JPH05345740A - 5−(4−クロルフェニル)−2−ペンタノンの製造法 - Google Patents
5−(4−クロルフェニル)−2−ペンタノンの製造法Info
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- JPH05345740A JPH05345740A JP19445992A JP19445992A JPH05345740A JP H05345740 A JPH05345740 A JP H05345740A JP 19445992 A JP19445992 A JP 19445992A JP 19445992 A JP19445992 A JP 19445992A JP H05345740 A JPH05345740 A JP H05345740A
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- chlorophenyl
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C45/00—Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
- C07C45/51—Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by pyrolysis, rearrangement or decomposition
- C07C45/511—Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by pyrolysis, rearrangement or decomposition involving transformation of singly bound oxygen functional groups to >C = O groups
- C07C45/515—Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by pyrolysis, rearrangement or decomposition involving transformation of singly bound oxygen functional groups to >C = O groups the singly bound functional group being an acetalised, ketalised hemi-acetalised, or hemi-ketalised hydroxyl group
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【構成】 一般式Iの5−ハロ−2−ペンタノンケター
ルと一般式IIの4−クロルフェニルとを、銅触媒存在下
に反応させ、一般式IIIの5−(4−クロルフェニル)
−2−ペンタノンケタールを得て、酸の存在下に加水分
解する式IVの5−(4−クロルフェニル)−2−ペンタ
ノンの製造法。 (式中Xは塩素原子または臭素原子を表す。R1および
R2は低級アルキル基を表し、R1およびR2は低級ア
ルキレン基であって互いに結合し環を形成することもで
きる) 【効果】 簡便な操作により医薬・農薬の中間体として
有用な5−(4−クロルフェニル)−2−ペンタノンを
高収率で容易に製造できる。
ルと一般式IIの4−クロルフェニルとを、銅触媒存在下
に反応させ、一般式IIIの5−(4−クロルフェニル)
−2−ペンタノンケタールを得て、酸の存在下に加水分
解する式IVの5−(4−クロルフェニル)−2−ペンタ
ノンの製造法。 (式中Xは塩素原子または臭素原子を表す。R1および
R2は低級アルキル基を表し、R1およびR2は低級ア
ルキレン基であって互いに結合し環を形成することもで
きる) 【効果】 簡便な操作により医薬・農薬の中間体として
有用な5−(4−クロルフェニル)−2−ペンタノンを
高収率で容易に製造できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬、農薬等の合成中
間体として有用な5−(4−クロルフェニル)−2−ペ
