Te 3.0 各
g/lを含む王水性水溶液150lと上記調整後の再生
有機 300l(O/A=2)とをミキサーを用いて温
度25℃、接触時間3時間でPdを抽出し、次いで15
0lの6%アンモニア水を逆抽出液として用いてPdを
逆抽出し、その後抽出有機層を各250lの純水を用い
て2段洗浄するという操作を同一抽出有機を用いて10
回繰り返した。この時10回目の層分離時間とPd抽出
率とを調べたところ逆抽出時の層分離時間は6分、1段
目の洗浄時の層分離時間は360分、2段目の層分離時
間は360分でありPd抽出率は99.9%以上であっ
た。この結果、本発明の方法が抽出有機の再生に極めて
有効であることがわかる。
【0021】上記実施例で示したように、本発明の方法
に従えば変質した抽出有機を容易に、かつ簡単に再生で
き、変質物と共に吸着された貴金属は再生処理により回
収できるため、従来の蒸留方法のように貴金属がロスと
して系外に排出されるという欠点がない。
に従えば変質した抽出有機を容易に、かつ簡単に再生で
き、変質物と共に吸着された貴金属は再生処理により回
収できるため、従来の蒸留方法のように貴金属がロスと
して系外に排出されるという欠点がない。
【0022】
【発明の効果】本発明の方法に従えば貴金属の抽出に際
して発生する変質物を抽出有機より容易に、かつ簡単に
吸着除去でき、また、本発明の方法を用いて再生した抽
出有機は貴金属の抽出に繰返して使用することが可能で
ある。また、変質物と共に吸着された貴金属は再生処理
により回収できるため、従来の蒸留方法のように貴金属
がロスとして系外に排出されるという欠点が無い。以上
のことより本発明の抽出有機の再生方法は工業的に有意
義なものである。
して発生する変質物を抽出有機より容易に、かつ簡単に
吸着除去でき、また、本発明の方法を用いて再生した抽
出有機は貴金属の抽出に繰返して使用することが可能で
ある。また、変質物と共に吸着された貴金属は再生処理
により回収できるため、従来の蒸留方法のように貴金属
がロスとして系外に排出されるという欠点が無い。以上
のことより本発明の抽出有機の再生方法は工業的に有意
義なものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】図2はシリカゲルを吸着剤として用いた使用済
み有機の再生処理における、処理前と処理後の有機の液
体クロマトグラフの測定結果である。
み有機の再生処理における、処理前と処理後の有機の液
体クロマトグラフの測定結果である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田 村 孝 樹 愛 媛 県 新 居 浜 市 王 子 町 3−628
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 アルキル基の炭素数が4〜10である
硫化ジアルキルを抽出剤として用いる抽出有機の再生法
において、該抽出有機と活性アルミナ、シリカゲル、ゼ
オライトのうちの少なくとも一種以上とを5〜60゜
C、SV0.5〜2.0で接触させるものであり、該活
性アルミナ、シリカゲル、ゼオライトがそれぞれ、粒径
50〜150ミクロン、比表面積100m2/g以上、
細孔容積0.3cm3/g以上の物であることを特徴と
する変質した抽出有機の再生方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3029286A JPH054002A (ja) | 1991-01-31 | 1991-01-31 | 変質した抽出有機の再生方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3029286A JPH054002A (ja) | 1991-01-31 | 1991-01-31 | 変質した抽出有機の再生方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH054002A true JPH054002A (ja) | 1993-01-14 |
Family
ID=12272008
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3029286A Pending JPH054002A (ja) | 1991-01-31 | 1991-01-31 | 変質した抽出有機の再生方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH054002A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008260704A (ja) * | 2007-04-11 | 2008-10-30 | Tosoh Organic Chemical Co Ltd | パラジウムの除去方法 |
-
1991
- 1991-01-31 JP JP3029286A patent/JPH054002A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008260704A (ja) * | 2007-04-11 | 2008-10-30 | Tosoh Organic Chemical Co Ltd | パラジウムの除去方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |