JPH05345147A - 流体中微粒子の荷電凝集濾過方法及び当該方法に用いるフィルターエレメント並びに流体濾過装置 - Google Patents

流体中微粒子の荷電凝集濾過方法及び当該方法に用いるフィルターエレメント並びに流体濾過装置

Info

Publication number
JPH05345147A
JPH05345147A JP4192193A JP4192193A JPH05345147A JP H05345147 A JPH05345147 A JP H05345147A JP 4192193 A JP4192193 A JP 4192193A JP 4192193 A JP4192193 A JP 4192193A JP H05345147 A JPH05345147 A JP H05345147A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluid
filter
filter element
conductive material
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4192193A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08210B2 (ja
Inventor
Noboru Inoue
昇 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP4192193A priority Critical patent/JPH08210B2/ja
Publication of JPH05345147A publication Critical patent/JPH05345147A/ja
Publication of JPH08210B2 publication Critical patent/JPH08210B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrostatic Separation (AREA)
  • Filtering Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 色素等に代表される極微な不純物粒子が効率
よく除去できるとともに、目詰まりすることがなく、長
期間にわたってメンテナンスを必要としない流体中微粒
子の荷電凝集濾過方法と、当該方法に用いるフィルター
エレメント並びに流体濾過装置を提供せんとするもので
ある。 【構成】 流体の通過間隙を多設した導電性素材によっ
てフィルターエレメントの濾過層の全体を構成するか、
あるいは導電性素材製の濾過層を複数層設けたフィルタ
ーエレメントを構成し、導電性素材の濾過層を荷電極と
しても利用したことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体中微粒子の荷電凝
集濾過方法及び当該方法に用いるフィルターエレメント
並びに流体濾過装置に関し、更に詳しくは空気、ガス等
の気体の浄化、水、油、洗浄液、加工液等の液体の浄化
等、昨今叫ばれている地球環境の浄化に貢献することが
できる技術に関し、特に排水中のオングストロームオー
ダの色素も除去することができる流体中微粒子の荷電凝
集濾過方法及び当該方法に用いるフィルターエレメント
並びに流体濾過装置に関する。
【0002】
【従来の技術】流体中の微小なゴミ粒子はその流体との
界面に電位をもつ帯電体となっている。従来、このよう
なゴミ粒子を除去する方法としては、外部から電位を与
えなくてもそれ自身、自然電位を有するチタン酸バリウ
ム等の粉末をフィルターにコーティングしてフィルター
自身に電位をもたせたゼータ電位付加型フィルターエレ
メントが知られている。しかしながら、このフィルター
エレメントは使用の進行に伴ってコーティング材料が流
出してフィルターの電位が徐々に失われる結果、フィル
ターとしての有効時間が短く、したがって交換頻度も高
くコストがかかる欠点があった。
【0003】このような状況に鑑み提案されたものとし
て、当出願人が実開平3−989113号として提案し
ているものがある。これは本体容器を兼ねた外筒電極の
内部に前記外筒電極と同電位となした内筒電極を同心状
に配置して両電極間に処理対象液の流通空間を形成する
