JPH0539716U - パイプベンダ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パイプの３次元的な曲げ加工を正確に行える
パイプベンダを提供する。 【構成】 固定側レバー３を有する本体１と、この本体
１に揺動自在に取り付けられた可動側レバー２とを備
え、本体１には係止フック４と円盤部５とが設けられ、
可動側レバー２には、円盤部５にパイプを押し付ける押
圧部７が設けられているパイプベンダにおいて、本体１
に取り付けられて円盤部５とは反対側に延出する伸縮自
在の支持ロッド８と、支持ロッド８の先端に取り付けら
れて中央にパイプが着脱自在に嵌め込まれる角度目盛り
板９と、角度目盛り板９の表面側でパイプの曲げ部に嵌
合されて該曲げ部の角度を示す角度指示体１１とを有す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、パイプベンダに関する。

【０００２】

【従来の技術】

手持ち工具としてのパイプベンダには、従来、図４の側面図に示すようなもの がある。

【０００３】 同図のパイプベンダは、本体２１と、可動側レバー２２とからなる。本体２１ には、その一端に固定側レバー２３が、他端に、平面視でコ字形の係止フック２ ４が、それぞれ一体に形成され、係止フック２４に近接して、曲げ加工の受け座 としての円盤部２５が設けられている。円盤部２５の側面には、パイプＰの曲げ 角度を示す目盛り２５ａが付されている。可動側レバー２２は、揺動片２６を介 して本体２１に揺動自在に取り付けられており、この可動側レバー２２に、円盤 部２５にパイプＰを押し付ける押圧部２７が設けられている。

【０００４】 使用に当たっては、パイプＰを係止フック２４の内側に係止させるとともに、 その近傍部分を円盤部２５外周の溝に当てがい、その反対側に可動側レバー２２ の押圧部２７を位置させて、この押圧部２７と円盤部２５とでパイプＰを挟む。 そして、その状態で、可動側レバー２２を固定側レバー２３の方向に引き寄せて 、押圧部２７を円盤部２５の周りで回転させる。これで、パイプＰは円盤部２５ に沿って湾曲する。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、パイプの曲げ加工では、図５に示すように、１本のパイプの複数個 所にそれぞれ曲げ部を形成してパイプを３次元的に曲げる場合がある。このよう な曲げ加工では、一方の曲げ部と他方の曲げ部との間の角度が所定の値になるよ う、正確に加工する必要がある。

【０００６】 その角度とは、図５に即して言えば、２つの曲げ部によりパイプに３つの部分 Ｐａ，Ｐｂ，Ｐｃができるとして、一方端のＰａ部分と、他方端のＰｃ部分との 間の角度θである。言い換えれば、中央のＰｂ部分と一方端のＰｃ部分とが含ま れる平面（ここではＹ−Ｚ平面）に対して他のＰａ部分がなす角度θである。

【０００７】 従来のパイプベンダにより、上記のような３次元的な曲げ加工を行う場合、最 初の曲げ加工で、一方の、たとえばＰａとＰｂとの間の曲げ部を形成し、次いで 、中央のＰｂ部分を係止フック２４に係止させ、Ｐａ部分の角度決めをしてから 、次の曲げ加工で、他方のＰｃ部分を作ることになる。

【０００８】 しかしながら、従来のパイプベンダには、曲げ加工するパイプの係止側部分（ ＰａとＰｂの部分）の角度、向きを設定するための構造がないから、このような 角度決めを正確に行うことができず、３次元的な曲げ加工は極めて難しい。

【０００９】 本考案は、かかる従来の問題に対処したものであって、パイプの３次元的な曲 げ加工を正確に行えるようにすることを課題とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記の課題を達成するために、固定側レバーを有する本体と、この 本体に揺動自在に取り付けられた可動側レバーとを備え、本体には、パイプの係 止フックと、パイプの受け座としての円盤部とが設けられ、可動側レバーには、 円盤部にパイプを押し付ける押圧部が設けられているパイプベンダにおいて、伸 縮自在の支持ロッドと、角度目盛り板と、角度指示体とを有し、支持ロッドは、 本体に取り付けられて円盤部とは反対側に延出するものであり、角度目盛り板は 、その中央にパイプが着脱自在に嵌め込まれるもので、支持ロッドの先端に取り 付けられ、角度指示体は、角度目盛り板の中央に装着されたパイプの曲げ部に嵌 合されて角度目盛り板との間で該曲げ部の角度を示すものである構成とした。

【００１１】

【作用】

上記構成において、使用に当たっては、パイプの既に曲げ加工された部分を角 度目盛り板の中央に装着し、その角度目盛り板の表面側で、曲げ部に角度指示体 を嵌合し、パイプの未加工部分は、本体の係止フックに係止させる。ここで、角 度指示体と角度目盛り板との間で、パイプの曲げ部の角度を目視しうるようにな り、曲げ部の角度決めを行うことができる。こののち、円盤部と可動側レバーの 押圧部との間でパイプの未加工部分の曲げ加工を行えばよい。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案の詳細を図１ないし図３に示す一実施例に基づいて説明する。図 １は、本考案の一実施例に係るパイプベンダの斜視図、図２はその側面図、図３ は、角度目盛り板部分の斜視図である。

【００１３】 この実施例のパイプベンダが、本体１と、可動側レバー２とを備えたものであ り、本体１には、固定側レバー３と、パイプＰの係止フック４と、曲げ加工の受 け座としての円盤部５とが設けられている点は、従来のパイプベンダと同じであ る。また、可動側レバー２は、揺動片６を介して本体１に揺動自在に取り付けら れたもので、この可動側レバー２に、円盤部５にパイプＰを押し付ける押圧部７ が設けられている点も、従来例と同じである。

