JPH0538110A - 偏平形鋳造回転子の製造方法 - Google Patents

偏平形鋳造回転子の製造方法

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JPH0538110A
JPH0538110A JP3186294A JP18629491A JPH0538110A JP H0538110 A JPH0538110 A JP H0538110A JP 3186294 A JP3186294 A JP 3186294A JP 18629491 A JP18629491 A JP 18629491A JP H0538110 A JPH0538110 A JP H0538110A
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JP
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short
rotor
circuit ring
molten metal
mold
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JP3186294A
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Toshiro Aiga
俊郎 相賀
Masaharu Tamiya
正治 田宮
Takashi Komori
孝 小森
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、配置空間が狭い場合にも容易
に採用することが可能な偏平形鋳造回転子であり、特に
製造時における欠陥が少ない偏平形鋳造回転子の製造方
法を提供することにある。 【構成】本発明に係る偏平形鋳造回転子の製造方法は、
スロット6を穿設した複数の鉄心要素を積層して鉄心5
の直径に対する鉄心長の比を0.1〜0.5に設定した
回転子鉄心2aを形成し、回転子鉄心2aの軸線が水平
となるように保持した状態で、回転子鉄心2aの両側面
にそれぞれ短絡環成形用鋳型12,16を装着するとと
もに、一方の短絡環成形用鋳型16の底部に湯口18を
形成する一方、他方の短絡環成形用鋳型12の頂部に押
湯20を形成した状態で、上記短絡環成形用鋳型12,
16のキャビティおよび回転子鉄心2aのスロットに湯
口18より溶融金属17を鋳込むことにより、短絡環お
よびスロットバーを回転子鉄心2aに一体に鋳造成形す
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電動機等に使用される鋳
造回転子のうち、偏平形状を有する鋳造回転子の製造方
法に係り、特に鋳造欠陥の発生が少なく、機械的特性が
優れた偏平形鋳造回転子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から広く使用されている大型のかご
形誘導電動機の回転子1は、一般に図5に示すように、
回転子鉄心2および回転子導体3を回転軸4に一体に組
み付けて構成される。回転子鉄心2は、渦電流による損
失を防止するために図6に示すように薄い円板状のケイ
素鋼板より成る鉄心要素5を多数積層して形成され、各
鉄心要素5の外周部には図7に示すようなスロット6が
穿設されている。
【0003】また回転子導体3は図8に示すように銅棒
(スロットバー)7をかご状に配設し、その両端をエン
ドリング(短絡環)8と呼ばれる環状の銅板で一体に接
合したものである。各銅棒7は、回転子鉄心2のスロッ
ト6に打ち込まれ、回転子鉄心2の両端に一体に接合さ
れたエンドリング8,8に溶接または銀ろう付け等によ
って固定される。
【0004】誘導起電力による渦電流は、上記銅棒7と
エンドリング8,8を循環して流れ、この渦電流と回転
磁界との電磁力によって回転子1が回転する。
【0005】しかしながら上記のような銅棒をスロット