ンタノンの新規な製造法に関する。例えば5−(4−ク
ロルフェニル)−2−ペンタノンは抗不整脈剤として有
用なフェニルアルキルアミン類の第4級アンモニア塩の
出発原料となる(特開昭54−95520号公報参
照)。
間体として有用な5−(4−クロルフェニル)−2−ペ
ンタノンの新規な製造法に関する。例えば5−(4−ク
ロルフェニル)−2−ペンタノンは抗不整脈剤として有
用なフェニルアルキルアミン類の第4級アンモニア塩の
出発原料となる(特開昭54−95520号公報参
照)。
【0002】
【従来技術及びその問題点】従来の5−(4−クロルフ
ェニル)−2−ペンタノンの製造法としては、1−(4
−クロルフェニル)−3−ペンテン−1,2−ジオール
を硫酸水溶液中で加熱脱水し、約70%の収率で、5−
(4−クロルフェニル)−3−ペンテン−2−オンと、
5−(4−クロルフェニル)−4−ペンテン−2−オン
との混合物を得て、次いで、それらの二重結合部位を還
元触媒存在下、水素添加することにより5−(4−クロ
ルフェニル)−2−ペンタノンを得る方法が知られてい
る〔Bull,Soc,Chim,Fr,5,167
6,(1973)参照〕。
ェニル)−2−ペンタノンの製造法としては、1−(4
−クロルフェニル)−3−ペンテン−1,2−ジオール
を硫酸水溶液中で加熱脱水し、約70%の収率で、5−
(4−クロルフェニル)−3−ペンテン−2−オンと、
5−(4−クロルフェニル)−4−ペンテン−2−オン
との混合物を得て、次いで、それらの二重結合部位を還
元触媒存在下、水素添加することにより5−(4−クロ
ルフェニル)−2−ペンタノンを得る方法が知られてい
る〔Bull,Soc,Chim,Fr,5,167
6,(1973)参照〕。
【0003】しかし、この方法は、出発物質となる1−
(4−クロルフェニル)−3−ペンテン−1,2−ジオ
ールの合成が困難であり、出発物質の加熱脱水時には多
量の樹脂状生成物が副生し目的化合物の単離、精製が困
難であるという欠点があり、さらに上記文献には接触還
元時の収率および副反応についての詳細な記載はない
が、一般に、公知の接触還元法ではカルボニル基の還元
生成物、芳香環の脱塩素化生成物等の副生物の生成が認
められ、水添反応は定量的には進行しない。したがっ
て、この方法は工業的には有利な方法とは言えない。
(4−クロルフェニル)−3−ペンテン−1,2−ジオ
ールの合成が困難であり、出発物質の加熱脱水時には多
量の樹脂状生成物が副生し目的化合物の単離、精製が困
難であるという欠点があり、さらに上記文献には接触還
元時の収率および副反応についての詳細な記載はない
が、一般に、公知の接触還元法ではカルボニル基の還元
生成物、芳香環の脱塩素化生成物等の副生物の生成が認
められ、水添反応は定量的には進行しない。したがっ
て、この方法は工業的には有利な方法とは言えない。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】本発明は工業的に有利
な5−(4−クロルフェニル)−2−ペンタノンを高収
率で合成する新規な製造方法を提供することを目的とす
る。
な5−(4−クロルフェニル)−2−ペンタノンを高収
率で合成する新規な製造方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明は、一般式
(I)
(I)
【0006】
【化4】
【0007】(式中、Xは塩素原子または臭素原子を表
す。R1およびR2は同一または相異なる低級アルキル
基を表し、R1およびR2は低級アルキレン基であって
互いに結合し環を形成することもできる)で示される5
−ハロ−2−ペンタノンケタールと、一般式(II)
す。R1およびR2は同一または相異なる低級アルキル
基を表し、R1およびR2は低級アルキレン基であって
互いに結合し環を形成することもできる)で示される5
−ハロ−2−ペンタノンケタールと、一般式(II)
【0008】
【化5】
【0009】(式中、Xは前記と同じ意味を有する)で
示される4−クロルフェニルグリニヤール試薬とを、銅
触媒存在下に反応させ、一般式(III)
示される4−クロルフェニルグリニヤール試薬とを、銅
触媒存在下に反応させ、一般式(III)
【0010】
【化6】
