JPH05345860A - 導電性高分子組成物および電気装置 - Google Patents

導電性高分子組成物および電気装置

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JPH05345860A
JPH05345860A JP3100289A JP10028991A JPH05345860A JP H05345860 A JPH05345860 A JP H05345860A JP 3100289 A JP3100289 A JP 3100289A JP 10028991 A JP10028991 A JP 10028991A JP H05345860 A JPH05345860 A JP H05345860A
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carbon black
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circuit
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】結晶性高分子と、これに分散された、少なくと
も約60ミリミクロンの平均粒子径を有し、少なくとも
約80cc/100gのジブチルフタレート吸収を有す
るカーボンブラックとからなる。 【効果】薄板電極間1に設けられた、この正の温度係数
を有する導電性高分子組成物2の薄層を含有する回路保
護装置は、非常に低い抵抗の組み合わせにおいて、高い
破壊電圧を与えるものであり、高電流/高電圧バッテリ
ー電力装置を保護するのに有用なものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、正の温度係数を有する
高分子組成物、および前記組成物を含有する、高破壊電
圧を有する電気装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】正の
温度係数(以後、正の温度係数を”PTC”と称す)を
有する導電性高分子組成物、およびこれらの組成物を含
有する電気装置は、たとえば、米国特許第295276
1号;第2978665号;第3243753号;第3
351882号;第3571777号;第369745
0号;第3757086号;第3760495号;第3
793716号;第3823217号;第385814
4号;第3861029号;第3950604号;第4
017715号;第4072848号;第408528
6号;第4117312号;第4124747号;第4
177376号;第4177446号;第418827
6号;第4237441号;第4238812号;第4
242573号;第4246468号;第425040
0号;第4252692号;第4255698号;第4
271350号;第4272471号;第430498
7号;第4309596号;第4309597号;第4
314230号;第4314231号;第431523
7号;第4317027号;第4318881号;第4
318220号;第4327351号;第432972
6号;第4330704号;第4334148号;第4
334351号;第4352083号;第436179
9号;第4388607号;第4398084号;第4
400614号;第4413301号;第442539
7号;第4426339号;第4426633号;第4
427877号;第4435639号;第442921
6号;第4442139号;第4459473号;第4
481498号;第4476450号;第450292
9号;第4514620号;第4517449号;第4
534889号;第4545926号;第459170
0号;第4724417号;第4743321号;第4
764664号;第4845838号;第485788
0号;独国特許第1634999号;独国特許第274
6602号;独国特許第2821799号;欧州特許出
願第38718号;欧州特許出願第38713号;欧州
特許出願第38714号;英国特許出願第207610
6号;欧州特許出願第63440号;欧州特許出願第7
4281号;欧州特許出願第92406号;欧州特許出
願第119807号;欧州特許出願第8430450
2.2号;欧州特許出願第84305587.7号;欧州
特許出願第84307984.9号;英国特許第147
0502号;英国特許第1470503号;ジャーナル
オブ アプライド ポリマ サイエンス(Klaso
n and Kubat、J. Applied Po
lymer Science)19巻、831〜845
(1975);ポリマ エンジニアリング アンド サ
イエンス(J. Meyer、Polymer Engi
neering and Science)13巻、
6、462〜468(1973);ポリマ エンジニア
リング アンド サイエンス(J. Meyer、Pol
ymer Engineering and Scie
nce)14巻、10、706〜716(1974);
ポリマ エンジニアリング アンド サイエンス(M.
Narkis、Polymer Engineerin
g andScience)18巻、8、649〜65
3(1978);ジャーナル オブアプライド ポリマ
サイエンス(M. Narkis、J. Applie
dPolymer Science)25巻、1515
〜1518(1980)が挙げられる。上記の各特許、
特許出願、文献のなかで、特に、J. Meyer、M.
Narkis、および米国特許第4237441号に
は、種々の、従来のカーボンブラックを含有する導電性
高分子組成物、およびそのPTC特性が開示されてい
る。
【0003】適量の導電性充填材を分散させることによ
り、結晶性高分子を含有する高分子が、導電性を有する
ようになることは、公知のことである。ある導電性高分
子は、PTC特性を示すものであり、本願で使用す
る、”PTC高分子”および”PTC特性を有する組成
物”とは、R14値が少なくとも2.5で、R100値が少な
くとも10であり、好ましくは、R30値が少なくとも6
であるものである。ここで、R14とは、温度幅14℃の
範囲における、最後と最初の抵抗率の比率であり、R
100とは、温度幅100℃の範囲における、最後と最初
の抵抗率の比率であり、また、R30とは、温度幅30℃
の範囲における、最後と最初の抵抗率の比率を示すもの
である。PTCエレメントの抵抗(すなわち、PTC組
成物からなるエレメント)を温度に対して、プロットす
ると、組成物が、少なくとも10のR10 0を有する温度
範囲のある部分においては、勾配が著しく変化するもの
である。この”切り替え温度”(以後、これを略してT
sと称する)とは、勾配が著しく変化する両サイドにお
いては、実質的に直線部分が存在するものであるが、そ
れら直線の延長上の交点をいうものである。また、”ピ
ーク抵抗率”とは、ここでは、組成物がTs以上を示す
組成物の最大抵抗率を示すものであり、”ピーク温度”
とは、組成物がピーク抵抗率を有するときの温度を示す
ものである。この関係は、第6図に示されるが、ここ
で、Aは25℃における抵抗率を示し、またBは曲線の
平均勾配を示しており、Cは最大抵抗率を示すものであ
る。
【0004】導電性高分子組成物のPTC特性が、混合
もしくは分散されたカーボンブラックと、高分子の物理
的および化学的特性とに依存するものであることは、良
く知られているものである。近年、莫大な電力を消費す
る電気装置において、高破壊電圧を有する回路保護装置
に対する需要が、増加してきている。多くの場合には、
回路保護装置は、回路が障害状態にある場合、すなわ
ち、回路保護装置が高抵抗状態に達して絶縁した場合、
高電力供給電圧を取り消すものである。また、前記組成
物は、絶縁温度において絶縁体となるべきものであり、
導電性高分子組成物は、PTC特性を示すものであるこ
とがわかる。
【0005】回路保護装置は、通常の状態においては、
比較的低い抵抗を有しているが、障害状態においては、
それは高抵抗に変わるものであり、たとえば、PTC高
分子が切り替え温度以上に達した場合には絶縁し、その
装置における電流を減少させ、これにより、回路を保護
するものである。多量の電力を供給するバッテリにより
出力される、近年の電気もしくは電子装置は、比較的低
い抵抗を有しており、時には、非常に低い抵抗を有する
ものである。特に、非常に低い抵抗を有する装置の使用
は、電気的および電子的技術の向上により、増加してき
ており、それゆえに、非常に低い抵抗を有し、高い電力
供給電圧を取り除くことが可能な保護回路装置、たとえ
ば、せいぜい約500ミリオームの抵抗を有する保護回
路装置に対する需要が、顕著に増加している。
【0006】回路保護装置は、通常の操作条件において
は非常に低い抵抗が必要とされるものであるが、これに
は、回路保護装置の電極とその電極に接触するPTC高
分子との接触抵抗が減少することが必要となり、また、
電極間におけるPTC高分子層が、可能なかぎり薄く形
成されることが必要となるものである。しかしながら、
低い抵抗を有する、非常に薄く形成された通常のPTC
高分子エレメントは、比較的低い電力供給電圧において
のみ、使用可能である。なぜならば、一般に、装置の破
壊電圧が、高分子層の厚み、もしくは、高分子材料の抵
抗率(以後、これを”装置の抵抗”と称する)が減少す
るにつれて、減少するからである。ここで定義したよう
に、”破壊電圧”とは、60V/minの定常速度にお
いて増加する、最大電力供給電圧であり、PTC高分子
組成物の絶縁破壊を引き起こすことなしに、PTC高分
子エレメントにかかるものである。
【0007】比較的高い電力供給電圧が、モーターのよ
うな装置を駆動させるには必要であるので、高破壊電圧
が、時には、必要となることがある。しかしながら、低
い抵抗率導電性高分子組成物を含有する通常の回路保護
装置では、より多くの電流が流れる可能性があるが、こ
れらの装置においては、高電圧を自発的に取り下げるこ
とができないものである。
【0008】2段階照射架橋、および、この2つの架橋
ステップ間における加熱に関しては、米国特許第485
7880号および第4724417号に記載されてお
り、これらは、頻繁もしくは長期の絶縁および高電圧の
後にも、PTC特性をしめすものである。しかしなが
ら、これには、少なくとも上記のような3過程が必要で
