JPH0538763U - 平面型蛍光ランプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 輝度の立ち上がり特性が良好で、しかも、製
造時において放電空間の排気および封入ガスの充填を十
分迅速に実施することができ、生産効率に優れた平面型
蛍光ランプを提供することにある。 【構成】 側壁および底壁からなるセラミック製の箱体
と、この箱体上に密閉配置されたガラス板と、箱体の対
向する側壁に沿って箱体内に配設された一対の電極と、
箱体の側壁に取付けられた排気管残部と、箱体の底壁内
面およびガラス板の内表面に塗布された蛍光体とよりな
る、パルスで点灯される出力が１Ｗ以下の平面型蛍光ラ
ンプであって、前記箱体の底壁内面と前記ガラス板の内
表面との間隙が１．５ｍｍ以下であり、前記箱体の底壁
には、排気管残部の伸びる方向に沿って、排気管の排気
有効断面積を確保する溝が形成されていることを特徴と
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、平面型蛍光ランプに関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば液晶ビューファインダーや液晶テレビなど、液晶パネルのバックライト として用いられている従来の平面型蛍光ランプの一例においては、図５に示すよ うに、放電路を形成する扁平な箱体１と、この箱体１上に密閉配置されたガラス 板２と、箱体１内に収納された一対の電極（図示省略）と、箱体１の底壁内面お よびガラス板２の内表面に塗布された蛍光体４とを備えてなる。５は排気管残部 である。 しかして、箱体１の底壁内面とガラス板２の内表面との間隙Ｇは、例えば０． ７インチ型のビューファインダー用バックライトでは２ｍｍ以上であることが必 要である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、箱体の底壁内面とガラス板の内表面との間隙が大きい場合には、輝度 の立ち上がり特性が不十分であり、点灯直後において十分な輝度が得られない。 これは、平面型蛍光ランプの場合には直管型蛍光ランプに比べて放電空間におけ る温度上昇が遅いため、放電時の水銀の蒸気圧が上昇しにくいからである。

【０００４】 このような問題に対して、前記間隙を小さくして電流密度を上昇させることに より、輝度の立ち上がり特性を向上させることも考えられる。 しかしながら、平面型蛍光ランプの製造時において、放電空間の排気および封 入ガスの充填のために箱体の側壁に排気管を取り付ける必要があり、前記間隙を 例えば１ｍｍ程度にすると、取付ける排気管の外径を１ｍｍ以下としなけらばな らない。そして、このように排気有効断面積が小さい小径の排気管では、排気時 間および封入ガスの充填時間が長くて生産効率が低下し、また、２ｍｍ以下の小 径の排気管を作製すること自体も容易でない。

【０００５】 本考案は以上のような事情に基いてなされたものであって、その目的は、輝度 の立ち上がり特性が良好で、しかも、製造時において放電空間の排気および封入 ガスの充填を十分迅速に実施することができ、生産効率に優れた平面型蛍光ラン プを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の平面型蛍光ランプは、側壁および底壁からなるセラミック製の箱体と 、この箱体上に密閉配置されたガラス板と、箱体の対向する側壁に沿って箱体内 に配設された一対の電極と、箱体の側壁に取付けられた排気管残部と、箱体の底 壁内面およびガラス板の内表面に塗布された蛍光体とよりなる、パルスで点灯さ れる出力が１Ｗ以下の平面型蛍光ランプであって、前記箱体の底壁内面と前記ガ ラス板の内表面との間隙が１．５ｍｍ以下であり、前記箱体の底壁には、排気管 残部の伸びる方向に沿って、排気管の排気有効断面積を確保する溝が形成されて いることを特徴とする。

【０００７】

【作用】 箱体の底壁内面とガラス板の内表面との間隙が１．５ｍｍ以下であるので、 後述する実施例からも明らかなように、輝度の立ち上がり特性が向上する。 箱体の底壁には、排気管残部の伸びる方向に沿って、排気管の排気有効断面 積を確保する溝が形成されているので、箱体の底壁内面とガラス板の内表面との 間隙よりも大きい外径を有する排気管を取付けることができる。従って、製造時 において、放電空間の排気および封入ガスの充填を短時間で行うことができ、生 産効率に優れたものとなる。 箱体がセラミック製であるので、溝の形成加工を容易に行うことができる。

【０００８】

【実施例】

以下、図面を用いて本考案の実施例を具体的に説明する。 図１は、カメラ一体型ＶＴＲのバックライトとして用いる平面型蛍光ランプを 発光面側から見た説明図であり、図２は、図１のＡ−Ａ断面図である。 図１および図２において、１はステアタイト製の扁平な箱体であり、箱体１上 にはガラス板２（図１において図示省略）が配置されて密閉空間Ｐが形成されて いる。この密閉空間Ｐ内には、箱体１の短辺を構成する側壁１１，１１’に沿っ て一対の電極３，３’が配設されている。４は箱体１の底壁内面およびガラス板 ２の内表面に塗布された蛍光体である。 ５は排気管残部であり、この排気管残部５は、放電空間の排気および封入ガス の充填を行うために、箱体１の長辺を構成する側壁１２に取付けられた排気管の 一端側が封止されたものである。 ６は、排気管残部５の伸びる方向に沿って箱体１の底壁１３に形成された溝で ある。

