JPH0539917A - 液体燃料燃焼機器の芯昇降装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 部品点数を少なくして組立工程を減らすよう
にした液体燃料燃焼機器の芯昇降装置を提供することを
目的としている。 【構成】 操作レバー111 によって芯12を昇降させる昇
降部110 と、耐震自動消火部120 と、給油タンクの油が
一定量以上充填されている時と、油がほぼ空になった時
と、給油中の時とをそれぞれ表示する表示部130 とから
なっている。表示部130 は、基板14に揺動可能に軸支さ
れており、後端が給油時に昇降部110 を介して芯12を下
降させるとともに、給油タンク20の重さで上下に可動
し、前端に表示板132 が取り付けられた表示レバー131
と、この表示レバー131 を可動させる引っ張り力をもっ
た表示バネ133 とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は液体燃料燃焼機器の芯昇
降装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の液体燃料燃焼機器の一例として石
油ストーブを挙げて図面を参照しつつ説明する。図７
は、石油ストーブの燃料タンクの外観斜視図である。石
油ストーブの芯昇降装置100 は、昇降部110 と耐震自動
消火部120 と残油表示部140 とからなっている。石油ス
トーブの芯12は、昇降部110 によって昇降自在になって
おり、芯12の芯内筒11上端からの突出量を調整すること
より、燃焼状態が制御される。すなわち、操作レバー11
1 を昇降させることにより、芯12を消火位置と燃焼位置
との範囲内で昇降させ、消火レバー114 を操作すること
によって、燃焼位置にある芯12を消火位置まで下降させ
るようになっている。芯12は、その終端が本体10に形成
された燃料タンク内の石油に浸漬された状態で本体10の
上面に設置されている。耐震自動消火部120 は、地震や
衝撃により安全基準以上の振動が本体10に加わった場合
に、燃焼位置にある芯12を消火位置まで下降させるよう
になっている。

【０００３】残油表示部140 は、昇降部110 や耐震自動
消火部120 とは別個に構成されており、表示レバー141
と表示バネ142 と表示板143 とを含んでいる。表示レバ
ー141 は、略へ字形状に折曲形成されており、折曲部が
揺動可能に軸支され、後端部が供給タンク20に当接する
作用部141Aを、前端に『給油』を表示する表示板143を
有している。表示バネ142 は、一定量の油が充填された
給油タンク20が本体10に装着された時に、所定事項を表
示し、略空状態になった時に、付勢によって表示レバー
141 を押し上げ『給油』を表示するようになっている。
また、給油タンク20が本体10に装着された時、昇降部11
0 を構成する給油時消火レバー150 がバネ151 の付勢に
対抗して押し下げられ、昇降部110 及び耐震字とを消火
部120 がセット可能な状態となる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
石油ストーブの芯昇降装置においては、昇降部110 、耐
震自動消火部120 及び残油表示部140 が別個に設けられ
ている。従って、それぞれの部品点数が多く、これら部
品を取り付ける組立工程が多くなり、コスト高となる難
点があった。

【０００５】本発明は上記事情に鑑みて創案されたもの
で、芯昇降装置を簡略化して部品点数を少なくし、組立
工程を減らすようにした液体燃料燃焼機器の芯昇降装置
を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明に係る液体燃料燃
焼機器の芯昇降装置は、芯内筒に昇降可能にガイドされ
た芯を操作レバーによって消火位置と燃焼位置との範囲
内で昇降させるとともに、燃焼位置にある芯を消火レバ
ーによって消火位置にまで下降させる昇降部と、安全基
準以上の振動が加わった場合に、燃焼位置にある芯を自
動的に消火位置にまで下降させる耐震自動消火部と、給
油タンクの油が一定量以上ある時と、給油タンクの油が
ほとんど空になった時と、給油中の時をそれぞれ表示す
る表示部とを備えており、前記表示部は基板に揺動可能
に軸支され、一端が給油時に昇降部を介して芯を下降さ
せるとともに、給油タンクの重さで上下可能に、一方他
端に表示板が取り付けられた表示レバーと、給油タンク
内の油がほぼ空になった時、表示レバーを可動させる引
っ張り力をもった表示バネを有している。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の一実施例を石油ストーブにつ
いて図面を参照して説明する。図１は芯昇降装置の一部
切欠外観斜視図、図２は同装置の分解斜視図、図３は同
装置の動作を示す側面図、図４は同装置の消火時の状態
を示す側面図、図５は図４の裏面図、図６は操作部の外
観斜視図である。なお、従来のものと略同一の部品等に
は同一の符号を付して説明を行う。

