JPH0538461Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、磁気テープカートリツジに関し、さ
らに詳しくは、磁気テープを巻装した単一のリー
ルが回転自在に収納された磁気テープカートリツ
ジに関するものである。

（従来技術） 従来、コンピユータ等の記録媒体として使用さ
れている磁気テープカートリツジには、単一のリ
ールに磁気テープを巻装し、該リールをケース内
に回動自在に収納した磁気テープカートリツジが
ある。この磁気テープカートリツジは、その不使
用時においては、磁気テープが完全にリールに巻
き込まれた状態で、テープ端に取り付けられた例
えば、リーダーブロツク（コンピユータ等の装置
が磁気テープをテープ路に導入するための手段）
がケースのテープ引出口に着脱自在に係止されて
いると共に、リールが不測の回動をしないように
係止されている。

上記のリールにはその内周部分の円周に沿つて
凹凸状のブレーキ歯を備えており、一方、リール
回転の中心部には、ケース厚み方向にスライド可
能に係止され、且つリールのブレーキ歯に係合す
るブレーキ歯を備えたブレーキボタンが設けられ
ている。そして、このブレーキボタンは、例えば
コイルばねによりケース厚み方向に付勢されてお
り、カートリツジ不使用時はこの付勢力によつ
て、ブレーキ歯がリールのブレーキ部に噛み合う
ことにより、リールの不測の回動を防止するよう
に構成されている。又、カートリツジ使用状態に
おいてはコンピユータ等の装置に装填され、例え
ば回転シヤフト（モータの回転シヤフト）がケー
ス内に入り込んで、上記のブレーキボタンに当接
し、該ボタンをコイルばねの付勢力に抗して移動
させる。この結果、リールはそのロツクが解除さ
れて回転できる状態となる。

そして、テープ引出口に係止されていたリーダ
ーブロツクは、装置内に設けられた引出しピンが
適宜嵌合してカートリツジ外に引き出され、装置
内の巻き取りリールに一体化されてテープ走行が
自在に行えるようにする。

従来のリーダーブロツクは、第３図に示す如
く、磁気テープカートリツジのケース１に形成さ
れたテープ引出口２の部分に着脱自在に設けられ
ている。テープ引出口２は隔壁９とケース１の上
下壁によりリーダーブロツク３を適宜位置規制す
るように構成されている。そして、リーダーブロ
ツク３の先端部４とケース１を構成するアツパー
カートリツジ１２に設けた側壁５とが当接するよ
うにし、該側壁５が適宜変形することにより着脱
ができる構造となつている。

従つて、先端部４と側壁５との着脱時の当接度
合により、リーダーブロツク３の装着力ならびに
引出し力が決定される。ここで、リーダーブロツ
ク３の着脱は、第４図で示す様な引出しピン１３
によつて適宜行なわれる。すなわち、リーダーブ
ロツク３には、引出し係合部７の底面側に該引出
し係合部７の溝幅よりも大きな径を有する略円筒
形の段付凹部１４が形成されており、一方引出し
ピン１３には前記段付凹部１４に対応して嵌合さ
れる肩部１５がピン１６の先端に形成されてい
る。そこで、コンピユータ等の装置内に磁気テー
プカートリツジが装填されると、まず前記ピン１
６がリーダーブロツク３の先端方向より引出し係
合部７に挿入された後、該カートリツジは下方に
移動して前記肩部１５にリーダーブロツク３の段
付凹部１４が嵌合する。そして、該引出しピン１
３が水平方向に移動すると前記リーダーブロツク
３も肩部１５と一体となつたまま、カートリツジ
外に引き出される。

また、アツパーカートリツジとロアカートリツ
ジから成るケース１及びリーダーブロツク３は、
万一の時のデータ保護のために、難燃規格
（UL94V−２）を満足する材料で製造されなけれ
ばならず、このため主にポリカーボネート樹脂が
用いられている。このポリカーボネート樹脂等の
難燃性プラスチツク樹脂は、成型収縮率が小さ
く、更に、摩擦係数が大きいので、前記アツパー
カートリツジ及びロアカートリツジを成型加工す
る際には第５図のアツパーカートリツジ１２に示
す様に、成型されたアツパーカートリツジ１２が
型から離型し易くなるように側壁５には大きめの
抜けこう配θを付けてある。

このため、リーダーブロツク３の着脱時に、前
記先端部４と側壁５との当接面が均一に当接せ
ず、主にアツパーカートリツジ１２の側壁５の基
部近傍で片当りする。

従つて、引出しピン１３がリーダーブロツク３
の段付凹部１４に作用する着脱力の作用位置と、
リーダーブロツク３の先端部４がアツパーカート
リツジ１２の側壁５に作用し適宜変形させる当接
力作用位置とが離れてそれぞれの力の作用方向が
食い違つているので、リーダーブロツク着脱のた
びに引出しピンに対してねじり力が働き実効的な
着脱力が大きくなりケースがあり、また極端な場
合には引出しピンが変形することがあつた。

（考案の目的） 本考案は上記問題点に鑑みてなされたものであ
り、リーダーブロツクの着脱が良好に行なわれる
ように構成された磁気テープカートリツジを提供
することを目的とするものである。

