JPH0536786B2

JPH0536786B2 -

Info

Publication number: JPH0536786B2
Application number: JP62153389A
Authority: JP
Inventors: Fujio Sakurazawa; Tomio Ooki; Mitsuaki Yamaguchi; Masahiro Kitsukawa
Original assignee: Tomoegawa Paper Co Ltd
Current assignee: Tomoegawa Co Ltd
Priority date: 1987-06-22
Filing date: 1987-06-22
Publication date: 1993-05-31
Also published as: JPS63318568A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、特に静電記録体に用いられる導電性
支持体に関する。静電記録体例えば静電記録紙、静電転写紙、通
電記録紙などに用いられる導電性支持体は、基材
例えば紙の片面又は両面に導電層（低抵抗層）を
設けたものである。この導電層の材料としては、
(1)高分子のイオン導電性材料（高分子電解質）、
(2)無機のイオン導電性材料と高分子電解質又はバ
インダーとの混合物、電子導電性材料である(3)金
属粉又は(4)導電性酸化亜鉛等の導電性酸化物と高
分子電解質又はバインダーとの混合物などが知ら
れている。しかし(1)及び(2)のイオン導電性材料は抵抗値が
水分（相対湿度）により大きく変動し、特に15％
RH以下の低湿度になると、高抵抗を示し、記録
時に画像がでなくなるという欠点がある。また電
子導電性材料は抵抗値の湿度依存性は小さくなる
が、(3)の金属粉は分散、塗布条件により抵抗値が
著しく変動するという欠点がある。さらに(4)の導
電性酸化亜鉛は、単独では抵抗値が低いが、バイ
ンダーと混合すると抵抗値が高くなり、適正な抵
抗値にするためには、塗工量を20〜30g／m²とす
ることが必要である。このため導電性酸化亜鉛に
より基材例えば紙が変色し、ペーパーライク性に
欠けて商品価値が低下し、また導電性酸化亜鉛が
高価であることから導電性支持体の製造費が高く
なる。導電性酸化亜鉛と高分子電解質の混合物で
は、導電性酸化亜鉛の割合が多くなるとバリヤー
性（誘電層形成液を塗布した場合の導電性支持体
の耐浸透性）が悪くなり誘電層が充分に形成され
ず、画像の荒れ、白斑及び細線の抜けがみられ
る。また導電性酸化亜鉛の割合が少なくなると抵
抗値の湿度依存性が高くなるため、低湿及び高湿
環境下で抵抗値が適正範囲を外れ、画像濃度の低
下及び画質不良が生じるという欠点がある。本発明は、基材の片面又は両面に、表面を金属
酸化物で被覆した繊維状チタン酸カリウム及びバ
インダーを固形分比３：７〜７：３の割合で含有
する導電層を有する導電性支持体である。本発明に用いられる基材としては、紙、プラス
チツクシート、合成紙などがあげられる。表面を金属酸化物で被覆した繊維状チタン酸カ
リウム（以下導電性ウイスカーという）は、繊維
状チタン酸カリウムにアルミニウム、クロム、
錫、アンチモン、インジウム等をドープすること
により得られ、化学組成はK₂O・nTio₂−Ｘ、平
均繊維長は５〜30μm、繊維径は0.1〜1μmであ
り、１〜10⁵Ωの比抵抗を有する。この導電性ウイスカーは市販品として容易に入
手することができる。バインダーとしては、ポリビニルアルコール
（PVA）、殿粉、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、にかわ等が用いら
れる。導殿性ウイスカーとバインダーとの混合割合
（Ｐ／Ｂ比）は、固形分比で３：７〜７：３とす
ることが必要である。Ｐ／Ｂ比がこれより小さい
と、導電性の抵抗値が低湿時に高くなり、高湿時
には導電性支持体を用いた静電記録体にゴースト
が生じ易くなる。またＰ／Ｂ比がこれより大きい
と、導電層の基材への付着が不充分となり、高湿
時には抵抗値が低下し、バリヤー性の点からも好
ましくない。本発明の導電性支持体を製造するに際しては、
まず導電性ウイスカー及びバインダーを溶媒に分
散又は溶解する。溶媒としては水、メタノール、
エタノール、プロパノール、トルエン、アセト
ン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなどが用い
られる。分散液には必要に応じ、分散剤例えばポ
リアクリル酸塩、ポリスチレン酸塩等、消泡剤例
えばアルコールを添加してもよい。次いで分散液をエアーナイフコータ、ロールコ