【0011】(式中、R1およびR2は前記と同じ意味
を有する)で示される5−(4−クロルフェニル)−2
−ペンタノンケタールを得て、次いで、酸の存在下に加
水分解することを特徴とする5−(4−クロルフェニ
ル)−2−ペンタノンの製造法に関する。
を有する)で示される5−(4−クロルフェニル)−2
−ペンタノンケタールを得て、次いで、酸の存在下に加
水分解することを特徴とする5−(4−クロルフェニ
ル)−2−ペンタノンの製造法に関する。
【0012】本発明の反応の全工程は、次の反応式
(I)、
(I)、
【0013】
【式1】
【0014】(式中、R1、R2およびXは前記と同じ
意味である)に従って行われる反応を使用するものであ
る。即ち、第1工程は5−ハロ−2−ペンタノンケター
ル〔化合物(I)〕と4−クロルフェニルグリニヤール
試薬〔化合物(II)〕とを銅触媒存在下にクロスカッ
プリングする反応であり、第2工程は第1工程の生成物
である5−(4−クロルフェニル)−2−ペンタノンケ
タール〔化合物(III)〕を酸の存在下で加水分解し
て目的化合物である5−(4−クロルフェニル)−2−
ペンタノン〔化合物(IV)〕を合成する反応である。
意味である)に従って行われる反応を使用するものであ
る。即ち、第1工程は5−ハロ−2−ペンタノンケター
ル〔化合物(I)〕と4−クロルフェニルグリニヤール
試薬〔化合物(II)〕とを銅触媒存在下にクロスカッ
プリングする反応であり、第2工程は第1工程の生成物
である5−(4−クロルフェニル)−2−ペンタノンケ
タール〔化合物(III)〕を酸の存在下で加水分解し
て目的化合物である5−(4−クロルフェニル)−2−
ペンタノン〔化合物(IV)〕を合成する反応である。
【0015】本発明の反応についてさらに詳しく説明す
る。第1工程は反応式(I)に従って行われる。本発明
の反応(第1工程)の原料物質である化合物(I)のX
は、塩素原子、臭素原子であるハロゲン原子であり、特
に臭素原子が好ましい。本発明の反応(第1工程)の原
料物質である化合物(I)の、R1およびR2はたとえ
ばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基のような
炭素数1〜4の低級アルキル基を挙げることができ、R
1およびR2はメチレン基、エチレン基、プロピレン基
のような低級アルキレン基であって、互いに結合し環を
形成することもできる。これらR1およびR2は同一の
基であってもよく相異なる基であってもよい。上記化合
物(I)は、公知の方法により容易に調製することがで
きる〔Org,Syn,Coll,Vol,6,597
(1963)・Helvetica,Chimica,
Acta,52(8),2465,(1969)など参
照〕
る。第1工程は反応式(I)に従って行われる。本発明
の反応(第1工程)の原料物質である化合物(I)のX
は、塩素原子、臭素原子であるハロゲン原子であり、特
に臭素原子が好ましい。本発明の反応(第1工程)の原
料物質である化合物(I)の、R1およびR2はたとえ
ばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基のような
炭素数1〜4の低級アルキル基を挙げることができ、R
1およびR2はメチレン基、エチレン基、プロピレン基
のような低級アルキレン基であって、互いに結合し環を
形成することもできる。これらR1およびR2は同一の
基であってもよく相異なる基であってもよい。上記化合
物(I)は、公知の方法により容易に調製することがで
きる〔Org,Syn,Coll,Vol,6,597
(1963)・Helvetica,Chimica,
Acta,52(8),2465,(1969)など参
照〕
【0016】本発明の反応(第1工程)のもう1つの原
料物質である上記化合物(II)のXは、塩素原子、臭
素原子であるハロゲン原子であり、上記化合物(II)
の好ましい化合物としては、たとえば、4−クロルフェ
ニルマグネシウムクロライド、4−クロルフェニルマグ
ネシウムブロマイドが好ましく、特に4−クロルフェニ
ルマグネシウムブロマイドが好ましい。上記化合物(I
I)は公知の方法により容易に調製することができる。
上記化合物(II)は、化合物(I)1モルに対して通