あり、複雑かつ高価となるものである。
【0009】種々のタイプのカーボンブラックを有す
る、通常のPTC導電性高分子組成物は、顕著な高破壊
電圧を有するものではない。しかしながら、我々は、あ
るカーボンブラックからなる組成物が、非常に低い抵抗
及び優れたPTC特性を有しているにもかかわらず、顕
著な高破壊電圧を有することを見いだしたのである。
【0010】本発明の一つの目的は、低容量抵抗率およ
び高破壊電圧を同時に有するPTC高分子組成物を提供
することである。
【0011】本発明のさらなる目的は、高破壊電圧を有
する回路保護装置を提供することである。
【0012】本発明の他の目的は、低抵抗および高破壊
電圧を有する回路保護装置を提供することである。
【0013】本発明のさらなる他の目的は、小さなサイ
ズの場合でも、比較的高い電流を流すことができ、PT
C材料のエレメントからなる、改良回路保護装置を提供
することである。
【0014】本発明のさらなる他の目的は、低抵抗およ
び高破壊電圧を有するPTC高分子組成物を製造する方
法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の目的
は、新規な導電性高分子組成物と、これに分散された、
大きな平均粒子径を有し、高いDBP(ジブチルフタレ
ート)吸収を有するカーボンブラックとを用いることに
より、達成されるものである。より詳細には、本発明に
よれば、(a)結晶性高分子と、(b)これに分散され
る、少なくとも約60ミリミクロンの平均粒子径を有
し、少なくとも約80cc/100gのDBP吸収を有
するカーボンブラックとからなる、正の温度係数を有す
る導電性高分子組成物を提供することにより、課題を解
決するための手段とするものである。
【0016】また、より詳細には、本発明によれば、
(1)(a)結晶化度を有する高分子成分と、(b)少
なくとも約60ミリミクロンの平均粒子径、D、を有
し、少なくとも約80cc/100gのDBP吸収を有
するカーボンブラックとを用意する過程と、(2)前記
高分子成分が溶融している間に、前記カーボンブラック
を分散させることにより、前記カーボンブラックが前記
高分子成分に分散された組成物を調整する過程と、
(3)前記組成物を溶融形成する過程と、(4)前記溶
融形成されたシートを架橋する過程からなる、導電性高
分子組成物の製造方法を提供することにより、課題を解
決するための手段とした。
【0017】このほか、本発明によれば、上記の導電性
高分子組成物と、PTCエレメントに電流が流れるよう
に電力源に接続することが可能な少なくとも2つの電極
からなる電気装置を提供することにより、課題を解決す
るための手段とした。
【0018】
【実施例】
I. 組成物
【0019】A. カーボンブラック
【0020】本発明の組成物において、大粒子径および
高ジブチルフタレート吸収を有する特別のカーボンブラ
ックは、結晶性高分子の広範囲にわたり分散されるもの
である。本発明に使用されるカーボンブラックは、少な
くとも約60ミリミクロン、好ましくは、少なくとも約
70ミクロン、最も好ましくは、少なくとも約80ミク
ロンの、平均粒子径を有するものである。最大平均粒子
径は、せいぜい約500ミクロン、好ましくは、せいぜ
い約400ミクロン、より好ましくは、せいぜい約35
0ミクロンである。最も好ましい平均粒子径は、約80
から110ミクロンである。カーボンブラックの平均粒
子径Dは、キノシタによるカーボン:エレクトロケミカ
ル アンド フィジオケミカル プロパティーズ(Ca
rbon:Electrochemical and
PhysiochemicalProperties
(Wiley Interscience 198
7))45〜48ページに記載されているような、従来
の電子顕微鏡法により、測定されるものである。
【0021】本発明の組成物において使用されるカーボ
ンブラックの第2の重要な特性は、DBP吸収である。
カーボンブラックのDBP吸収は、少なくとも約80c
c/100g、好ましくは、少なくとも約90cc/1
00g、最も好ましくは、少なくとも約100cc/1
00gである。最大DBP吸収は、約400cc/10
0gであり、より好ましくは、約200cc/100g
である。また、好ましくは、カーボンブラックのDBP
吸収範囲は、約100〜140cc/100g、最も好
ましくは、約110〜140cc/100gである。な
お、DBP吸収は、ASTM D−2414−79の方
法により、測定されるものである。
【0022】約60ミリミクロンより大きい平均粒子径
を有する、従来のカーボンブラックは、通常、サーマル
ブラックのように低品位カーボンブラックとして分類さ
れ、高い電気抵抗を有するものである。したがって、高
分子とこれら低品位カーボンブラックとから成る導電性
高分子組成物は、一般に、良導電率を有さないものであ
る。DBP吸収は、アグリゲートの平均的な大きさ、す
なわち炭素ー炭素鎖の大きさによって定められる、カー
ボンブラックの、既知の構造に関するものであり、約6
0ミリミクロンより大きい平均粒子径を有する、低品位
カーボンブラックは、一般に、約65cc/100gよ
り低いDBP吸収を有するものである。本発明に使用さ
れる大粒子径カーボンブラックにおける、最低DBP吸
収値、80cc/100gは、50ミリミクロンの平均
粒子径を有する従来のカーボンブラックにおける値と、
同様である。
【0023】表1は、市販されており、入手可能なME
010およびME011(トーカイカーボン コーポレ
ーション リミテッド、郵便番号107、東京都港区北
青山1ー2ー3)を含有する、本発明のカーボンブラッ
クを含む、種々のタイプのカーボンブラックの物理特性
を示すものである。ME010およびME011は、非
常に大きな平均粒子径、90ミリミクロンを有し、ま
た、サーマルブラック(ASTM N907)もしくは
セミーレインフォーシング ファーナス(SRF) ブ
ラック(ASTM N762−787)と、ほぼ同等
な、21〜23m/gの表面積を有するものである。
しかしながら、このME010およびME011は、1
16および135のDBP吸収を有するものであり、こ
のDBP吸収は、サーマルもしくはファーナス ブラッ
クにおける値よりも高く、また、サーマルもしくはファ
ーナス ブラックよりも高導電炭素である、HAF、S
AF、もしくはアセチレンブラックにおける値と、ほぼ
同等なものである。ラバーグレードカーボンブラック
は、電子顕微鏡測定により測定されたカーボンブラック
の平均粒子サイズに基づいて、ASTM D1765−
88bによる標準ASTMにより、グレード分類されて
いる。ASTM D1765−88bは、カーボンブラ
ックの標準グレードの典型的な物理特性をしめすもので
ある。しかしながら、ME010およびME011は、
非常に大きな粒子サイズを有するにもかかわらず、高D
BP吸収を有するものなので、カーボンブラックの標準
グレードとは異なるものである。 (以下余白)
【0024】 表1 ─────────────────────────────────── カーボンブラック 粒子サイズ 表面積1) DBP吸収2) (mμ) (m2/g) (cc/100g) ─────────────────────────────────── ケトジェンブラック EC 30 800 360 (Ketjenblack EC) バルカン XC−72 30 254 178 (Vulcan XC−72) デンカアセチレンブラック 40 61 125 (DENKA acetylene black) バルカン 9(ISAF) 19 140 114 (Vulcan 9) ダイアブラックH(HAF) 30 86 120 (DIA black H) ステアリングSO(FEF) 41 42 122 (Sterling SO) リーガル SRF−S(SRF)60 30 64 (Regal SRF−S) アサヒサーマル(FT) 80 24 28 (ASAHI Thermal) セバカーブMT(MT) 350 7 41 (Sevacarb MT) ME 010 90 21 116 ME 011 90 23 135 ─────────────────────────────────── 1) ASTM D 3037 2) ASTM D 2414 表1(続き) ─────────────────────────────────── カーボンブラック ヨウ素吸収 揮発性 pH (mg/g) (%) ─────────────────────────────────── ケトジェンブラック EC 800 0.5 9.0 (Ketjenblack EC) バルカン XC−72 1.5 5.0 (Vulcan XC−72) デンカアセチレンブラック 105 0.2 (DENKA acetylene black) バルカン 9(ISAF) 1.5 7.0 (Vulcan 9) ダイアブラックH(HAF) 81 1.0 7.5 (DIA black H) ステアリングSO(FEF) 1.0 7.5 (Sterling SO) リーガル SRF−S(SRF) 1.0 9.0 (Regal SRF−S) アサヒサーマル(FT) 27 1.0 (ASAHI Thermal) セバカーブMT(MT) 0.5 9.5 (Sevacarb MT) ME 010 18 0.5 6.0 ME 011 20 0.5 6.0 ───────────────────────────────────
【0025】上記表面積値Sは、既知の窒素吸収法によ
り測定されるものであり、DおよびSの測定方法の詳細
に関しては、エンサイクロペディア オブ インダスト
リカル ケミカル アナリシス、8刊、179ページに
記載の”カーボンブラック分析”(”Analysis
of Carbon Black” by Schu
bert、Fordand Lyon、Vol. 8、
Encyclopedia of Industria
l Chemical Analysis 179、
(John Wiley and Son、New Y
ork 1969))を参照されたい。
【0026】B. 高分子
【0027】高分子組成物は、1以上の結晶性高分子を
含有することが可能であり、または、非晶性高分子を、
たとえば約75重量%まで含有することも可能なもので
ある。結晶性高分子は、好ましくは、少なくとも約10
