JPH0536150A - 磁気記録再生装置の回転ヘツド装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転ヘッド接続され、回転している信号増幅
器に安定な電源供給を可能にする 【構成】 外周に磁気テープを巻回する環状ドラムに配
設された回転ヘッドと、回転ヘッドに接続され、所定の
信号処理を行う信号増幅器と、回転ヘッドと共に一体回
転し、磁束の変化によって交流信号を発電する回転コイ
ルと、回転コイルに対向して固定配置された発電マグネ
ットと、回転コイルで発電される交流信号を整流して信
号増幅器の電源に加える整流器と、通電によってに回転
力を発生し、回転ヘッドを回転させる電動機とを具備す
るとともにダイオードと平滑コンデンサーとで構成され
る整流器と回転コイルとを同一基板に配設した磁気記録
再生装置の回転ヘッド装置である。 【効果】 回転ヘッドとともに回転する記録・再生増幅
器に非接触で電源供給を行うことが可能になり、ＶＴＲ
の信頼性向上に寄与出来るとともに回転ヘッド装置の小
型化が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は主に映像信号を磁気テー
プに記録（又は再生）する磁気記録再生装置（以下ＶＴ
Ｒと称する。）の回転ヘッド装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来よりＶＴＲの回転ヘッド装置は、回
転ヘッドからの再生信号を回転ヘッドとともに回転する
一次側の回転トランスに加え、これに対応した固定二次
側からＶＴＲの前置増幅器に加える構成が一般的であっ
た。近年ＶＴＲは高画質化が進行し、回転ヘッドととも
に前置増幅器を回転させる構成の回転ヘッド装置が提供
されている。以下従来例について図面を用いて説明す
る。

【０００３】図５は従来例の回転ヘッド装置の断面図を
示し、１は回転ヘッドで、磁気テープ（図示せず）から
記録信号を再生可能である。２はヘッドベースで先端に
回転ヘッド１を接着固定し、ビス３で環状の回転ドラム
４の下端に固定されている。５は固定下ドラムで外周面
に磁気テープを案内可能である。６は回転ディスクで、
中心部の回転軸７に固定され、軸受け８、８’に支持さ
れて回転自在である。９は回転軸７の下端部にビス１０
で締め付け固定されたスラスト止め具、１１はスラスト
止め具９にビス１２で締め付け固定された電動機のロー
タ、１３は電動機のロータ１１に接着固定されたマグネ
ット、１４は電動機のステータコイルで、通電すればロ
ータ１１に回転力が発生する。１５は回転ディスク６と
軸受け８との間のスペーサ、１６は回転ドラム４を回転
ディスク６に締め付け固定するビス、１７は回転ディス
ク６の下方部に接着固定された回転トランスの一次側コ
アーで、回転ヘッド１及び回転ヘッド１に対して１８０
゜離間して設けられた回転ヘッド１’（図示せず）のそ
れぞれに記録（又は再生）信号の伝達を行う一次巻線が
溝部に設けられている。１８は回転トランスの一次側コ
アー１７に対向して固定下ドラム５の内部に接着固定さ
れた回転トランスの二次側コアーで、溝部には二次巻線
が設けられている。１９はスペーサ２０を介してビス２
１で回転ディスク６の上端部に締め付け固定されたスリ
ップリング取り付け具、２２はスリップリングの電極２
３、２４、２３ｅ、２４ｅを絶縁保持するスリップリン
グ保持具で、スリップリング取り付け具１９に接着固定
されている。２５、２６、２５ｅ、２６ｅはスリップリ
ングの電極２３、２４、２３ｅ、２４ｅに対応して接触
しているブラシ、２７はブラシ２５、２６、２５ｅ、２
６ｅを絶縁保持するブラシ保持具で、ＶＴＲ本体のブラ
シ取り付け板２８に接着固定されている。２９はビス３
０で回転ドラム４の上方部に固定された回路基板、３１
は回路基板２９に構成された前置増幅手段で、回転ヘッ
ド１、１’からの再生信号を個々に増幅して、回転トラ
ンスの一次側コアー１７の一次巻線に加わる。

【０００４】次に図６は、従来例の回転ヘッド装置にお
ける回転ヘッド１、１’からの再生信号の流れを示す結
線図を示し、回転ヘッド１、１’からの再生信号は前置
増幅手段３１に加えられ、所定の信号処理が成され、回
転トランスの一次側コアー１７の溝部に設けられている
一次巻線１７ａ、１７ｂに加わり、回転トランスの二次
側コアー１８の溝部に設けられている二次巻線１８ａ、
１８ｂに出力し、後続の信号処理回路に加わる。前置増
幅手段３１を動作させる為の電源は、スリップリングの
電極２３、２４に接触しているブラシ２５、２６を通じ
て＋Ｖｃｃ、ＧＮＤがそれぞれ供給される。第６図の破
線３２で囲まれた部分は回転ドラム４とともに回転し、
破線３２の外部は固定部を示す。