とともに、該流通空間内に、外表面に金属製多孔板を直
接配設した濾過フィルターを内装した構成であり、前記
金属製多孔板に直接荷電することによって、外筒電極及
び内筒電極と金属製多孔板間の液中の不純物粒子がもつ
界面電位(ゼーター電位)をクーロン力で引きつけて不
純物粒子の凝集粗粒化をはかり、この粗粒化した不純物
粒子を金属製多孔板の背後に配置された濾過フィルター
の濾目により捕捉することにより、流体中の不純物の除
去を行うものである。そしてこの装置ではゼーター電位
を中和させるための電圧は外部から与えられているか
ら、長期の使用においてもフィルター表面の電位が失わ
れることはなくなった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この装
置では、流体のフィルターへの流入は金属製多孔板を経
由して行われることから、流体のフィルターへの流入量
は多孔板上の孔の開孔比率に依存し、処理量に限界があ
るうえに、この装置では、フィルターの表面にのみ電位
が与えられているのみであるから、フィルターの径方向
深部ではフィルターの帯電状態が不充分であり、フィル
ターの径方向深部においては不純物粒子の捕捉効果は低
いのが実情であった。
【0005】また、上記装置ではフィルターの径方向深
部ではフィルターの帯電状態が不充分であるため、その
作用対象が10ミクロン前後の比較的大きい微粒子に限
定される問題があり、それ以下の極微粒子の凝集には多
数回の循環の繰り返しが必要であって処理時間が多くか
かる欠点もあった。また上記装置で不純物粒子の凝集粗
粒化効率を高めようとすれば、荷電電圧を高めるしか方
法がないが、特に直流荷電方式の場合、印加電圧を高め
ると、荷電極が電蝕を来して電極金属がイオン化する問
題があり、例えばステンレス製電極を使用した場合など
は、六価クロムが生成されるため廃液処理が困難となる
問題があり、このため印加電圧の高電圧化にも限界があ
るのが実情であった。
【0006】本発明はかかる現況に鑑みてなされたもの
であり、フィルターへの処理対象流体の流入が円滑であ
るとともに大量の流体を濾過することができ、且つ高電
圧を印加しなくても優れた濾過性能が得られる流体中微
粒子の荷電凝集濾過方法を提案せんとするものである。
そして、フィルター深部にいたるまで帯電させることに
より、フィルターによる不純物粒子の捕捉効果も高める
ことができ、例えば、色素等に代表されるオングストロ
ームオーダーの極微な不純物粒子も効果的に除去するこ
とができる流体中微粒子の荷電凝集濾過方法を提案し、
合わせて当該方法に用いるフィルターエレメント並びに
当該フィルターエレメントを組み込んだ流体濾過装置を
も提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するにあたって、流体中微粒子の荷電凝集濾過方法
についての原理的考察を行い、従来からの経験を基礎に
して研究と実験を繰り返した結果、次の新たな原理及び
法則性を発見した。そして、この発見に基づいて完成さ
せたのが本発明である。
【0008】従来より流体中微粒子の荷電凝集濾過は次
の原理によって理解されている。即ち、電気化学の理論
によれば流体中の微粒子は流体との界面に電気二重層の
ゼータ電位に起因する界面電位を持っており、この界面
電位に起因したクーロン力が微粒子間に働くことによっ
て、各微粒子はお互いに反撥しあいながら流体中に浮遊
している。今何らかの形で外からのエネルギーを与え、
この界面電位を中和するか小さくしてやることができれ
ば、クーロン力による反撥力は減少して、クーロン力に
よる反撥力よりも微粒子間に本来自然力として働いてい
る分子間引力(ファンデル.ファールス力)の方が強く
なり、この結果、微粒子同志が引き合って合体し微粒子
は凝集粗粒化される。この様にして大きくした粒子をこ
の粒子が引っ掛かる程度の大きさの濾目のフィルターで
取り除けば精密濾過が可能となるわけである。そして、
この場合、濾目が粗いほど目詰まりしにくいためフィル
ター寿命がながく、ランニングコストを低く抑えること
ができる。
【0009】ここまでは、従来より概念的には理解され
ていたが、しかしながら外部エネルギー源としての印加
電圧と、これによって微粒子に与えられるエネルギー量
との関係やエネルギー量と他のパラメータとの関係性
等、パラメータ相互の関係が把握されていなかったた