【００１４】 この実施例のパイプベンダが従来例と異なる点は、支持ロッド８と、角度目盛 り板９と、補助目盛り板１０と、角度指示体１１とを有していることである。

【００１５】 支持ロッド８は、伸縮自在で、本体１に枢着金具１２により取り付けられてお り、本体１の側縁に沿って折り畳むことができ、起立した状態では、円盤部５と は反対側に延出するようになっている。角度目盛り板９は、円板状で、その偏心 部が支持ロッド８の先端に取り付けられ、中央部が係止フック４の内側空間と対 向する位置に支持される。この角度目盛り板９は、その中央にパイプＰの係止側 部分が着脱自在に嵌め込まれるもので、外周から中央部にかけて切り込み溝９ａ が形成されている。補助目盛り板１０は、角度目盛り板９の背面に重なることで 、その切り込み溝９ａでの目盛り９ｂの欠如を補うもので、ほぼ半円形で、支持 ロッド８に回転自在に取り付けられている。角度指示体１１は、角度目盛り板９ の中央に装着されたパイプＰの曲げ部に嵌合されることで、角度目盛り板９との 間で該曲げ部の角度を示すもので、透明の樹脂からなり、表面に角度指示マーク １１ａを有し、角度目盛り板９と同様の切り込み溝１１ｂが形成されている。

【００１６】 次に、上記構成の使用方法を説明する。パイプＰに２つの曲げ部を形成する場 合、まず、一方の曲げ部を、従来のパイプベンダと同様の手順で形成する。すな わち、パイプＰを係止フック４の内側に係止させるとともに、その近傍部分を円 盤部５と押圧部７との間に挟み、その状態で、可動側レバー２を固定側レバー３ の方向に引き寄せて、押圧部７を円盤部５の周りで回転させる。

【００１７】 このように一方の曲げ部が形成されたパイプＰを、図３に示すように、角度目 盛り板９の中央に装着し、その曲げ部が角度目盛り板９の表面側に位置するよう にし、角度目盛り板９の背面側には、補助目盛り板１０を重ね合わせる。角度目 盛り板９の背面に補助目盛り板１０が重なることで、両者の目盛り９ｂ，１０ａ が全周にわたって連続し、切り込み溝９ａでの目盛りの欠如がなくなる。このと き、パイプＰの未加工部分は、係止フック４の内側に係止させておく。また、支 持ロッド８の長さは、２つの曲げ部の間の間隔に応じた長さに調節する。

【００１８】 角度目盛り板９の表面では、パイプＰの曲げ部のみが露出し、その曲げ部は角 度目盛り板９の中央からいずれかの半径方向に延出している。この状態で、曲げ 部に角度指示体１１を嵌合すると、角度指示体１１は、パイプＰの曲げ部の向き に応じた角度で、角度目盛り板９の表面に同心的に重なる。角度指示体１１の角 度指示マーク１１ａは、角度目盛り板９の目盛り９ｂ上で曲げ部の角度を指し示 すことになり、曲げ部の角度の目視が可能になる。そこで、角度指示マーク１１ ａと目盛り９ｂとを目視しながら、パイプＰの曲げ部と角度指示体１１とを適当 に回して、曲げ部の角度を調整して角度決めを行う。

【００１９】 曲げ部の角度決めが済むと、本体１側で可動側レバー２を固定側レバー３へ引 き寄せ、円盤部５と押圧部７との間で、パイプＰの未加工部分に第２の曲げ部を 形成する。このようにして、１本のパイプＰに２つの曲げ部が形成される。

【００２０】 なお、角度目盛り板９は、図示例のように補助目盛り板１０との二重構造とす るほか、切り込み溝９ａを埋める程度の板体を切り込み溝９ａの縁部に蝶着して 、必要に応じて折り返すようにしてもよい。

【００２１】

【考案の効果】

以上詳述したように、本考案によれば、パイプに既に形成された曲げ部を正確 に角度決めした状態で、もうひとつを曲げ部を形成することが可能で、３次元的 な曲げ加工を手間をかけずに正確に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係るパイプベンダの斜視
図。

【図２】上記実施例の側面図。

【図３】上記実施例の角度目盛り板部分の斜視図。

【図４】従来のパイプベンダの側面図。

【図５】パイプの曲げ加工の一例を示す説明図。

【符号の説明】

１ 本体 ２ 可動側レバー ３ 固定側レバー ４ 係止フック ５ 円盤部 ７ 押圧部 ８ 支持ロッド ９ 角度目盛り板 １１ 角度指示体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 固定側レバー（３）を有する本体（１）
   と、この本体（１）に揺動自在に取り付けられた可動側
   レバー（２）とを備え、本体（１）には、パイプの係止
   フック（４）と、パイプの受け座としての円盤部（５）
   とが設けられ、可動側レバー（２）には、円盤部（５）
   にパイプを押し付ける押圧部（７）が設けられているパ
   イプベンダにおいて、 伸縮自在の支持ロッド（８）と、角度目盛り板（９）
   と、角度指示体（１１）とを有し、 支持ロッド（８）は、本体（１）に取り付けられて円盤
   部（５）とは反対側に延出するものであり、 角度目盛り板（９）は、その中央にパイプが着脱自在に
   嵌め込まれるもので、支持ロッド（８）の先端に取り付
   けられ、 角度指示体（１１）は、角度目盛り板（９）の中央に装
   着されたパイプの曲げ部に嵌合されて角度目盛り板
   （９）との間で該曲げ部の角度を示すものである、 ことを特徴とするパイプベンダ。