常1〜3モル、好ましくは1.1〜2.5モルの割合で
使用する。
料物質である上記化合物(II)のXは、塩素原子、臭
素原子であるハロゲン原子であり、上記化合物(II)
の好ましい化合物としては、たとえば、4−クロルフェ
ニルマグネシウムクロライド、4−クロルフェニルマグ
ネシウムブロマイドが好ましく、特に4−クロルフェニ
ルマグネシウムブロマイドが好ましい。上記化合物(I
I)は公知の方法により容易に調製することができる。
上記化合物(II)は、化合物(I)1モルに対して通
常1〜3モル、好ましくは1.1〜2.5モルの割合で
使用する。
【0017】本発明の反応(第1工程)において使用す
る銅触媒としては、たとえば、CuI、CuBr、Cu
Br2、CuCl、CuCl2およびLi2CuCl4
などが挙げられる。銅触媒は単独で用いてもよく、また
2種類以上の混合物として使用してもよい。銅触媒は、
化合物(I)1モルに対して通常0.001〜0.1モ
ル、好ましくは、0.005〜0.05モルの割合で使
用する。
る銅触媒としては、たとえば、CuI、CuBr、Cu
Br2、CuCl、CuCl2およびLi2CuCl4
などが挙げられる。銅触媒は単独で用いてもよく、また
2種類以上の混合物として使用してもよい。銅触媒は、
化合物(I)1モルに対して通常0.001〜0.1モ
ル、好ましくは、0.005〜0.05モルの割合で使
用する。
【0018】本発明の反応(第1工程)において使用す
る反応溶媒としては、グリニヤール試薬の調製に一般的
に用いられる、たとえばエチルエーテル、ブチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキ
サン、ジグライムのようなエーテル化合物類、あるいは
たとえば、ベンゼン、トルエンのような芳香族炭化水素
化合物類などとの混合溶媒が用られる。反応溶媒は化合
物(I)1モルに対して通常0.5〜3リットル、好ま
しくは、0.7〜2リットルの割合で使用する。
る反応溶媒としては、グリニヤール試薬の調製に一般的
に用いられる、たとえばエチルエーテル、ブチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキ
サン、ジグライムのようなエーテル化合物類、あるいは
たとえば、ベンゼン、トルエンのような芳香族炭化水素
化合物類などとの混合溶媒が用られる。反応溶媒は化合
物(I)1モルに対して通常0.5〜3リットル、好ま
しくは、0.7〜2リットルの割合で使用する。
【0019】本発明の反応(第1工程)において用いら
れる反応温度としては、通常20〜100℃の範囲が好
ましく、反応時間は反応温度、仕込み原料濃度、触媒濃
度に応じて1〜24時間である。本発明の反応(第1工
程)は、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスのよう
な不活性ガス気流下で行う方が好ましい。
れる反応温度としては、通常20〜100℃の範囲が好
ましく、反応時間は反応温度、仕込み原料濃度、触媒濃
度に応じて1〜24時間である。本発明の反応(第1工
程)は、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスのよう
な不活性ガス気流下で行う方が好ましい。
【0020】本発明の反応(第1工程)において化合物
(I)のハロゲン原子が塩素原子である場合は、ヨウ素
含有無機塩を添加して反応を行うことは極めて有利であ
り、反応速度、収率を向上させることができる。ヨウ素
含有無機塩としてはLiI,NaI,KIのようなアル
カリ金属ヨウ素化合物が挙げられる。ヨウ素含有無機塩
は5−クロル−2−ペンタノンケタール1モルに対して
通常0.05〜0.2モルの割合で使用する。
(I)のハロゲン原子が塩素原子である場合は、ヨウ素
含有無機塩を添加して反応を行うことは極めて有利であ
り、反応速度、収率を向上させることができる。ヨウ素
含有無機塩としてはLiI,NaI,KIのようなアル
カリ金属ヨウ素化合物が挙げられる。ヨウ素含有無機塩
は5−クロル−2−ペンタノンケタール1モルに対して
通常0.05〜0.2モルの割合で使用する。
【0021】本発明の反応(第1工程)の反応終了後、
