JPH0534709U - ヘリカルアンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耳障りな音の発生が無く、アンテナ素子とカ
バーとを接着させる接着剤を不要とし、コストを低減さ
せる。 【構成】 カバー１２の内周面にはアンテナ素子１１を
構成するアンテナ素線に対し交差する方向に沿って連続
した複数の凸条１３を設け、該複数の凸条１３がアンテ
ナ素子１１の外周に圧接している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電話機や携帯用無線機等における電波を対象とするヘリカルアンテ ナに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ヘリカルアンテナは、アンテナ素子に柔軟性のある合成樹脂製のカバーを被せ てあり、何らかの外力を受けたときにアンテナ素子に該カバーが衝突して発する 耳障りな音が嫌われ、この耳障りな音を発生しないようにする工夫が従来からな されている。従来のヘリカルアンテナは、図３及び図４に示すように、一定外径 のコイル状のアンテナ素子１に一定内径の円筒形のカバー２を被せ、接着剤３を 用いてアンテナ素子１とカバー２とを互に固着させて当該耳障りな音が出ないよ うにしていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、かかる従来のヘリカルアンテナでは、接着剤を必要としこの接 着剤を塗る工程があるためコスト高になるという問題点があった。 本考案の目的は、接着剤が不要で、コストが低いヘリカルアンテナを提供する ことにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案は、コイル状のアンテナ素子と、このアンテ ナ素子に被せられるカバーとを備えたヘリカルアンテナにおいて、前記カバーの 内周面には前記アンテナ素子を構成するアンテナ素線に対し交差する方向に沿っ て連続した複数の凸条を設け、該複数の凸条が前記アンテナ素子の外周に圧接し ていることを特徴とする。

【０００５】

【作用】 本考案に係るヘリカルアンテナは、アンテナ素子を構成するアンテナ素線に対 し交差する方向に沿って連続した複数の凸条をカバーの内周面に設け、該複数の 凸条がアンテナ素子の外周に当初から圧接しているために、外力を受けてもアン テナ素子にカバーが改めて当たることがなく、従って耳障りな音が出ることもな い。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。 図１は本考案の実施例に係るヘリカルアンテナのカバーを破断して示した正面 図、図２はその横断面図である。 本実施例に係るヘリカルアンテナは、コイル状のアンテナ素子１１と、このア ンテナ素子１１に被せられるカバー１２とを備え、カバー１２の内周面にはアン テナ素子１１を構成するアンテナ素線に対し交差する方向に沿って連続した８本 の凸条１３を設け、該８本の凸条１３がアンテナ素子１１の外周に全長に亘って 圧接している。

【０００７】 アンテナ素子１１は、基端側の大径コイル部１１ａと、中間の先細りテーパ状 の円錐コイル部１１ｂと、先端側の小径コイル部１１ｃとを連続するアンテナ素 線から成形してなり、大径コイル部１１ａの基端を端子部１４の棒状突起１４ａ の外周に刻設した螺旋状溝１４ｂに嵌合させてある。

【０００８】 カバー１２は、アンテナ素子１１の大径コイル部１１ａの外周に嵌合する大径 円筒部１２ａと、円錐コイル部１１ｂの外周に嵌合する中間の円錐筒部１２ｂと 、小径コイル部１１ｃの外周に嵌合する小径円筒部１２ｃとを弾性合成樹脂で一 体成形してなり、内周面にはアンテナ素子１１を構成するアンテナ素線に対し交 差する方向に沿い母線に平行にほぼ全長に亘って連続していて略一様な山形断面 の８本の凸条１３を等角度間隔に配置して一体に設け、各凸条１３の稜線１３ａ がアンテナ素子１１の外周に該アンテナ素子１１の全長に亘って圧接している。 即ち、このカバー１２は、アンテナ素子１１に被せる前のフリーな状態のとき、 凸条１３の各稜線１３ａを含む仮想円筒の直径が対応する位置におけるアンテナ 素子１１の外径よりも若干小さくなるように寸法設定してある。

【０００９】 そしてこのカバー１２は、アンテナ素子１１の先端を大径円筒部１２ａの基端 から挿入し、大径円筒部１２ａの凸条１３の稜線１３ａを含む頂部に大径コイル 部１１ａの外周が圧接し、円錐筒部１２ｂの凸条１３の稜線１３ａを含む頂部に 円錐コイル部１１ｂの外周が圧接し、小径円筒部１２ｃの凸条１３の稜線１３ａ を含む頂部に小径コイル部１１ｃの外周が圧接するところまでアンテナ素子１１ を圧入して該アンテナ素子１１に被せられる。

【００１０】 本実施例に係るヘリカルアンテナは、アンテナ素子１１が大径コイル部１１ａ と円錐コイル部１１ｂと小径コイル部１１ｃとからなり、カバー１２が大径円筒 部１２ａと円錐筒部１２ｂと小径円筒部１２ｃとからなっており、凸条１３がカ バー１２の母線に平行になっているので、カバー１２へのアンテナ素子１１の圧 入が比較的容易に行えるという利点がある。

【００１１】 なお、本考案は、上記実施例によって限定されるものではなく、アンテナ素子 １１及びカバー１２を全長に亘ってテーパ状にしてもよく、凸条１３をカバー１ ２の母線に対し若干傾斜させることもでき、凸条１３を３乃至７本又は９本以上 にしてもよく、凸条１３の断面形状を山形以外の例えば台形にすることもでき、 各凸条の稜線がアンテナ素子の外周に部分的に圧接していてもよく、その他要旨 から逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明したように本考案は、カバーの内周面にはアンテナ素子を構成するア ンテナ素線に対し交差する方向に沿って連続した複数の凸条を設け、該複数の凸 条がアンテナ素子の外周に圧接していることにより、耳障りな音の発生を防ぐの に接着剤が不要になり、組立てが簡単で容易になるため、コスト低減を図ること ができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係るヘリカルアンテナのカバ
ーを破断して示した正面図である。

【図２】本考案の実施例に係るヘリカルアンテナを示す
横断面図である。

【図３】従来のヘリカルアンテナを示す横断面図であ
る。

【図４】従来のヘリカルアンテナのカバーを破断して示
した正面図である。

【符号の説明】

１１ アンテナ素子 １１ａ 大径コイル部 １１ｂ 円錐コイル部 １１ｃ 小径コイル部 １２ カバー １２ａ 大径円筒部 １２ｂ 円錐筒部 １２ｃ 小径円筒部 １３ 凸条

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コイル状のアンテナ素子と、このアンテ
   ナ素子に被せられるカバーとを備えたヘリカルアンテナ
   において、前記カバーの内周面には前記アンテナ素子を
   構成するアンテナ素線に対し交差する方向に沿って連続
   した複数の凸条を設け、該複数の凸条が前記アンテナ素
   子の外周に圧接していることを特徴とするヘリカルアン
   テナ。