【０００５】次に図５、図６の従来例における動作につ
いて説明する。ＶＴＲを再生状態にすれば、１４の電動
機ステータコイルが通電されて、ロータ１３に回転力が
発生し、ロータ１３にされたスラスト止め具９、回転軸
７、回転ディスク６、回転トランスの一次側コアー１
７、回転ドラム４、回転ヘッド１、１’、スリップリン
グの電極２３、２４、２３ｅ、２４ｅ等の回転軸に固定
された部分が回転する。そして、スリップリングの電極
２３、２４に対して接触しているブラシ２５、２６を通
じて前置増幅手段３１に＋ＶｃｃとＧＮＤの電源が供給
され、前置増幅手段３１が動作状態に至り、回転ヘッド
１、１’からの再生信号を個々に増幅して、回転トラン
スの一次側コアー１７の一次巻線１７ａ、１７ｂに加わ
り、これに対応した二次側コアー１８の二次巻線１８
ａ、１８ｂに出力し、後続の信号処理回路に加わる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】以上、記述した従来例
の回転ヘッド装置では、前置増幅手段３１を動作させる
ための電源をスリップリングの電極２３、２４に対応し
て接触しているブラシ２５、２６を通じて供給する構成
であるから、ＶＴＲの再生状態において、回転ヘッド
１、１’とともにスリップリングの電極２３、２４も回
転し、ブラシ２５、２６はスリップリングの電極２３、
２４に対して回転接触することになる。従って、ＶＴＲ
の長時間再生状態において、回転しているスリップリン
グの電極２３、２４とブラシ２５、２６との接触部分が
摩耗することや接触部分に空気中のゴミ、ホコリ等が付
着し、スリップリングの電極２３、２４とブラシ２５、
２６との電気的接触状態が変化し、前置増幅手段３１に
安定した電源供給が行えない等の理由により、ＶＴＲの
信頼性を低下させる原因になっていた。また、近年ＶＴ
Ｒの高密度記録化が進行し、例えばＮＴＳＣ映像信号の
約２倍の水平走査線を有する高品位ＶＴＲや、ＮＴＳＣ
映像信号をＡ／Ｄ変換して磁気テープにデジタル記録す
るデジタルＶＴＲにおける回転ヘッド装置は、高周波信
号を記録、再生する必要があり、回転する前置増幅手段
の消費電力増加や従来の回転ヘッド装置の回転数に対し
て４倍〜５倍以上で高速回転することが要求されてい
る。

【０００７】これらの高速回転に対応した回転ヘッド装
置に前述したスリップリング２３、２４とブラシ２５、
２６との接触による電源供給を行なった場合には、スリ
ップリング２３、２４とブラシ２５、２６とが高速回転
接触するためにそれぞれの摩耗時間がさらに短くなり、
ＶＴＲの信頼性をより低下させるとともに内臓する増幅
手段の消費電力増加に対してはスリップリングとブラシ
とをさらに増加させる必要があり、回転ヘッド装置の大
型化に至る等の課題があった。

【０００８】本発明は、従来の課題を解決し、回転ヘッ
ド接続され、回転している記録・再生増幅器に小型で安
定な電源供給を可能にすることを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明では、外周に磁気テープを巻回する環状ドラム
に配設された回転ヘッドと、回転ヘッドに接続され、所
定の信号処理を行う信号増幅器と、回転ヘッドと共に一
体回転し、磁束の変化によって交流信号を発電する回転
コイルと、回転コイルに対向して固定配置された発電マ
グネットと、回転コイルで発電される交流信号を整流し
て前記信号増幅器の電源に加える整流器と、通電によっ
てに回転力を発生し、回転ヘッドを回転させる電動機と
を具備するとともにダイオードと平滑コンデンサーとで
構成される整流器と回転コイルとを同一基板に配設した
磁気記録再生装置の回転ヘッド装置である。

【００１０】

【作用】上記の手段により、ＶＴＲ使用状態において電
動機を通電し、回転ヘッドとともに回転コイルを回転さ
せれば、発電マグネットから回転コイルを通過している
磁束が回転コイルの移動によって方向変化し、回転コイ
ルには通過する磁束の方向変化にともなって交流信号が
発電される。回転コイルで発電された交流信号を回転コ
イルと同一基板に配設した整流器に加え、ダイオードと
平滑コンデンサーとで整流し、所定の電圧に安定化して
信号増幅器の電源に加わるように作用する。