反応生成物〔化合物(III)〕の分離、精製は公知の
方法に従って行うことができる。すなわち、分離、精製
は、反応終了液を室温まで冷却後、残存する化合物(I
I)を水などを添加することにより分解し、次いで濾
過、抽出、洗浄、濃縮、蒸留などの公知の方法により容
易に行える。しかし、工業的には化合物(III)を単
離することなく、以下に説明する本発明の反応(第2工
程)における酸存在下の加水分解を行う方が好ましい。
反応生成物〔化合物(III)〕の分離、精製は公知の
方法に従って行うことができる。すなわち、分離、精製
は、反応終了液を室温まで冷却後、残存する化合物(I
I)を水などを添加することにより分解し、次いで濾
過、抽出、洗浄、濃縮、蒸留などの公知の方法により容
易に行える。しかし、工業的には化合物(III)を単
離することなく、以下に説明する本発明の反応(第2工
程)における酸存在下の加水分解を行う方が好ましい。
【0022】第2工程は反応式(I)の後半に従って行
われる。本発明の反応(第2工程)に用いられる水の使
用量は特に制限はないが、化合物(I)または(II
I)1モルに対して、通常0.1〜2リットルの割合で
用いられる。本発明の反応(第2工程)に用いられる酸
は、たとえば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸のような鉱
酸、またはp−トルエンスルフォン酸のような有機酸な
どであるが、好ましくは塩酸もしくは硫酸である。この
ような酸は、加水分解反応液のpHが通常2以下、好ま
しくは1以下になる量が用いられる。本発明の反応(第
2工程)に用いられる反応条件は、原料濃度、酸量など
に応じて異なるが、通常、反応温度は20〜100℃、
反応時間は0.5〜20時間で行われる。第2工程の反
応終了後、目的化合物〔化合物(IV)〕は抽出、濾
過、濃縮、蒸留などの公知の方法により容易に単離、精
製される。
われる。本発明の反応(第2工程)に用いられる水の使
用量は特に制限はないが、化合物(I)または(II
I)1モルに対して、通常0.1〜2リットルの割合で
用いられる。本発明の反応(第2工程)に用いられる酸
は、たとえば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸のような鉱
酸、またはp−トルエンスルフォン酸のような有機酸な
どであるが、好ましくは塩酸もしくは硫酸である。この
ような酸は、加水分解反応液のpHが通常2以下、好ま
しくは1以下になる量が用いられる。本発明の反応(第
2工程)に用いられる反応条件は、原料濃度、酸量など
に応じて異なるが、通常、反応温度は20〜100℃、
反応時間は0.5〜20時間で行われる。第2工程の反
応終了後、目的化合物〔化合物(IV)〕は抽出、濾
過、濃縮、蒸留などの公知の方法により容易に単離、精
製される。
【0023】
【発明の効果】本発明の反応を用いれば、工業上入手容
易な原料から、簡便な操作により医薬・農薬などの中間
体として有用な5−(4−クロルフェニル)−2−ペン
タノンを高収率で容易に製造できる。
易な原料から、簡便な操作により医薬・農薬などの中間
体として有用な5−(4−クロルフェニル)−2−ペン
タノンを高収率で容易に製造できる。
【0024】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に詳しく説明するが、本発明は、その趣旨を越えない限
り以下の実施例に限定されるものではない。
に詳しく説明するが、本発明は、その趣旨を越えない限
り以下の実施例に限定されるものではない。
【0025】実施例1 〔反応式Iの第1工程〕窒素気流下、4−クロルフェニ
ルマグネシウムブロマイド(0.15モル)のテトラヒ
ドロフラン溶液130ミリリットルに、室温で攪拌しな
がら、CuI0.285g(1.5ミリモル)を添加
し、さらに5−ブロモ−2−ペンタノンエチレンケター
ル20.9g(0.1モル)とテトラヒドロフラン40
ミリリットルの混合溶液をゆっくりと滴下した。その
後、5時間加熱還流した。反応終了後、室温まで冷却
し、水50ミリリットルを加えて過剰のグリニヤール試
薬を分解した。減圧下に溶媒のテトラヒドロフランを留