ータ、ワイヤーバーコータ、スプレーコータ、フ
アウンテンコータ、トレイリングコータ、リバー
スロールコータ、デイツプコータなどによつて基
材の片面又は両面に塗布したのち乾燥すると、導
電層が形成され、本発明の導電性支持体が得られ
る。導電層の塗工量（固形分付着量）は２〜15g／
m²が好ましい。塗工量がこれより少ないと適正な
抵抗値が得られない場合がある。また塗工量をこ
れより多くしても効果の格別の向上は認められな
い。導電層は基材の片面に形成してもよいが、両
面に形成するとカールや支持体の導電性が各環境
で良好である点で有利である。本発明の導電性支持体は、表面抵抗値及び体積
抵抗値の環境湿度による変動が少なく、常に適正
な抵抗値を示す。このため本発明の導電性支持体
上に誘電記録層を設けた静電記録体では、高湿及
び低湿環境でも良好な画質が得られる。また導電
性ウイスカーを用いることにより、従来の導電性
成分に比べ少量の塗工量で適正な抵抗値が得られ
るため経済的に有利である。さらに本発明の導電
性支持体は、平滑性、白色性、色調性、ペーパー
ライク性等が優れており、導電層のバリヤー性も
良好である。本発明の導電性支持体は、静電記録体のほかに
電子写真紙等多くの記録紙の支持体として適用で
きる。実施例１導電性ウイスカー（大塚化学社製デントール
WK−300）48gと水112gとを混合し、分散剤とし
てポリアクリル酸塩を用い、ホモミキサーで20分
間分散し、これに15％PVA水溶液320gを加え、
さらに５分間分散した。この分散液を坪量50g／
m²の上質紙（基材）の片測に塗布して乾燥し、塗
工量約7g／m²の導電層を設け、導電性支持体を
製造した。実施例２ 15％PVA水溶液に代えて22.5％PVA水溶液を
用い、その他は実施例１と同様にして導電性支持
体（塗工量約8g／m²）を製造した。実施例３ 15％PVA水溶液に代えて10％PVA水溶液を用
い、その他は実施例１と同様にして導電性支持体
（塗工量約6g／m²）を製造した。実施例４実施例１と同様にして基材の両側に導電層を有
する導電性支持体を製造した。各面の塗工量はそ
れぞれ約7g／m²及び4g／m²とした。比較例１導電性酸化亜鉛48gと水112gとを混合し、分散
剤としてポリアクリル酸塩を用い、ホモミキサー
で60分間分散し、これに10％PVA水溶液320gを
加え、さらに５分間分散した。この分散液を坪量
50g／m²の上質紙の片側に塗布して乾燥し、塗工
量約20g／m²の導電層を設け、導電性支持体を製
造した。比較例２炭酸カルシウム48gと水112gとを混合し、分散
剤としてポリスチレン酸塩を用い、ホモミキサー
で30分間分散し、これに10％ポリビニルベンジル
トリメチルアンモニウムクロライド水溶液320g
を加え、さらに５分間分散した。この分散液を坪
量50g／m²の上質紙の片側に塗布して乾燥し、塗
工量約5g／m²の導電層を設け、導電性支持体を
製造した。比較例３ 20％ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウ
ムクロライド水溶液を坪量50g／m²の上質紙の片
側に塗布して乾燥し、塗工量約5g／m²の導電層
を設け、他の片側には比較例２と同様の導電層
（塗工量約3g／m²）を設け、導電性支持体を製造
した。試験例実施例１〜４及び比較例１〜３の導電性支持体
を下記表に示す雰囲気中で４時間以上調湿したの
ち、表面抵抗及び体積抵抗を測定した。これらの
抵抗値はJIS Ｃ−2122規格に準ずる電極を有する
測定器を用いリング法で測定した。またアクリル樹脂の40％トルエン溶液100g、
炭酸カルシウム20g及びトルエン80gの混合物を
ホモミキサーで１時間分散し、この分散液を実施
例１〜４及び比較例１〜３の支持体の導電層上に
塗布したのち乾燥し、塗工量約5g／m²の誘電層
を設けて静電記録体を製造した。これらの静電記
録体にフアクシミリで画像形成を行い、その画像
濃度を測定した。フアクシミリとしては、線密度
16l／mmで一成分系キヤリアレストナーを使用し
ている市販品を用いた。画像濃度は、マクベス反
射濃度計（RD₅₁₄）を用いて全黒記録を測定し
た。記録は全黒画と線画を評価した。その結果を
下記表に示す。表中の○印は全黒画の荒れ等の画
質不良及び線画の抜けのないことを示す。また−
印は評価不能又は不良であることを示す。なお表
中の濃度は静電記録体の画像濃度を意味する。

【表】

Claims

【特許請求の範囲】

１基材の片面又は両面に、表面を金属酸化物で
被覆した繊維状チタン酸カリウム及びバインダー
を固形分比３：７〜７：３の割合で含有する導電
層を有する導電性支持体。