JP2556286Y2 - 長尺青果物の載置包装用シート - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、例えば、胡瓜、人
参、長芋、長茄子等の長尺青果物を箱詰めするのに便利
な長尺青果物の載置包装用シートに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、上述例のような胡瓜を生産者が出
荷する場合、例えば、図７に示すように、ダンボール製
の箱体５内部にビニール袋６を敷設した後、生産者側か
ら持ち込まれる大量の胡瓜Ｋを作業者の手で保持して、
箱体５内部に敷設されたビニール袋６に胡瓜Ｋの向きを
手作業で揃えて箱詰めした後、所定量の胡瓜Ｋが箱詰め
された箱体５の上面側開口部を封函処理してトラック等
で運搬する方法がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、上述のように
箱体５内部のビニール袋６に胡瓜Ｋを直接積重ねて箱詰
めした場合、運搬時に生じる振動により多数本箱詰めし
た各胡瓜Ｋ…が互いに擦れ合うので、胡瓜Ｋの表面に付
いた突起が剥がれ落ちたり、胡瓜Ｋの表面に打ち傷や擦
り傷等が付くことがあり、胡瓜Ｋとしての商品価値が損
なわれてしまうという問題点を有している。且つ、多数
本の各胡瓜Ｋ…を手作業で順次箱詰めするため、生産者
側から持ち込まれる大量の胡瓜Ｋを箱詰めするのに手間
及び時間が掛るだけでなく、大量の胡瓜Ｋを短時間で箱
詰めするためには複数人の作業者が必要であるという問
題点を有している。

【０００４】この考案は上記問題に鑑み、包装用シート
を構成するシート本体の各載置部に長尺青果物を夫々載
置し、これら各載置部に載置された長尺青果物の位置を
支持突起で夫々規制した状態のまま包装することによ
り、長尺青果物の商品価値が損なわれるのを確実に防止
でき、且つ、箱詰め作業の能率アップを図ることができ
る長尺青果物の載置包装用シートの提供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この考案は、シート本体
の上面側幅方向に長尺青果物を横向き姿勢に載置する載
置部を設定し、上記載置部をシート本体の上面側長さ方
向に仕切る位置に、該載置部に載置された長尺青果物の
位置を規制する突起を突設すると共に、上記長尺青果物
が載置されたシート本体の上面側に保護フィルムを被覆
して、該シート本体の上面側と保護フィルムの下面側と
を一体的に接合した長尺青果物の載置包装用シートであ
ることを特徴とする。

【０００６】

【考案の効果】この考案によれば、包装用シートの上面
側に形成した各載置部に胡瓜や長芋等の長尺青果物を夫
々載置し、これら各載置部に載置された長尺青果物の載
置姿勢及び載置位置を突起で夫々規制するので、長尺青
果物が互いに接触するのを防止でき、例えば、胡瓜の表
面に付いた突起が剥がれ落ちたり、胡瓜の表面に打ち傷
や擦り傷等が付いたりせず、運搬時に於いて長尺青果物
の商品価値が損なわれるのを確実に防止することができ
る。且つ、保護フィルムを剥離するまで長尺青果物に外
気が触れず、包装時の新鮮な状態を長期間保つことがで
き、運搬途中に於いて長尺青果物の鮮度が損なわれるの
を積極的に防止できる。

【０００７】しかも、複数本の長尺青果物を包装用シー
トの各載置部に載置した状態のまま箱詰めするので、一
回の箱詰め作業で複数本の長尺青果物を一括して箱詰め
することができ、従来例のように生産者側から持ち込ま
れる大量の長尺青果物を１本ずつ箱詰めするような手間
及び作業が省けると共に、箱詰め回数及び作業時間が大
幅に削減して、作業の能率アップを図ることができる。
加えて、箱体から包装用シートを取出したとき、そのま
ま小売店等に胡瓜や長芋等の長尺青果物を並べたり、販
売するのにも利用できる。