め、装置設計の重要因子の評価が困難であり、このため
統一的理論に基づいた装置改良が提案しづらかった。
【0010】本発明者は、鋭意検討の結果、これらパラ
メータ相互の関係性を見出し、これらパラメータが次の
関係を有することを見出した。 (1) G=Kmf2 2 /r2 ……<印加電圧が交流電圧である場合> (2) G=Kma2 /r2 ……<印加電圧が直流電圧である場合> (但し、G:微粒子に作用するエネルギー総量、K:定
数、m:微粒子の質量、f:交流の周波数(振動数)、
a:電圧(振幅)、r:荷電極間隔)
【0011】この一般式に基づいて次の評価ができる。
先ず印加電圧が交流電圧である場合について考察する。
(1)式から理解されるように、他のパラメータが一定
である限り、微粒子の質量mが小さい程、言い換えれば
粒子径が小さい程、微粒子に作用するエネルギー総量G
が小さくなりその界面電位を中和又は小さくするのは難
しくなる。従って小さい粒子ほど凝集させにくいことが
わかる。
【0012】またエネルギー総量Gはこの式で周波数f
の2乗及び電圧aの2乗に比例するので、周波数f及び
電圧aを大きくすれば、微粒子に作用する中和エネルギ
ーは対数函数的に大きくすることが可能であり、電圧a
又は周波数fを大きくすることで、極微粒子の凝集濾過
が可能となることがわかる。
【0013】しかしながら、電圧aをあまり大きくする
と絶縁破壊のおそれがある上に、取扱い上の安全性にも
問題があり、また特に印加電圧が直流電圧である場合に
は電蝕の問題もあって、電圧aを高くできる限界は、流
体の電気抵抗によって自ずと規定される。例えば水溶液
では25V、油では500V、空気中では5000V/
3cm程度が限界である。
【0014】他方、周波数fを高めることにも限界があ
り、実験の結果100KHzを超えると電磁波としての
性格が顕著になって荷電凝集濾過にとってはむしろ逆効
果となる。尚、印加電圧が交流の場合、流体中の微粒子
に対しては交流サイクルによる印加電圧の反転によって
吸引力と反撥力が交互に作用することから、ここで作用
するエネルギーは振動エネルギーであると定義できる。
【0015】次に印加電圧が直流電圧である場合につい
て考察する。印加電圧が直流電圧である場合のエネルギ
ー総量Gを示す一般式は(2)式で示される。(2)式
は前記(1)式において周波数fのパラメータを除外し
たものであり、この場合のエネルギー総量Gによって表
現される微粒子に作用する力はクーロン力であると定義
できる。(2)式より明らかなように、印加電圧が直流
電圧である場合には電圧aを大きくとること以外効率が
上がらないことを示している。したがって直流電圧印加
式の場合は印加電圧を高くすることが重要であり、この
ため直流電圧印加式の場合は高電圧を印加しても荷電極
が電蝕しないように、荷電極素材として非金属導電性素
材を使用することが考慮される。
【0016】このように印加電圧が交流の場合は、周波
数fと電圧aがエネルギー総量Gを規定する重要因子と
なり、他方直流の場合は電圧aが重要因子となることが
理解されるが、これらとともにエネルギー総量Gの規定
する重要因子としての荷電極間隔rについても考察する
必要がある。(1)(2)式より理解されるように、エ
ネルギー総量Gは、荷電極間隔rの2乗に反比例してお
り、これは二点間に働く力の理論における一般常識と合
致している。上記したように、周波数f及び電圧aを高
めることによってエネルギー総量Gを大きくすることに
は限界もあり、この場合は荷電極間隔rを調整すること
でエネルギー総量Gを高めることが重要になってくる。
【0017】理論的には荷電極間隔rを小さくすればす
るほどエネルギー総量Gは大きくなって凝集粗粒化効率
は高まるが、荷電極間隔rを小さくすることは加工上の
理由から限度がある。本発明では、荷電極間隔rを小さ
くする代わりに、導電性素材で濾過層を作成するととも
に、当該導電素材製濾過層自体を荷電極として用いるこ
とにより、荷電極と微粒子との距離を実質的に限りなく
ゼロに近づける方法を着想した。このような技術的手段
を併用することにより、無理のない範囲で周波数f及び
電圧aを選択することが可能となり、装置設計の自由度
を高めることが可能となった。
【0018】更に本発明者は、流体温度tを考慮したエ
