JPH0539545A - 耐食性に優れた超高真空機器用ステンレス鋼材および超高真空容器の製造方法 - Google Patents

耐食性に優れた超高真空機器用ステンレス鋼材および超高真空容器の製造方法

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JPH0539545A
JPH0539545A JP3194589A JP19458991A JPH0539545A JP H0539545 A JPH0539545 A JP H0539545A JP 3194589 A JP3194589 A JP 3194589A JP 19458991 A JP19458991 A JP 19458991A JP H0539545 A JPH0539545 A JP H0539545A
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JP
Japan
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stainless steel
corrosion resistance
ultra
ultrahigh vacuum
high vacuum
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JP3194589A
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Yasuhiro Shimizu
庸宏 清水
Hidehiko Sumitomo
秀彦 住友
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、超高真空機器用途に適したガス放
出特性および耐食性に優れたステンレス鋼材および超高
真空容器を提供するものである。 【構成】 Mn2.0〜15.0%、Mo、Cuのうち
1種または2種を総量で0.5%以上4.0%以下含有
する耐食性およびガス放出特性に優れた超高真空機器用
ステンレス鋼および前記超高真空機器用鋼材に表面酸化
処理を施すことによって真空機器に適したガス放出特性
の優れた超高真空容器を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空チャンバー、配管
などの真空容器等に用いられる耐食性に優れた超高真空
機器用ステンレス鋼材および超高真空容器の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、真空容器用材料には素材とし
てSUS304、SUS316Lなどの18Cr−8N
i系ステンレス鋼が主に用いられ、その表面はGBB
(ガラスビードブラスト)処理、電解研磨処理等を施し
て使用されることが一般的である。
【0003】前記ステンレス鋼材は放出ガス量が少な
く、耐食性、加工性、溶接性にも優れ、一般の真空容器
用材料としてはほぼ満足できるものであり、10-8Pa
台の真空用途には適用可能なものである。しかし、例え
ばMBE(モレキュラ、ビーム、エピタキシー)装置に
おいては、容器内で成長させる結晶の品質向上の面から
10-9Pa台の超高真空度が要求されつつあるように、
最近の真空度のニーズは超高真空度になっており、その
要求を満たすには真空容器用材料として放出ガス量が極
力少ない鋼材が必須である。
【0004】これまでに本発明者らは、特開平1−44
60号公報、特開平2−85351号公報において提示
したように、Mn、Nを多く含有させたステンレス鋼が
10 -9Pa台の超高真空特性に耐え得ることを見出し
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、超高真
空容器、配管などの用途に用いる場合、高耐食性が要求
されている。本発明は、超高真空容器、配管などの超高
真空機器用途に適し、特に耐食性に優れたステンレス鋼
材および超高真空容器を提供することを目的とするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、この目的のた
めに成分および製造方法を種々検討した結果達成したも
ので、その要旨とするところは下記のとおりである。 (1) 重量%にて、C≦0.08%、Si:0.2〜
2.0%、Mn:2.0〜15.0%、P≦0.050
%、Cr:12〜23%、Ni:7〜20%、N≦0.
35%を含有し、さらにMo、Cuのうち1種または2
種を総量で0.5%以上4.0%以下含有し、残部がF
eおよび不可避的不純物よりなることを特徴とする耐食
性に優れた超高真空機器用ステンレス鋼材。
【0007】(2) 前項(1)記載の耐食性に優れた
超高真空機器用ステンレス鋼材を表面酸化処理し、続い
て真空容器に組み立てることを特徴とする耐食性に優れ
た超高真空容器の製造方法。 (3) 前項(1)記載の耐食性に優れた超高真空機器
用ステンレス鋼材を用いて真空容器に組み立て、続いて
真空側表面を酸化処理することを特徴とする耐食性に優
れた超高真空容器の製造方法。
【0008】各成分範囲の限定理由は次のとおりであ
る。Cは、オーステナイト安定化元素であるが、0.0
8%を超えると、溶接したときにCr炭化物を析出し耐
食性を損なうため、C含有量を0.08%以下とした。
Siは、冷間加工における加工硬化性を向上させる効果
があるが、0.2%未満ではその効果が少ない。また、
2.0%を超えると、フェライトが生成する。従って、
Si含有量は0.2〜2.0%とした。
【0009】Mnは、鋼表面にMn系酸化皮膜を形成
し、真空中でのガス放出速度をより低減させるが、2.