【０００８】

【実施例】この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面は長尺青果物の一例として所定本数分の胡
瓜を整列状態のまま箱詰めするために用いられる載置包
装用シートを示し、図１、図２、図３に於いて、この包
装用シート１は、再生紙等の紙材で形成したシート本体
２の上面全体を樹脂コーティングして、同シート本体２
の上面全体に水密性及び気密性を有する被膜（図示省
略）を一体形成すると共に、同シート本体２の上面側幅
方向に１本分の胡瓜Ｋを横向き姿勢に載置する載置部３
を形成し、同載置部３をシート本体２の上面側長さ方向
に対して仕切る位置に、１本分の胡瓜Ｋを載置する間隔
に隔てて突片３ａ，３ａを複数列突設して、シート本体
２の各載置部３…に載置される胡瓜Ｋの載置姿勢及び載
置位置を、これら各載置部３…を仕切る位置に突設した
突片３ａ，３ａで夫々規制する。且つ、シート本体２の
長手側両縁部に、後述する保持アーム７，７の下端部に
連結した保持板７ａ，７ａを差込むための切欠き部３
ｃ，３ｃを夫々形成している。

【０００９】すなわち、包装用シート１を構成するシー
ト本体２の各載置部３…に胡瓜Ｋを１本ずつ夫々載置
し、これら各載置部３…に載置された胡瓜Ｋの載置姿勢
及び載置位置を、これら各載置部３…を仕切る位置に突
設した突片３ａ，３ａで夫々規制する。この後、透明又
は半透明に形成された合成樹脂製の保護フィルム４をシ
ート本体２の上面全体に被覆し、真空状態に抜気しなが
らシート本体２の上面側周縁部と保護フィルム４の下面
側周縁部とを一体的に接合して真空包装又はシュリンク
包装することで、これら各載置部３…に載置した各胡瓜
Ｋ…の上部周面に保護フィルム４が密着され、これら各
胡瓜Ｋ…を整列載置した状態に位置固定することができ
る。

【００１０】上述の包装用シート１を構成するシート本
体２の各載置部３…に胡瓜Ｋを夫々載置して箱詰めする
場合、図４及び図５に示すように、箱形態に製函された
ダンボール製の箱体５内部にビニール袋６を開口して敷
設し、同箱体５の開口側周縁部に形成した各フラップ５
ａ…にビニール袋６の開口側周縁部を被覆固定する。こ
の後、多数枚積重ねられた１枚目の包装用シート１を取
り出して、同包装用シート１を構成するシート本体２の
各載置部３…に選別済みの胡瓜Ｋを１本ずつ夫々載置し
た後、透明又は半透明の保護フィルム４をシート本体２
の上面全体に被覆し、真空状態に抜気しながらシート本
体２の上面側周縁部と保護フィルム４の下面側周縁部と
を一体的に接合して真空包装又はシュリンク包装する。

【００１１】次に、包装後に於いて、包装用シート１を
構成するシート本体２の各切欠き部３ｃ，３ｃに保持ア
ーム７，７の下端部に連結した保持板７ａ，７ａを夫々
差込み、これら保持板７ａ，７ａを水平位置（仮想線位
置）に回動して、１枚の包装用シート１を保持アーム
７，７で水平姿勢に保持した後、これら保持アーム７，
７を昇降及び水平移動して、ダンボール製の箱体５内部
に敷設したビニール袋６に包装用シート１を収納する。
同時に、保持アーム７，７の下端部に連結した保持板７
ａ，７ａを垂直位置（実線位置）に回動して、包装用シ
ート１を構成するシート本体２の各切欠き部３ｃ，３ｃ
から保持アーム７，７の保持板７ａ，７ａを夫々抜取る
ことで、１枚分の包装用シート１の箱詰め作業が完了す
る。以下同様にして、ダンボール製の箱体５内部に敷設
したビニール袋６に包装用シート１を１枚ずつ順次収納
すると共に、同包装用シート１を上下方向に順次積重ね
て箱体５の前後部に複数段箱詰めする。この後、多数本
の胡瓜Ｋが箱詰めされたダンボール製の箱体５を自動封
函機（図示省略）に供給して封函処理し、封函済みの箱
体５を運搬用トラック（図示省略）に順次積込んで出荷
する。

【００１２】このように包装用シート１を構成するシー
ト本体２の各載置部３…に胡瓜Ｋを夫々載置し、これら
各載置部３…に載置された各胡瓜Ｋ…の載置姿勢及び載
置位置を突片３ａ，３ａで夫々規制するので、これら各
載置部３…に載置された胡瓜Ｋが互いに接触するのを防
止でき、胡瓜Ｋの表面に付いた突起が剥がれ落ちたり、
胡瓜Ｋの表面に打ち傷や擦り傷等が付いたりせず、運搬
時に於いて胡瓜Ｋの商品価値が損なわれるのを確実に防
止することができる。且つ、保護フィルム４を剥離して
各載置部３…に載置された胡瓜Ｋを取り出すので、保護
フィルム４を剥離するまで胡瓜Ｋに外気が触れず、包装
時の新鮮な状態を長期間保つことができ、運搬途中に於
いて胡瓜Ｋの鮮度が損なわれるのを積極的に防止でき
る。

