JPH0538589U - 多重回転ベゼル装置付携帯時計 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】従来の２重回転ベゼルの操作性・安定性の品質
を改善すると同時に、３重以上の複雑な多重回転ベゼル
装置を簡単な構成で実現させる事にある。 【構成】内側の回転ベゼルの外周下部フランジ部を外側
の回転ベゼルの内周上部フランジ部で保持し、順次重ね
て、最外周に位置した回転ベゼルの外周下部のフランジ
部を回転ベゼル固定リングで保持して、胴に着脱可能か
つ回転可能に装着した構成。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は腕時計、提時計等の携帯時計に関し、特に計算尺機能、潮汐計機能、 換算尺機能等の機能を付加した多重回転ベゼル装置付携帯時計に関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

従来の携帯時計において回転ベゼル付構造は多く考案されているが、ほとんど が１つの回転ベゼル構造であり、２個以上の回転部材が構成されたものは少なか った。一例として、実公平２−２０７０６の構成があるが、これは図２に示す様 に外側の回転ベゼル表示板２１ａの下部に、平板状の第２の回転ベゼル２２を構 成した内容で、第２の回転ベゼル２２上部に部分的に設けた突起２２ａを指先で 引っ掛けて回転させる構成で、回転トルクは部分的な突起２２ｃおよび２２ｄの 締代で得られていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来例では、外側の回転ベゼルは操作し易いが内側の回転ベゼルは操作し難い こと、また内側の回転ベゼルの回転トルクは不安定で、ばらつき易く、トルクむ らがある等で精密感に欠ける等の欠点を有していた。

【０００４】 本考案は上記の欠点を解決するもので、操作し易く、かつ回転トルクも安定さ せることを狙いとし、精密感のある多重回転ベゼル装置を得ることを目的とする ものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の多重回転ベゼル装置は、胴の外側に別々に回転可能な回転ベゼルを複 数個設ける構成において、内側の回転ベゼルの外周下部にフランジ部を設け、そ の外側の回転ベゼルの内周上部には前記フランジ部外径よりも小さい内径のフラ ンジ部を設けて保持し、最も外周に設置される回転ベゼルの外周下部のフランジ 部を回転ベゼル固定リングにより保持し、前記回転ベゼル固定リングを胴に着脱 可能に固定した構成で上記の課題を解決したものである。

【０００６】

【実施例】

本考案の実施例を図面に基づき詳細に説明すると、図１において、１は第１の 回転ベゼルで、ステンレス、ＴｉもしくはＴｉ合金等から成る回転ベゼル本体１ ａにアルマイト処理されたアルミ表示板１ｂがかしめ固定されている。

【０００７】 回転ベゼル本体１ａには、操作する指の先が引掛けられて回わすための凹部１ ｃと、ステンレス、Ｔｉ等の金属から成る胴４の外周部に固定ねじ９により着脱 可能に固定される回転ベゼル固定リング３のフランジ部３ａに保持される外周下 部のフランジ部１ｄを構成している。また、内周上部にはフランジ部１ｅが構成 されている。回転ベゼル本体１ａの下面部には６０〜１２０分割のクリック溝１ ｆが構成されており、回転ベゼルばね５の屈曲凸部５ａが係合し、回転時に６０ 〜１２０分割の定位値に止まる構成となっている。この６０〜１２０分割の構成 は、その回転ベゼルの機能が潮汐計や方位の表示、また６０分の等分割目盛など を構成する場合に用い、計算尺、換算尺などの様にアナログ的に回転する必要の ある場合は、クリック装置は設けない。

【０００８】 ６はＮＢＲ＋シリコンもしくはＮＢＲ＋ＤＯＳ（自己潤滑剤）から成るＯリン グの回転ベゼルパッキンで、胴４の外周壁と回転ベゼル本体１ａの内壁との間で 径方向に締代を有して構成されている。