【０００８】本発明に係る石油ストーブの芯昇降装置10
0 は、芯12を操作レバー111 によって消火位置と燃焼位
置との範囲で昇降させる昇降部110 と、安全基準以上の
振動が加わった場合に、燃焼位置にある芯12を自動的に
消火位置まで下降させる耐震自動消火部120 と、給油タ
ンク20の油が一定量以上ある時と、給油タンク20の油が
ほぼ空にあった時と、給油中の時とをそれぞれ表示する
表示部130 とを具備しており、従来技術で説明したよう
な表示レバー141 、表示バネ142 等を有していない。ま
た、給油時消火レバー150 を具備していない。

【０００９】昇降部110 は、図１、図２及び図３に示す
ように、操作レバー111 と、芯調節軸組品112 と、連結
板113 と、消火レバー114 と、作動板115 と、微調板11
6 とを含んでいる。

【００１０】本体10の中央部に円筒状の芯内筒11が立設
されており、芯内筒11と外方に同心状に設けられた図外
の円筒形状の芯外筒との間に、図外の芯ホルダを有する
芯12が昇降自在に設けられている。芯ホルダの中腹部外
周面に芯ホルダより芯12に開設した孔を通して金具13が
設けられており、金具13に昇降アーム117 の先端が可動
自在に係合されている。

【００１１】操作レバー111 は、操作部111Aと、この操
作部111Aから下方に延設された延設部111Bとが一体に形
成されている。そして、当該操作レバー111 は、基板14
の垂直部に開設されたガイド溝14A を介して、操作部11
1Aの基端部に開設された開口111Dにガイドピン111Cを嵌
め込むことによって、操作レバー111 がガイド溝14Aに
沿って昇降し得るようになっている。

【００１２】芯調整軸組品112 は、本体10に形成された
図外の軸受部に軸支されており、前記昇降アーム117
と、この昇降アーム117 の基端を一端が嵌合固定する芯
調節軸118 よりなり、芯調節軸118 の他端には連結板11
3 がビス115Aによって固定されている。

【００１３】連結板113 は、前記軸受部の上面に取り付
けられた基板を貫通した芯調節軸118 の右端にビス115A
で固定されている。また、連結板113 は、芯調節軸118
の一端と耐震自動消火部120 とを連結するもので、略へ
字形状に形成された長孔113Aが開設されており、当該長
孔113Aには微調ピン116Aが係合している。

【００１４】消火レバー114 は、く字形状に形成された
案内孔114Aが設けられた係止部114Bと、この係止部114B
の上端部から奥行方向に延設されたアームの端部を折曲
して形成された遊端部114Cとを有している。前記消火レ
バー114 は、燃焼位置にある芯12を消火位置まで下降さ
せるものであり、また消火位置から燃焼位置まで上昇さ
せた時に、耐震自動消火部120(後記) をセットするもの
でもある。

【００１５】前記消火レバー114 は、係止部114Bの上部
に開設された開口114Dを貫通する段付ピン114Eによっ
て、基板14に開設された開口14B に挿着支持されてい
る。すなわち、当該消火レバー114 は、段付ピン114Eに
よって基板14に揺動自在に取り付けられているのであ
る。なお、前記係止部114Bは、作動ピン115Bが嵌まり込
む部分であって、下端が屈曲して略Ｊ字形状に形成され
ている。また、遊端部114Cの先端は、作動板115 に玉鎖
124(後記) によって連結されている。

【００１６】作動板115 は、操作レバー111 の昇降運動
を前記芯調節軸118 に伝達するもので、基板14に固定さ
れた軸受ピン14C に回転自在に軸支されており、一端に
切欠端部115Cが、また他端に開設された開口には作動ピ
ン115Bが固定されている。

【００１７】また、前記切欠端部115Cの下端には、折曲
形成されてなる折曲部115Dが設けられている。さらに、
切欠端部115Cの下端に開設された開口115Eと基板14の垂
直部下端との間には降下バネ115Fが連結されており、当
該作動板115 は、軸受ピン14C を中心として降下バネ11
5Fによって図３に示す矢印方向に弾発付勢されている。