内に打ち込んで形成する回転子では、銅棒を任意の形状
に加工することが困難であり、電動機の性能特性を用途
に応じて変化させることが困難であった。
【0006】また、導体としての銅棒と、エンドリング
とを接合する際に付加される溶接熱等によってエンドリ
ング近傍の銅棒が加熱されて軟化し、その結果高速回転
時に作用する遠心力に耐え切れずに鉄心端部に亀裂を生
じる場合があり、電動機の寿命が短くなる問題点があ
る。
【0007】そのため銅棒とエンドリングとを予め一体
に形成する回転子も採用されている。
【0008】すなわち近年、出力の小さい小型誘導電動
機に使用される回転子として、銅棒7やエンドリング
8,8の部分を、溶融した純アルミニウム等の金属溶湯
で鋳込んで一体に成形する鋳造回転子が多用化されてい
る。
【0009】この鋳造回転子の製造方法としてはダイカ
スト法や低圧鋳造法が広く使用されている。ダイカスト
法は、アルミニウムなどの軟質な金属を金型へ圧力を加
えて鋳込む方法であり、一方低圧鋳造法は密閉した炉内
に圧縮空気を送り、15〜50kPa程度の低圧力を炉
内のアルミニウム合金等の湯面に働かせ、溶湯を押し上
げて金型に注入するようにしたものである。
【0010】いずれも、予めスロットを穿設した鉄心要
素を多数積層して締め付けた状態でアルミニウム合金な
どの金属溶湯をスロット内に注入し、エンドリングを含
む回転子導体および冷却用羽根を一体に成形する方法で
ある。
【0011】この鋳造回転子によれば、従来の銅材より
アルミニウム材の方が導電率が低いため、回転子自体を
やや大型にする必要があるが、図9に示すように冷却用
羽根9も同時に形成することが可能であり、量産性にも
優れているため、広く用いられている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ダイキャスト鋳造法によって、鋳造回転子を製造する場
合、溶融金属中に含まれているガスあるいは鋳型のキャ
ビティ内に残存している空気が、溶融金属の充満過程に
おいて密閉された、キャビティ内で逃げ場を失い、製品
内に巻き込まれてしまうという不具合が生じ易い。これ
は溶融金属を製品キャビティ内に注入する際のプランジ
ャ速度が速いため、溶融金属が霧状になって製品内キャ
ビティに注入され、鋳型に取り付けられたガス抜き穴を
介しての空気と溶融金属との置換が充分に行なわれにく
いためである。製品部キャビティ内に取り残された空気
は、最終凝固部となる短絡環および冷却用羽根の根元部
に集中してガス欠陥を発生し易いという欠点がある。
【0013】特に冷却用羽根の根元部にガス欠陥が集中
的に発生した鋳造回転子では、モータの回転時に発生す
る熱による回転子自体の温度上昇と回転時の遠心力によ
る羽根の根元部の応力集中により冷却用羽根の変形また
は折損が起こり易くなり、モータの致命的な事故の原因
となる。
【0014】また短絡環部にガス欠陥が発生した場合に
は、短絡環の断面積の一部が減少する。そのため、電動
機運転時における電流密度が高くなり、短絡環部の温度
が許容範囲以上に上昇し、短絡環部における変形や亀裂
を発生させる原因となる。
【0015】これらの問題を解決するため、低圧鋳造法
による鋳造回転子の製造も広く実施されている。ところ
が、回転子鉄心の軸線が垂直となるように保持する従来
方法の場合、すなわち偏平な回転子鉄心を水平方向に保
持した状態で、回転子鉄心の上下面にそれぞれ短絡環お
よび冷却用羽根成形用鋳型を装着し、スロットバー、短
絡環および冷却用羽根を一体成形する鋳型を用いて鋳造
する場合、溶融金属を鋳型底部より押し上げて鋳込む際
に、上部短絡環部に発生するガス欠陥の原因は、スロッ
ト内を上昇して進入する溶融金属が上部短絡環および冷
却羽根成形用キャビティ内に残存する空気を完全に排出
する前にキャビティ内に充満し、キャビティ内に取り残
された空気を巻き込んだ状態で凝固してしまうからであ
る。
【0016】一方、前記したガス欠陥を防止するため、
