JPH0537027U - 多条刈りコンバインの刈取り搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ６枚のスターホイルにより掻込みながら刈取
る穀稈を左右及び中央の下部搬送チェンにより良好に搬
送可能にして刈取部の前後方向長さを短縮可能とする。 【構成】 刈刃１の上方に並設した６枚のスターホイル
２ａ〜２ｆの上方側から左右及び中央の各下部搬送チェ
ン３ａ，３ｂ，３ｃを後方へ延設して構成する多条刈り
コンバインにおいて、６枚の各スターホイル２ａ〜２ｆ
を順次、噛合させるとともに、後方より駆動できる前記
中央下部搬送チェン３Ｃの始端部４ｃを中央側のスター
ホイル２ｄの軸上に伝動可能にして軸架し、Ｙ字状に後
方へ延出する左右の両下部搬送チェン３ａ，３ｂの始端
部４ａ，４ｂを左右端の両スターホイル２ａ，２ｆの軸
上より後方へ偏位させるとともにそれぞれ後部より駆動
可能にして構成したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、６条ほどの多条刈りができる刈取部で穀稈を掻込みながら刈取ると ともに後方へ搬送することができる多条刈りコンバインの刈取り搬送装置に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

従来は、刈刃の上方に並設した６枚のスターホイルの上方側から左右および中 央の各下部搬送チェンを後方へ延設して構成する多条刈りコンバインにおいて、 例えば、本出願人が既に出願した実願平２−２１５７９号に見られるように、全 ての下部搬送チェンの始端部が各スターホイルの軸上に位置するように構成され ていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、そのような搬送構造では、スターホイルから左右の両下部搬送 チェンの合流点までの機体前後方向長さを短縮すると、その両下部搬送チェンが 隣のスターホイル上に必ずオーバーラップしてラッブ角度が大となり、そのため 、スターホイルが穀稈搬送の邪魔をするとともにスターホイルに巻き付いたり、 稈が詰まったり、あるいは稈元が不揃いとなり、また、両下部搬送チェンがスタ ーホイルにオーバーラップしないようにすると、スターホイルから両下部搬送チ ェンの合流点までの機体前後方向長さが長くなって、刈取部の前後方向長さが長 くなる、といった不具合を呈していた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、そのような不具合を解決し、刈取部をコンパクト構造にして好適に 実施できるよう工夫したものであり、そのため、６枚の各スターホイルを順次、 噛合させるとともに、後方より駆動できる中央下部搬送チェンの始端部を中央側 のスターホイルの軸上に伝動可能にして軸架し、Ｙ字状に後方へ延出する左右の 両下部搬送チェンの始端部を左右端の両スターホイルの軸上より後方へ偏位させ るとともにそれぞれ後部より駆動可能にして構成したものである。

【０００５】

【作用】

従って、６枚の全てのスターホイルは中央の下部搬送チェンにより回転駆動す ることができることになり、左右の両下部搬送チェンにより穀稈を後方へそれぞ れ搬送する際、スターホイルに穀稈が巻き付いたり、詰まったり、稈元が不揃い になることなく、スターホイルを作動させて良好に搬送できることになり、また 、刈取部の前後方向長さを短縮化できる。

【０００６】

【実施例】

図３は６条刈りコンバインにおける刈取部の概略側面図を示し、両クローラ５ により支持する機体の支持部６に刈取部Ａの後部を枢支７するとともに油圧シリ ンダ８により刈取部Ａを昇降自在にして構成するが、該刈取部Ａは、前方に斜設 した各引起しケース９の上部背面と駆動ケース１０との間に図７に示すように防 振ゴム１１，１１を介装するとともに、各引起しケース９の下部背面と刈取フレ ーム１２側のステー１３との間に図８に示すように防振ゴム１４を介装し、各引 起しケース９の後方下部に横設した刈刃１の上方には６枚のスターホイル２ａ〜 ２ｆを並設し、両端のスターホイル２ａ、２ｆの上方側からはそれぞれ挾扼杆１ ５，１６を対設した両下部搬送チェン３ａ，３ｂをＹ字状にして後方へ延設する とともに、中央右側のスターホイル２ｄの上方からは挾扼杆１７を対設した下部 搬送チェン３ｃを後方へ延設し、左側下部搬送チェン３ａの上方には上部搬送タ イン１８を架設し、右側下部搬送チェン３ｂの上方から後方へかけて長い上部搬 送タイン１９を延設し、右側下部搬送チェン３ｂの後方側に連なる縦搬送チェン ２０の後方には、脱穀部のフィードチェン２１に穀稈の稈元を受け継がせる補助 搬送チェン２２を架設して構成する。