%の結晶化度、特に、少なくとも約20%の結晶化度を
有し、最大で約98%の結晶化度を有するものである。
この高分子の結晶化度は、好ましくは、約20から40
%であるが、好ましい結晶化度は、組成物に含有される
カーボンブラックの量に依存するものである。結晶化度
は、X線結晶測定により測定することができ、本発明の
代表的な高分子の結晶化度は、エンサイクロペディア
オブ ポリマ サイエンス テクノロジ、449〜52
8ページ(Encyclopedia of Poly
merScience Technology、449
〜528(John Wiley & Son、New
York 1972))に記載されている。
【0028】適当な高分子は、ポリオレフィン、特に1
以上のアルファオレフィン、たとえばポリエチレン、ポ
リプロピレン、および、エチレン/ポリプロピレンの共
重合体類;1以上のアルファオレフィン、たとえば、エ
チレンと1以上の極性共重合用単体、たとえば、ビニル
アセテート、アクリル酸、エチルアクリル酸(これらの
塩)、エチルアクリレート、およびメチルアクリレー
ト;ポリアリレン類、たとえば、ポリアリレン エーテ
ル ケトンおよびスルフォンおよびポリフェニレンスル
フィド;ポリラクトンを含有するポリエステル類、たと
えば、ポリブチレン テレフタレート、ポリエチレン
テレフタレートおよびポリカプロラクトン;ポリアミ
ド;ポリカルボネート;およびフルオロカーボンポリ
マ、たとえば、フッ素を、少なくとも10重量%、好ま
しくは、少なくとも20重量%含有するポリマ、たとえ
ば、ポリビニリデン フルオライド、ポリテトラフルオ
ロエチレン、フッ素化されたエチレン/プロピレン共重
合体、エチレンとフッ素含有の共重合用単体との共重合
体、たとえば、テトラフルオロエチレン、および任意に
第3共重合体;およびこれらのポリオレフィンもしくは
少量のマレイン酸、エポキシもしくはイソシアネート基
で変性したポリオレフィン重合体を含有するものであ
る。
【0029】好ましい高分子としては、ポリエチレン、
好ましくは高密度ポリエチレン、およびエチレンと極性
共重合体の共重合体、より好ましくは、ビニルアセテー
トもしくはアクリル酸が挙げられる。共重合体は、マレ
イン酸もしくはエポキシ基で変性されてもよいものであ
る。これらの高分子は、単独で、もしくは組み合わせて
使用することも可能である。好ましい高分子としては、
高密度ポリエチレンのようなエチレンを、約80から1
00重量%含有するものであり、また、共重合用単体
を、0から25重量%含有するものである。
【0030】以下、より詳細に例を挙げて説明するが、
本発明の高分子組成物は、最低の結晶化度を満たしてい
ればこれらに限られるものではなく、高分子は、正の温
度係数を有する組成物(以下、これを、”PTC組成
物”と称する)に必要な物理的もしくは電気的特性を有
していれば、自由に広範囲のなかから選択されることが
可能である。
【0031】たとえば、好ましいエチレンポリマは、高
密度ポリエチレン(MFR(メルトフローレシオ)
0.3〜50);低密度ポリエチレン(MFR 0.3〜
50);エチレンと、ビニルアセテートを含有する極性
共重合体(ビニルアセテート含有量 2〜46%、融点
108〜67℃)、アクリル酸(アクリル酸含有量7
〜20%)、エチルアセテート(エチルアセテート含有
量 9〜35%、融点91〜65℃)、メタクリル酸
(結晶化度 25%、メタクリル酸含有量 9〜12
%、融点 80〜100℃)およびメチルメタクリレー
ト(メチルメタクリレート含有量 10〜40%)を含
有する極性重合体;および、エチレン、ビニルアセテー
トと少量のグリシジルメタクリレートのターポリマ(結
晶化度 40〜50%、ビニルアセテート含有量 8〜
10%、グリシジルメタクリレート含有量 1〜5%、
融点 90〜100℃)を含有するものである。変性共
重合体も、使用することが可能であり、たとえば、少量
のマレイン酸で変性したビニルアセテートとエチレンと
の共重合体(融点 80〜90℃)を使用することが可
能である。
【0032】絶縁温度を制限する必要がない場合には、
高密度ポリエチレンを使用することが好ましく、たとえ
ば、ハイゼック2200J(Hizex 2200J)
(三井石油化学工業株式会社製)が使用される。絶縁温
度を、100℃より低く制限する必要がある場合には、
エチレンおよびメタクリル酸およびメタクリル酸金属塩
からなる共重合体、たとえば、ハイーミラン1650
(Hi−Milan 1650)(デュポンミツイポリ
ケミカルコーポレーション製)のようなイオノマー、も
しくは、ボンドファスト7B(Bondfast 7
B)(住友化学株式会社製)のような、エチレンおよび
ビニルアセテートおよびグリシジルメタクリレートから
なるターポリマーが、好ましく使用される。これらの共
重合体を含有する装置は、典型的には、70〜75℃の
絶縁温度を有するものである。
【0033】高分子は、PTC組成物の所望の特性に依
存して選択されるものである。重要な特性のひとつとし
ては、導電性高分子組成物からなる絶縁された保護回路
装置の、最高温度である。たとえば、その温度が高い場
合には、フルオロポリマが適当であるが、その温度が1
00℃以下の場合には、ポリオレフィンの共重合体が適
当である。もうひとつの重要な必要条件は、電気抵抗で
ある。一般に、回路保護装置においては、低抵抗である
ことが望ましく、これは、定常状態において、好ましく
は電力損失を可能な限り少なくするためである。この装
置の抵抗は、導電性高分子組成物の電気抵抗率、およ
び、電極および組成物間の接触抵抗により決定されるも
のである。また、電気抵抗率は、組成物、たとえば高分
子、カーボンブラックおよびその含有物により、定まる
ものである。また、接触抵抗は、電極および組成物間の
結合により決定されるものである。ポリオレフィンの共
重合体、たとえば、エチレンおよび1以上のカルボキシ
ルーもしくはエステルー含有モノマの共重合体、もしく
は、エポキシもしくはイソシアネート基のような官能基
により変性されたオレフィン共重合体が好ましい。
【0034】C. 組成物
【0035】組成物におけるカーボンブラックの量は、
−40℃とTs間の温度、このましくは20℃で、せい
ぜい約100Ω−cm、好ましくはせいぜい約50Ω−
cm、特に好ましくはせいぜい約20Ω−cm、最も好
ましくはせいぜい約10Ω−cmの、抵抗率を有するも
のである。所望ならば、抵抗率を極端に減少させてもよ
く、たとえば、約7Ω−cmより小さく、好ましくは約
5Ω−cmより小さく、特に好ましくは約3Ω−cmよ
り小さく、最も好ましくは約1Ω−cmより小さくする
ことも可能である。このような抵抗率を有し所望の正の
温度係数を有するのに必要なカーボンブラックの量は、
高分子組成物、カーボンブラック、およびその他の充填
材、および、組成物を製造、形成するのに使用される方
法に、依存するものである。
【0036】高分子に対する、組成物における、カーボ
ンブラックおよびその他の特別な充填材の重量比は、そ
の組成物の電気的特性に重要な影響をあたえるものであ
る。高分子の結晶化度は、当業者には明らかなように、
カーボンブラックの含有量に加えて、重要な因子であ
る。組成物におけるカーボンブラックの含有量は、典型
的には、共重合体を含有する組成物に対して、約50〜
150PHR(樹脂100重量部あたりの重量部)であ
る。カーボンブラックの含有量は、典型的には、ポリエ
チレンなどの高分子に対して、約40〜120PHRで
ある。出願人らは、本発明によるPTC組成物を製造す
るのに効果的である、以下のような組成物を見いだし
た。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、高密度ポリエチレンに対しての、カーボンブ
ラックの範囲は、好ましくは約50〜110PHRであ
り、約65〜85PHRがより好ましい。また、エチレ
ン、ビニルアセテートおよびグリシジルメタクリレート
のターポリマに対しての、カーボンブラックの量は、好
ましくは約60〜120PHRであり、約70〜100
PHRがより好ましい。さらに、エチレンおよびメタク
リル酸およびそのメタクリル酸金属塩からなるイオノマ
共重合体に対しての、カーボンブラックの量は、約60
〜120PHRであり、好ましくは約70〜100PH
Rである。少量のカーボンブラックを有する組成物は、
より高い絶縁耐力および比較的低い導電性、たとえば、
100V/mmより高い絶縁耐力、および、100Ω−
cmより低い導電性を示すものである。カーボンブラッ
クを多量有する組成物は、より高い導電性および低い絶
縁耐力、たとえば、10Ω−cmより低い導電性、50
V/mmより高い絶縁耐力がを示すものである。
【0037】カーボンブラックの高分子組成物に対する
体積比は、前記の重量範囲に基づいた所望の高分子によ
り計算されることが可能であり、好ましくは、0.15
から0.65の範囲である。
【0038】高分子にカーボンブラックを分散させ、組
成物を形成するのに用いられた方法、および特にこの方
法で消費された電力は、組成物の電気的特性に、重要な
影響を及ぼすものである。もし電力消費が莫大である
と、組成物はTsより低い温度で、非常に高い抵抗率を
示す傾向にある、及び/または、高温において時間が経
過した折、満足する電気安定性が得られないという傾向
にあるものである。一方、もし電力消費が少なすぎる
と、この組成物は、満足する正の温度係数を有すること
ができないものである。本発明による新規な分散調整に
おいては、米国特許第4237441号に記載された、
カーボンブラックを結晶性高分子に分散させる方法が、
適当である。充填成分を高分子組成物に分散するのに有
用な方法はいくつかあるが、最も実用的な方法として
は、固体高分子と充填成分の混合物を、剪断機に付すも
のであり(随意、外部加熱する)、これは、高分子を融
解し、融解した高分子に充填剤を分散させるものであ
る。この分散は、例えば、バンバリーミキサー(Ban
bury mixer)、ロールミル、もしくはシング
ルスクリューもしくはツインスクリュー押出機において
行なわれるものである。この分散されたものは、直接所
望の最終形状に押し出してもよく、もしくは、ミキサー
から適当な方法で取りだし、小片に剪断、次いで、たと
えば押し出し形成、鋳型形成、もしくは燒結などによ