ネルギー総量の一般式についても考察し、次式を得た。 (1´) G=Kmf2 2 t/r2 ……<印加電圧が交流電圧である場合> (2´) G=Kma2 t/r2 ……<印加電圧が直流電圧である場合> (但し、G:微粒子に作用するエネルギー総量、K:定
数、m:微粒子の質量、f:交流の周波数(振動数)、
a:電圧(振幅)、r:荷電極間隔) 式(1´),(2´)において、機械装置自身の設計要
素は周波数f、電圧a、荷電極間隔rであり、流体自体
によって規定される要素が微粒子の質量m及び流体の温
度tである。即ち機械としての周波数f、電圧a、荷電
極間隔rが一定であるとすれば流体の温度tを上げてや
れば総エネルギー量を増やすことができ、微粒子が凝集
し易くなることがわかる。
【0019】以上のような理論に基づいて完成された本
発明の流体中微粒子の荷電凝集濾過方法は次の内容を有
する。即ち、導電性素材を用いて構成した濾過層を兼ね
た荷電極と、前記荷電極に対応する対向電極とを、濾過
対象である流体の通過路途上に配置するとともに、前記
荷電極と対向電極との間に直流電圧を印加して濾過層全
体を帯電させ、荷電極と対向電極との間の空間に浮遊す
る流体中微粒子に対して直流電圧によるクーロン力を広
範囲に作用させ、微粒子を凝集粗粒化して微粒子凝集体
を生成したのち、当該微粒子凝集体を流体の流れに沿っ
て荷電極を兼ねた導電素材製濾過層内に流し込んで当該
導電素材製濾過層を通過させることにより流体中の微粒
子を除去してなる流体中微粒子の荷電凝集濾過方法であ
る。
【0020】また、荷電極と対向電極との間に交流電圧
を印加して濾過層全体を帯電させ、荷電極と対向電極と
の間の空間に浮遊する流体中微粒子に対して交流電圧に
よる振動エネルギーを広範囲に作用させる方法も提案す
る。
【0021】荷電極を兼ねた濾過層は、様々な形状のも
のが採用可能である。例えば、導電性素材で構成された
円筒型のフィルターを用いること。導電性素材を同心円
状に配置した内部中空容器状のフィルターを用いるこ
と。更に、導電性素材で構成された平板状フィルターを
用い、当該平板状フィルターを既設タンクに浸漬設置す
ることなどが採用可能である。また、導電性を有する吸
着剤を用いて荷電極を兼ねた濾過層を構成することも採
用可能である。
【0022】また、本発明は上記荷電凝集濾過方法に用
いるフィルターエレメントも提案する。このフィルター
エレメントは次の構成を有する。濾過対象である流体の
通過路途上に配置され、流体中の不純物粒子を除去する
フィルターエレメントにおいて、流体の通過間隙を多設
した導電性素材製の濾過層と誘電体素材又は吸着剤より
形成された濾過層を交互に配することによってフィルタ
ーエレメントを構成するとともに、且つその上下端をシ
ール材を兼ねた絶縁パッキンによって閉止し、前記導電
性素材製の濾過層を荷電極として利用して径方向深部に
も荷電効果がおよぶようにしたことを特徴としている。
【0023】また導電性素材製の荷電極を兼ねた濾過層
によってフィルターエレメントの全体を構成するのでは
なく、導電性素材製の荷電極を兼ねた濾過層をフィルタ
ーエレメント全体構成において複数層設けた構成とする
ことも可能であり、例えば導電性素材製の荷電極を兼ね
た濾過層と、誘電体素材又は吸着剤より形成された濾過
層とを交互に配してもよい。
【0024】導電性素材製の濾過層は炭素繊維、活性炭
等の表面積の大きい導電性素材により形成することがで
き、例えば、炭素繊維製の紐体を糸巻き状に巻回した
り、炭素繊維製の布を多層巻きすることによって濾過層
を形成することができる。
【0025】また、このような構成のフィルターエレメ
ントを用いた濾過装置としては、濾過対象流体の流入口
を有する外筒と、濾過後流体の流出路を兼ねるパイプ状
の中心アース電極を有し、前記外筒と同極となした中心
アース電極間に形成される流体通過空間に、導電性素材
を用いて構成した荷電極を兼ねた濾過層を具備したフィ
ルターエレメントを装着するとともに、外筒及び中心ア
ース電極と荷電極であるフィルターエレメントとの間に
濾過対象である流体の固有抵抗に応じた電圧を印加した
もの等が考慮される。
【0026】
【作用】先ず、本発明の流体中微粒子の荷電凝集濾過方
法の原理的作用を「a)印加電圧が交流電圧の場合(交
流荷電の場合)」と「b)印加電圧が直流電圧の場合
(直流荷電の場合)」とで区別して説明する。
【0027】a)交流荷電の場合 印加電圧の極性反転に対応して各微粒子は振動を繰り返
し、電圧aが大きい程、各微粒子の振動する振幅は大き
