JPH0536376Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は釣竿の竿尻構造に関する。

（従来の技術） 一般に釣竿は、その竿尻近くに設けた握り部を
保持した場合には、釣竿の重心がこの握り部より
も竿先側に寄つた位置に来ることになるのであつ
て、かゝる重心が握り部から離れるほど、釣竿が
その自重以上に重く感じる所謂竿の持ち重りが生
じる。

そこで従来では、例えば実開昭63−174671号公
報に示されている如く、ロツド本体の竿尻側開口
を閉鎖する尻栓にねじ孔を形成する一方、前記ロ
ツド本体の竿尻内に遊挿可能な円柱状のバランス
ウエイトを別途形成し、該バランスウエイトの一
端側を前記ねじ孔に螺着して、該バランスウエイ
トを前記尻栓に組付けることで、釣竿の重心を竿
尻側に移行させて、竿の持ち重りを解消しようと
するものが提案されている。

（考案が解決しようとする課題） ところで、以上の構造のものでは、ロツド本体
及びバランスウエイトの加工精度の誤差を考慮し
て、前記バランスウエイトの外径を前記竿尻内周
面の直径よりも一回り小さく形成しているのであ
つて、そのため前記バランスウエイトの外周面と
竿尻の内周面との間に隙間が生じている。

しかして以上の構造を例えば振り込み動作が激
しく行われる投げ竿に適用した場合、竿の振り込
みに伴い、質量の大きな前記バランスウエイト
が、慣性力により前記ロツド本体に対して振れた
り或いは弾性を有する前記ロツド本体が撓むなど
により、前記バランスウエイトの遊端部と前記竿
尻の内周面とが当接して、そのシヨツクが竿尻近
くを握つている手に伝わり、釣人に不快感を与え
る不具合がある。

本考案は以上の実情に鑑みて開発したもので、
目的とするところは、釣竿の持ち重りを解消する
ことが出来るのは勿論のこと、使用時、バランス
ウエイトと竿尻内周面とが不用意に当ることのな
い釣竿の竿尻構造を提供するにある。

（課題を解決するための手段） しかして本考案は、尻栓２に、前記竿尻１０の
内側に挿入するバランスウエイト３を取付けると
共に、このバランスウエイト３の外周面に、前記
竿尻１０の内周面と接触する弾性体４を設けたこ
とを特徴とするものである。また、前記バランス
ウエイト３は、複数個のウエイト体３０により形
成して、これらウエイト体３０を相互に着脱可能
に連結してもよい。

（作用） 本考案によれば、釣竿の振り込み時、バランス
ウエイト３がロツド本体１に対して振れようとし
たり、該ロツド本体１が撓もうとしても、前記弾
性体４により、前記バランスウエイト３の遊端部
と竿尻１０の内周面とが当接するのを防止するの
である。 また、前記バランスウエイト３を、複
数個のウエイト体３０により形成して、これらウ
エイト体３０を相互に着脱可能に連結した場合に
は、釣人がウエイト体３０の個数を選択できるか
ら、釣人の好みに応じた竿バランスに調整するこ
とができるのである。

（実施例） 図面では投げ竿の竿尻構造を示し、図において
１は、高強度繊維に合成樹脂を含浸させたプリプ
レグを巻装して中空状に形成したロツド本体であ
つて、該ロツド本体１における竿尻１０側の開口
部内周には雌ねじ１１を周設している。

尚、実施例では、握つた時に竿の方向性がでや
すいようにするため、前記竿尻１０の断面形状を
卵形にしている。

また２は前記竿尻１０の開口を閉鎖する尻栓で
あつて、この尻栓２は、筒状の栓本体２ａと、こ
の栓本体２ａの軸方向一端側を覆う合成樹脂又は
ゴム製のカバー体２ｂとから成り、前記栓本体２
ａにはバランスウエイト３を螺着するためのねじ
孔２１を形成すると共に、この栓本体２ａの軸方
向他端部には、前記雌ねじ１１に螺合可能なねじ
筒部２２を一体形成している。

尚、前記栓本体２ａの一端側外周には環状の係
止溝２３を設け、前記カバー体２ｂの開口端には
前記係止溝２３に係合する嵌合突起２４を設け
て、この嵌合突起２４の前記係止溝２３への嵌合
によりカバー体２ｂを栓本体２ａに結合してい
る。

また、前記尻栓２に組付けるバランスウエイト
３は、複数個のウエイト体３０から構成している
のであつて、具体的には、前記竿尻１０の内周形
状よりも一回り小径とした円柱状のウエイト体３
０を、例えば銅又は真鍮などの金属材料から形成
して、各ウエイト体３０の軸方向一端に、第１図
に示す如く外周に前記ねじ孔２１に螺合するねじ
を周設したねじ軸部３１を突設すると共に、軸方
向他端部には、前記ねじ軸部３１が螺合可能なね
じ孔３２を形成し、前記ねじ軸部３１の前記ねじ
孔３２への螺着により、前記各ウエイト体３０を
相互に連結するようにしている。