去し、20℃に冷却した後、氷冷下にトルエン100ミ
リリットルおよび1N−塩酸水溶液50ミリリットルを
加えて攪拌した。不溶物を濾別した後、有機層と水層を
分離し、水層はさらにトルエン50ミリリットルで抽出
し、合わせた有機層を飽和重曹水20ミリリットル、飽
和食塩水20ミリリットルの順で洗浄した。有機層を無
水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、濾液を減圧濃縮し
て褐色オイル状の残渣を得た。この残渣を真空蒸留し
て、5−(4−クロルフェニル)−2−ペンタノンエチ
レンケタール21.7gを無色透明のオイル状物質とし
て得た。 収率90.1%。 沸点 112〜115℃/1〜2mmHg。 IR(液膜法、cm−1) 2950、1490、1070。 MS(CI) M++1=241,243。 PMR(CDCl3,δ) 1.30(3H,s),1.63〜1.74(4H,
m),2.59(2H,dd,J=6.8Hz,7.6
Hz),3.80〜4.00(4H,m),7.10
(2H,d),7.23(2H,d)。
ルマグネシウムブロマイド(0.15モル)のテトラヒ
ドロフラン溶液130ミリリットルに、室温で攪拌しな
がら、CuI0.285g(1.5ミリモル)を添加
し、さらに5−ブロモ−2−ペンタノンエチレンケター
ル20.9g(0.1モル)とテトラヒドロフラン40
ミリリットルの混合溶液をゆっくりと滴下した。その
後、5時間加熱還流した。反応終了後、室温まで冷却
し、水50ミリリットルを加えて過剰のグリニヤール試
薬を分解した。減圧下に溶媒のテトラヒドロフランを留
去し、20℃に冷却した後、氷冷下にトルエン100ミ
リリットルおよび1N−塩酸水溶液50ミリリットルを
加えて攪拌した。不溶物を濾別した後、有機層と水層を
分離し、水層はさらにトルエン50ミリリットルで抽出
し、合わせた有機層を飽和重曹水20ミリリットル、飽
和食塩水20ミリリットルの順で洗浄した。有機層を無
水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、濾液を減圧濃縮し
て褐色オイル状の残渣を得た。この残渣を真空蒸留し
て、5−(4−クロルフェニル)−2−ペンタノンエチ
レンケタール21.7gを無色透明のオイル状物質とし
て得た。 収率90.1%。 沸点 112〜115℃/1〜2mmHg。 IR(液膜法、cm−1) 2950、1490、1070。 MS(CI) M++1=241,243。 PMR(CDCl3,δ) 1.30(3H,s),1.63〜1.74(4H,
m),2.59(2H,dd,J=6.8Hz,7.6
Hz),3.80〜4.00(4H,m),7.10
(2H,d),7.23(2H,d)。
【0026】〔反応式Iの第2工程〕反応式Iの第1工
程で得られた、5−(4−クロルフェニル)−2−ペン
タノンエチレンケタール20.5g(0.085モル)
と水85ミリリットルの混合液に、攪拌しながら、濃塩
酸を加えてpHを0.5に調整し、60℃に昇温後5時
間、攪拌しながら、反応を行った。反応終了液を、室温
まで冷却した後、トルエン50ミリリットルで2回抽出
し、有機層を合わせて飽和重曹水20ミリリットル、飽
和食塩水20ミリリットルの順で洗浄した。有機層を無
水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、濾液を減圧濃縮し
て残渣を得た。この残渣を真空蒸留して、5−(4−ク
ロルフェニル)−2−ペンタノン15.9gを無色透明
のオイル状物質として得た 収率95.2% 沸点 86〜90℃/0.5〜1mmHg。 IR(液膜法、cm−1) 1715、1490。 MS(EI) M+=196,198。 PMR(CDCl3,δ) 1.88(2H,tt J=8.1Hz),2.12
(3H,s),2.43(2H,t,J=8.1H
z),2.59(2H,t,J=8.1Hz),7.1
0(2H,d),7.26(2H,d)。
程で得られた、5−(4−クロルフェニル)−2−ペン
タノンエチレンケタール20.5g(0.085モル)
と水85ミリリットルの混合液に、攪拌しながら、濃塩
酸を加えてpHを0.5に調整し、60℃に昇温後5時