り、溶融形成してもよい。
【0039】典型的には、この組成物は、棒状に、押し
出し形成され、水中で冷却されて、造粒されるものであ
る。このペレットは、組成物の融点以上の温度において
押し出され、フィルムを形成するものである。このフィ
ルムは、2枚の薄い金属ホイルに挾まれ、組成物の融点
以上の温度において圧縮されて、ラミネートシートが形
成されるものである。接触抵抗を減少させるため、およ
び安定した 導電性を得るために、組成物の融点以上の
温度における加熱処理もしくは加熱圧縮は、架橋する前
に行なわれるべきものである。この焼きなましステップ
における温度は、典型的には、融点から約300℃まで
の範囲であり、より好ましくは、融点より約30℃上の
温度から280℃までであり、最も好ましくは、融点よ
り約50℃上の温度である。材料は、好ましくはこの温
度において、少なくとも約1kg/cm2、より好まし
くは約30kg/cm2の圧力下、少なくとも約5分
間、より好ましくは約10分間、最も好ましくは約60
分間、焼きなまされ、その後、同圧力下、室温まで冷却
されるものである。
【0040】ラミネートシートは、好ましくは架橋さ
れ、例えば加速電子線による照射、化学架橋、もしくは
シラン架橋により架橋され、架橋PTC高分子シートが
形成されるものである。このラミネートシートは、四角
形もしくはその他の形状の小片に切断され、金属導電物
が、従来法により、たとえば熔着により、金属ホイルに
接着され、電導物が形成されるものである。代表的に
は、この装置は、電気絶縁容器に収納されるものであ
り、この容器は、必要に応じて、熱伝導性であっても、
また熱絶縁性であっても良い。好適には、この容器は、
たとえば米国特許第4315237号に記載されている
ような、酸素防護壁を含有することも可能である。
【0041】架橋する前に行なわれる、上記焼きなまし
処理に加えて、この電気装置に、架橋および仕上げ処理
の後、さらなる熱処理を行なうことが有効である。ラミ
ネート組成物は、その組成を維持した状態で、その組成
物の抵抗率が100Ω−cmとピーク抵抗率の間である
ような温度において、少なくとも1分間、外部熱処理が
施される。この熱処理が施された成分は、−40℃およ
びTs間の少なくともある温度において、抵抗率を有す
るものであり、これを熱処理を施す前の成分と、同温度
にて比較すると、約0.5から2.0倍の抵抗率を有する
ものである。
【0042】また、積層導電性高分子組成物は、電気抵
抗加熱、すなわちこの組成物にTsおよび(Ts+5
0)℃の温度において少なくとも1分間、電流を通し、
−40℃およびTs間の少なくともある温度において、
抵抗率を有する、熱処理の施された組成物から形成され
るものである。これを、熱処理を施す前の組成物と、同
温度にて比較すると、約0.5から2.0倍の抵抗率を有
するものである。
【0043】カーボンブラックは、組成物が実質的に均
一な電気特性を有するように、十分に分散されるべきも
のであり、このプロセスにおいて消費された電力がある
程度増加すると、組成物は、より強烈なPTC効果を示
すことになる。一方、このプロセスにおける消費電力が
大きすぎると、高温において時間が経過した際、電気的
に不安定となり、及び/もしくは、Tsより低い温度に
おいて、組成物の抵抗率が高すぎるという結果を招くこ
とになる。有効的には、組成物の調整および熔融形成に
おいて使用される全エネルギーは、この組成物の立方フ
ィートあたり1から300hp.hr.であるべきであ
り、好ましくは、1から50、特に好ましくは、1から
25hp.hr.ft-3である。
【0044】本発明によれば、0℃以上のTs温度にお
いてPTC特性を示す、すなわち、−40℃およびTs
間の少なくともある温度において、7Ω−cmより小さ
い抵抗率を有する、および、1000Ω−cmより大き
いピーク抵抗率を有する、及び/もしくは、高温での時
間経過において十分な電気安定性を示す、導電性高分子
組成物を形成することが可能である。
【0045】本発明の組成物のピーク抵抗率は、好まし
くは、少なくとも1000Ω−cm、より好ましくは少
なくとも5000Ω−cm、特に好ましくは少なくとも
10000Ω−cmである。本発明による典型的な組成
物は、20℃で5Ω−cmの抵抗率を有し、1×105
Ω−cmのピーク抵抗率を有するものである。
【0046】D.付加物
【0047】この組成物はまた、非導電性充填材を含有
することが可能であり、アークサプレッション剤、酸化
防止剤、および放射線架橋剤、酸化防止剤、および他の
補助剤を含有するものである。
【0048】この組成物は好ましくは、分解、たとえ
ば、熱酸化分解に対して組成物を安定させる、酸化防止
剤もしくは他の付加物からなり、その量は、高分子全体
の重量の、0.005から10重量%である。従来の酸
化防止剤、たとえば、4、4’−チオビス−6−ターシ
ャリーブチル−3−メチルフェノール、もしくはテトラ
キス−[メチレン−3(3’、5’−ジーターシャリー
ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネイト]
メタンは、好ましくは、0.05PHRから0.5PHR
までの量で用いられるものである。この付加物は、米国
特許第3986981号(Lyons)に記載されてい
る、チバガイギー(Ciba Geigy)社製の商標
名”イルガノックス”(Irganox)のような、障
害フェノールを含むものである。酸化防止剤は、高分子
に依存して選択されるものであるが、この際に、重要な
ことは、一般的に酸化防止剤として有用なものは、高温
にさらしたとき組成物の電気的性質を不安定にするもの
であるということである。
【0049】従来の充填材を、本発明によるPTC組成
物に添加することも可能であり、アルミナ水和物、水酸
化マグネシウム、およびタルクを含有するものであり、
その量は、約5から150PHRである。その組成物
は、他の微粒子充填材を含有することも可能であり、た
とえば、微粒子充填材とは、非導電性無機物もしくは有
機物充填材、たとえば酸化亜鉛、三酸化アンチモンもし
くはクレーである。この”充填材成分”とは、ここで
は、組成物における全ての微粒子充填材を示すものであ
る。所望の電気的特性を有する組成物を得るために、
(S/D)×(カーボンブラックの量/高分子組成物の
量) (1)の値を、せいぜい1.0、より好ましくは
0.5より小さく、さらに好ましくは0.4より小さく、
最も好ましくは0.1より小さくするのが良い。
【0050】組成物が、架橋されるものである場合に
は、その組成物はまた、熱により分解して架橋を開始す
る化合物、もしくは、その組成物が照射されると架橋を
促進する化合物を含有することも可能である。従来の架
橋方法は、いずれも使用することが可能である。電子線
照射は、少なくとも約3Mrad、好ましくは、少なく
とも約5Mrad、より好ましくは、少なくとも約10
Mradの放射線量でおこなわれるものであり、米国特
許第4845838号、第4857880号および第4
907340号に記載された放射架橋法を含むものであ
る。化学架橋の場合には、PTC高分子組成物は、架橋
剤、たとえばジクミルパーオキサイドを、約2重量%用
いるものである。2、5−ジメチル−2、5−ジーベン
ゾイル パーオキシ ヘキサン、およびt−ブチル パ
ーオキシ ベンゾエイトを含む他の過酸化物を使用する
ことも可能である。トリアリールシアニュレート、もし
くはトリメチロール プロパン トリメタクレートなど
の付加物も、化学架橋促進剤として、使用することが可
能である。従来のシラン架橋方法、たとえば米国特許第
4277155号に記載されている方法を用いることも
可能である。いずれの架橋方法を選択するとしても、架
橋高分子のゲル量は、少なくとも約20%、好ましくは
少なくとも約40%である。
【0051】II. 電気装置
【0052】本発明による電気装置は、たとえば、回路
保護装置、熱検知装置、および熱電流制限装置を含むも
のである。0.1アンペア以上の定常電流が流れている
回路に有用な、電気装置は、ショートや電圧サージなど
の過剰な電流に対して、もしくは過剰な温度に対して、
もしくはこれら両方に対しても、回路を保護することで
きるものである。回路保護装置は、典型的には、装置を
流れる電流が絶縁電流を越える場合、もしくは、回路保
護装置の温度が絶縁温度を越える場合には、回路保護装
置の抵抗を増加させることによって、機能するものであ
る。
【0053】この回路保護装置は、低抵抗を有し、環境
に対して安定した熱平衡状態である、通常の操作状態を
有するものである。しかしながら、過電流タイプの障害
状態が起きたときには、その装置は、熱が装置から失わ
れる速さ以上の速さで、I2加熱を行なうことにより、
熱を発生させるものである。これにより、装置の温度
が、絶縁温度以上に上がるものであり、装置の抵抗は、
装置が新規な高い温度において、安定した熱平衡状態に
達するまで、即座に上昇するものである。回路電流を、
十分に低いレベルまで下降させるためには、(a)”通
常の操作条件における回路内の電流”の、(b)”装置
が高温平衡状態にあるときの回路内の電流”に対する比
率が、少なくとも2、好ましくは少なくとも10、さら
に好ましくは少なくとも20であるものである。
【0054】本発明の装置の多くは、過剰な環境温度お
よび過剰な電流の双方に対して、回路を保護するために
使用することが可能である。一方、最適性能としては、
装置の熱的環境および装置の詳細は、予期される障害状
態の観点から、選択されるべきである。環境温度の所望
されない上昇に対してではなく、過剰な電流上昇に対し
て、装置が機能するような、いくつかの回路および環境
が存在するものである。この装置は、特に、通常の操作
条件において、0.1アンペアより大きな電流、たとえ
ば、0.1から20アンペア、このましくは0.1から1
0アンペアの電流を有する回路に対して使用されるもの
であり、15アンペアまでの安定状態電流、もしくは2
0℃以上の温度に対して、安定状態電流を通すように設
計されているものである。
【0055】装置を操作する方法は、部分的には、装置
から熱を取り除くことのできる速度に依存するものであ
る。この速度は、装置の熱伝導係数に依存するものであ
り、我々は、一般に、装置が熱伝導係数を有し、それが
空気中で測定され、装置の全表面積で平均されて、2.