【００１８】微調板116 は、操作レバー111 の動きを作
動板115 に伝えるもので、略楕円状の板材で、その一端
部に開設された開口には段付ピン116Bが回転自在に貫通
支持されて、当該段付ピン116Bの先端は作動板115 に嵌
め込まれている。

【００１９】また、その微調板116 の他端部に開設され
た開口には、段付ピン116Cが回転自在に貫通支持されて
おり、その先端が操作レバー111 の延設部111Bに開設し
た開口111Fに連結されている。さらに、微調板116 の略
右部に開設された開口には、段付ピン116Bが貫通支持さ
れており、作動板115 に回転自在に支持されている。

【００２０】なお、微調板116 は反時計方向の回転に対
して対しては、作動板115 の折曲部115Dに微調板116 の
底部116Dが当接することにより規制されている。

【００２１】一方、耐震自動消火部120 は、頭部に重り
122 が取り付けられた転倒部121 と、この転倒部121 を
転倒可能に支持する重り台123 と、転倒部121 が倒れた
時、その動きを消火レバー114 に伝えるための玉鎖124
と、この玉鎖124に連結された鎖止め125 と、この鎖止
め125 を上方向に弾発付勢する圧縮バネ126 とを含んで
いる。前記鎖止め125 は、作動板115 の切欠端部115Cの
間に設けられ、圧縮バネ126 は切欠端部115C下側に配置
されている。

【００２２】また、圧縮バネ126 は重り122 が転倒した
時に、玉鎖124 を復帰させる方向に引っ張るように付勢
されている。前記転倒部121 は、頭部が基部より大き
く、かつ頭部に重り122 が取り付けられているので、安
全基準以上の振動が加わると転倒するようになってい
る。また、重り台123 は、ビス127 によって基板14に取
り付けられている。さらに、玉鎖124 は、重り122 及び
重り台123 を貫通して前記消火レバー114 の遊端部114C
につながっている。従って、転倒部121 が倒れると、遊
端部114Cが上方に引っ張られて作動板115 の作動ピン11
5Bと消火レバー114の係止部114Bとの結合が解除され
て、芯12が消火位置まで下降する。同時に転倒部121
は、玉鎖124 を介して圧縮バネ126 によって引っ張られ
てもとの位置、すなわち起立状態に復帰するようになっ
ている。

【００２３】表示部130 は、表示レバー131 と、表示板
132 と、表示バネ133 とを含んでいる。表示レバー131
は、芯12が燃焼位置にある場合に給油タンク20を取り外
すと、芯12を自動的に消火位置まで下降させるもので、
基板14の垂直壁と作動板115との間に介在されている。
かかる表示レバー131 は、前記軸受ピン14C の外周に回
動可能に嵌まり込む作用部131Aと、この作用部131Aから
後方に延設され、後端が給油タンク20の注油口20A の上
方に位置するように設定されたアーム部131Bと、作用部
131Aから前方に延設され前端に表示板132 を設けたアー
ム部131Cとが一体に形成されている。前記アーム131Bの
先端部には、右方に水平に突出した検知板131Dが設けら
れており、本体10に装着した給油タンク20がこれに当接
し、油量を検知するようになっている。また、検知板13
1Dと、作用部131Aとの間には、検知板131Dと反対方向で
ある左方に水平に突出した突起131Eが設けられており、
表示レバー131 が揺動した時に消火レバー114 の先端部
114Fに当接するようになっている。

【００２４】表示板132 は、表示レバー131 の前端に取
り付けられており、上部より下部に向って『消火』『給
油』『点火可』の文字が表記されており、表示レバー13
1 の上下位置変化によって前記文字が本体10の前面に設
けられた操作部133 の表示窓134 で目視できるようにな
っている。

【００２５】また、前記アーム部131Cは、基板14の垂直
部に設けられた切起こし14D を揺動可能に挿通してお
り、表示レバー131 のガタツキを防止している。

【００２６】次に、本発明に係る芯昇降装置の動作につ
いて説明する。 一定量以上の石油が入った給油タンク20を本体10に装
着すると、給油タンク20の下部が表示レバー131 のアー
ム部131Bを押し下げ、耐震自動消火部120 がセットが可
能な状態になる。同時に表示板132 の『点火可』の文字
が表示窓134 に表示される。