製品部キャビティ内の残留空気を大気中に排出するベン
トプラグを、上部鋳型の頂部に配設する方法も用いられ
ている。しかし従来の排出速度の基準によってガス抜き
面積を設定されたベントプラグでは、溶融金属が上昇す
るに伴って、キャビティ内の空気の体積減少量が、ベン
トプラグより排出される体積量より上回ることが多い。
そのためキャビティ内の背圧が高まり、溶融金属の上昇
速度が低下し、湯回り不良が発生するケースが多い。
【0017】これらの対策として、キャビティ内の空気
の体積減少変化とベントプラグよりの排出量とが等しく
なるようにベントプラグの開口面積を増大化させたり、
あるいは溶融金属の上昇速度をキャビティの体積変化に
応じて変える加圧制御を行なう方法などが考えられる。
しかしながらキャストロータのように短絡環部とスロッ
ト部とを一体に鋳造する鋳造回転子においては、断面積
が大きい短絡環部と、断面積が小さいスロット部との境
界部における体積変化が急激である。そこで溶融金属の
注入速度をスロット部の断面積を基準にして、スロット
内にて湯流れ停止を発生させない臨界流速付近の流速で
鋳込む方法も考えられる。
【0018】しかしながら冷却用羽根をも一体成形して
形成する鋳造回転子においては、回転子鉄心部の温度や
溶融金属温度等のばらつきが大きくなり、臨界流速程度
の流速では、局所的に湯回り不良となる危険性が高い。
【0019】いずれにしろ欠陥を発生させないために行
なう溶融金属の流速制御は困難であり、この制御を正確
に実施するためには高度の技倆が要求され、鋳造回転子
の製造コストが増大する欠点があった。
【0020】このように従来の低圧鋳造法による鋳造回
転子の製造に際しては、短絡環部および鉄心内スロット
部の断面積の急変によって湯口側では乱流となり、一方
押湯側ではスプラッシュ現象が発生し易い。そして押湯
側の短絡環部では、鋳型製品内キャビティの空気やガス
の巻き込みによって鋳造欠陥が発生するなどの不具合が
多発していた。
【0021】本発明は上記の問題を解決するためになさ
れたものであり、配置空間が狭い場合にも容易に採用す
ることが可能な偏平形鋳造回転子であり、特に製造時に
おける欠陥が少ない偏平形鋳造回転子の製造方法を提供
することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る偏平形鋳造回転子の製造方法は、スロ
ットを穿設した複数の鉄心要素を積層して鉄心の直径に
対する鉄心長の比を0.1〜0.5に設定した回転子鉄
心を形成し、回転子鉄心の軸線が水平となるように保持
した状態で、回転子鉄心の両側面にそれぞれ短絡環成形
用鋳型を装着するとともに、一方の短絡環成形用鋳型の
底部に湯口を形成する一方、他方の短絡環成形用鋳型の
頂部に押湯を形成した状態で、上記短絡環成形用鋳型の
キャビティおよび回転子鉄心のスロットに湯口より溶融
金属を鋳込むことにより、短絡環およびスロットバーを
回転子鉄心に一体に鋳造成形することを特徴とする。
【0023】
【作用】上記構成に係る偏平形鋳造回転子の製造方法に
よれば、回転子鉄心の軸線が水平となるように保持され
短絡環成形用鋳型が回転子鉄心の左右両側面にそれぞれ
装着されており、一方の短絡環成形用鋳型の底部に湯口
を形成し、他方の短絡環成形用鋳型の頂部に押湯を形成
した状態で鋳込みを行なう。そのため、湯口から鋳込ま
れた溶融金属は湯口側の短絡環成形用鋳型の底部を充満
しながら回転子鉄心のスロット部を経由して押湯側の短
絡環成形用鋳型内を流れ、各短絡環成形用鋳型の周方向
に沿って上方向に順次流れる。鋳造時に発生するガスお
よび鋳型空間内に存在する空気も鋳型の周方向に沿って
排出され、最終的に押湯やガス抜き部を経由して大気に
放出される。
【0024】すなわち回転子鉄心を水平方向に配置して
鋳込みを行なう従来方法においては、一方の短絡環部か
らスロット部に溶融金属が流入する際、およびスロット
部から他方の短絡環部に流出する際に、溶融金属の流路
