JPH0535747U - 長尺青果物の包装用シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】長尺青果物の商品価値及び鮮度が損なわれるの
を防止し、且つ、箱詰め作業の能率アップを図ることの
できる長尺青果物の包装用シートを提供する。 【構成】包装用シート１を構成するシート本体２の各凹
状収納部３に胡瓜Ｋを夫々収納し、透明又は半透明の保
護フィルム４を各凹状収納部３に被覆して、これら各凹
状収納部３の周縁部と保護フィルム４とを一体的に接合
して真空包装又はシュリンク包装した後、ダンボール製
の箱体に包装用シート１を所定段数に積重ねて箱詰めす
るので、運搬時に於いて各凹状収納部３に収納した胡瓜
Ｋが互いに接触するのを確実に防止できる。これら各凹
状収納部３に被覆した保護フィルム４を剥離するまで胡
瓜Ｋに外気が触れず、胡瓜Ｋの鮮度が損なわれるのを積
極的に防止できる。一回の箱詰め作業で複数本の胡瓜Ｋ
を一括して箱詰めするので、箱詰め作業の能率アップを
図ることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、例えば、胡瓜、人参、長芋、長茄子等の長尺青果物を箱詰めする のに便利な長尺青果物の包装用シートに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、上述例のような胡瓜を生産者が出荷する場合、例えば、図６に示すよう に、ダンボール製の箱体５内部にビニール袋６を敷設した後、生産者側から持ち 込まれる大量の胡瓜Ｋを作業者の手で保持して、箱体５内部に敷設されたビニー ル袋６に胡瓜Ｋの向きを手作業で揃えて箱詰めした後、所定量の胡瓜Ｋが箱詰め された箱体５の上面側開口部を封函処理してトラック等で運搬する方法がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上述のように箱体５内部のビニール袋６に胡瓜Ｋを直接積重ねて箱詰 めした場合、運搬時に生じる振動により多数本箱詰めした各胡瓜Ｋ…が互いに擦 れ合うので、胡瓜Ｋの表面に付いた突起が剥がれ落ちたり、胡瓜Ｋの表面に打ち 傷や擦り傷等が付くことがあり、胡瓜Ｋとしての商品価値が損なわれてしまうと いう問題点を有している。且つ、多数本の各胡瓜Ｋ…を手作業で順次箱詰めする ため、生産者側から持ち込まれる大量の胡瓜Ｋを箱詰めするのに手間及び時間が 掛るだけでなく、大量の胡瓜Ｋを短時間で箱詰めするためには複数人の作業者が 必要であるという問題点を有している。

【０００４】 この考案は上記問題に鑑み、包装シートを構成するシート本体の各凹状収納部 に長尺青果物を夫々収納して、該各凹状収納部の上面側に保護フィルムを被覆す ることにより、長尺青果物の商品価値及び鮮度が損なわれるのを防止できると共 に、箱詰め作業の能率アップを図ることができる長尺青果物の包装用シートの提 供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案は、シート本体の上面側幅方向に長尺青果物を横向き姿勢に収納する 凹状収納部を形成し、該凹状収納部をシート本体の上面側長さ方向に対して複数 個形成すると共に、上記長尺青果物が収納された凹状収納部の上面側に保護フィ ルムを被覆して、該凹状収納部の上面側周縁部と保護フィルムの下面側とを一体 的に接合した長尺青果物の包装用シートであることを特徴とする。

【０００６】

【考案の効果】

この考案によれば、包装用シートの上面側に形成した各凹状収納部に胡瓜や長 芋等の長尺青果物を夫々収納し、複数本の長尺青果物を所定間隔に離間した状態 のまま箱詰めするので、これら各凹状収納部に収納された長尺青果物が互いに接 触するのを防止でき、例えば、胡瓜の表面に付いた突起が剥がれ落ちたり、胡瓜 の表面に打ち傷や擦り傷等が付いたりせず、運搬時に於いて長尺青果物の商品価 値が損なわれるのを確実に防止することができる。且つ、各凹状収納部に被覆し た保護フィルムを剥離するまで長尺青果物に外気が触れず、包装時の新鮮な状態 を長期間保つことができ、運搬途中に於いて長尺青果物の鮮度が損なわれるのを 積極的に防止できる。