0%未満ではその効果が少ない。また、15.0%を超
えると、延性低下により加工性を損なう。従って、Mn
含有量は2.0〜15.0%とした。Pは、熱間加工性
を劣化させるため低いほど望ましいが、原料から不可避
的に混入してくるので、P含有量を0.050%以下と
した。
【0010】Crは、ステンレス鋼の基本成分であり、
優れた耐食性を得るには最低12%を必要とする。ま
た、23%を超えると加工性が悪くなるので、上限を2
3%とした。従って、Cr含有量は12〜23%とし
た。Niは、オーステナイト系ステンレス鋼の基本成分
の一つである。加工性、耐食性に有効な元素であり、7
%以上を必要とする。また、20%を超えると向上効果
割合は小さく、高価であることから、上限を20%とし
た。従って、Ni含有量は7〜20%とした。
【0011】Nは、強力なオーステナイト安定化元素で
あるが、0.35%を超えると、変形抵抗が大きくなり
製造性を損なうため、上限を0.35%とした。Mo、
Cuは、耐食性を向上する効果があり、特に酸化処理、
例えば大気中250℃×24hrの熱処理を行うと、M
n−Cr−Mo−O系、Mn−Cr−Cu−O系、Mn
−Cr−Mo−Cu−O系の緻密で安定な酸化皮膜を形
成し、超高真空の状態では、鋼中に存在するガス成分
(H2 、H2 O、N2 、CO2 等)を真空中に放出させ
ないようにその酸化皮膜でトラップさせることが可能と
なり、真空特性を著しく向上させ、また耐食性も向上さ
せる。真空特性の向上および耐食性の向上効果はMoお
よびCuの単独添加または複合添加のいずれでも同様で
ある。これらの1種または2種を総量で0.5%未満添
加しても効果が少なく、他方、4.0%を超えて添加す
るとコストが著しく高くなる。従って、Mo、Cu含有
量は、1種または2種を総量で0.5%以上、4.0%
以下とした。
【0012】
【作用】ステンレス鋼材にMnを2%以上、15%以下
添加し、さらにMo、Cuの内1種または2種を総量で
0.5%以上、4.0%以下添加することによってMn
−Cr−Mo−O系、Mn−Cr−Cu−O系およびM
n−Cr−Mo−Cu−O系の緻密で安定な酸化皮膜が
形成され、真空特性および耐食性を著しく向上すること
が可能となる。
【0013】上記により得たステンレス鋼材は、表面酸
化処理した後真空容器に組み立てるか、あるいは真空容
器を組み立てた後、表面を酸化処理することにより、実
用に供される。表面酸化処理は、通常大気圧の空気中に
おいて、100〜600℃の温度で1〜50時間の加熱
によって行うが、雰囲気は空気中に限らず他の酸化性雰
囲気でもよい。
【0014】
【実施例】以下に、本発明例と比較例を示す。表1に示
す成分系のステンレス鋼を、真空溶解法にて溶製し、熱
延用スラブを製造した。このスラブを1200℃×3h
r加熱後、熱間圧延し、厚さ3mmの熱延板を得た。
【0015】得られた熱延板を焼鈍、酸洗の後、冷間圧
延して、厚さ1mm、幅50mm、長さ120mmの板状試料
を採集した。この試料について、SiC紙#2000研
磨し、アセトンで脱脂を行って大気中にて250℃×2
4hrのベーキング処理を行った。ガス放出速度はベー
キング処理後、耐食性はベーキング処理前後において測
定を行った。
【0016】このガス放出速度測定用試料を測定装置内
に組み込み、室温で24hr排気後、250℃×24h
rの真空中ベーキング処理を行い、さらに室温で24h
r排気後、ガス放出速度を測定した。測定法は、2室法
により、試料の単位面積当たりのガス放出速度をQS
して、オリフィス部のコンダクタンスをCO 、試料を装
入した時のサンプルチャンバーの圧力をPS 、メインチ
ャンバーの圧力をPm 、試料を装入しない時のサンプル
チャンバーのガス放出速度をQb 、試料の表面積をSと
して次式で求めた。
【0017】 QS ={CO (PS −Pm )−Qb }/S 〔Pa・m3 ・s-1・m-2〕 耐食性は、塩水噴霧試験後(JIS Z 2371)の
発銹状況により良好な順にA>B>Cの3ランクに評価
した発銹試験結果から判断した。この際、耐食性の優劣
の判断基準として、Aランク以上の条件を満足する材料
を耐食性良好と評価した。また、孔食発生電位の測定
(JIS G 0577)も行い、ベーキング前の孔食