面積が急激に変化し、スロット部より短絡環部へ溶融金
属の流出量のアンバランスを生じたり、スロット間での
空気の残留が起こり易く鋳造欠陥が発生し易い。ところ
が本製造方法によれば、回転子鉄心が垂直方向に保持さ
れているため、短絡環部およびスロット部に溶融金属が
同時に流入しながら、各短絡環の円周方向に沿って上方
の押湯方向に順次、溶融金属が移動する。すなわち短絡
環部、スロット部および冷却用羽根部に溶融金属が順次
流れる際に流路断面積が急激に変化する部位は生じな
い。そのため、成形用鋳型の各部位における溶融金属の
流出量のアンバランスおよびスロット部における空気の
残留が少ない。したがって短絡環部、スロット部および
冷却用羽根部等において空気の残留による巣が形成され
ることが効果的に防止され、欠陥のない高品質の偏平形
鋳造回転子を製造することができる。
【0025】また押湯を設けた鋳型を使用しているた
め、溶融金属が凝固する際に収縮しても、溶融金属が鋳
型内に補給されるため、引け巣などの欠陥が発生するこ
とがなく、表面が緻密な偏平形鋳造回転子を形成するこ
とができる。
【0026】
【実施例】次に本発明に係る偏平形鋳造回転子の製造方
法の一実施例について添付図面を参照して説明する。
【0027】図1は本発明方法を実施するための鋳型の
構成例を示す断面図である。
【0028】すなわち本実施例に係る偏平形鋳造回転子
の製造方法においては、まずスロット6を穿設した複数
の鉄心5を積層して鉄心直径Dに対する鉄心長Lのの比
を0.1〜0.5に設定した回転子鉄心2aを形成し、
積層した鉄心5を拘束固定する押え板10を取り付けた
回転子鉄心2aの内径部に鉄心サポート11の治具を挿
入する。
【0029】次に上記のように結束した回転子鉄心2a
を治具としての鉄心サポート11とともに、羽根側の短
絡環14を形成するための短絡環成形用鋳型12内に挿
入する。この羽根側短絡環成形用鋳型12には、冷却用
羽根13を成形するためのキャビティも形成されてい
る。さらに湯口側の短絡環15を形成するための湯口側
短絡環成形用鋳型16と上記羽根側短絡環成形用鋳型1
2とを一体に結合することにより鋳造の段取りが完成す
る。
【0030】このとき、回転子鉄心2aおよびその左右
両側にそれぞれ一体的に取り付けた一対の短絡環成形用
鋳型12,16の各側面が鋳造機の固定プレート面と平
行になる状態、すなわち回転子鉄心2aの軸線が水平と
なるように保持される。
【0031】また湯口側短絡環成形用鋳型16の底部に
は溶融金属17を注入するための湯口18が形成され、
この湯口18には、溶融金属17の凝固を遅らせるため
に湯口形状と同じ外径と高さを有する中空の断熱材19
が取り付けられる。また湯口側短絡環成形用鋳型16の
頂部には、鋳型内の空気および発生ガスを排出するため
のガス抜き24が設けられている。
【0032】一方羽根側短絡環成形用鋳型12の頂部に
は押湯20が設けられ、この押湯20には溶融金属17
の凝固を製品部より遅らせ、製品部の凝固収縮分を充分
に補うため、押湯形状と同じ外径および高さを有する中
空の断熱材21が取り付けられる。この断熱材21の上
部には、鋳型12,16のキャビティ内に残留する空気
および溶融金属17の注入時に発生するガスを大気中に
放出るするためのベントプラグ22が取り付けられる。
【0033】こうして一体化された各鋳型12,16内
に収納された回転子鉄心2aは鋳型12,16ととも
に、予熱炉にて鋳造に必要な温度まで加熱される。
【0034】予熱された回転子鉄心2aを収容した短絡
環成形用鋳型16の湯口18は、図示しない鋳造機の給
湯管に接続される。そして鋳造機の保持炉内に収容され
たアルミニウムなどの溶融金属表面に空気圧を作用させ
ることにより、湯口18を経由して溶融金属17を所定
鋳込み圧力で鋳型空間キャビティに注入する。
【0035】湯口18より注入された溶融金属17は、
図1、図2および図3において矢印で示すように、湯口
