JPH0535482Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えばコンピユータの外部記憶装置
として用いられるハードデイスク装置に適用する
のに最適なデイスクプレーヤであつて、電気信号
供給用の接続部材が接続された回動自在のアーム
を具備するデイスクプレーヤに関する。

〔考案の概要〕

本考案は、支軸を中心として回動自在に構成さ
れたアームを具備し、電気信号供給用の弾性を有
する接続部材をアームと固定部との間で屈曲させ
てこれらに接続してなるデイスクプレーヤにおい
て、接続部材の屈曲部に生じる弾性反発力がほぼ
支軸の方向に向くように、接続部材の屈曲部のア
ーム側部分が当接される突部をアームに設けるこ
とにより、屈曲部の弾性反発力がアームの往復動
及び停止に悪影響を与えないようにしたものであ
る。

〔従来の技術〕

まず、従来のハードデイスク（磁気デイスク）
装置を第２図によつて説明する。

装置のケース１内にはデイスク２がターンテー
ブル３に水平に装着されて収納され、このデイス
ク２はモータ４によつて矢印ａ方向に高速回転さ
れる。またケース１内にはアーム５と駆動手段で
あるボイスコイルモータ６とからなるアクチユエ
ータ７が配置されている。そしてアーム５は支軸
８を中心として矢印ｂ，b′方向に水平に回動自在
に構成され、その先端にはヘツド（磁気ヘツド）
９が取付けられている。なおボイスコイルモータ
６は、アーム５の後端に設けられたボイスコイル
１０とケース１に固定配置された固定ヨーク及び
永久磁石からなる磁気回路１１とによつて構成さ
れている。

次に、アーム５と固定部１２との間に接続部材
であるフレキシブルプリント基板（以下単にフレ
キ基板と記載する）１４が屈曲されて配置されて
いる。このフレキ基板１４は弾性を有する帯状薄
板であり、その一端側１４ａはアーム５の一側部
５ａに沿つて固定され、他端側１４ｂは固定部１
２であるケース１の側壁１ａに沿つて固定されて
いる。そしてフレキ基板１４の一端側１４ａはヘ
ツド９や位置検出のための光センサ（図示せず）
等に接続され、他端側１４ｂは出口１３からケー
ス１外に延長されて外部基板（図示せず）に接続
される。なお図では省略するが、ケース１の上部
には蓋が取付けられ、このケース１は完全密閉構
造となる。

そして、このハードデイスク装置では、デイス
ク２がモータ４によつて矢印ａ方向に高速回転さ
れながら、ボイスコイルモータ６によつてアーム
５が矢印ｂ，b′方向に往復駆動される。これによ
りヘツド９がデイスク２の記録面からサブミクロ
ンの隙間で浮上した状態でその記録面に沿つて矢
印ｂ，b′方向に往復動されて、このヘツド９によ
つてデイスク２の記録、再生が行われる。そして
記録再生信号や位置検出信号等がフレキ基板１４
によつて供給される。そしてアーム５の往復動の
際に、フレキ基板１４は、その屈曲部１５が屈伸
されることによつてアーム５の往復動に追従する
ことになる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、この種のハードデイスク装置はアー
ム５の往復動及び停止に極めて高い精度が要求さ
れるものであるが、前述した従来のハードデイス
ク装置では、フレキ基板１４の屈曲部１５に生じ
る弾性反発力がアーム５の往復動及び停止に著し
く悪影響を与えていた。

即ち、屈曲部１５の弾性反発力Ｐが常にアーム
５を矢印ｂ方向に往動させる力として働くので、
ヘツド９をデイスク２の所定トラツクに固定（ト
ラツキング制御）させようとしても、必ずいくら
かデイスク２の内周側へずれる。このためヘツド
９を高精度に位置決めすることが困難であり、高
密度、大容量のデイスクにおける記録、再生に確
実に対応することができなかつた。

また、アーム５を矢印ｂ方向に往動させる際に
はボイスコイルモータ６による駆動力に弾性反発
力Ｐが付加されるので、ヘツド９が目的のトラツ
クをオーバーランしたり、その目的のトラツクで
ヘツド９が安定して読み書きできるようになるま
での時間（セトリング時間）が長くなる。一方、
アーム５を復動させる際にはボイスコイルモータ
６による駆動力に抗して弾性反発力Ｐが作用する
ので、ヘツド９を目的のトラツクまで移動させる
時間（シーク時間）が長くなる。このことから結
局、アーム５を往復動させるアクセスに著しく時
間がかかり、高速化を図ることが難しかつた。

特に、最近のハードデイスク装置では大容量化
及び高速化が一段と進んでおり、上述した問題の
影響は益々大きくなつている。なおこの対策とし
て、ボイスコイル１０への電流を多くしてボイス
コイルモータ６の駆動力を大きくしたり、フレキ
基板１４を熱成形により予め屈曲させたりするこ
とが考えられるが、前者は消費電力の増大、後者
はコストの増加等の問題が生じてくる。

そこで本考案は、接続部材の屈曲部に生じる弾
性反発力がアームの往復動及び停止に悪影響を与
えないようにするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、前述したデイスクプレーヤにおい
て、前記アームの一側部にほぼ前記支軸を中心と
してほぼ円形状に突出させた突部を設け、前記接
続部材の屈曲部のアーム側部分を前記突部に当接
させることによつて、前記屈曲部に生じる弾性反
発６をほぼ前記支軸の方向に向けるように構成し
たものである。

〔作用〕

本考案によれば、接続部材の屈曲部に生じる弾
性反発力の大部分がアームのほぼ支軸の方向に向
かうので、その弾性反発力がアームを回動させる
力にはほとんどならず、アームの往復動及び停止
に悪影響を与えることがない。