【００１１】

【実施例】以下本発明による回転ヘッド装置の一実施例
を図１〜図４とともに述べる。なお、本発明と関係無い
部分は図５、図６の従来例と同一番号、同一符号とし、
重複説明を省略する。

【００１２】図２は本発明による一実施例の回転ヘッド
装置の断面図を示し、図３は本発明による一実施例の回
転ヘッド装置に構成された回転コイルと発電マグネット
の拡大断面図を示し、第４図は本発明による一実施例の
回転ヘッド装置に構成された回転コイルと整流器の拡大
平面図を示す。４２は再生ヘッド、４３は記録ヘッドを
示し、それぞれの先端が回転ドラム４の磁気テープ巻回
外周面４ａから突出配置されている。４４はビス４４’
で回転ドラム４の上方部に固定された回路基板を示し、
再生ヘッド４２からの再生信号を増幅する再生増幅器３
１ａと記録信号を増幅して記録ヘッド４３に加える記録
増幅器３１ｂとが構成されている。４５は回路基板４４
の固定部材を示す。４６は固定下ドラムで外周面に磁気
テープの走行高さ位置をヘリカル状に規制するリードが
構成されている。４７、４８は固定下ドラム４６の内部
に接着固定された円筒型回転トランスの固定コアー、４
９、５０は回転ディスク６に接着固定された円筒型回転
トランスの回転コアー、５１は円筒型回転トランスの固
定コアー４８の端部に構成された信号伝達端子、５２は
信号伝達端子５１の補強部材、５３は円筒型回転トラン
スの回転コアー４９の端部に構成された信号伝達端子、
５４は信号伝達端子５１の補強部材、５５は信号伝達端
子５１の接続基板をそれぞれ示す。

【００１３】５６は回転軸７の下端部にビス１０で締め
付け固定されたスラスト止め具、５７はスラスト止め具
５６にビス１２で締め付け固定された電動機のロータ、
５８はロータ５７の端部外周に接着固定された周波数発
生環状マグネット、５９はロータ５７の内側に接着固定
されたメインマグネット、６０はビス６１で固定下ドラ
ム４６の端部に固定された電動機のステータコア、６２
は電動機のステータコア６０に巻回されたステータコイ
ル、６３はビス６４でスペーサ６５に固定された電動機
の配線基板を示し、外周側には周波数発生環状マグネッ
ト５８に対向して、周波数発生環状マグネット５８の回
転磁束の変化を電気信号に変換する周波数発生パターン
コイルが構成されている。６６はメインマグネット５９
の端部に対向して電動機の配線基板６３に固定されたメ
インマグネット回転位相検出器を示し、メインマグネッ
ト５９回転による磁束変化を電気信号に変換して、ステ
ータコイル６２の通電を順次切り替えて、ロータ５７に
回転力を発生させる。

【００１４】６７は固定下ドラム４６の内部に接着固定
された発電マグネット、６８は発電マグネット６７の内
側に固定された固定側磁気シールドで、発電マグネット
６７から円筒型回転トランスの固定コアー４７及び円筒
型回転トランスの回転コアー４９に混入する漏洩磁束を
シールドする。６９は発電マグネット６７に対向配置さ
れた積層型の回転コイルで、通過する磁束の変化によっ
て交流信号を発電する。７０は回転コイル６９を固定す
るプリント基板で、発電マグネット６７から再生ヘッド
４２及び記録ヘッド４３に混入する漏洩磁束をシールド
する回転側磁気シールド７１に接着固定されている。回
転側磁気シールド７１は内側に設けられたガイド穴７
１’にビスを案内して回転ディスク６の下側端部に締め
付け固定され、回転ディスク６とともに一体回転する如
く構成されている。７２はプリント基板７０に固定され
たダイオードを示し、回転コイル６９で発電される交流
信号を整流して、プリント基板７０に固定された平滑コ
ンデンサー７３、７４で充電する整流器を構成してい
る。７５はレギュレータを示し、整流器の出力を所定の
直流電圧に安定化して再生増幅器３１ａ、記録増幅器３
１ｂの電源に加える。７６はレギュレータ７５の出力に
接続されたコンデンサーを示す。

【００１５】回転コイル６９、ダイオード７２、平滑コ
ンデンサー７３及び７４、レギュレータ７５、コンデン
サー７６のそれぞれは第４図に示す如く、回転側磁気シ
ールド７１の内側外周に設けられたプリント基板７０に
複数個固定され、プリント配線によって接続されてい
る。また平滑コンデンサー７４、コンデンサー７６は回
転コイル６９の内側に設けられている。図４の一点鎖線
６７ａ、６７ｂは発電マグネット６７の外周、内周を示
し、回転コイル６９の向軸心部が発電マグネット６７に
対向する構成である。