【００２７】操作レバー111 を押し下げていくと、作
動ピン115Bが消火レバー114 の係止部114Bに係止され、
耐震自動消火部120 がセット状態になる。微調ピン116A
が連結板113 の長孔113Aに係合しているため、連結板11
3 もセット状態となる。微調ピン116Aの動きに伴い連結
板113 、芯調節組品112 を介し、芯12の上昇が完了し、
点火燃焼状態となる。なお、表示板132 の表示は『点火
可』のままである。

【００２８】の状態において、給油タンク20が軽く
なると、表示バネ133 の引っ張り力が給油タンク20の重
さを上回る。すると、表示レバー131 は、軸受ピン14C
を支点として側面視反時計方向 (以下、側面視の記載を
省略する。) に回転し、表示板132は『給油』の表示に
なる。

【００２９】の状態において、給油のために給油タ
ンク20を取り外したとき、表示レバー131 は表示バネ13
3 の引っ張り力により、アーム部131Bの突起131Eが消火
レバー114 の先端部114Fに当接し、消火レバー114 をさ
らに反時計方向に回転させる。これにより、芯12が下降
して消火状態となり、表示板132 は『消火』の表示とな
る。

【００３０】次に、消火レバー114 で芯12を下降させ
た時の動作はについて説明する。消火レバー114 を押す
と、作動板115 に取り付けられた作動ピン115Bが消火レ
バー114 の係止部114Bより外れ、作動板115 は降下バネ
115Fの引っ張り力により、作動板115 、これに連結され
た微調板116 及び操作レバー111 がもとの位置に戻り、
微調板116 に連結された連結板113 を介して昇降アーム
117 が時計方向に回転し、芯12が下降する。

【００３１】次に、耐震自動消火部120 の動作を説明
する。重り122 が傾くと、玉鎖124 に取り付けられた鎖
止め125が消火レバー114 の遊端部114Cを引き上げるこ
とにより作動ピン115Bが消火レバー114 の係止部114Bよ
り外れる。作動板115 及び操作レバー111 が降下バネ11
5Fにより戻り、芯12は降下する。この時、重り122 は圧
縮バネ126 により玉鎖124 が引っ張られ、重り122 は元
の倒立状態になる。

【００３２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る液体
燃料燃焼機器の芯昇降装置は、動作面からみて、従来の
ものと異なることがない昇降部と、耐震自動消火部と昇
降部に表示レバーを組み込んだ表示部を具備しており、
給油時に消火させた表示と、給油タンクの残油が略空状
態になった時の表示をするように構成されている。

【００３３】従って、部品点数が減るため、組立性等も
極めて簡単となり、取付スペースにも余裕ができ、コス
ト的に安価にできるほか、品質的にも向上させることが
できる。また、油の補給が自動表示されるので大変便利
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】芯昇降装置の一部切欠外観斜視図である。

【図２】同装置の分解斜視図である。

【図３】同装置の動作を示す側面図である。

【図４】同装置の消火時の状態を示す側面図である。

【図５】図４の裏面図である。

【図６】操作部の外観斜視図である。

【図７】従来の技術を説明する図面であって、石油スト
ーブの燃料タンクの外観斜視図である。

【符号の説明】

100 芯昇降装置 110 昇降部 111 操作レバー 114 消火レバー 114F 先端部 120 耐震自動消火部 130 表示部 131 表示レバー 131A 作用部 131D 支持板 131E 突起 132 表示板 133 表示バネ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 芯内筒に昇降可能にガイドされた芯を操
   作レバーによって消火位置と燃焼位置との範囲内で昇降
   させるとともに、燃焼位置にある芯を消火レバーによっ
   て消火位置にまで下降させる昇降部と、安全基準以上の
   振動が加わった場合に、燃焼位置にある芯を自動的に消
   火位置にまで下降させる耐震自動消火部と、給油タンク
   の油が一定量以上ある時と、給油タンクの油がほとんど
   空になった時と、給油中の時をそれぞれ表示する表示部
   とを具備しており、前記表示部は基板に揺動可能に軸支
   され、一端が給油時に昇降部を介して芯を下降させると
   ともに給油タンクの重さで上下に可動し、一方他端に表
   示板が取り付けられた表示レバーと、給油タンク内の油
   がほぼ空になった時に表示レバーを可動させる引っ張り
   力をもった表示バネを有していることを特徴とする液体
   燃料燃焼機器の芯昇降装置。