5から5mW/℃−cm2熱伝導係数を有するものであ
ることを見いだした。装置の最適熱設計は、保護される
べき障害状態に依存するものであり、多くの場合には、
装置は、障害状態に対して、可能な限り即座に反応する
べきものである。
【0056】本発明の回路保護装置は、一般的に、電極
およびPTCエレメントを被覆する電気絶縁ジャケット
からなるものである。このジャケットは、装置の熱的特
性にも、影響するものであり、その厚さは、熱的特性に
より選択されるものである。好ましくは、この装置に
は、米国特許第4315237号に記載されているよう
に、酸素絶縁層が設けられているものである。
【0057】A. 抵抗
【0058】我々は、高分子と上記のカーボンブラック
(カーボンブラックの量は、組成物に低抵抗を与えるの
に適当な量、すなわち、せいぜい約20Ω−cmであ
る)との混合物からなる導電性高分子組成物と接触する
電極からなる電気装置が、非常に低い抵抗、たとえばせ
いぜい約500mΩ、および、予想できないような高絶
縁耐力、たとえば約600V/mmを有することを見い
だした。
【0059】回路の通常の操作条件における、装置の抵
抗(ここでは、Rdnとする)は、典型的には、1.0
から5000mΩの範囲、好ましくは約5.0から100
0mΩの範囲、最も好ましくは約10から500mΩの範
囲のものである。なお、前記装置の抵抗Rdnとは、P
TCエレメントと接触する2つの金属電極からなる単純
な装置の場合、PTCエレメントの抵抗によりあらかじ
め決定されるものである。このような低い抵抗を有する
装置を提供するためには、PTC高分子組成物が、典型
的に、せいぜい約1000Ω−cm、好ましくはせいぜ
い約500Ω−cm、特に好ましくはせいぜい約100
Ω−cmの抵抗率を有するものである。
【0060】このような低い抵抗を有する装置を得るた
めには、PTC層が出来るかぎり薄層であるべきであ
り、たとえば、約100μから1mm、好ましくは10
0μから500μの薄層のものである。また、実質的
に、より大きな厚み及び/もしくは相当径を使用するこ
とは可能であるが、この装置の相当径は、3から80m
mの範囲、好ましくは5から50mmの範囲である。
【0061】装置の回路においては、Rdnが、0.1
×RLオームより小さく、好ましくは0.04×RLオー
ムより小さく、特に好ましくは0.001×RLオームよ
り小さいものである。ここで、RLは、装置に直列され
た回路の残りの抵抗である。RLは、好ましくは、回路
操作の温度範囲において、実質的に定数、たとえばプラ
スマイナス25%より大きい変動はしないものである。
Lは、一般的には抵抗負荷であるが、全体的にもしく
は部分的に、容量性もしくは誘導性であっても良い。し
かしながらRLが、実質的に回路操作の温度範囲を越え
る場合には、この装置はRLの過剰変動に対して回路を
保護することができるものである。
【0062】上記のことから明らかなように、回路が通
常状態で操作されている場合には、この装置の電力は、
極めて低く、また、環境へ容易に消失するものである。
一方、障害状態が発生した場合には、この装置の電力が
まず増加し、その結果、環境に対して電力は消失できな
いが、高温安定平衡点が電力が消失可能なところに至る
まで減少するものである。この装置の抵抗は、回路が”
シャットオフ”となるに十分なほど高い、すなわち、回
路の電流が適当に低いレベルまで減少するものである。
この装置において消失した電力は、その抵抗(これはそ
の温度に依存するものである)およびそれを通る電流に
依存するので、この装置は、装置付近の過剰な温度、も
しくは回路の過剰な電流(もしくはその双方)に対応し
て回路をシャットオフするものである。我々は、電流を
実用に適するレベルにまで下げるために、切り替え比、
即ち、正常状態における回路内の電流の、シャットオフ
した状態における回路内の電流に対する比が、少なくと
も2、好ましくはそれ以上、例えば少なくとも10、好
ましくは少なくとも20である必要があることを見いだ
した。
【0063】このような電気装置は、約1から50V、
典型的には約1.25から40Vの、回路操作電圧を有
するものである。操作電圧が約5V以上であると、この
装置の破壊電圧が臨界因子となるが、この装置の最大操
作電圧は、約30〜35Vであることが好ましい。電流
制限装置は、この回路に障害が生じたとき、この電圧に
抵抗することが可能であるべきである。
【0064】本発明による典型的な回路保護装置を、第
1図に示す。第1図において、2枚の金属フォイル1の
シートは、直径d、厚さtからなるPTC材料2のシー
トを介在させたものであり、導線3が各フォイル電極層
1に接続して、回路に適当な電極を供給するものであ
る。第2回路保護装置を、第2図に示す。この第2回路
保護装置においては、3つの電極1が2枚のPTC材料
2のシートに結合するものである。
【0065】本発明は、ラミネートシートからなるPT
C材料に限定されるものではなく、電極がワイヤ状や柱
状でも良く、また、PTC材料が、米国特許第4724
417号および米国特許第4857880号に記載され
ているような種々の形態をとっても良いものである。こ
のような装置は電流制限装置として、もしくは温度検出
装置として、もしくはこれらの組み合わせとして機能す
ることが可能である。
【0066】B. 他の電気的特性
【0067】電気装置におけるPTCエレメントの破壊
は、この電気装置が電流を制限できないときに発生する
ものであり、PTC組成物の切り替え温度以上の温度に
おいて、絶縁装置の抵抗が急速に低下するものである。
破壊は一次的な現象である。本発明の電気装置における
PTC層は、通常の操作温度では非常に低い抵抗を有す
るものであり、かつ一般的には非常に薄いものであるた
め、破壊電圧がこのような回路保護装置を含む回路の、
操作電圧に密接に関与していることがわかる。この破壊
電圧は、この回路の電圧が増加する率に依存しており、
典型的には、短絡障害状態における回路の増加率が急激
に変わるものである。この場合、この装置は理想的に
は、即座に電流を制限するものである。
【0068】低抵抗を有する装置は、一般的には高絶縁
電流を有するものであり、装置エリアおよびPTCエレ
メントの厚さを変えることにより、所望の適用にふさわ
しい絶縁電流容量を供給するように、装置のデザインは
容易に変えることができるものである。典型的には、本
発明による装置としては、その装置を絶縁させることな
く通過することのできる最大電流は、約15アンペアで
ある。たとえば、2つの金属フォイル電極間のPTC層
の大きさが、10mm×10mm×150μであると
き、その絶縁電流は、約3アンペアである。この装置が
より大きなエリアを有するとき、もしくは、より薄いP
TCエレメントを有するとき、絶縁電流はより高くなる
ものである。電気回路におけるこのような装置の操作電
流は、典型的には絶縁電流の1/3もしくは1/2程度
であり、電気設計基準にあわせて選択されるものであ
る。
【0069】PTC組成物は好ましくは、高温安定平衡
状態において、少なくとも約100V/mm、より好ま
しくは200V/mm、最も好ましくは少なくとも約4
00V/mmの絶縁耐力を有するものである。この絶縁
耐力は、以下の式で表される。
【0070】 絶縁耐力 = (破壊電圧)/(PTC組成物の厚さ)
【0071】保護されるべき回路を流れ、この保護装置
を通過する電流が、ある限界を越える時、たとえば、負
荷において短絡が起きるとき、もしくは電圧サージが起
きるとき、回路保護装置の温度は、装置の絶縁温度に達
するまで上昇するものである。ここで、回路保護装置の
抵抗は、電流が限界に至るまで、急速に増加するもので
ある。装置から環境への熱損失が、この装置を流れる電
流から生産された熱により、平衡に保たれるような平衡
温度が、”絶縁温度”である。これと対比して、切り替
え温度は、この装置の抵抗が変化しない最大温度である
が、抵抗が上昇し始める温度より高い温度である。絶縁
温度、これはほぼ切り替え温度と同じであるが、この絶
縁温度は、回路においてRL=Rdnであり、回路保護
装置の絶縁温度とは異なるものである。この導電高分子
組成物は、好ましくはせいぜい約180℃、より好まし
くはせいぜい約130℃、最も好ましくはせいぜい約1
00℃の切り替え温度を有するものである。
【0072】この平衡”絶縁温度”は因子の数に比例す
るものであり、この因子とは、回路の操作電圧、および
この装置が異なる条件下における熱損失により消失する
電力である。この装置により消失することが可能な電力
は、この装置を囲んでいる媒体の熱伝導性、この装置の
表面および媒体の運動、およびこの装置を囲む媒体の温
度に依存するものである。
【0073】本発明の回路保護装置は一般に、回路に、
他の直列抵抗などを用いることなしに、この装置もしく
は保護されるべきシステムに電力源を直接結合すること
により、結合するものである。第7図は、このような回
路における装置にかかる電圧に関する、回路保護装置を
流れる電流を示したグラフである。第6図は、温度に関
する装置の抵抗を表したグラフである。第7図に示した
ように、この保護装置が正常に作動しているときは、電
力源電圧のほとんどが、この保護装置に適用されてお
り、ほんの少しの電圧Vnのみがこの回路保護装置に存
在するものである。この回路保護装置の温度は、比較的
低い温度Tnである。もし、何らかの理由によりこの保
護装置が短絡すると、回路保護装置の電圧が上がり、こ
のことにより、この回路保護装置で消失した電力の量が
上昇し、また、この装置の温度も上昇するものである。
切り替え電圧Vs(切り替え温度Ts)に達すると、こ
の回路保護装置の抵抗は、急速に上昇する。この回路保
護装置の電圧がVtrip(本質的には全電力源電圧)
に達すると、この回路保護装置は、絶縁温度Ttrip
において、高抵抗状態となる。Ttripの値は、源電
圧に依存するものであり、また、この回路保護装置の熱
が、熱接触により、媒体へ消失させることが出来るよう
な速度に依存するものである。
【0074】このことから、回路内の絶縁温度は印加電
圧に依存するであろうことがわかる。この印加電圧と
は、この回路保護装置が耐えることのできるものであ
る。絶縁温度は特別な電圧に対して定義される必要があ
り、ここでいう絶縁温度は、印加電圧が5ボルトのとき
に計測されるものである。しかしながら、特別な場合に
は、印加電圧はかなり変化することもわかり、他の回路
構成要素へのダメージを避けるため、絶縁温度を制限す
ることが望まれるものである。
【0075】一般に、多くの適用において、絶縁平衡温
度は、100℃より低くする必要があり、好ましくはせ
いぜい約80℃、最も好ましくはせいぜい約60℃であ
るべきである。
【0076】C. 物理的性質
【0077】本発明による電気装置は典型的には、導電
性PTC高分子体と電気的に接触し、分離した2つの電
極を含むものである。本発明においては、PTC高分子
体の形状は、特に限定されるものではなく、フィルム
状、柱状、帯状、もしくは不規則な固体状であってもよ
い。また、電極の形状、材料、もしくは配置も、特に限
定されるものではなく、フォイル状、メッシュ状、板