【０００７】 しかも、複数本の長尺青果物を包装用シートの各凹状収納部に収納した状態の まま箱詰めするので、一回の箱詰め作業で複数本の長尺青果物を一括して箱詰め することができ、従来例のように生産者側から持ち込まれる大量の長尺青果物を １本ずつ箱詰めするような手間及び作業が省けると共に、箱詰め回数及び作業時 間が大幅に削減され、作業の能率アップを図ることができる。加えて、箱体から 包装用シートを取出したとき、そのまま小売店等に長尺青果物を陳列するのにも 利用することができる。

【０００８】

【実施例】

図面は長尺青果物の一例として所定本数分の胡瓜を箱詰めするために用いられ る第１実施例の包装用シートを示し、図１及び図２に於いて、この包装用シート １は、再生紙等の紙材で形成したシート本体２の上面全体を樹脂コーティングし て、同シート本体２の上面全体に水密性及び気密性を有する被膜（図示省略）を 一体形成し、同シート本体２の上面側幅方向に１本分の胡瓜Ｋを横向き姿勢に収 納する大きさの凹状収納部３を形成すると共に、同凹状収納部３をシート本体２ の上面側長さ方向に対して所定等間隔に隔てて複数個形成している。

【０００９】 すなわち、包装用シート１を構成するシート本体２の各凹状収納部３…に等階 級に選別された胡瓜Ｋを１本ずつ夫々収納した後、透明又は半透明に形成した合 成樹脂製の保護フィルム４をシート本体２の上面全体に被覆し、真空状態に抜気 しながら各凹状収納部３…の上面側周縁部と保護フィルム４の下面側とを一体的 に接合して真空包装又はシュリンク包装することで、これら各凹状収納部３…に 収納した各胡瓜Ｋ…の突出側周面上に保護フィルム４が密着固定される。真空包 装又はシュリンク包装後に於いて、これら各凹状収納部３…を連結しているシー ト本体２の各連結部分２ａ…にミシン目２ｂを夫々形成する。

【００１０】 上述の包装用シート１を構成するシート本体２の各凹状収納部３…に胡瓜Ｋを 夫々収納して箱詰めする場合、図３及び図４に示すように、箱形態に製函された ダンボール製の箱体５内部にビニール袋６を開口して敷設し、同箱体５の上面側 周縁部に形成した各フラップ５ａ…にビニール袋６の開口側周縁部を被覆固定す る。この後、多数枚積重ねられた１枚目の包装用シート１を取り出して、同包装 用シート１を構成するシート本体２の各凹状収納部３…に選別された胡瓜Ｋを１ 本ずつ夫々収納した後、透明又は半透明の保護フィルム４をシート本体２の上面 全体に被覆し、真空状態に抜気しながら各凹状収納部３…の上面側周縁部と保護 フィルム４の下面側とを一体的に接合して真空包装又はシュリンク包装する。

【００１１】 次に、包装された包装用シート１を水平姿勢に両手で保持して、ダンボール製 の箱体５内部に敷設したビニール袋６に包装用シート１を１枚ずつ収納すると共 に、同包装用シート１を上下方向に順次積重ねて箱体５の前後部に複数段箱詰め する。この後、多数本の胡瓜Ｋが箱詰めされたダンボール製の箱体５を自動封函 機（図示省略）に供給して封函処理し、封函済みの箱体Ｋを運搬用トラック（図 示省略）に順次積込んで出荷する。

【００１２】 このように包装用シート１を構成するシート本体２の各凹状収納部３…に胡瓜 Ｋを１本ずつ夫々収納し、例えば、９本の胡瓜Ｋを所定間隔に離間した状態のま ま箱詰めするので、これら各凹状収納部３…に収納された胡瓜Ｋが互いに接触す るのを防止でき、胡瓜Ｋの表面に付いた突起が剥がれ落ちたり、胡瓜Ｋの表面に 打ち傷や擦り傷等が付いたりせず、運搬時に於いて胡瓜Ｋの商品価値が損なわれ るのを確実に防止することができる。

