JPS6240897Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は味噌などを包装する包装容器に関す
る。

（従来の技術） 従来から、製造業者から問屋を経て小売店など
へ味噌やバターなどを却す際の輸送には通常段ボ
ール箱が使用され、これに箱詰めして運搬されて
いる。

しかして段ボール箱内に味噌類を詰納するに
は、箱内にビニールシートを敷き、その上に味噌
などを詰め、ビニールシートの端を味噌の上に折
り曲げて密閉し、フラツプにより閉蓋してから、
店頭へ輸送するようになされている。

そして店頭においては、このようにして輸送さ
れた箱詰の味噌などを販売容器中に移し換えるに
際し、段ボール箱の下底に手を掛けて反転させて
空けている。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、このような作業時には、味噌やバター
などでは通常は１箱15Kg〜20Kgと重量があるの
で、作業上軍手を使用して上記作業を行なうとき
滑りやすくなり、箱の中のものの移し換えがやり
にくいものとなつていた。

また、移し換えのために箱を逆さにしたとき、
箱の中に敷いてあるビニールシートも味噌などと
一緒に出てしまい、これを剥して回収しなければ
ならないなど、めんどうな作業が生じることにな
る。

そこでこうした段ボール箱でも、密柑用の箱の
ように箱の端面に手掛け孔をあけて、持ち運びを
容易にしたものがあるが、味噌のようなものを収
容する箱にこれを用いた場合、その手掛け孔から
光が入つて内容物が変質しやすいことや、端面に
孔があるため箱自体の強度が弱くなるという問題
があつた。

本考案はこのような事情に鑑み、上記従来技術
の問題点を解決することを目的としてなされたも
のである。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 上記従来技術の問題点を解決するため、本考案
は、中側と外側とにそれぞれ内折りして上部を閉
蓋し得る２組のフラツプを有し、前記中側に中折
りされる１組のフラツプにその側縁に対し傾斜し
て手掛け孔をそれぞれ穿設した段ボール箱と、こ
の段ボール箱内に中敷きされ味噌等を包み得る不
透水性シートとからなり、上記不透水性シートは
前記中折りされる１組のフラツプの手掛け孔を覆
う位置まで延びていることを特徴とするものであ
る。

（実施例） 以下、本考案を図面に示す一実施例により説明
する。

本考案における段ボール箱１は、第１図に示す
ように縦横各一対の側板からなる枠部２と、この
枠部２の上部にあつて中側に内折りされるように
枠部２に連設された左右１組のフラツプ３，３
と、このフラツプ３，３の外側に内折りされるよ
う枠部２に連設された前後１組のフラツプ４，４
と、この枠部２の下部にあつて中側に内折りされ
るように枠部２に連設された左右１組のフラツプ
５，５と、このフラツプ５，５の外側に内折りさ
れるよう枠部２に連設された前後１組のフラツプ
６，６とにより構成されている。

そして前記１組の各フラツプ３，３，４，４，
５，５，６，６はそれぞれ内折りされたとき、各
対向した端面間に僅かの隙間を有するような長さ
に形成されており、前記枠部２の上部にある左右
１組のフラツプ３，３には、縦横の端面７，７の
近傍から、枠部２とフラツプ３，３とでなす折曲
線８，８の中間部近傍にかけて斜方向に各手掛け
孔９，９が穿設してある。

この手掛け孔９，９は、細長い孔でも、また第
５図示のように各指が入る程度の複数個の丸孔１
０であつてもよく、第６図示のように指をかけや
すくした波形孔１１であつてもよい。さらに、取
扱い時の方向性を与えないために、第７図のよう
に前記第１図における手掛け孔１０をフラツプ３
の両端に対称的に形成してもよい。これら手掛け
孔の数は、フラツプ３，３に要求される強度を勘
案して選択される。

つぎに使用方法について味噌を包装する場合を
説明する。

本考案における段ボール箱１を構成する前記下
部の２組のフラツプ５，５，６，６を枠部２に対
して内折りして底部を形成する。

ついで、上部の２組のフラツプ３，３，４，４
を枠部２の外方に折り返して開き、箱内の底が見
えるようにしてから、その上にビニールシートな
どの不透水性シート１２を敷く。この場合不透水
性シート１２は透明または不透明の何れであつて
もよいが、この不透水性シート１２は少くとも前
記フラツプ３，３の手掛け孔９，９を覆い得る長
さを有している。

その上に味噌１３をシート１２からはみ出さな
いように載せて、ほぼ枠部２の高さに達したと
き、枠部２から突出しているシート１２の端を味
噌１３の上に覆いかぶせて外気を遮断する。

このあと、上部の２組のフラツプ３，３のうち
中側となる手掛け孔９，９を有するフラツプ３，
３を先きに内折りし、ついで外側となるフラツプ
４，４を内折りして、図示しないビニールテープ
などにより封鎖してから目的地へ運搬し、目的地
で店頭の販売用容器に移し換えることになる。

移し換えには、まず図示しない封鎖を外してか
ら、外側の１組のフラツプ４，４を箱の外側へ折
り返し、ついで、中側の１組のフラツプ３，３も
第４図示のように同様に箱の外側に折り返しして
から、味噌１３の上に覆いかぶせてあつたシート
１２の端を、前記各フラツプ３，３，４，４の上
に載せるようにして味噌１３の上面から取りのぞ
く。

この状態で作業者は左右の手をフラツプ３，３
に穿設されてある手掛け孔９，９にかけてシート
１２も一緒に持つようにして段ボール箱１を持ち
上げ、容器の上で反転させると、味噌だけが投出
され、シート１２は段ボール箱１と共に手元に残
るため、空けたあとでシートを剥ぎとるような余
分な手数が掛らない。

なお、手掛け孔９が斜めにあけられているの
で、段ボール箱を反転させたとき、指が丁度水平
になるようになつて中味を最も投出しやすい姿勢
となる。また箱については段ボール製に限らず、
板紙製等の箱であつても、同じ機能を有するもの
である。

本考案は以上説明したように構成したので、従
来のように軍手をはめて取扱つても滑ることがな
く、また孔も側板でなく内折りされるフラツプに
あけてあるので、内容物に光が当つて変質させる
欠点もなく、さらに箱の強度低下も防ぐことがで
きるなど、極めて簡単な構造でありながら種々の
効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案における段ボール箱の一実施例
を示す斜視図、第２図は本考案における段ボール
箱の使用状態を示す斜視図、第３図は第２図の箱
に味噌を入れた状態を示す断面図、第４図は味噌
を他の容器に移すためにフラツプと不透水性シー
トとを箱の外側へ折りたたんだ状態を示す断面
図、第５図、第６図および第７図は本考案の手掛
け孔の形状の他の実施例の平面図および斜視図で
ある。 １……段ボール箱、３，４……フラツプ、９…
…手掛け孔、１２……不透水性シート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中側と外側とにそれぞれ内折りして上部を閉蓋
   し得る２組のフラツプを有し、前記中側に中折り
   される１組のフラツプにその側縁に対し傾斜して
   手掛け孔をそれぞれ穿設した段ボール箱と、この
   段ボール箱内に中敷きされ味噌等を包み得る不透
   水性シートとからなり、上記不透水性シートは前
   記中折りされる１組のフラツプの手掛け孔を覆う
   位置まで延びていることを特徴とする味噌等の包
   装容器。