JPH0539702U - コイラ用ピンチロールのオンラインロール研削装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピンチロールをオンラインで研削できるよう
にする。 【構成】 押圧シリンダ１により砥石２を回転自在に支
持し、押圧シリンダ１が取付けられたフレーム５を傾動
可能に支持すると共に、油圧シリンダ８によりピンチロ
ール５１の軸方向に平行な方向に往復移動可能とし、砥
石２をその軸心４から外れた位置でピンチロール５１の
表面に接触させ、ピンチロール５１の回転により砥石２
が連れ回わされることにより、ピンチロール５１の表面
が研削されるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ストリップ熱間圧延ラインのコイラ用ピンチロールの入側に設けら れるオンラインロール研削装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

熱間圧延ラインでは、図４に示すように、仕上圧延機群３０で熱間仕上圧延し たストリップＳを、冷却装置４０によって冷却し、ピンチロール装置５０の上下 のロール５１，５２によって挾圧（ピンチ）しながらその進行方向を下方へ変更 し、コイラ６０によって巻き取っている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】

ところで、上記ピンチロール装置５０の上ロール５１及び下ロール５２には、 ストリップＳをピンチすることによって異物が付着したり、ロール５１，５２自 体に摩耗が生じる。

【０００４】 従来は、ラインを停止したときに、人力によりグラインダを用いて研摩して異 物を取り除いたり、上下のロール５１，５２を取り外して研削を行ったりして、 ストリップＳへの傷の転写を防止していた。

【０００５】 このため、ライン停止時のメンテナンス要員を多く必要とするので、ランニン グコストが上昇する。また、ラインの運転中に上下ロール５１，５２に異物が付 着しても除去することができないので、ストリップＳへの傷の転写を防ぐことが できなかった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するための本考案に係るロール研削装置の構成は、ピンチロー ルの外周面に回転中心からずれた位置で接触される砥石と、砥石を支持し、かつ ピンチロールの外周面への押圧力を付与する砥石押圧装置と、砥石押圧装置をピ ンチロールの軸方向と平行な方向に移動させる移動装置と、砥石押圧装置のピン チロールに対する角度を変える砥石角度調整装置と、砥石に生じる振動を吸収す る振動吸収装置とを備えてなることを特徴とする。

【０００７】

【作用】

ラインの停止中に、砥石の回転中心とピンチロールとの接点とのずれ量、即ち 接触角度を砥石角度調整装置によって微調整する。 次に、砥石を砥石押圧装置によってピンチロールに押圧してその押圧力を調整 する。 ピンチロールが回転すると、砥石も従動して回転する。さらに、移動装置によ って砥石押圧装置と共に砥石をピンチロール軸方向に往復移動させる。砥石がピ ンチロールを研摩して、付着物を除去し、肌荒れを修正し、摩耗を研削して補修 する。 研削中に砥石に発生する振動は砥石振動吸収装置によって吸収される。

【０００８】

【実施例】

本考案に係るオンラインロール研削装置の実施例を図１ないし図３に示す。図 １には装置の側面を示してあり、図２には図１のＡ−Ａ矢視を示してあり、図３ には図２のＢ−Ｂ矢視を示してある。

【０００９】 当該オンラインロール研削装置は、ピンチロール装置５０の上ロール５１と下 ロール５２のそれぞれに対し設けられるが、構造は全く同じなので、一方（上ロ ール５１に対し設けられる装置）について説明する。

【００１０】 １は砥石押圧装置を構成する押圧シリンダであり、そのロッド３の先端には、 砥石２が回転自在に支承されている。砥石２は、後述する如く、ピンチロール５ １の表面に回転中心とずれた位置で接触される。図中「ａ」は、ずれ量、即ち接 触点と砥石２の回転中心との距離を表す。

【００１１】 砥石２を備えた押圧シリンダ１はフレーム５に複数台固設されており、フレー ム５は、固定部である基台７０上にピンチロール５１と平行に設けられたガイド ロッド７上にクリップ６によって取付けられ、回動自在及び摺動自在とされてい る。

【００１２】 基台７０上におけるロッド７の前側及び後側には、上面が凸状曲面となったガ イドレール２０が二つずつ設けられている。これらのガイドレール２０はガイド ロッド７と平行となっている。

【００１３】 押圧シリンダ１と一体のフレーム５の前面側には、ブラケット１５を介してカ ップ状シリンダ１１が取付けられている。シリンダ１１には、下面にガイドレー ル２０と摺動し得る凹状曲面部を有するロッド１２が上部を貫通して上下動自在 に嵌挿され、シリンダ１１外に突出するその上部にはストッパナット１４が螺着 されている。また、シリンダ１１内には、その内天面とロッド１２との間にスプ リング１３が組み付けられている。