【００１３】 且つ、シート本体２の連結部分２ａに形成したミシン目２ｂに沿って、同シー ト本体２の一番端に連結された凹状収納部３を分離した後、同凹状収納部３に被 覆された保護フィルム４を剥離して、同凹状収納部３に収納された胡瓜Ｋを１本 ずつ取り出すので、保護フィルム４を剥離するまで胡瓜Ｋに外気が触れず、包装 時の新鮮な状態を長期間保つことができ、運搬途中に於いて胡瓜Ｋの鮮度が損な われるのを積極的に防止できる。

【００１４】 しかも、９本分の胡瓜Ｋを包装用シート１の各凹状収納部３…に収納した状態 のまま箱詰めするので、一回の箱詰め作業で多数本の胡瓜Ｋを一括して箱詰めす ることができ、従来例のように生産者側から持ち込まれる大量の胡瓜Ｋを１本ず つ箱詰めするような手間及び作業が省けると共に、箱詰め回数及び作業時間が大 幅に削減され、作業の能率アップを図ることができる。加えて、ダンボール製の 箱体５から包装用シート１を取出したとき、そのまま小売店等に胡瓜Ｋを並べる のにも利用することができる。

【００１５】 図５は等階級に選別された多数本の各胡瓜Ｋ…を箱詰めするために用いられる 第２実施例の包装用シート１である。すなわち、シート本体２の各凹状収納部３ …を、例えば、２本分の胡瓜Ｋ，Ｋを横一列に整列収納する大きさに形成し、同 シート本体２の各凹状収納部３…に生産者側から持ち込まれる大量の胡瓜Ｋを２ 本ずつ夫々収納した後、透明又は半透明の保護フィルム４をシート本体２の上面 全体に被覆し、真空状態に抜気しながら各凹状収納部３…の上面側周縁部と保護 フィルム４の下面側とを一体的に接合して真空包装又はシュリンク包装するので 、上述の第１実施例と同等の効果が得られる。また、シート本体２の各凹状収納 部３…を、例えば、３本分又は４本分の胡瓜Ｋを横一列に整列収納する大きさに 形成してもよい。

【００１６】 この考案を構成する長尺青果物は、上述する第１実施例及び第２実施例の胡瓜 Ｋと対応するも、 この考案は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。

【００１７】 上述の実施例では包装用シート１を構成するシート本体２を再生紙等の紙材で 形成しているが、例えば、ポリプロピレンや塩化ビニール等の合成樹脂でシート 本体２を形成するもよく、この場合、シート本体２の上面全体を樹脂コーティン グする必要が無くなり、製作コストの低減を図ることができる。

【００１８】 また、渦巻き状に巻回された長尺寸法のシート本体２を１段分の箱詰め本数と 対応する長さに順次分離して、同シート本体２の各凹状収納部３…に胡瓜Ｋを１ 本ずつ夫々収納するもよい。

【００１９】 さらにまた、本考案の包装用シート１は長芋や人参、長茄子等の箱詰め作業に も適用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例に於ける胡瓜の包装状態を示す包装
用シートの斜視図。

【図２】第１実施例に於ける胡瓜の包装状態を示す包装
用シートの一部拡大縦断面図。

【図３】包装用シートの箱詰め状態を示す箱体の短手側
縦断側面図。

【図４】包装用シートの箱詰め状態を示す箱体の長手側
縦断側面図。

【図５】第２実施例に於ける胡瓜の包装状態を示す包装
用シートの一部拡大縦断面図。

【図６】従来方法による胡瓜の箱詰め状態を示す箱体の
短手側縦断側面図。

【符号の説明】

Ｋ…胡瓜 １…包装用シート ２…シート本体 ３…凹状収納部 ４…保護フィルム ５…箱体 ６…ビニール袋

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 下村 孝道 大阪府大阪市北区茶屋町１番32号 ヤンマ ー農機株式会社内 (72)考案者 石井 徹 愛媛県松山市高岡町66番地 石井工業株式 会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シート本体の上面側幅方向に長尺青果物を
   横向き姿勢に収納する凹状収納部を形成し、該凹状収納
   部をシート本体の上面側長さ方向に対して複数個形成す
   ると共に、 上記長尺青果物が収納された凹状収納部の上面側に保護
   フィルムを被覆して、該凹状収納部の上面側周縁部と保
   護フィルムの下面側とを一体的に接合した長尺青果物の
   包装用シート。