間、攪拌しながら、反応を行った。反応終了液を、室温
まで冷却した後、トルエン50ミリリットルで2回抽出
し、有機層を合わせて飽和重曹水20ミリリットル、飽
和食塩水20ミリリットルの順で洗浄した。有機層を無
水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、濾液を減圧濃縮し
て残渣を得た。この残渣を真空蒸留して、5−(4−ク
ロルフェニル)−2−ペンタノン15.9gを無色透明
のオイル状物質として得た 収率95.2% 沸点 86〜90℃/0.5〜1mmHg。 IR(液膜法、cm−1) 1715、1490。 MS(EI) M+=196,198。 PMR(CDCl3,δ) 1.88(2H,tt J=8.1Hz),2.12
(3H,s),2.43(2H,t,J=8.1H
z),2.59(2H,t,J=8.1Hz),7.1
0(2H,d),7.26(2H,d)。
【0027】実施例2 窒素気流下、4−クロルフェニルマグネシウムブロマイ
ド(0.15モル)のテトラヒドロフラン溶液130ミ
リリットルに、室温で攪拌しながら、CuI0.285
g(1.5ミリモル)を添加し、さらに5−ブロモ−2
−ペンタノンエチレンケタール20.9g(0.1モ
ル)とトルエン40ミリリットルの混合溶液をゆっくり
と滴下した。その後、5時間加熱還流した。反応終了
後、室温まで冷却し、氷冷下、1N−塩酸水溶液37ミ
リリットルを加えてpH0.3に調整した後、30℃で
4時間撹拌して反応させた(グリニヤール試薬の分解と
中間生成物の分解)。反応終了後、有機層と水層を分離
し、水層はさらにトルエン30ミリリットルで2回抽出
し、合わせた有機層を濾過して不純物を濾別した。濾液
にトルエン50ミリリットルを加えた後、減圧下で溶媒
のテトラヒドロフランを留去して20℃に冷却し、目的
物を含有するトルエン溶液を得て、その後に、その溶液
に飽和重曹水20ミリリットル、飽和食塩水20ミリリ
ットルの順で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥、濾過後、濾液に内部標準物質を加えガスクロマ
トグラフィーにより、5−(4−クロルフェニル)−2
−ペンタノンを定量した。 収率96.4%。
ド(0.15モル)のテトラヒドロフラン溶液130ミ
リリットルに、室温で攪拌しながら、CuI0.285
g(1.5ミリモル)を添加し、さらに5−ブロモ−2
−ペンタノンエチレンケタール20.9g(0.1モ
ル)とトルエン40ミリリットルの混合溶液をゆっくり
と滴下した。その後、5時間加熱還流した。反応終了
後、室温まで冷却し、氷冷下、1N−塩酸水溶液37ミ
リリットルを加えてpH0.3に調整した後、30℃で
4時間撹拌して反応させた(グリニヤール試薬の分解と
中間生成物の分解)。反応終了後、有機層と水層を分離
し、水層はさらにトルエン30ミリリットルで2回抽出
し、合わせた有機層を濾過して不純物を濾別した。濾液
にトルエン50ミリリットルを加えた後、減圧下で溶媒
のテトラヒドロフランを留去して20℃に冷却し、目的
物を含有するトルエン溶液を得て、その後に、その溶液
に飽和重曹水20ミリリットル、飽和食塩水20ミリリ
ットルの順で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥、濾過後、濾液に内部標準物質を加えガスクロマ
トグラフィーにより、5−(4−クロルフェニル)−2
−ペンタノンを定量した。 収率96.4%。
【0028】実施例3〜6 CuIの代わりに表1に示すような種々の銅触媒を用い
た他は、実施例2と同様の反応及び反応後の操作を行っ
て、5−(4−クロルフェニル)−2−ペンタノンを定
量した。
た他は、実施例2と同様の反応及び反応後の操作を行っ
て、5−(4−クロルフェニル)−2−ペンタノンを定
量した。
【0029】
【表1】
【0030】実施例7 窒素気流下、5−クロル−2−ペンタノンエチレンケタ
ール16.4g(0.1モル)、CuI0.19g(1
ミリモル)、ヨウ化ナトリウム1.50g(0.01モ
ル)、トルエン30ミリリットルおよびテトラヒドロフ
ラン40ミリリットルの混合液に、室温で攪拌しなが
ら、4−クロルフェニルマグネシウムブロマイド(0.