【０００９】 ２は第２の回転ベゼルで、アルマイト処理されたアルミ等の金属もしくは射出 成形された合成樹脂で一体に成形され、表面に計算尺、換算尺目盛もしくは潮汐 計機能などの目盛を構成し、内周側の上面部に指で操作するための凹部２ａが部 分的に偶数個設けられている。下面部には回転ベゼル１と同様、必要に応じてク リック装置が設けられ、クリック溝２ｂと回転ベゼルばね１０が構成される。７ は６と同様の組成の回転ベゼルパッキンである。

【００１０】 第２の回転ベゼルの外周下部には外径が第１の回転ベゼルのフランジ部内径よ り大きい寸度のフランジ部２ｃが構成され、合成ゴムもしくは合成樹脂から成る スペーサ８を介して第１の回転ベゼルにより回転可能な様に軸方向に保持されて いる。

【００１１】 この構成では第２の回転ベゼルを安価に作るため、アルミもしくは合成樹脂の 一体成形としたが、高級品には第１の回転ベゼルと同様にステンレス、Ｔｉ、Ａ ｕ等の高級金属をベースに用い、表示板を別体で構成してかしめ固定等で一体化 させても良い。

【００１２】 また逆に、普級品には安価に作るために、第１の回転ベゼル１を第２の回転ベ ゼル２と同様にアルミもしくは合成樹脂の一体成形品としても良いし、この場合 、回転ベゼル固定リングも金属でなく、合成樹脂でも差支えない。

【００１３】 実施例では指で回転させる部分は凹部としたが、部分的な凸部でも差支えない し、回転ベゼルばね部は球形のクリックボールとコイルばねの組合せのクリック 装置としても良い。

【００１４】 １１は無機ガラスから成るカバーガラスで、図面の様に胴４にプラスチックパ ッキン１２により固定する方法や、防水接着剤で固定する方法等、一般的な手段 で固定されるが、外周部高さは、回転ベゼルの操作のし易さと、ガラスの衝撃か らの保護を配慮し、回転ベゼル表面より一段下げた構成となっている。

【００１５】 この構成では２重の回転ベゼル装置で説明したが、同様に３重、４重等の構成 の多重回転ベゼル装置も可能である。

【００１６】

【考案の効果】 本考案は前述の構成により、下記の様な効果が得られたものである。 ２重、３重以上の多重回転ベゼル装置が簡単な構成で実現できた。 各々の回転ベゼルの操作がし易く、複雑な計算、換算も非常にやり易くなった 。 単純な計算、換算のみでなく、潮汐計の機能、経過時間測定、残数時間測定、 ワールドタイム表示、時差表示、ゲーム装置、天体表示、暦表示など複雑な機能 を付加することができた。 回転トルクが安定し、精密感が向上して、高級感が創り込めた。 回転ベゼルは金属のみでなく、合成樹脂で作ることも可能で、多機能な付加装 置が安定に作ることもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す部分縦断面図。

【図２】従来の実施例を示す部分縦断面図。

【符号の説明】

１ 第１の回転ベゼル １ｃ 第１の回転ベゼルの内周フランジ部 １ｄ 第１の回転ベゼルの外周フランジ部 ３ 回転ベゼル固定リング ４ 胴 ２ 第２の回転ベゼル ２ｃ 第２の回転ベゼルの外周フランジ部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】携帯時計の胴の外側に、別々に回転可能な
   回転ベゼルを複数個設ける構成において、内側の回転ベ
   ゼルの外周下部にフランジ部を設け、その外側の回転ベ
   ゼルの内周上部には前記フランジ部外径よりも小さい内
   径のフランジ部を設けて保持し、最も外周に設置される
   回転ベゼルの外周下部のフランジ部を回転ベゼル固定リ
   ングにより保持し、前記回転ベゼル固定リングを胴に着
   脱可能に固定したことを特徴とする多重回転ベゼル装置
   付携帯時計。