【００１３】しかも、９本分の胡瓜Ｋを包装用シート１
の各載置部３…に載置した状態のまま箱詰めするので、
一回の箱詰め作業で多数本の胡瓜Ｋを一括して箱詰めす
ることができ、従来例のように生産者側から持ち込まれ
る大量の胡瓜Ｋを１本ずつ箱詰めするような手間及び作
業が省けると共に、箱詰め回数及び作業時間が大幅に削
減して、作業の能率アップを図ることができる。加え
て、ダンボール製の箱体５から包装用シート１を取出し
たとき、そのまま小売店等に胡瓜Ｋを並べたり、販売す
るのにも利用できる。

【００１４】図６は第２実施例の包装用シート１を示
し、同包装用シート１を構成するシート本体２の上面側
幅方向に１本分の胡瓜Ｋを横向き姿勢に載置する載置部
３を形成し、同載置部３をシート本体２の上面側長さ方
向に対して仕切る位置に、１本分の胡瓜Ｋを載置する間
隔に隔てて突条３ｂを複数条突設している。すなわち、
シート本体２の各載置部３…に胡瓜Ｋを１本ずつ夫々載
置し、これら各載置部３…に載置された各胡瓜Ｋ…の載
置姿勢及び載置位置を各突条３ｂ…で夫々規制すると共
に、同シート本体２の上面全体に透明又は半透明の保護
フィルム４を被覆して真空包装又はシュリンク包装する
ので、上述の第１実施例と同等の効果が得られる。

【００１５】この考案の構成と、上述の実施例との対応
において、この考案の長尺青果物は、第１実施例及び第
２実施例の胡瓜Ｋと対応し、以下同様に、突起は、第１
実施例の突片３ａと、第２実施例の突条３ｂとに対応す
るも、この考案は、上述の実施例の構成のみに限定され
るものではない。

【００１６】上述の実施例では包装用シート１を構成す
るシート本体２を再生紙等の紙材で形成しているが、例
えば、ポリプロピレンや塩化ビニール等の合成樹脂でシ
ート本体２を形成するもよく、この場合、シート本体２
の上面全体を樹脂コーティングする必要が無くなり、製
作コストの低減を図ることができる。

【００１７】また、渦巻き状に巻回された長尺寸法のシ
ート本体２を１段分の箱詰め本数と対応する長さに順次
切断して、シート本体２の上面側に形成した各載置部３
…に胡瓜Ｋを１本ずつ夫々載置するもよい。

【００１８】さらにまた、本考案の包装用シート１は長
芋や人参、長茄子等の箱詰め作業にも適用することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例に於ける胡瓜の包装状態を示す包装
用シートの斜視図。

【図２】第１実施例に於ける胡瓜の包装方法を示す包装
用シートの展開斜視図。

【図３】第１実施例に於ける胡瓜の包装状態を示す包装
用シートの一部拡大縦断面図。

【図４】包装用シートの箱詰め状態を示す箱体の短手側
縦断側面図。

【図５】包装用シートの箱詰め状態を示す箱体の長手側
縦断側面図。

【図６】第２実施例に於ける胡瓜の包装方法を示す包装
用シートの展開斜視図。

【図７】従来方法による胡瓜の箱詰め状態を示す箱体の
長手側縦断側面図。

【符号の説明】

Ｋ…胡瓜 １…包装用シート ２…シート本体 ３…載置部 ３ａ…突片 ３ｂ…突条 ４…保護フィルム ５…箱体 ６…ビニール袋

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シート本体の上面側幅方向に長尺青果物を
   横向き姿勢に載置する載置部を設定し、 上記載置部をシート本体の上面側長さ方向に仕切る位置
   に、該載置部に載置された長尺青果物の位置を規制する
   突起を突設すると共に、 上記長尺青果物が載置されたシート本体の上面側に保護
   フィルムを被覆して、該シート本体の上面側と保護フィ
   ルムの下面側とを一体的に接合した長尺青果物の載置包
   装用シート。