〔実施例〕

以下、本考案をハードデイスク装置に適用した
デイスクプレーヤの一実施例を第１Ａ図及び第１
Ｂ図によつて説明する。なお第１Ａ図及び第１Ｂ
図は要部を示しており、全体は第２図の従来例と
ほぼ同様である。また従来例と同一の部分には、
これと共通の符号を付してその説明を省略する。

即ち、本実施例ではアーム５の一側部５ａで支
軸８の近傍に突部２０が一体に設けられている。
この突部２０はほぼ支軸８を中心としてほぼ円形
状に外方に突出するように形成されている。そし
てこの突部２０に接続部材であるフレキ基板１４
の屈曲部１５のアーム側部分１５ａが当接されて
いる。そして第１Ａ図及び第１Ｂ図に示すよう
に、駆動手段であるボイスコイルモータ６によつ
てアーム５が支軸８を中心として矢印ｂ，b′方向
に往復動される際、フレキ基板１４の屈曲部以後
のアーム側部分１５ａは常にアーム５の突部２０
に当接されるように構成されている。

上述の実施例によれば、屈曲部１５のアーム側
部分１５ａが突部２０に当接されることによつ
て、その屈曲部１５に生じる弾性反発力Ｐの大部
分がほぼ支軸８の方向に向かうことになり、その
弾性反発力Ｐがアーム５を往動させる力にはほと
んどならない。このため、アーム５が停止される
際、ヘツド９はデイスク２の目的のトラツクに極
めて高精度に位置決めされる。

また、アーム５を往復動させる際にも、屈曲部
１５のアーム側部分１５ａが常に突部２０に当接
されることによつて、屈曲部１５の弾性反発力Ｐ
の大部分はほぼ支軸８の方向に向かうので、ボイ
スコイルモータ６による駆動力は弾性反発力Ｐが
作用することなく、ヘツド９を目的のトラツクま
で移動させる時間（シーク時間）が短い上に、そ
の目的のトラツクでヘツド９が安定して読み書き
できるようになるまでの時間（セトリング時間）
も極めて短くなる。

以上、本考案の一実施例に付き述べたが、本考
案は実施例に限定されることなく、本考案の技術
的思想に基づいて各種の有効な変更が可能であ
る。

例えば、アームの形状、アームの回動ストロー
ク、接続部材の接続状態等によつて、アームの突
部はその幅や突出量等が変更されてよい。なお突
部をアームに取付けるように構成してもよい。ま
たアームの駆動手段はボイスコイルモータに限ら
れるものではない。

なお本考案は、ハードデイスク装置に限定され
ることなく、各種のデイスクを使用する各種のデ
イスクプレーヤに適用可能である。

〔考案の効果〕

本考案は、接続部材の屈曲部のアーム側部分が
当接される突部をアームに設けて、屈曲部に生じ
る弾性反発力をアームのほぼ支軸の方向に向ける
ようにしたので、その弾性反発力がアームの往復
動及び停止に悪影響を与えることを未然に防止す
ることができる。

従つて、アームを停止させてヘツドをデイスク
の所定トラツクに固定させる際に、そのヘツドを
極めて高精度に位置決めすることができ、これに
よつて高密度、大容量のデイスクにおける記録、
再生に確実に対応することができる。

また、アームを往復動させる際に、駆動手段に
よる駆動力に弾性反発力が外乱として作用しない
ので、ヘツドを目的のトラツクまで移動させるシ
ーク時間及びその目的のトラツクでヘツドが安定
して読み書きできるようになるまでのセトリング
時間が短縮され、これによつて結局、アクセス時
間を大幅に短縮することができ、記録、再生の高
速化を大きく促進することができる。

さらに、弾性反発力の悪影響がないので、駆動
手段、例えばボイスコイルモータにおいて駆動及
び位置保持のための電流を小さくすることが可能
になり、モータの小型化及び低消費電力化を図る
ことができる。

また、接続部材、例えばフレキシブルプリント
基板を熱成形により予め屈曲させる必要がない上
に、そのフレキ基板を大型化、厚型化してもその
弾性反発力がアームに悪影響を与えないので、大
型化によつてパターン設計の自由度を大きくとる
ことができ、また厚型化によつて耐久性の向上を
図ることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１Ａ図及び第１Ｂ図は本考案ハードデイスク
装置に適用した一実施例を示すものであつて、そ
れぞれアームの往復動を示す要部の拡大平面図で
ある。第２図は従来のハードデイスク装置におけ
る全体の概略平面図である。 なお図面に用いた符号において、２……デイス
ク、５……アーム、５ａ……一側部、６……ボイ
スコイルモータ（駆動手段）８……支軸、９……
ヘツド、１２……固定部、１４……フレキシブル
プリント基板（接続部材）、１５……屈曲部、１
５ａ……アーム側部分、２０……突部、Ｐ……弾
性反発力である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ヘツドをデイスクの記録面に沿つて往復動させ
   るべく支軸を中心として回動自在に構成されて駆
   動手段にて往復駆動されるアームを具備し、電気
   信号供給用の弾性を有する接続部材を前記アーム
   と固定部との間で屈曲させてこれらアームと固定
   部とに接続してなるデイスクプレーヤにおいて、 前記アームの一側部にほぼ前記支軸を中心とし
   てほぼ円形状に突出させた突部を設け、前記接続
   部材の屈曲部のアーム側部分を前記突部に当接さ
   せることによつて、前記屈曲部に生じる弾性反発
   力をほぼ前記支軸の方向に向けるように構成した
   ことを特徴とするデイスクプレーヤ。