しかして第１図に示す実施例では、前記各ウエ
イト体３０の外周面に、断面半円形の環状溝３３
を周設する一方、断面円形としたリング状の弾性
体４を合成ゴムから形成して、この弾性体４を、
前記バランスウエイト３の遊端に位置するウエイ
ト体３０の環状溝３３に弾性的に嵌合保持させ、
前記尻栓２の前記ロツド本体１への組付けに伴
い、前記弾性体４を前記竿尻１０の内周面に接触
させるようにしている。この弾性体４の竿尻内周
面への接触は、全面接触である他、部分接触であ
つてもよい。

以上の竿尻構造を備えた釣竿にあつては、前記
尻栓２を前記ロツド本体１から取り外し前記バラ
ンスウエイト３のウエイト体３０の連結個数を任
意変更して、釣人の好みに応じた竿バランスに調
整した上で、該バランスウエイト３の遊端側に位
置するウエイト片３０の環状溝３３に前記弾性体
４を嵌め、しかる後、前記尻栓２を前記ロツド本
体１の竿尻１０側開口に螺着するのであつて、該
尻栓２の前記ロツド本体１への組付けにより、前
記弾性体４の外周が前記竿尻１０の内周面に弾性
的に接触するのである。

しかして以上の釣竿で仕掛けを遠方に投入すべ
く振り込むと、前記バランスウエイト３が振り込
み時の慣性力で前記ロツド本体１の竿尻１０に対
して振れようとしたり、或いは前記ロツド本体１
が撓むことがあるが、かゝる場合でも前記弾性体
４の介在により、前記バランスウエイト３の遊端
部と前記竿尻１０の内周面とが当接することはな
いのである。

又、以上の実施例では、栓本体２ａとカバー体
２ｂとから成る尻栓２の前記栓本体２ａに、前記
カバー体２ｂを結合するための係止溝２３と連続
しないねじ筒部２２を設けたが、その他第２図に
示す如く前記ねじ筒部２２を前記係止溝２３と連
続させて、前記ねじ筒部２２の竿尻１０内周面へ
の螺着時、前記係止溝２３に嵌合した嵌合突起２
４を前記竿尻１０の端面に押圧してこの嵌合突起
２４を弾性変形させ、該嵌合突起２４の弾性復元
作用で前記栓本体２ａの緩みを防ぐように構成し
てもよい。この場合、前記カバー体２ｂは合成ゴ
ムなどの弾性変形可能な材料で形成するのであ
る。

（考案の効果） 以上の如く本考案は、尻栓２に、前記竿尻１０
の内側に挿入するバランスウエイト３を取り付け
ると共に、このバランスウエイト３の外周面に、
前記竿尻１０の内周面と接触する弾性体４を設け
たことにより、前記バランスウエイト３が前記ロ
ツド本体１に対して振れたり、或いは前記ロツド
本体１が撓むなどしても、前記弾性体４により前
記バランスウエイト３と前記竿尻１０の内周面と
の当接を防止することが出来、従つて、本考案に
よれば、釣竿の持ち重りを解消することが出来な
がら、しかも釣竿の振り込み時、バランスウエイ
ト３と竿尻１０との当接に伴うシヨツクが手に伝
わつて釣人に不快感を与えるような不具合を解消
することが出来るに至つたのである。

また、前記バランスウエイト３を、複数個のウ
エイト体３０により形成して、これらウエイト体
３０を相互に着脱可能に連結した場合には、釣人
がウエイト片３０の個数を選択できるから、釣人
の好みに応じた竿バランスに調整することができ
るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかゝる竿尻構造の一実施例を
示す一部切欠拡大側面図、第２図は他の実施例を
示す一部切欠拡大側面図である。 １……ロツド本体、１０……竿尻、２……尻
栓、３……バランスウエイト、４……弾性体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ロツド本体１の竿尻１０に、該竿尻１０の解
   放部を閉鎖する尻栓２を取付けて成る釣竿の竿
   尻構造であつて、前記尻栓２に、前記竿尻１０
   の内側に挿入するバランスウエイト３を取付け
   ると共に、このバランスウエイト３の外周面
   に、前記竿尻１０の内周面と接触する弾性体４
   を設けたことを特徴とする釣竿の竿尻構造。 ２ バランスウエイト３は、複数個のウエイト体
   ３０から成り、これらウエイト体３０を相互に
   着脱可能に連結している請求項１記載の釣竿の
   竿尻構造。