状、穴部を有する板状もしくはフォイル状、柱状、ワイ
ヤ状、ケーブル状、などであってもよく、米国特許第4
352083号に記載された形状であってもよい。好ま
しくは、この電気装置は、フィルム状もしくはシート状
のPTC材料からなり、その両側に、金属フォイル電極
が設けられ、丸状もしくは四角状であるものである。こ
の電気装置は、典型的には、他の従来のエレメント、た
とえば酸素障害層、耐水性容器などを含有するものであ
る。本発明においては、一層型PTC高分子層を採用し
ているが、米国特許第4907340号に記載されてい
るような、異なる固有抵抗、もしくは異なる架橋温度を
有する多層型PTC高分子層であってもよい。
【0078】電極のタイプは特に重要ではなく、PTC
高分子材料に結合することのできるものであればよく、
従来の電極から選択されるものである。導電金属電極
が、好ましくは用いられ、好ましくは、銅、錫被覆もし
くは錫鍍金銅、もしくは微粗面を有するニッケルフォイ
ル電極であるが、これらは米国特許第4689475号
に記載されているものであり、微粗面は、ローリング、
機械的粗面仕上げ、化学的粗面仕上げによりつくられる
ものである。特に、米国特許第4800253号および
第4689475号に記載されているような、銅もしく
はニッケル層の無電解鍍金により形成された粗面電極フ
ォイルが、好ましくは用いられる。
【0079】また、電極の厚さも重要なものではなく、
フォイル電極が用いられる場合には、各電極は典型的に
は約20から100μ、好ましくは約30から70μの
厚さである。
【0080】本発明に用いられる高分子は、一般には、
結晶性高分子である。高結晶性高分子は、高破壊電圧を
与える傾向にある。しかしながら、この組成物と電極と
の接触抵抗は、時には抵抗と破壊電圧間の所望な平衡を
考慮して、低い結晶性を有する高分子が用いられるほ
ど、重要なものである。また、本組成物を使用した保護
回路装置は、一般に小さな容器におさめされている場合
において用いられるものである。したがって、この装置
が絶縁状態となったとき、もし切り替えられた装置の温
度がこの高分子の融点にほぼ等しい場合には、その付近
の装置もしくはプラスチック容器にダメージを与えるこ
とになる。それゆえに、保護回路装置の最大絶縁温度
が、約100℃を越えないことが非常に重要であり、こ
のことはまた、高分子の選択においても、重要な判断基
準となるものである。
【0081】このような装置は、一般的には室温で、せ
いぜい約1000mΩ、好ましくはせいぜい約500mΩ
の抵抗を有するものであり、また、通常、せいぜい約1
00Ω−cm、好ましくはせいぜい約50Ω−cmの体
積抵抗を有するPTC導電高分子組成物が使用されるも
のである。本発明の回路保護装置は、好ましくは、PT
C導電組成物と、物理的および電気的な接触があり、化
学結合するものもある、2つの電極からなるものであ
る。
【0082】この電極とPTC組成物とは、好ましくは
第1図に示されているように、電流がPTC組成物を流
れ、この装置の直径がd、通路長がtであるとき、d/
tが少なくとも約2、好ましくは少なくとも約10、特
に好ましくは約20であるように、配されたものであ
る。この装置の厚さ(即ち、PTC高分子層、電極、酸
素障害、および容器を含有する)は、好ましくは薄いも
のがよく、0.020から3.0mm、好ましくは0.0
3から1.0mmであるのが良い。この装置の相当径
は、3から80mmの範囲、好ましくは5から50mm
であるのが良い。ここで、”相当径”とは、電流が流れ
るエリアと同じエリアを有する円の直径を示すものであ
り、このエリアはどのような形状であってもよいが、一
般的には、装置を製造するのに容易な形、すなわち円も
しくは長四角形である。一般には、一定の厚さを有する
平面状のPTCエレメントの両面に、平面電極を各々設
けることが好ましい。しかしながら、寸法および電気的
な必要性に応じて、他のアレンジを行なうことは可能で
ある。たとえば、2つより多いの電極、1つより多いP
TCエレメント、楔型のPTCエレメント、もしくは一
定の厚さを有する湾曲した薄層からなるPTCエレメン
トを介在させた湾曲した薄層電極などが挙げられる。こ
のようなアレンジにおける、d/t比の計算方法は、当
業者には自明なものである。
【0083】本発明の組成物は、溶融成形、たとえば押
し出し成形や鋳型成形を含有する課程により形成される
のが好ましい。
【0084】PTCエレメントは、一般的に均一な成分
からなるものであるが、たとえば異なった抵抗率、及び
/もしくは、異なった切り替え温度を有する、2層以上
の層から形成されても良いものである。電極は、PTC
エレメントに直接接触していても良く、もしくは、一つ
以上の電極が他の導電材料、たとえば、相対的に一定な
抵抗率を有する導電高分子の層を介して、電気的に接触
していても良いものである。
【0085】回路保護装置は、回路が障害状態にあると
き、回路を流れる電流を連続して制限するために、絶縁
となった後、電力源の電圧に耐えられるものであるべき
である。近年の電気装置、たとえばコードレス電気ドリ
ルやオートモービルは、しばしば高容量バッテリー、た
とえば20Vより大きい、時には25Vまでの高容量バ
ッテリーにより駆動するものである。
【0086】この装置の厚さは一般に非常に薄いが、非
常に高い電圧ストレスに耐えられるものでなければなら
ない。たとえば、PTC組成物の厚さが0.25mmで
供給電力電圧が25Vであるとき、そのPTC組成物の
電圧ストレスは、100V/mmである。広範囲に使用
されている従来のPTC組成物は、せいぜい約80V/
mmまでの電圧ストレスにのみ、耐えられるものであ
り、これはすなわち、たった約80V/mmの絶縁強度
を有するに過ぎないものである。安全のために、本発明
による回路保護装置は、絶縁温度における標準電圧増加
量を測定すると、少なくとも約200V/mm、好まし
くは少なくとも約400V/mm、最も好ましくは少な
くとも約600V/mmの絶縁強度を有するものであ
る。この絶縁強度は、約600から800V/mmであ
るのが好ましい。
【0087】上記の回路においては、回路保護装置のパ
ラメータは、他の回路エレメント、装置周囲の媒体、お
よび、この装置から媒体へと熱が失われる速度に関連し
て、定められるものである。しかしながら、回路保護装
置のパラメータは、標準回路および標準熱環境におかれ
たときに使用される方法により、決定されるものであ
る。したがって、本発明は切り替え温度Tsを有するP
TC組成物と、電力源に接続可能な少なくとも2つの電
極とからなるものであり、接続されると電流が前記PT
C組成物に流れるものである。前記装置は、せいぜい5
0Vの電圧を有する電力源に直列に繋がっている装置か
らなるテスト回路のようなものであり、また、前記装置
は、静止空気内にあるものである。静止空気が25℃で
あるとき、装置がI2R加熱により熱を発する速度と、
熱が装置から失われる速度との間の平衡が不安定になる
ものであるが、この装置は、安定な操作状態において、
以下のようなものを有するものである。
【0088】(A)電流が、前記PTC組成物を流れ、
相当径がdで平均通行の長さがtであるとき、d/tが
少なくとも2である領域まで流れる。
【0089】(B)前記装置が1オームより少ない抵抗
Rdnを有し、前記PTC組成物が10Ω−cmより少
ない抵抗率を有しているとき、その装置の温度は、温度
Tdnである。
【0090】(C)空気が、25℃より低い温度Tnで
ある。
【0091】(D)装置がI2R加熱により熱を発する
速度と、熱が装置から失われる速度との間は、安定平衡
である。
【0092】本発明による典型的な回路を第3図に示
す。ここで、本発明による回路保護装置3は、直列に、
負荷4および電力源5に、接続するものである。本発明
による第2の回路を、第4図に示す。ここで、回路保護
装置3および負荷4を含有する回路の電力源は、変圧器
6により提供されるものである。本発明によるさらなる
回路を、第5図に示す。この回路においては、この電気
装置の電流制限機能は熱感応機能と組み合わされている
ものであるが、ここにおいて、電気装置3は、負荷4
と、熱的に接触しているものである。
【0093】本発明を、主にひとつのPTC回路保護装
置を含有する回路を参照して説明するが、本発明は、こ
れに限られるものではなく、異なった障害状態により絶
縁されることのできる2つ以上の装置を含有する回路で
もよく、この回路保護装置は、直列または並列につない
だ、所望の保護効果を供給する2つ以上の電気装置を含
有するのに使用されてもよいものである。
【0094】第3図に示されるように、本発明のPTC
電気装置は、一般に、負荷RLと電力源に直列に繋がれ
ているものであり(保護されるべき装置)、この直列の
回路においては、電流制限抵抗はないものである。この
配列によれば、通常の条件下、PTC装置の電圧VPT
Cは、以下のように表されるものである。
【0095】VPTC = VPSPTC/(RPTC+RL
【0096】ここで、VPSは電力源電圧である。通常の
操作において、絶縁前には、RPTCはRLよりも小さいも
のであり、電力源電圧VPSのほとんどすべては、負荷に
印加するものである。
【0097】もし、負荷が短絡障害状態にあるならば、
電力源電圧VPSは、直接PTC装置に適用されるもの
である。このPTC装置は、その後、低抵抗状態にある
ので、高注入電流が装置に流れ、これが内部オーム加熱
を引き起こすものである。PTC装置の温度が切り替え
温度TSに達すると、第6図に示したように、装置の抵
抗は急速に上がり、その結果、直流回路を流れる電流
は、小さな値へと減少するするものである。しかしなが
ら、この時、PTC装置の抵抗は、負荷の抵抗よりも一
段と大きく、電力源電圧を吸収する抵抗はないので、実
質的に、全ての電力源電圧が、PTCエレメントに印加
されることになる。連続して操作するためには、PTC
エレメントの破壊電圧は、電力源電圧よりも大きくなけ
ればならないものである。言い換えれば、この回路を通
る電流は、再度上昇するものである。
【0098】このように、通常のPTC装置の低破壊電
圧では、その適用が限られ、電力源電圧が低いものにし
か、適用できないものである。一方、本発明による装置
は、非常に高い破壊電圧を有するため、非常に高い電力
源電圧を必要とするものにも適用可能である。
【0099】本発明のいくつかの典型的な適用を以下に
述べる。
【0100】携帯用パーソナルコンピュータは、近年、
進化してきており、印刷機能を有したり、一度のバッテ
リーチャージで長期間操作できるものである。このた
め、このようなコンピュータには、大きな電力容量のバ
ッテリーが装備されていなければならず、たとえば、大
量の電流を供給すべく、38Vの全電圧、および750
ミリオーム程の非常に小さな内部抵抗を有する、15N
i−Cd単電池のようなものである。このようなコンピ
ュータのディスクドライブもしくはプリンタモータは、
通常、約10オームの抵抗を有し、短絡障害にあるなら
ば、約50アンペアの電流がこの障害回路を流れたと
き、オーバーヒートするなどして、このコンピュータが
破壊されてしまう恐れがあるものである。しかしなが