くなる。そして電圧aがある程度大きくなれば、同極の
界面電位を有する微粒子相互に作用するクーロン力の反
撥力に打ち勝って微粒子同士が極めて接近することにな
り、微粒子相互間に分子間引力が強力に作用するように
なって、微粒子は凝集粗粒化する。また交流電圧中には
直流成分も含まれていることから、この直流成分によっ
て微粒子の界面電位が打ち消され、微粒子の凝集粗粒化
は一層促進される。周波数fは振動の繰返し回数である
から、その回数が多いほど界面電位打ち消しの回数が多
く、したがって周波数fが高いほど微粒子の凝集粗粒化
効果は高まる。また、粒子質量mが小さいほど、電圧a
又は周波数fを高める必要があり、特に電圧aに制限が
あるときには周波数fを高めることが界面電位打ち消し
の必要エネルギーを得るうえで重要である。電極間距離
rは小さいほど電界が強くなり微粒子に与えられるエネ
ルギーも大きい。電極に近いほど微粒子の界面電位を打
ち消す力が大きくなるので本発明では荷電極を導電性素
材で構成する濾過層とし実質的に電極間距離を限りなく
ゼロに近づける工夫をした。交流荷電では電界内と荷電
極付近で凝集現象が起こり、凝集した微粒子、即ち、微
粒子凝集体は流体の流れに乗って濾過層表面に集まって
ケーク層を作る。当該ケーク層が予備濾過層としての機
能をはたすため濾過層本体の目詰まりを防止でき、且つ
濾過精度も向上できる。
【0028】b)直流荷電の場合 界面電位がプラスの微粒子はマイナス電極であるアース
極にクーロン力で引かれて集まり、アース極の表面で微
粒子が持つプラスの界面電位を中和されて電気的に中性
となり、微粒子同士が分子間引力で引かれて合体し凝集
する。電位を無くした微粒子凝集体は流体の流れに運ば
れ荷電極の表面に集まりケーク層を作る。ケーク層が予
備濾過層としての機能をはたすことは交流荷電の場合と
同じである。アース極はプラスの微粒子を絶えずクーロ
ン力で引きつけているため、その表面は絶えず汚れる傾
向にあり、このため時々掃除する必要がある。一方、界
面電位がマイナスの微粒子は導電性素材で構成されるプ
ラス電位の濾過層表面にクーロン力で引かれて集まり、
濾過層表面で界面電位を失い、微粒子は分子間引力でお
互いに引き合って凝集し、濾過層表面にケーク層を重ね
て行く。流体はこのケーク層の隙間を通って濾過され
る。界面電位がマイナスの微粒子は濾過層のプラス電位
にクーロン力で絶えず引かれて集まる吸着濾過が加わっ
ているので効率が良い。
【0029】また濾過層でもある荷電極の構成素材とし
て非金属の導電性素材を用いた場合は電蝕による有害な
金属イオンの流出がない。この場合印加電圧として、か
なり高い電圧を使用することができるので、界面電位の
中和に効果のある電圧まで印加電圧を上げる事が可能と
なり、オングストロームオーダーの色素等の極微粒子ま
で除去できる。但し、水溶液を対象流体とした場合は、
高電圧を印加すると、水溶液の電気分解により、マイナ
ス極から水素ガスが、他方、プラス極から酸素ガスが多
く発生するので、これら水素と酸素の混合ガスが引火爆
発しないように別途対策を講ずる必要がある。
【0030】また、上記原理を利用して具体的に構成し
たフィルターエレメントによる流体の濾過過程は次の如
くである。フィルターエレメントに流入する流体中の不
純物粒子は、流体の通過間隙を多設した荷電極を兼ねた
濾過層内を通過する過程で、当該濾過層に直接印加され
た電圧によるクーロン力によって直接引きつけられ、濾
過層に捕捉される。導電性素材はフィルターエレメント
の全体又はフィルターエレメント内に多層に設けられて
いるので、濾過層全体が帯電状態となるか、あるいは濾
過層の広範囲にわたる部分が帯電状態となるため、フィ
ルター内を通過する流体に対してフィルターを通過する
全行程において常時強いクーロン力を作用させることが
でき、フィルター深部においても不純物粒子に対する優
れた捕捉効果が発揮できる。そして、不純物粒子の捕捉
はクーロン力により行われることから、導電性素材製濾
過層の濾目よりもはるかに小さな不純物粒子も効率良く
捕捉することができる。
【0031】また、クーロン力による直接吸引作用に加
えて、電界作用により不純物粒子が保有するゼーター電
位が打ち消されて不純物粒子相互の凝集粗粒化が促進さ
れる結果、濾過層による不純物粒子の捕捉はより容易と
なる。
【0032】そして、特に荷電極を兼ねた濾過層を炭素