【００１４】 フレーム５の後面側にも、ブラケット２５を介してカップ状シリンダ２１が取 付けられている。シリンダ２１には、下部にガイドレール２０と摺動し得る凹状 曲面を有するロッド２２が上下動自在に嵌挿されている。ロッド２２には、シリ ンダ２１の上部を貫通して螺合されたアジャストボルト２３が装着されており、 シリンダ２１の上面においてアジャストボルト２３には回り止め用ナット２４が 螺着されている。

【００１５】 基台７０上には、移動装置として油圧シリンダ８が設置され、そのロッド８ａ はフレーム５にブラケット９を介して連結されている。したがって、油圧シリン ダ８の作動により、フレーム５と共に押圧シリンダ１はピンチロール５１の軸方 向に平行に移動される。

【００１６】 上記構成のオンラインロール研削装置がピンチロール５２に対しても同様に設 けられている。

【００１７】 次に、上記装置の作用について説明する。

【００１８】 上ロール５１及び下ロール５２の付着物等を除去する場合は、砥石２を押圧シ リンダ１によって上ロール５１及び下ロール５２の表面に軽く押し当てる。この とき、砥石２は、その回転軸心４からずれた位置でピンチロール５１，５２の表 面に接触される。

【００１９】 上下のロール５１，５２が回転すると、砥石軸心４と接触点１０のずれ「ａ」 によって砥石２も回転し、さらに、フレーム５を油圧シリンダ８によってガイド ロッド７上を摺動させながら往復移動させることによって、砥石２をロール軸方 向に往復移動させ、砥石２によりロール５１，５２をオンラインで研摩する。

【００２０】 このとき、フレーム５のガイドロール７を中心とした回動を支持している双方 のロッド１２，２２は、ガイドレール２０と摺動する。

【００２１】 また、ロール５１，５２の傷や摩耗部等を除去する場合は、砥石２を押圧シリ ンダ１によって所定の押圧力でロール５１，５２に押し付け、上記と同様の作用 によって、ロール５１及び５２をオンラインで研削する。

【００２２】 上下のロール５１，５２の研摩または研削にあたっては、アジャストボルト２ ３を回転させてシリンダ２１を昇降させ、フレーム５をガイドロッド７を中心に 回動させて、砥石軸心４の角度、すなわちずれａの量を微調整する。このように 、本実施例では、ロッド２２、シリンダ２１、アジャストボルト２３等が砥石角 度調整装置を構成しているのである。

【００２３】 また、上下のロール５１，５２の研削の際、砥石２に振動が発生すると、スプ リング１３に付勢されているシリンダ１１が弾力的に昇降することによって振動 は吸収される。つまり、この実施例では、シリンダ１１、ロッド１２、スプリン グ１３等が振動吸収装置を構成しているのである。

【００２４】 なお、上記ピンチロール５１，５２の研摩及び研削は、ピンチロール装置５０ の運転中でも可能である。

【００２５】

【考案の効果】

本考案に係るオンラインロール研削装置によれば、ラインの停止中だけでなく 、運転中でもピンチロールの研摩及び研削が行えるので、ピンチロールの肌荒れ 、付着物及び摩耗をただちに除去してストリップへの転写を防止することができ 、ストリップの品質を向上させることができる。

【００２６】 ピンチロールを装着したままで複数の砥石で機械によって研摩、研削ができる ので、作業員、作業時間を大幅に節減することができる。

【００２７】 砥石はピンチロールに連れ回わされるので、駆動源が不要であり、装置の小型 化が図れ、狭いスペースにも設置することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例に係るオンラインロール研削装置の側
面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ矢視図である。

【図３】図２のＢ−Ｂ矢視断面図である。

【図４】従来のストリップ熱間圧延ラインの要部を示す
側面概念図である。

【符号の説明】

１ 押圧シリンダ ２ 砥石 ４ 砥石軸心 ５ フレーム ７ ガイドロッド ８ 油圧シリンダ １０ 接触点 １１ シリンダ １２ ロッド １３ スプリング ２０ ガイドレール ２１ シリンダ ２２ ロッド ２３ アジャストボルト ５０ ピンチロール装置 ５１，５２ ピンチロール

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ピンチロールの外周面に回転中心からず
   れた位置で接触される砥石と、砥石を支持し、かつピン
   チロールの外周面への押圧力を付与する砥石押圧装置
   と、砥石押圧装置をピンチロールの軸方向と平行な方向
   に移動させる移動装置と、砥石押圧装置のピンチロール
   に対する角度を変える砥石角度調整装置と、砥石に生じ
   る振動を吸収する振動吸収装置とを備えてなることを特
   徴とするコイラ用ピンチロールのオンラインロール研削
   装置。