ら、このような危険は、本発明による回路保護装置を、
バッテリーに直列につないで使用することにより、防ぐ
ことができるものである。好ましくは、この回路保護装
置は、400ミクロンの厚さで、各側は10mmの大き
さで、50ミリオームの正規抵抗を有すると良いもので
ある。このような装置は、コンピュータに重大な障害が
起こることを防止するため、約0.1アンペアに、電流
を制限できるものである。通常の回路保護装置は、低い
破壊電圧しか有さないため、このように高電流/高い電
圧は、適用できないものである。
【0101】もうひとつの例としては、本発明による回
路保護装置は、コードレス電気ドライバなど、扱いやす
いようにコンパクトで軽量なもののモータを保護するた
めに使用されるものである。このようなものに対して
は、通常、高容量バッテリーが必要とされ、たとえば、
30Vの全出力電圧を有する、10リチウム単電池など
が必要とされるものである。短絡に対してモータを保護
するために、本発明による回路保護装置は、バッテリー
と直列に繋ぐことが可能なものである。
【0102】本発明を、実施例を挙げて、より具体的に
説明する。ただし、本発明はここで挙げられた実施例に
限定されるものではない。特記しないかぎり、以下の実
施例に記載した”部”、”パーセント”および”比率”
は、重量部、重量パーセント、および重量比率である。
【0103】(実施例 1)表2に示した成分を、15
0℃で、10分間、バンブリミキサー(Banbury
mixer)で混合し、ロールに圧延した。この混合
物のシートを混粒機にかけ、溶融押出して、約0.2m
mの厚さの薄いフィルムシートとした。このシートは、
2枚の、0.05mmの厚さの電着されたニッケルフォ
イルに挾まれた。なお、このPTC高分子と接触する面
のニッケルフォイルは、直径が約5ミクロンのミクロこ
ぶ状態めっきからなる表面を有しているものである。こ
こで得られたサンドイッチ状の積層物を、50kg/c
2の圧力下、180℃の温度で30分間圧縮すると、
0.10mmの厚さからなる薄層PTC組成物のシート
が形成された。なお、このシートは、同圧力下、室温ま
で冷却された。熱処理を施した後、この薄層PTC組成
物のシートは、8Mradで電子線照射することによ
り、架橋された。
【0104】薄層PTC組成物のシートから10mm×
10mmの4角片を切り取り、ニッケルフォイルリード
導線を、各電極に取付けた。この、表2に記載された成
分からなるPTC装置の物理的特性は、表2に示されて
いるものである。本実施例に使用された高分子は、エチ
レンおよびメタクリル酸およびその亜鉛塩からなるコポ
リマーであり、約25%の結晶化度および約98℃の融
点を有する、ハイミラン(Hi−Milan)1650
(デュポン三井ポリケミカル社製)であった。各実施例
に使用された酸化防止剤は、4、4’−チオビス−6−
ターシャリーブチル−3−メチルフェノール(サントノ
ックス R(Santonnox R))である。実施
例におけるPTC高分子層は、約60%のゲル化で、架
橋された。
【0105】使用された各カーボンブラックの量は、表
に示したように、最適なPTC作用および破壊電圧を提
供するのに最も適当な量である。
【0106】このようにして得られたサンプルは、各
々、以下の方法によりテストされた。各装置のAC破壊
電圧は、自動変圧器を用いて、破壊電圧が試験片のイグ
ニションもしくは燃焼により提示されるまで、室温で6
0V/minの一定速度において電圧を増加させること
により、測定された。また、装置の抵抗は、室温でホイ
ートストーンブリッジを用いることにより、測定され
た。絶縁電流は、室温で静止空気の条件下、一定DC電
圧ジェネレータを用いて、50mVずつ電圧を上げて2
分間、その電圧を保持させることにより測定された。こ
の絶縁電流は、電圧と電流との関係曲線から測定された
ものである。また、絶縁温度は、絶縁状態において、5
Vの電圧がこの装置にかけられたときの、この装置の電
極表面における熱電対により、測定された。
【0107】アサヒFTカーボンブラックを含有する組
成物では、100mΩより小さい抵抗を与えることが不
可能なものであった。これに対して、ME010および
ME011を含有するPTC層は、優れた破壊電圧と低
抵抗を示した。他の、デンカアセチレンブラックやバル
カンXC−72などのカーボンブラックは、ME010
およびME011の場合と比較して、破壊電圧に関して
は劣るものであった。
【0108】 表2 ─────────────────────────────────── 成分 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 ─────────────────────────────────── ハイミラン1650 100 100 100 100 100 (Hi−Milan 1650) バルカン XC−72 43 (Vulcan XC−72) デンカアセチレンブラック 51 (DENKA acetylene black) アサヒサーマル(FT) 120 (ASAHI Thermal) ME 010 80 ME 011 78 酸化防止剤 2 2 2 2 2 ─────────────────────────────────── 表2(続き) ─────────────────────────────────── 成分 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 ─────────────────────────────────── 電気抵抗(mΩ) 50 50 100 50 50 体積抵抗率(Ω−cm) 5 5 10 5 5 破壊電圧(V) 9 15 40 45 47 絶縁温度(℃)1) 87 85 83 80 80 絶縁電流(アンペア) 3.1 3.2 2.9 3.2 3.2 ─────────────────────────────────── 1) 5Vで測定
【0109】(実施例 2)表3に示される成分が、混
合されて、実施例1と同様の方法にてPTC装置が形成
された。これらの実施例のテスト結果を表3に示す。ケ
トジェンブラックを含有するPTC組成物は、非常に低
い抵抗を示し、また、非常に低い破壊電圧も提示するも
のであった。一方、DIAブラックHの場合には、抵抗
および破壊電圧の双方とも、中間値を示し、適当なもの
ではなかった。本実施例に使用された高分子は、エチレ
ンとビニル酢酸のコポリマーであり、少量のエポキシ基
が、高分子鎖に結合するものである(ボンドファスト7
B、住友化学株式会社製)。この高分子の結晶化度は、
この約20%であり、電気装置におけるPTC層は、約
60%架橋していた。実施例1で使用されたものと同様
の酸化防止剤が、使用された。各装置の絶縁温度は、約
70℃であった。
【0110】この高分子を含有する組成物は、非常に低
い抵抗と、比較的低い絶縁温度を含有するものであり、
このものは、隣接熱感応成分に対して、熱によるダメー
ジを与えることを防御するものである。
【0111】 表3 ─────────────────────────────────── 成分 実施例6 実施例7 実施例8 実施例9 実施例10 ─────────────────────────────────── ボンドファスト7B 100 100 100 100 100 (Bondfast 7B) ケトジェンブラックEC 40 (Ketjenblack EC) ダイアブラック H 56 (DIA black H) リーガル SRF−S 100 (Regal SRF−S) ME 010 84 ME 011 80 ─────────────────────────────────── 電気抵抗(mΩ) 40 55 80 50 50 体積抵抗率(Ω−cm) 4 5.5 8 5 5 破壊電圧(V) 8 23 48 43 46 絶縁温度(℃)1) 89 86 80 82 83 絶縁電流(アンペア) 3.3 3.1 3.0 3.2 3.3 ─────────────────────────────────── 1) 5Vで測定
【0112】(実施例 3)表4に示した成分が混合さ
れ、PTC装置が、実施例1と同様の方法にて形成され
た。本実施例に使用された高分子は、高密度ポリエチレ
ン(HIZEX 2200J、三井油化工業株式会社
製)であり、120℃の融点を有する高結晶高分子(9
0%)である。また、ここで使用された酸化防止剤は、
テトラキス−[メチレン−3−(3’、5’−ジーター
シャリーブチル−4’−ヒドロキシーフェニル)プロピ
オネート]メタン(Irganox 1010)であ
る。各サンプルにおけるPTC層は、約60%、架橋し
ていた。
【0113】表4に示すテスト結果は、実施例1および
2と比較すると、より高い破壊電圧を示し、これはこの
高分子の結晶化度によるものである。しかしながら、こ
のPTC組成物は、電気装置において、隣接する熱感応
成分にダメージを与える可能性のある、比較的高い絶縁
温度を有するものである。高結晶化度高分子がPTC組
成物に使用される場合には、ME010およびME01
1は、他のカーボンブラックよりも高い破壊電圧をあた
えることがわかる。
【0114】これらの結果は、広範囲の結晶性高分子と
ともに特別なカーボンブラックを含有する、本発明によ
るPTC組成物が、過剰電流に対する回路保護装置に使
用された場合、通常のPTC組成物よりも高い電圧スト
レスに耐え、より高い破壊電圧を有するものである。 (以下余白)
【0115】 表4 ─────────────────────────────────── 成分 実施例11 実施例12 実施例13 実施例14 実施例15 ─────────────────────────────────── ハイゼックス 100 100 100 100 100 2200J (Hizex 2200) バルカンXC−72 38 (Vulcan XC−72) バルカン 9 45 (Vulcan 9) セバカーブ MT 130 (Sevacarb MT) ME 010 75 ME 011 73 ─────────────────────────────────── 電気抵抗(mΩ) 45 55 200 50 50 体積抵抗率(Ω−cm)4.5 5.5 20 5 5 破壊電圧(V) 65 90 150 130 130 絶縁温度(℃)1) 120 121 118 118 118 絶縁電流(アンペア)3.7 3.6 3.0 3.7 3.6 ─────────────────────────────────── 1) 5Vで測定
【0116】以上、実施例とともに本発明を詳細に説明
してきたが、本発明の範囲をこえない種々の変形が、す
べて本発明に含有されることは、当業者にとって明白に
理解できるものであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電気装置を示す概略斜示図であ
る。
【図2】複数の電極層を有する本発明による電気装置を
示す概略正面図である。
【図3】本発明による電気装置を含む回路を示す回路図
である。
【図4】本発明による電気装置を含む回路を示す回路図
である。
【図5】本発明による電気装置を含む回路を示す回路図