（考案の構成） 本考案の上記目的は、磁気テープを巻回した単
一のリールが収納され、かつテープ端を保持した
リーダーブロツクがテープ引出口に着脱自在に構
成された磁気テープカートリツジにおいて、前記
リーダーブロツクの先端部下方に突出部を設け、
該突出部が前記カートリツジの側壁の一部と当接
し該側壁と適宜変形させるように構成したことを
特徴とする磁気テープカートリツジにより構成さ
れる。

すなわち、リーダーブロツクの着脱時に、前記
先端部はアツパーカートリツジ側壁の基部近傍で
当接せずに、該先端部の下方に設けられた突出部
によつて前記側壁の開放端近傍で、かつカートリ
ツジ中央部に近い位置に当接し該側壁を適宜変形
させるので、引出しピンがリーダーブロツクの段
付凹部に作用する着脱力の作用位置と、リーダー
ブロツクの先端部がアツパーカートリツジの側壁
に作用し適宜変形させる当接力の作用位置とがほ
ぼ同一平面上に位置し、引出しピンに対してはほ
ぼ水平方向の着脱力が働く。

以下、図面に例示する本考案の実施態様につい
て説明する。

第１図に示すように、磁気テープカートリツジ
のケース１の角に形成されたテープ引出口２に着
脱自在に構成されるリーダーブロツク３は、磁気
テープＴのテープ端をクランプ部材６によつてク
ランプするために形成された略円筒形の内周面を
有する凹部１７、コンピユータ等の装置内に設け
られた引出しピンが適宜嵌合する引出し係合部
７、装置内の巻き取りリールに一体化されてリー
ル外周面を形成する端面１１等が従来と同様に構
成されている。

また、前記リーダーブロツク３には、ケース１
を構成するアツパーカートリツジ１２に設けた側
壁５と当接し該側壁を適宜変形させて着脱するた
めの先端部４が形成されている。

ここで、前記先端部４は、その下方部の段付凹
部１４近傍に例えば半球状突起８からなる突出部
が形成されている。そこで、リーダーブロツク３
をテープ引出口に着脱する際には、前記側壁５に
開放端に向かつて拡がる抜けこう配θが付けられ
ているにもかかわらず、該側壁５は、その基部近
傍で先端部４の上部と当接せずに側壁５の開放端
側の段付凹部１４近傍の半球突起８と当接する。

従つて、引出しピン１３の肩部１５がリーダー
ブロツク３の段付凹部に作用する着脱力の作用位
置と、リーダーブロツク３の先端部４がアツパー
カートリツジ１２の側壁５に作用し適宜変形させ
る当接力の作用位置とがほぼ同一平面上に位置す
るので、引出しピン１３に対して作用するねじり
力は小さくなり、リーダーブロツクの着脱力を安
定化させると共に、引出しピンの曲り変形等のト
ラブルを回避することができる。

尚、上記実施態様においては、リーダーブロツ
ク３の先端部４下方に設けた突出部を半球状突起
８として形成したが、本考案はこの態様に限るも
のではなく、例えば第２図に示す様に、前記先端
部４の上方から下方に向かつて広がるテーパー部
１０として形成しても良く、本考案の主旨に基づ
き先端部の下方がケース側壁と当接する形状であ
ればその他種々の変形が可能である。

（考案の効果） 以上述べたように、本考案の磁気テープカート
リツジは、リーダーブロツクの先端部下方に突出
部を設け、該突出部が前記カートリツジの側壁の
一部と当接し該側壁を適宜変形するように構成し
たので、引出しピンがリーダーブロツクに作用す
る着脱力の作用位置と、リーダーブロツクの先端
部が前記側壁を適宜変形させる当接力の作用位置
とがほぼ同一平面上に位置する。そこで、上記着
脱力及び当接力の作用方向の食い違いによつて前
記引出しピンに生じるねじり力を緩和することが
できる。

従つて本考案によれば、リーダーブロツクの着
脱時における引出しピンの変形など危険性の少な
い信頼性の高い磁気テープカートリツジを提供す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施態様である磁気テープ
カートリツジの要部斜視図、第２図は本考案の他
の実施態様である磁気テープカートリツジの要部
斜視図、第３図は従来の磁気テープカートリツジ
の概略平面図、第４図はリーダーブロツクと引出
しピンの着脱状態を示す斜視図、第５図はアツパ
ーカートリツジ側壁の部分縦断面図である。 図中の符号、１……ケース、２……テープ引出
口、３……リーダーブロツク、４……先端部、５
……側壁、６……クランプ部材、７……引出し係
合部、８……半球状突起、９……隔壁、１０……
テーパー部、１１……端面、１２……アツパーカ
ートリツジ、１３……引出しピン、１４……段付
凹部、１５……肩部、１６……ピン、１７……凹
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁気テープを巻回した単一のリールが収納さ
   れ、かつテープ端を保持したリーダーブロツクが
   テープ引出口に着脱自在に構成された磁気テープ
   カートリツジにおいて、前記リーダーブロツクの
   先端部下方に突出部を設け、該突出部が前記カー
   トリツジの側壁の一部と当接し該側壁を適宜変形
   させるように構成したことを特徴とする磁気テー
   プカートリツジ。