15モル)のテトラヒドロフラン溶液100ミリリット
ルをゆっくりと滴下した。その後20時間加熱還流し
た。反応終了後、室温まで冷却し、氷冷下、水50ミリ
リットルを加えた後、濃塩酸を加えてpH0.3に調整
した後、30℃で4時間攪拌して反応させた(グリニヤ
ール試薬の分解と中間生成物の分解)。反応終了後、有
機層と水層とに分離し、水層はさらにトルエン30ミリ
リットルで2回抽出し、合わせた有機層を濾過して不溶
物を濾別した。濾液にトルエン50ミリリットルを加え
た後、減圧下で溶媒のテトラヒドロフランを留去して2
0℃に冷却し、目的物を含有するトルエン溶液を得て、
その後に、その溶液に飽和重曹水20ミリリットル、飽
和食塩水20ミリリットルの順で洗浄した。有機層を無
水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、濾液に内部標準物
質を加えガスクロマトグラフィーにより、5−(4−ク
ロルフェニル)−2−ペンタノンを定量した。 収率82.8%。
ール16.4g(0.1モル)、CuI0.19g(1
ミリモル)、ヨウ化ナトリウム1.50g(0.01モ
ル)、トルエン30ミリリットルおよびテトラヒドロフ
ラン40ミリリットルの混合液に、室温で攪拌しなが
ら、4−クロルフェニルマグネシウムブロマイド(0.
15モル)のテトラヒドロフラン溶液100ミリリット
ルをゆっくりと滴下した。その後20時間加熱還流し
た。反応終了後、室温まで冷却し、氷冷下、水50ミリ
リットルを加えた後、濃塩酸を加えてpH0.3に調整
した後、30℃で4時間攪拌して反応させた(グリニヤ
ール試薬の分解と中間生成物の分解)。反応終了後、有
機層と水層とに分離し、水層はさらにトルエン30ミリ
リットルで2回抽出し、合わせた有機層を濾過して不溶
物を濾別した。濾液にトルエン50ミリリットルを加え
た後、減圧下で溶媒のテトラヒドロフランを留去して2
0℃に冷却し、目的物を含有するトルエン溶液を得て、
その後に、その溶液に飽和重曹水20ミリリットル、飽
和食塩水20ミリリットルの順で洗浄した。有機層を無
水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、濾液に内部標準物
質を加えガスクロマトグラフィーにより、5−(4−ク
ロルフェニル)−2−ペンタノンを定量した。 収率82.8%。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 淳一 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Xは塩素原子または臭素原子を表す。R1およ
びR2は同一または相異なる低級アルキル基を表し、R
1およびR2は低級アルキレン基であって互いに結合し
環を形成することもできる)で示される5−ハロ−2−
ペンタノンケタールと、一般式(II) 【化2】 (式中、Xは前記と同じ意味を有する)で示される4−
クロルフェニルグリニヤール試薬とを、銅触媒存在下に
反応させ、一般式(III) 【化3】 (式中、R1およびR2は前記と同じ意味を有する)で
示される5−(4−クロルフェニル)−2−ペンタノン
ケタールを得て、次いで、酸の存在下に加水分解するこ
とを特徴とする5−(4−クロルフェニル)−2−ペン
タノンの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19445992A JPH05345740A (ja) | 1992-06-12 | 1992-06-12 | 5−(4−クロルフェニル)−2−ペンタノンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19445992A JPH05345740A (ja) | 1992-06-12 | 1992-06-12 | 5−(4−クロルフェニル)−2−ペンタノンの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05345740A true JPH05345740A (ja) | 1993-12-27 |
Family
ID=16324920
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19445992A Pending JPH05345740A (ja) | 1992-06-12 | 1992-06-12 | 5−(4−クロルフェニル)−2−ペンタノンの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05345740A (ja) |
-
1992
- 1992-06-12 JP JP19445992A patent/JPH05345740A/ja active Pending
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