繊維、又は活性炭等の表面積の大きい導電性素材から形
成したときには、密集した微細な表面積部分の全てが荷
電極としての機能を発揮するので、処理流体中の不純物
粒子を効率良く捕捉することができ、しかも、繊維状間
又は活性炭間には実質的に無数の流体通過空間が形成さ
れているから、大量の流体を高効率で処理できる。
【0033】また、このようなフィルターエレメントを
内装した濾過装置においては、外筒に形成した流入口か
ら処理対象流体を導入し、フィルターエレメントを径方
向外側から内側に向けて通過させることによって流体中
の不純物粒子は除去され、濾過後の流体を、アース電極
を兼ねたパイプ状電極の一端に開設した流出口を通じて
装置外部に排出するものである。
【0034】
【実施例】先ず、本発明の荷電凝集濾過方法における微
粒子の凝集粗粒化現象を図例の模式図を用いて説明す
る。 <直流荷電の場合>図1は直流荷電の場合の微粒子の凝
集粗粒化過程を示しており、図中Xが荷電極であり、図
中Yがアース極である。荷電極Xは流体の通過間隙を多
設した導電性素材より作成されており濾過層としての機
能も有している。プラスの界面電位を有する微粒子10
1と微粒子102との両者間には、図中矢印103で示
すように互いにクーロン力による反撥力が作用している
が、荷電極Xとアース極Y間に直流電圧が印加されて、
微粒子101及び微粒子102に電界を作用させると、
微粒子101及び微粒子102はマイナス電位を有する
アース極Yにクーロン力によって引かれて矢印104,
105で示す方向に移動してアース極Y表面に集まる。
ここで微粒子101,102のプラス電位はアース極Y
のマイナス電位によって中和された後、矢印108で示
す分子間引力によって互いに引き合い、図中110で示
す如く凝集する。このようにして凝集粗粒化した微粒子
は図中111で示される流体の流れに乗って荷電極X方
向に運ばれた後、図中112で示す如く荷電極X表面に
集まる。他方、マイナスの界面電位を有する微粒子20
1,202は荷電極Xのプラス電位に引かれて荷電極X
表面に集まり、荷電極Xのプラス電位によって微粒子2
01,202のマイナスの界面電位が中和される。次い
で電気的に中性となった微粒子201,202は分子間
引力203によって凝集して荷電極X表面に集まる。こ
のようにしてプラスの界面電位を有する101,102
もマイナスの界面電位を有する微粒子201,202も
共に凝集粗粒化した状態で荷電極X表面に集まる。流体
中に浮遊する微粒子の界面電位がプラスであるかマイナ
スであるかは流体の性質や不純物粒子の種類によって定
まる。尚、プラスの界面電位を有する微粒子とマイナス
の界面電位を有する微粒子が混在している場合も多い。
荷電極X表面に集まった微粒子凝集体は流体の流れに沿
って濾過層でもある荷電極X内部に入り込むが微粒子凝
集体の一部は荷電極X表面で堆積してケーク層を作る
(図中112)。後続して濾過層(荷電極X)に流れこ
んでくる微粒子凝集体は、荷電極X表面に形成されてい
るケーク層を通過することによって予備濾過される。ケ
ーク層を通過して濾過層(荷電極X)内に入った微粒子
凝集体は濾過層の濾目に漉されながら濾過層深部へと進
み、図中113→114→115→116で示されるよ
うに濾目を通過する微粒子凝集体の粒径が次第に小さく
なっていく。濾過層(荷電極X)は導電性素材から作製
されており、全体が帯電しているので、濾過層内部を通
過する微粒子凝集体はその層内部でもケーク層を作り、
濾過精度の向上に貢献する。この様にして微粒子の界面
電位がプラスである場合もマイナスである場合も共に、
最終的に微粒子は微粒子凝集体となって濾過層によって
濾過される。ところで、マイナス極であるアース極Yに
は界面電位がプラスの微粒子が絶えず引かれて集まり、
アース極Y表面で凝集粗粒化した微粒子凝集体が流体の
流れに沿って荷電極X方向に運ばれることは前述した
が、一部の微粒子はアース極Y表面を離脱することなく
アース極Y表面に残存してアース極Y表面を汚すので、
アース極Y表面は定期的に洗浄する必要がある。
【0035】<交流荷電の場合>図2は交流荷電の場合
の微粒子の凝集粗粒化過程を示している。前述した「直
流荷電の場合」と同様、図中Xが荷電極であり、図中Y
がアース極である。交流荷電の場合、その極性は常時反
転するので、荷電極及びアース極のもつ電位及び極性は