【０００９】 本実施例の平面型蛍光ランプにおける寸法の一例を示せば、箱体１の長辺が２ ５ｍｍ、短辺が２０ｍｍ、側壁の肉厚が１．５ｍｍ、底壁の肉厚が１．５ｍｍ、 箱体１の高さｔ₁ が３．５〜４ｍｍ、ガラス板２の厚みｔ₂ が１．０ｍｍ、箱体 の底壁内面とガラス板の内表面との間隙Ｇが１．０ｍｍである。

【００１０】 図３は、排気管残部の取付け状態を示す図１の部分拡大図であり、図４は取付 け状態を示す図２の部分拡大図である。 排気管残部５は、箱体１の側壁１２の切り欠き部に挿入され、その周囲を低融 点ガラス７によって封着されて取付けられている。排気管残部５の先端開口面５ Ａと側壁１２の内面とはほぼ同一平面上に位置している。

【００１１】 この例に示す溝６において、底壁１３からの深さｔ_H は１．１ｍｍ（間隙Ｇが １．０ｍｍの場合）、幅ｔ_W は２．１ｍｍであり、これによって外径Ｄが２ｍｍ 程度の排気管を取付けることが可能となる。なお、この深さｔ_H は、間隙Ｇの値 により変化し、間隙Ｇが例えば１．５ｍｍの場合は、ｔ_H が０．６ｍｍとなる。 また、排気管残部５の先端開口面５Ａからの奥行き長さｔ_L は、例えば１〜２ ｍｍ程度である。 なお、溝６は、製造時において排気管の排気有効断面積を確保するものである 。すなわち、溝６の深さｔ_H 、幅ｔ_W および奥行き長さｔ_L は、排気時および封 入ガスの充填時におけるガス流の断面積が、排気管の排気有効断面積（πｄ² ／ ４：ｄは排気管残部の内径を示す）以下にならないような寸法であることが必要 である。

【００１２】 本実施例の平面型蛍光ランプによれば、箱体１の底壁内面とガラス板２の内表 面との間隙Ｇが１〜１．５ｍｍと小さいものであるので、輝度の立ち上がり特性 が向上する。 また、排気管の排気有効断面積を確保する溝６が箱体１の底壁１３に形成され ているので、前記間隙Ｇが１〜１．５ｍｍと小さい場合であっても、２ｍｍ程度 の外径を有する排気管を取付けることができる。従って、製造時において、放電 空間の排気および封入ガスの充填を短時間で行うことができ、生産効率に優れた ものとなる。 更に、箱体１はセラミック製であるので溝６の形成加工が容易であり、この観 点からも生産効率に優れたものである。

【００１３】 〔実験例〕 外径２．０５ｍｍ、内径１．０５ｍｍの排気管を箱体の側壁に取付けて排気お よび封入ガスの充填を行い、排気管の一端側を封止して、上記図１および図２に 示した構成の平面型蛍光ランプ（間隙Ｇが１．０ｍｍおよび１．５ｍｍのもの） を製造した。 この平面型蛍光ランプの各々について、点灯してから１分後における輝度を測 定したところ、間隙Ｇが１．０ｍｍの平面型蛍光ランプで２６５０ｎｔ、間隙Ｇ が１．５ｍｍの平面型蛍光ランプで２６００ｎｔの輝度が得られた。 一方、比較のため、間隙Ｇが２ｍｍの平面型蛍光ランプを製造し、上記と同様 にして１分後における輝度を測定したところ２３００ｎｔ程度の輝度しか得られ なかった。

【００１４】

【考案の効果】

本考案の平面型蛍光ランプは、輝度の立ち上がり特性が良好で、しかも、製造 時において放電空間の排気および封入ガスの充填を十分迅速に実施することがで き、生産効率に優れたものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の平面型蛍光ランプを発光面側からこれ
を見た説明図である。

【図２】図１のＡ−Ａ断面図である。

【図３】図１の部分拡大図である。

【図４】図２の部分拡大図である。

【図５】従来の平面型蛍光ランプの一例を示す説明用断
面図である。

【符号の説明】

１ 箱体 ２ ガラス板 ３，３’電極 ４ 蛍光体 ５ 排気管残部 ６ 溝 ７ 低融点ガラス １１，１１’ 側壁 １２ 側壁 １３ 底壁 Ｐ 密閉空間 Ｇ 間隙

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 側壁および底壁からなるセラミック製の
   箱体と、この箱体上に密閉配置されたガラス板と、箱体
   の対向する側壁に沿って箱体内に配設された一対の電極
   と、箱体の側壁に取付けられた排気管残部と、箱体の底
   壁内面およびガラス板の内表面に塗布された蛍光体とよ
   りなる、パルスで点灯される出力が１Ｗ以下の平面型蛍
   光ランプであって、 前記箱体の底壁内面と前記ガラス板の内表面との間隙が
   １．５ｍｍ以下であり、 前記箱体の底壁には、排気管残部の伸びる方向に沿っ
   て、排気管の排気有効断面積を確保する溝が形成されて
   いることを特徴とする平面型蛍光ランプ。