【００１６】次に図１は本発明による一実施例の回転ヘ
ッド装置主要部の結線図であり、動作について説明す
る。ＶＴＲを動作状態にし、電動機のステータコイルを
順次通電すれば、ロータに回転力が発生し、第１図の破
線７７で囲まれた部分が矢印７８方向に回転する。回転
コイル６９は発電マグネット６７に対向して回転するか
ら回転コイル６９の向軸心部を通過している磁束が回転
コイル６９の移動によって方向変化し、回転コイル６９
に交流信号が発電される。回転コイル６９で発電された
交流信号は破線７０で示すプリント基板に回転コイル６
９とともに配設された整流器・電源レギュレータ７９に
加わり、ダイオードと平滑コンデンサーとの整流作用で
整流され、レギュレータで所定の電圧に安定化して再生
増幅器３１ａ、記録増幅器３１ｂの電源にそれぞれ供給
される。そして、再生増幅器３１ａ、記録増幅器３１ｂ
が動作状態に至り、ＶＴＲが記録モードであれば、記録
信号が円筒型回転トランスに巻回された記録信号伝達コ
イル４８ａ、４８ｂ、５０ａ、５０ｂを通じて記録増幅
器３１ｂに加わり、増幅されて記録ヘッド４３、４３’
に供給され、磁気テープに新規な磁化トラックが形成さ
れる。

【００１７】また、再生ヘッド４２、４２’からの再生
信号は再生増幅器３１ａに加わり、増幅されて円筒型回
転トランスに巻回された再生信号伝達コイル４９ａ、４
９ｂ、４７ａ、４７ｂを通じて後続の信号処理回路に供
給される。第１図の８０、８１は回転ヘッド停止状態に
おける再生増幅器３１ａ、記録増幅器３１ｂを動作させ
るための外部電源供給端子を示す。

【００１８】以上、本発明を環状の回転ドラムとともに
回転ヘッドを回転させる回転ヘッド装置に適応した実施
例について記述したが本発明は環状の固定ドラムの間に
回転ヘッドを配設した回転ヘッド装置に実施可能であ
る。

【００１９】

【発明の効果】以上述べたように、本発明は発電マグネ
ットに対向して回転コイルを回転させ、回転コイルで発
電された交流信号を回転コイルと同一基板に配設した整
流器に加え、ダイオードと平滑コンデンサーとで整流
し、所定の電圧に安定化して信号増幅器の電源に加わえ
る構成であるから回転ヘッドとともに回転する記録・再
生増幅器に非接触で電源供給を行うことが可能になり、
従来例のスリップリングの電極とブラシとの回転接触
で、前置増幅手段に電源供給を行う構成の課題を完全に
解決可能であり、ＶＴＲの信頼性向上に寄与出来るとと
もに回転ヘッド装置の小型化が可能になる。さらに、本
発明は高品位ＶＴＲやデジタルＶＴＲ等の高周波信号を
記録、再生する高速回転型の回転ヘッド装置に実施した
場合においても、同様な効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による一実施例の回転ヘッド装置の主要
部結線図

【図２】同回転ヘッド装置の断面図

【図３】同回転ヘッド装置に構成された回転コイルと発
電マグネットの拡大断面図

【図４】同回転ヘッド装置に構成された回転コイルと整
流器の拡大平面図

【図５】従来例の回転ヘッド装置の断面図

【図６】同回転ヘッドからの再生信号の流れを示す結線
図

【符号の説明】

４ 回転ドラム、 ３１ａ 再生増幅器 ３１ｂ 記録増幅器 ４２，４２’ 再生ヘッド ４３，４３’ 記録ヘッド ５７ 電動機のロータ ６０ 電動機のステータコア ６７ 発電マグネット ６９ 回転コイル ７０ プリント基板 ７２ ダイオード ７３，７４ 平滑コンデンサー ７５ レギュレータ ７６ コンデンサー

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】外周に磁気テープを巻回する環状ドラムに
   配設された回転ヘッドと、前記回転ヘッドに接続され、
   所定の信号処理を行う信号増幅器と、前記回転ヘッドと
   共に一体回転し、磁束の変化によって交流信号を発電す
   る回転コイルと、前記回転コイルに対向して固定配置さ
   れた発電マグネットと、前記回転コイルで発電される交
   流信号を整流して前記信号増幅器の電源に加える整流器
   と、通電によって回転力を発生し、前記回転ヘッドを回
   転させる電動機とを具備したことを特徴とする磁気記録
   再生装置の回転ヘッド装置。
2. 【請求項２】ダイオードと平滑コンデンサーとで構成さ
   れる前記整流器と前記回転コイルとを同一基板に配設し
   たことを特徴とする請求項１記載の磁気記録再生装置の
   回転ヘッド装置。