側短絡環成形用鋳型16、スロット6および羽根側短絡
環成形用鋳型12の各キャビティ内を順次満たしながら
押湯20の方向へ流れる。すなわち、湯口18から注入
された溶融金属17は、湯口側短絡環成形用鋳型16の
底部から2つの円周方向に分かれて金属流23a,23
bを形成しながら上部の押湯20方向に流れる。各金属
流23a,23bは図3に示すように湯口側短絡環15
より、鉄心5に形成されたスロット6を経て羽根側短絡
環14方向に流出する。流出した溶融金属17は、短絡
環14および冷却用羽根13を順次周方向に形成しなが
ら上昇する。
【0036】溶融金属17の上昇に伴って短絡環成形用
鋳型12,16およびスロット内に存在する空気並びに
溶融金属17注入時に発生するガスは、金属流23a,
23bに同伴されて上方に排出され、最終的に押湯20
の上部に設けたベントプラグ22および湯口側短絡環成
形用鋳型16の頂部に設けたガス抜き24から大気中に
放出される。
【0037】そして溶融金属17が鋳型内の全てのキャ
ビティおよびスロット6において満たされた状態にて加
圧凝固せしめ、しかる後に、型開きを行ない、鋳造回転
子鋳物を鋳造機から取り出す。取り出された鋳造回転子
鋳物に一体に凝固した湯口18および押湯20を除去す
ることにより、図4に示すような鋳造回転子が完成す
る。
【0038】図4に示す鋳造回転子は、スロット6を穿
設した鉄心5を積層して形成した回転子鉄心2aと、積
層した鉄心5を拘束固定する押え板10と、上記回転子
鉄心2aの軸方向両端面にそれぞれ形成された一対の短
絡環14,15と、スロット6内に形成されたスロット
バー7と、押湯側短絡環14の端面周上に所定間隔をお
いて形成された複数の冷却用羽根13とを備え、上記短
絡環14,15、スロットバー7a、および冷却用羽根
13は前記鋳造法により一体成形されている。また回転
子鉄心2aの直径Dに対する鉄心長Lの比は0.1〜
0.5に設定される。
【0039】このように本実施例に係る偏平形鋳造回転
子の製造方法によれば、回転子鉄心2aの軸線が水平と
なるように保持され短絡環成形用鋳型12,16が回転
子鉄心2aの左右両側面にそれぞれ装着されており、一
方の湯口側短絡環成形用鋳型16の底部に湯口18を形
成し、他方の羽根側短絡環成形用鋳型12の頂部に押湯
20を形成した状態で鋳込みを行なう。そのため、湯口
18から鋳込まれた溶融金属17は湯口側の短絡環成形
用鋳型16の底部を充満しながら回転子鉄心2aのスロ
ット部6を経由して押湯側の短絡環成形用鋳型12内を
流れ、各短絡環成形用鋳型12,16の周方向に沿って
上方向に順次流れる。鋳造時に発生するガスおよび鋳型
空間内に存在する空気も鋳型の周方向に沿って排出さ
れ、最終的に押湯20やガス抜き部22,24を経由し
て大気に放出される。
【0040】すなわち回転子鉄心を水平方向に配置して
鋳込みを行なう従来方法においては、一方の短絡環部か
らスロット部に溶融金属が流入する際、およびスロット
部から他方の短絡環部に流出する際に、溶融金属の流路
面積が急激に変化し、スロット部より短絡環部へ溶融金
属の流出量のアンバランスを生じたり、スロット間での
空気の残留が起こり易く鋳造欠陥が発生し易い。ところ
が本製造方法によれば、回転子鉄心2aが垂直方向に保
持されているため、短絡環部およびスロット部に溶融金
属が同時に流入しながら、各短絡環の円周方向に沿って
上方の押湯方向に順次、溶射金属が移動する。すなわち
短絡環部14,15、スロット部6および冷却用羽根部
13に溶融金属17が順次流れる際に流路断面積が急激
に変化する部位は生じない。そのため、成形用鋳型1
2,16の各部位における溶融金属17の流出量のアン
バランスおよびスロット部における空気の残留が少な
い。したがって短絡環部、スロット部および冷却用羽根
部等において空気の残留による巣が形成されることが効
果的に防止され、欠陥のない高品質の偏平形鋳造回転子