【０００７】 ６枚の前記各スターホイル２ａ〜２ｆは順次、噛合させて、左側下部搬送チェ ン３ａの途中部位に向け延出する中央側下部搬送チェン３ｃの始端部４ｃは中央 右側のスターホイル２ｄ上同軸のスプロケット２３に掛装するとともに後部の駆 動輪２４により駆動自在にし、左右の前記両下部搬送チェン３ａ，３ｂの始端部 ４ａ，４ｂは、左右端のスターホイル２ａ，２ｆの軸上より後方となる周辺上方 に軸架した遊動輪２５，２６にそれぞれ掛装するとともに、隣のスターホイル２ ｂ，２ｅにオーバーラップしないようラップ角をつけてＹ字状にそれぞれ後方へ 延設し、後部の駆動輪２７，２８によりそれぞれ駆動自在にして構成するが、図 ４ないし図６に示すように、左側の下部搬送チェン３ａの傾斜角度βをスターホ イル２ａの傾斜角度αより大きくするとともに、中央側および右側の下部搬送チ ェン３ｃ，３ｂの傾斜角度αをスターホイル２ｂ，２ｅの傾斜角度αと同じくし て構成する。

【０００８】 従って、６枚のスターホイル２ａ〜２ｆは、駆動輪２４により駆動される中央 の下部搬送チェン３ｃにより駆動されるとともに、左右の両下部搬送チェン３ａ ，３ｂは駆動輪２７，２８によりそれぞれ駆動されることになり、隣合う両スタ ーホイル間に掻込んで刈取られる穀稈は各下部搬送チェン３ａ，３ｂ，３ｃによ り後方へ搬送されるが、各チェンとも隣りのスターホイルにオーバーラップして いないため、スターホイル２ｂ，２ｃ，２ｅに従来のように穀稈が巻き付いたり 、詰まったり、稈元が不揃いになることなく搬送されることになり、また、スタ ーホイル上から両下部搬送チェン３ａ，３ｂの合流点までの機体の前後方向長さ を短縮化できることになって刈取部Ａをコンパクト構造にすることができる。

【０００９】 なお、図７および図８に示すように防振ゴム１１，１４を介装したので、引起 しケース９より発生する騒音が従来のように刈取部Ａの搬送側に伝わって拡大す るのを防止できることになり、また、左側の下部搬送チェン３ａの傾斜角度βを スターホイル２ａの傾斜角度αより大きくしたので、この下部搬送チェン３ａよ り後方の搬送チェンに受け継がせる際に稈元がずれたりしないように搬送するこ とができる。

【００１０】

【考案の効果】 このように本考案は、６枚の各スターホイル２ａ〜２ｆにより掻込まれながら 刈取られる穀稈を左右および中央の各下部搬送チェン３ａ，３ｂ，３ｃにより後 方へ搬送する際、それぞれに隣合うスターホイルが穀稈搬送の邪魔をしたり、穀 稈が巻き付いたり、詰まったり、稈元が不揃いになることなく整揃と良好に搬送 できることになり、また、６枚全てのスターホイルを中央の下部搬送チェン３ｃ により回転駆動することができるとともに、スターホイル上から左右の両下部搬 送チェン３ａ，３ｂの合流点までの機体前後方向長さを短縮化できることになっ て、刈取部の前後方向長さを短縮させてコンパクト構造にすることができること になり、刈取り搬送性を一段と向上させて好適に実施できる特長を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の要部を示した平面図である。

【図２】要部を概略示した平面図である。

【図３】刈取部を概略示した側面図である。

【図４】左側下部搬送チェンを示した側面図である。

【図５】中央の下部搬送チェンを示した側面図である。

【図６】右側下部搬送チェンを示した側面図である。

【図７】引起しケースの上部後方を示した断面図であ
る。

【図８】引起しケースの下部後方を示した断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 刈刃 ２ａ スターホイル ２ｂ スターホイル ２ｃ スターホイル ２ｄ スターホイル ２ｆ スターホイル ３ａ 下部搬送チェン ３ｂ 下部搬送チェン ３ｃ 下部搬送チェン ４ａ 始端部 ４ｂ 始端部 ４ｃ 始端部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 刈刃１の上方に並設した６枚のスターホ
   イル２ａ〜２ｆの上方側から左右および中央の各下部搬
   送チェン３ａ，３ｂ，３ｃを後方へ延設して構成する多
   条刈りコンバインにおいて、６枚の各スターホイル２ａ
   〜２ｆを順次、噛合させるとともに、後方より駆動でき
   る前記中央下部搬送チェン３ｃの始端部４ｃを中央側の
   スターホイル２ｄの軸上に伝動可能にして軸架し、Ｙ字
   状に後方へ延出する左右の両下部搬送チェン３ａ，３ｂ
   の始端部４ａ，４ｂを左右端の両スターホイル２ａ、２
   ｆの軸上より後方へ偏位させるとともにそれぞれ後部よ
   り駆動可能にして構成したことを特徴とする刈取り搬送
   装置