JPH0539315Y2

JPH0539315Y2 -

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Publication number: JPH0539315Y2
Application number: JP12138086U
Authority: JP
Priority date: 1986-08-07
Filing date: 1986-08-07
Publication date: 1993-10-05
Anticipated expiration: 2001-08-07
Also published as: JPS6330764U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、ガスタービン用燃焼器の空燃比制御
装置の改良に関する。

（従来の技術）ガスタービンから排出されるNOxを低減する
ため、燃焼器での燃焼を希薄燃焼とすることが多
いが、ガスタービンを自動車用エンジンとして用
いるときなど、負荷変動が頻繁に生じる運転条件
では、総空燃比が大きく変動しやすく、例えばア
イドリング回転時に燃焼室の空燃比が過度に希薄
化し、燃焼性の悪化を招くという問題点があつ
た。

このため、従来例えば第３図に示すような空燃
比制御装置があつた（実開昭60−101571号公報参
照）。

ケーシング２０と燃焼筒２１により燃焼室２２
を形成し、燃焼室２２の１次燃焼領域Ａの上流側
には円筒状の予混合室２３が形成されるととも
に、希釈燃焼領域Ｂには空気孔３６が開口してい
る。図中３２は予混合室２３の軸中心に配設した
主噴射弁、３３は燃焼室２２の軸中心に配設した
副噴射弁である。

図示しないコンプレツサから予混合室２３へ圧
送される空気に主噴射弁３２から噴出された燃料
は燃焼室２２からの熱を受けて蒸発混合して１次
燃焼領域Ａに供給されて着火の安定性が高められ
る一方、その下流側希釈燃焼領域Ｂには空気孔３
６から多量の空気を導入して全体として希釈燃焼
が行われ、NOxの発生を低減するようになつて
いる。

予混合室２３の下流側にはシリンダ部２４が形
成されるとともに、一端がシリンダ部２４の側面
に、他端が燃焼室２２に開口する連通路２５が形
成され、シリンダ部２４の内部には軸方向に摺動
自在にピストン２６が挿入され、ピストン２６の
摺動に伴つて連通路２５の通路面積を増減するこ
とにより、予混合室２３から流入する予混合気と
空気孔３６から流入する空気との配分が運転状態
に応じて制御される。

（考案が解決しようとする問題点）しかしながら、連通路２５を開閉する手段とし
て、平進運動するピストン２６が設けられている
ため、予混合気が連通路２５を通過して保炎器３
４とバツフルプレート３５の間に流入するとき、
ピストン２６が開閉する流路に急絞りもしくは急
拡大などの不連続部を生じ、そのためバツフルプ
レート３５より上流側に生じる淀み域において予
混合気の不正着火をもたらすという不具合があつ
た。

本考案は、上記問題点を解決することを目的と
する。

（問題点を解決するための手段）本考案は、噴霧された燃料を蒸発予混合するた
めの予混合室と、この予混合気を燃焼させる燃焼
室と、これら両室を連通する連通路を備えるガス
タービン用燃焼器において、前記燃焼室の頂部に
同心的な環状断面のスワール室を形成し、前記連
通路をスワール室の接線方向から開口させ、この
連通路の開口部に支持軸を介して揺動自在な翼を
設け、この翼を支持軸を介して運転条件に応じて
開閉する駆動手段を設ける。

（作用）このようにして、連通路と翼は予混合室からの
予混合気の流れを円滑にスワール室に導き、スワ
ール室内に旋回流を生成することにより、翼の開
閉作動に伴つてスワール室に淀み域を生じること
なく、スワール室内の予混合気の不正着火を防止
するとともに、予混合室への空気配分をきめ細か
く制御することが可能となり、広い運転範囲に渡
つて良好な燃焼性を確保できる。

（実施例）以下、本考案の一実施例を第１図、第２図に基
づいて説明する。なお、従来例と同一構成部には
同一符号を付す。

ケーシング２０と燃焼筒２１により燃焼室２２
を形成し、燃焼室２２の１次燃焼領域Ａの上流側
には円筒状の予混合室２３が形成されるととも
に、希釈燃焼領域Ｂには空気孔３６が開口する。
図中３２は予混合室２３の軸中心に配設した主噴
射弁、３３は燃焼室２２の軸中心に配設した副噴
射弁である。

予混合室２３はケーシング２０に燃焼室２２と
並んで形成され、主噴射弁３２から予混合室２３
に噴出された燃料は燃焼室２２からの熱を受けて
蒸発混合して１次燃焼領域Ａ、に供給されて着火
の安定性が高められる一方、その下流側希釈燃焼
領域Ｂには空気孔３６から多量の空気を導入して
全体として希釈燃焼が行われ、NOxの発生を低
減するようになつている。

燃焼室２２の頂部に位置するケーシング２０の
一端にはケーシング１０を連結し、このケーシン
グ２０とケーシング１０の間には環状のバツフル
プレート３５を介装するとともに、ケーシング１
０には副燃焼噴射弁３３を囲む保炎器３４を連結
し、これらケーシング１０とバツフルプレート３
５および保炎器３４の間に燃焼室２２に同心的な
環状断面のスワール室２を形成し、バツフルプレ
ート３５と保炎器３４の間には燃焼室２２に対し
て環状に開口するスリツト１２を形成する。