発生電位は700mV(vs.SCE)以上、ベーキン
グ後は100mV以上の条件を満足する材料を耐食性良
好と評価した。
【0018】これらの結果を表2に示す。本発明例No.
1〜14は比較例No. 15〜18に比べて、耐食性およ
びガス放出速度に優れていることが判る。尚、Mo、C
uのうち1種または2種を総量で4.0%を超えて添加
した例は、耐食性およびガス放出速度に優れると考えら
れるが、コストが著しく高くなるために実施しなかっ
た。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【発明の効果】実施例に示した如く、本発明は超高真空
容器、配管などの真空機器に用いるのに適した、耐食性
に優れかつまたガス放出特性に優れたステンレス鋼材の
提供を可能とするものであり、超高真空を必要とする装
置を始めとし、中・高真空領域で使用される装置におい
ても小排気能力のポンプの使用を可能にするなど、真空
装置の設計、製作を容易にし、その工業的価値は非常に
大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガス放出速度とMn添加量の関係を示す図であ
る。
【図2】ガス放出速度とCu、Mo添加量の関係を示す
図である。
【図3】耐食性(Vc’)とMo添加量の関係を示す図
である。
【図4】耐食性(Vc’)とCu添加量の関係を示す図
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%にて、C≦0.08%、Si:
    0.2〜2.0%、Mn:2.0〜15.0%、P≦
    0.050%、Cr:12〜23%、Ni:7〜20
    %、N≦0.35%を含有し、さらにMo、Cuのうち
    1種または2種を総量で0.5%以上4.0%以下含有
    し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなることを特
    徴とする耐食性に優れた超高真空機器用ステンレス鋼
    材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の耐食性に優れた超高真空
    機器用ステンレス鋼材を表面酸化処理し、続いて真空容
    器に組み立てることを特徴とする超高真空容器の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の耐食性に優れた超高真空
    機器用ステンレス鋼材を用いて真空容器に組み立て、続
    いて表面を酸化処理することを特徴とする超高真空容器
    の製造方法。
JP3194589A 1991-08-03 1991-08-03 耐食性に優れた超高真空機器用ステンレス鋼材および超高真空容器の製造方法 Withdrawn JPH0539545A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1413528A2 (de) * 1999-05-26 2004-04-28 BOEHRINGER INGELHEIM PHARMA GMBH & CO. KG Edelstahlkanister fur treibgasbetriebene Dosieraerosole

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1413528A2 (de) * 1999-05-26 2004-04-28 BOEHRINGER INGELHEIM PHARMA GMBH & CO. KG Edelstahlkanister fur treibgasbetriebene Dosieraerosole
EP1413528A3 (de) * 1999-05-26 2006-04-26 BOEHRINGER INGELHEIM PHARMA GMBH & CO. KG Edelstahlkanister fur treibgasbetriebene Dosieraerosole

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Effective date: 19981112