を製造することができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明の通り本発明に係る偏平形鋳造
回転子の製造方法によれば、回転子鉄心が垂直方向に保
持されているため、短絡環部およびスロット部に溶融金
属が同時に流入しながら、各短絡環の円周方向に沿って
上方の押湯方向に順次溶融金属が移動する。このとき、
短絡環部、スロット部および冷却用羽根部に溶融金属が
順次流れる際に流路断面積が急激に変化する部位は生じ
ない。そのため、成形用鋳型の各部位における溶融金属
の流出量のアンバランスおよびスロット部における空気
の残留が少ない。
【0042】したがって短絡環部、スロット部および冷
却用羽根部において空気の残留による巣が形成されるこ
とが効果的に防止され、欠陥のない高品質の偏平形鋳造
回転子を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための鋳型の構成例を示
す断面図。
【図2】鋳造時に溶融金属が短絡環部を流れる状態を示
す側面図。
【図3】鋳造時に溶融金属が短絡環からスロット部へ流
れる状態を示す部分断面図。
【図4】本実施例方法によって製造された偏平形鋳造回
転子を部分的に破断して示す斜視図。
【図5】従来のかご形回転子の構成例を示す斜視図。
【図6】従来の回転子鉄心の構成例を示す斜視図。
【図7】スロットの断面形状例を示す断面図。
【図8】従来の回転子導体の構成例を示す斜視図。
【図9】冷却用羽根を一体成形した従来の鋳造回転子の
構成を示す斜視図。
【符号の説明】
1 回転子 2,2a 回転子鉄心 3 回転子導体 4 回転軸 5 鉄心 6 スロット 7,7a スロットバー(銅棒) 8 エンドリング(短絡環) 9 冷却用羽根 10 押え板 11 鉄心サポート 12 (羽根側)短絡環成形用鋳型 13 冷却用羽根 14 短絡環(羽根側) 15 短絡環(湯口側) 16 (湯口側)短絡環成形用鋳型 17 溶融金属 18 湯口 19 断熱材 20 押湯 21 断熱材 22 ベントプラグ 23a,23b 金属流 24 ガス抜き D 回転子鉄心の直径 L 鉄心長

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スロットを穿設した複数の鉄心要素を積
    層して鉄心の直径に対する鉄心長の比を0.1〜0.5
    に設定した回転子鉄心を形成し、回転子鉄心の軸線が水
    平となるように保持した状態で、回転子鉄心の両側面に
    それぞれ短絡環成形用鋳型を装着するとともに、一方の
    短絡環成形用鋳型の底部に湯口を形成する一方、他方の
    短絡環成形用鋳型の頂部に押湯を形成した状態で、上記
    短絡環成形用鋳型のキャビティおよび回転子鉄心のスロ
    ットに湯口より溶融金属を鋳込むことにより、短絡環お
    よびスロットバーを回転子鉄心に一体に鋳造成形するこ
    とを特徴とする偏平形鋳造回転子の製造方法。
  2. 【請求項2】 短絡環成形用鋳型の少なくとも一方に冷
    却用羽根を成形するためのキャビティを形成することを
    特徴とする請求項1記載の偏平形鋳造回転子の製造方
    法。
JP3186294A 1991-07-25 1991-07-25 偏平形鋳造回転子の製造方法 Pending JPH0538110A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100712371B1 (ko) * 2005-10-25 2007-04-30 (주)한틀시스템 전자투표장치

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100712371B1 (ko) * 2005-10-25 2007-04-30 (주)한틀시스템 전자투표장치

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