ケーシング１０には、その一端が予混合室２３
の下流側に開口するとともに、他端がスワール室
１１に対して接線方向から開口する連通路１３を
形成する。

連通路１３のスワール室１１に対する開口部に
は翼１４を支持軸１５を介して径方向に揺動自在
に設ける。

翼１４はその基端部１４ａから支持軸１５を一
体的に突出させ、この基端部１４ａからその揺動
先端部１４ｂにかけて次第に肉厚が小さくなるよ
うに形成するとともに、揺動先端部１４ｂがケー
シング１０に最近接する全閉位置でその下面１４
ｃと上面１４ｄはそれぞれスワール室１１の外周
壁部１１ａとほぼ連続するように所定の曲率で湾
曲させて形成する。

支持軸１５はケーシング１０の外側に設けられ
る軸受１７およびシール材１８を介して回動自在
に支持され、その突出端部１５ａには図示しない
駆動装置が連結され、機関負荷が増大するのに伴
つて翼１４が連通路１３を大きく開くように制御
する。

このように構成してあり、高負荷運転時には翼
１４が２点鎖線で示す位置に保持されて連通路１
３の通路面積を最大限に拡大する一方、負荷が低
下するのに伴つて翼１４は駆動装置により支持軸
１５を介して図中上方向に揺動して連通路１３の
開口面積を徐々に絞つていき、コンプレツサから
の圧縮空気はその一部が予混合室２３に流入して
連通路１２、スワール室１１を通つて燃焼室２２
の１次燃焼領域Ａに供給され、残りが空気孔３６
を介して直接的に希釈燃焼領域Ｂに供給される。

なお、予混合室２３に導かれる空気流量の割合
n₁は概ね次式で表される。

n₁＝σ₁・A₁／（σ₁・A₁＋σ₂・A₂ …(1) 但し、σ₁：連通路１３の流量係数、σ₂：空気孔３
６の流量係数、A₁：連通路１３の開口面積。A₂
空気孔３６の開口面積である。

これにもとづき、翼１４を揺動させて連通路１
３を開閉することにより、開口面積A₁のみなら
ず流量係数σ₁を変化させることとなり、結局要求
される予混合室２３への空気導入割合n₁を得るこ
とができる。したがつて、主噴射弁３２からの増
加燃料に対応して予混合室２３への空気配分を変
えることが可能となり、燃焼室２２の１次燃焼領
域Ａでも、NOxの発生を低減するように適切な
希薄燃焼が行える。

予混合室２３から連通路１３を通つてスワール
室１１に流入する予混合気は、連通路１３および
翼１４に案内されてスワール室１１の接線方向か
ら流入するため、スワール室１１で旋回流を生成
し、このスワール室１１から旋回しながら環状ス
リツト１２から燃焼室２２に噴出する。

スワール室１１に旋回流を生成することによ
り、翼１４は予混合気を円滑にスワール室１１に
導くことができ、スワール室１１内に速度分布の
不均一な淀み域をつくることなく、スワール室１
１の内部の予混合気に不正着火をもたらすことを
防止できる。

そして、翼１４の開閉作動に供なつてスワール
室１１に気流の乱れが生じるこを抑えられるた
め、予混合室２３への空気配分を幅広い運転範囲
に渡つてきめ細かく制御することが可能となる。

また、スワール室１１内に旋回流を生成するこ
とにより、環状スリツト１２から燃焼室２２に噴
出する予混合気の流速も周方向に均一になるた
め、１次燃焼領域Ａにおける空燃比のバラツキを
抑えて良好な燃焼性が確保される。

（考案の効果）以上のように本考案は、燃焼室の頂部に同心的
な環状断面のスワール室を形成し、このスワール
室に予混合室との連通路をその接線方向から開口
させ、この連通路の開口部に支持軸を介して揺動
自在な翼を設け、運転条件に応じて連通路の開口
面積を調節するようにしたため、予混合室からの
予混合気の流れを円滑にスワール室に導き、燃焼
室内に旋回流を生成することにより、翼の開閉作
動に伴つてスワール室に淀み域を生じることな
く、不正着火を防止するとともに、予混合室への
空気配分をきめ細かく制御することが可能とな
り、広い運転範囲に渡つて良好な燃焼性を確保で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２
図は同図Ｘ−Ｘ線に沿う断面図である。第３図は
従来例を示す断面図である。１１……スワール室、１２……スリツト、１３
……連通路、１４……翼、１５……支持軸、２１
……燃焼筒、２２……燃焼室、２３……予混合
室、３２……主燃焼噴射弁、３３……副燃料噴射
弁、３６……空気孔。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

噴霧された燃料を蒸発予混合するための予混合
室と、この予混合気を燃焼させる燃焼室と、これ
ら両室を連通する連通路を備えるガスタービン用
燃焼器において、前記燃焼室の頂部に同心的な環
状断面のスワール室を形成し、前記連通路をこの
スワール室の接線方向から開口させ、この連通路
の開口部に支持軸を介して揺動自在な翼を設け、
この翼を支持軸を介して運転条件に応じて開閉す
る駆動手段を設けたことを特徴とするガスタービ
ン用燃焼器の空燃比制御装置。