である。
【図6】本発明による組成物のPTC特性、本発明の電
気装置の抗温度特性を示すグラフである。
【図7】本発明の電気装置の電流ー電圧特性を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1 金属フォイル電極層 2 正の温度係数を有する導電性高分子組成物 3 回路保護装置 4 負荷 5 電力源

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)結晶性高分子と、(b)これに分
    散された、少なくとも約60ミリミクロンの平均粒子径
    を有し、少なくとも約80cc/100gのジブチルフ
    タレート吸収を有するカーボンブラックとからなる、正
    の温度係数を有する導電性高分子組成物。
  2. 【請求項2】 前記結晶性高分子が、約10パーセント
    から98パーセントの結晶化度を有することを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項に記載の導電性高分子組成物。
  3. 【請求項3】 前記カーボンブラックが、約60ミリミ
    クロンから400ミリミクロンの平均粒子径を有するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の導電性高
    分子組成物。
  4. 【請求項4】 100重量部の前記結晶性高分子と、約
    40重量部から150重量部の前記カーボンブラックと
    からなることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載
    の導電性高分子組成物。
  5. 【請求項5】 前記カーボンブラックの前記結晶性高分
    子に対する容量比率が、0.15から0.65であること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の導電性高分
    子組成物。
  6. 【請求項6】 単位がm2/gである、前記カーボンブ
    ラックの比表面積Sと、前記カーボンブラックの平均粒
    子径Dにおいて、S/Dがせいぜい約10であることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の導電性高分子
    組成物。
  7. 【請求項7】 せいぜい約180℃の切り替え温度Ts
    を有することを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載
    の導電性高分子組成物。
  8. 【請求項8】 (1)(a)少なくとも10パーセント
    の結晶化度を有する高分子成分と、(b)少なくとも約
    60ミリミクロンの平均粒子径、D、を有し、少なくと
    も約80cc/100gのジブチルフタレート吸収を有
    するカーボンブラックとを用意する過程と、(2)前記
    高分子成分が溶融している間に、これに前記カーボンブ
    ラックを分散させることにより、前記カーボンブラック
    が前記高分子成分に分散された組成物を調整する過程
    と、(3)前記組成物を溶融形成する過程と、(4)前
    記溶融形成した組成物を架橋する過程とからなる、導電
    性高分子組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】 (1)(a)少なくとも10パーセント
    の結晶化度を有する高分子成分と、(b)これに分散さ
    れる、少なくとも約60ミリミクロンの平均粒子径、
    D、を有し、少なくとも約80cc/100gのジブチ
    ルフタレート吸収を有するカーボンブラックとを用意す
    る過程と、(2)前記高分子成分が溶融している間に、
    前記カーボンブラックを分散させることにより、前記カ
    ーボンブラックが前記高分子成分に分散された組成物を
    調整する過程と、(3)前記組成物を溶融形成する過程
    と、(4)前記溶融形成した組成物を熱処理する過程と
    からなる、導電性高分子組成物の製造方法。
  10. 【請求項10】 (a)結晶性高分子と、(b)これに
    分散された、少なくとも約60ミリミクロンの平均粒子
    径を有し、少なくとも約80cc/100gのジブチル
    フタレート吸収を有するカーボンブラックとからなる、
    正の温度係数を有する導電性高分子組成物と電気的接触
    状態にある、少なくとも1つの電極からなる電気装置。
  11. 【請求項11】 前記導電性高分子組成物と直接接触す
    る、少なくとも2つの電極からなり、通路長さがtで相
    当径がdであるとき、d/tが少なくとも約2である領
    域まで、前記電極間の電流が前記導電性高分子組成物に
    流れるように、前記導電性高分子組成物と前記電極とが
    配されていることを特徴とする特許請求の範囲第10項
    に記載の電気装置。
  12. 【請求項12】 前記d/tが、少なくとも約20であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第11項に記載の電
    気装置。
  13. 【請求項13】 (a)結晶性高分子と、これに分散さ
    れた、少なくとも約60ミリミクロンの平均粒子径を有
    し、少なくとも約80cc/100gのジブチルフタレ
    ート吸収を有するカーボンブラックとからなる、正の温
    度係数を有する導電性高分子組成物を、溶融押出して薄
    板エレメントとする過程と、(b)前記薄板エレメント
    の1面に、金属フォイルを接着する過程と、(c)前記
    薄板エレメントのもう片方の1面に、第2金属フォイル
    を接着する過程と、(d)前記過程(c)で形成された
    金属フォイルと第2金属フォイルとを形成した薄板エレ
    メントを、加熱および加圧する過程と、(e)前記過程
    (d)で形成された加熱および加圧された金属フォイル
    付き薄板エレメントを、完全に冷却されるまで、前記2
    つの金属フォイルが、完全に導電性高分子組成物に接着
    されるよう、十分な圧力を加えつつ、冷却する過程と、
    (f)前記過程(e)で形成された冷却された金属フォ
    イル付き薄板エレメントを、約3mmから80mmの相
    当径で、25℃における抵抗がせいぜい約1000ミリ
    オームであるような、多数の電気装置に切り分ける過程
    とからなる、電気装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記冷却過程(e)と切断過程(f)
    との間において、前記導電性高分子組成物が、照射によ
    り架橋されることを特徴とする特許請求の範囲第13項
    に記載の電気装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記加熱、加圧過程(d)において、
    前記エレメントが、前記導電性高分子組成物の融点と3
    00℃との間の温度で、少なくとも約1kg/cm2
    圧力下、少なくとも約1分間、加熱されることを特徴と
    する特許請求の範囲第14項に記載の電気装置の製造方
    法。
  16. 【請求項16】 (a)結晶性高分子と、これに分散さ
    れた、少なくとも約60ミリミクロンの平均粒子径を有
    し、少なくとも約80cc/100gのジブチルフタレ
    ート吸収を有するカーボンブラックとからなる、正の温
    度係数を有する導電性高分子組成物を、溶融押出する過
    程と、(b)前記溶融した導電性高分子組成物を、少な
    くとも1つの金属電極に直接接触させる過程と、(c)
    前記金属電極が導電性高分子組成物と接触していると
    き、前記導電性高分子組成物の融点よりも高い温度に保
    持されている過程とからなる、電気装置の製造方法。
  17. 【請求項17】 (a)電力源と、(b)電気的負荷
    と、(c)25℃においてせいぜい約1000ミリオー
    ムである抵抗を有し、結晶性高分子と、これに分散され
    た、少なくとも約60ミリミクロンの平均粒子径を有
    し、少なくとも約80cc/100gのジブチルフタレ
    ート吸収を有するカーボンブラックとからなる、正の温
    度係数を有する導電性高分子組成物を、少なくとも2つ
    の電極に電気的に接触させ、前記電極が前記導電性高分
    子組成物に電流が流れるようにする前記回路に接続して
    いる、回路保護装置とからなる、電気回路。
  18. 【請求項18】 (a)電力源と、(b)電気的負荷
    と、(c)25℃においてせいぜい約1000ミリオー
    ムである抵抗を有し、結晶性高分子と、これに分散され
    た、少なくとも約60ミリミクロンの平均粒子径を有
    し、少なくとも約80cc/100gのジブチルフタレ
    ート吸収を有するカーボンブラックとからなる、正の温
    度係数を有する導電性高分子組成物を、少なくとも2つ
    の電極に電気的に接触させ、前記電極が前記導電性高分
    子組成物に電流が流れるようにする前記回路に接続して
    おり、前記装置が前記電気的負荷の温度に反応するよう
    な、回路保護装置とからなる、電気回路。
  19. 【請求項19】 RLが、前記回路保護装置と直列につ
    ながっていて、障害状態でないときの、回路におけるの
    残りの抵抗である場合、障害状態にない前記回路保護装
    置の抵抗が、0.1xRLよりも小さいことを特徴とする
    特許請求の範囲第18項に記載の電気回路。
  20. 【請求項20】 バッテリーの少なくとも1つの副電池
    と、回路保護装置とからなり、この回路保護装置が前記
    バッテリーがチャージされているとき、前記バッテリー
    の電池もしくは前記副電池と、直列に繋がり、前記回路
    保護装置が、正の温度係数を有する導電性高分子エレメ
    ントと少なくとも2つの電極とからなり、これらが、前
    記バッテリーが再度チャージされるとき、電流が前記導
    電性高分子エレメントにながれるように、電気的に接触
    されており、前記導電性高分子エレメントが、結晶性高
    分子と、これに分散された、少なくとも約60ミリミク
    ロンの平均粒子径を有し、少なくとも約80cc/10
    0gのジブチルフタレート吸収を有するカーボンブラッ
    クとからなり、前記電極が前記導電性高分子エレメント
    に電流が流れるように前記回路に接続されており、前記
    保護装置が、−40℃と前記導電性高分子エレメントの
    切り替え温度との間の温度において、せいぜい約100
    0ミリオームである抵抗を有し、前記チャージ電流が8
    ボルトから60ボルトの範囲の電圧において、供される
    ものである、バッテリー保護回路。
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