常時変化している。交流荷電では微粒子301,302
の界面電位のプラス、マイナスに関係なく荷電源の周波
数と電圧により規定される振動エネルギーに因って微粒
子相互間の距離を接近させる力が作用する。そして微粒
子相互間の距離がある限界を越えて接近したならば分子
間引力が急激に強くなる結果、クーロン力による反撥力
よりも分子間引力の方が大きくなって、微粒子は凝集す
る。したがって図中303で示すように、荷電極Xやア
ース極Yからはなれた位置でも微粒子凝集体は形成され
る。そして、交流電圧にはその一部に直流成分があるこ
とから、接近した微粒子間でそれぞれの界面電位は中和
される。微粒子凝集体が流体の流れに乗って濾過層(荷
電極X)方向に向かい、濾過層表面及び内部にケーク層
を作りながら濾過されるプロセスは直流の場合と同じで
ある。
【0036】本発明の荷電凝集濾過方法における流体中
微粒子の挙動は上述の如くであるが、以下、本発明原理
を利用して構成したフィルターエレメント並びに流体濾
過装置について述べる。
【0037】図3は本発明のフィルターエレメントの1
実施例を示す斜視図であり、図4は同実施例の断面図で
ある。フィルターエレメントFは、流体通過用の多数の
孔部1を設けた巻き芯2に紐状あるいは糸状の炭素繊維
を綾巻状に巻き付けて導電性を有する濾過層3を形成
し、且つその上下端にシール材を兼ねた略リング状の絶
縁パッキン4,4を外嵌した構成である。巻き芯2及び
絶縁パッキン4,4はポリプロピレン等の耐蝕性及び耐
薬品性に優れた合成樹脂より構成されている。巻き芯2
は通常合成樹脂より形成されるが、本フィルターエレメ
ントFを濾過装置に組み込んだときに絶縁上の問題が発
生しないならば、金属素材を用いることも可能である、
また巻き芯2は筒状体表面に図5(イ)に示すように多
数の孔を開設したものであっても、図5(ロ)に示すよ
うにネットより構成されたものであってもよい。
【0038】濾過層を形成する繊維状導電性素材は炭素
繊維以外のものを使用することも可能である。また、そ
の形態は前記したように糸状(図6(イ))又は紐状
(図6(ロ))のものを巻き芯2に巻回したもの、更に
は図6(ハ)に示すように布状やネット状あるいはシー
ト状に形成したものを巻き芯2に巻回したものであって
もよい。また、炭素繊維等を圧縮成形して図6(ニ)に
示すような筒状成形体5を直接成形し、これを利用して
もよい。濾過層は繊維状導電性素材以外のものを用いて
作製することも可能であり、例えば孔部比率の比較的大
きい焼結金属や多孔性導電性セラミックス、更に活性炭
を用いることも可能である。このようにして構成される
フィルターエレメントの濾目は25〜50μm程度に設
定され、従来装置に用いられるフィルターエレメントよ
りも濾目が大きく、除去対象である不純物粒子よりもは
るかに大きく設定されている。
【0039】図7はフィルターエレメントFの他の実施
例であり、導電性素材製の荷電極を兼ねた濾過層3、3
と、吸着剤より形成された濾過層A及び誘電体素材より
形成された濾過層Bを交互に配した場合であり、例えば
濾過層Aとしては活性炭等の吸着剤やイオン交換樹脂等
が利用でき、また濾過層Bとしては誘電体繊維を用いた
誘電体素材等が利用できる。導電性素材製の濾過層3、
3は図示しない導電性素材によって電気的に接続され、
同電位とされている。濾過層A,Bの具体的構成は前記
のものに限定されず、吸着剤製濾過層と誘電体素材製濾
過層の配置を逆にしたり、あるいは両濾過層A,Bを共
に吸着剤又は誘電体素材を用いて構成することも可能で
ある。
【0040】図8(イ),(ロ)で示したものは、図4で
開示したフィルターエレメントからに巻き芯を除去した
実施例であり全体を導電性素材製の濾過層3から構成し
た点については図4の実施例と同じである。
【0041】図9(イ),(ロ)は導電性素材製の多孔板
より構成された外円筒401及び同素材で作成された内
円筒402の内側にそれぞれ一定厚の導電性素材製の外
濾過層403及び内濾過層404を配設するとともに、
外濾過層403と内濾過層404とによって囲まれた内
部空間に吸着剤405を充填してパッケージ化し、使い
捨てタイプのフィルターエレメントFを構成した例であ
る。
【0042】図10(イ),(ロ)は、導電性素材製の多
孔板より構成された外円筒401及び同素材で作成され
た内円筒402の内側にそれぞれ一定厚の導電性素材製
の外濾過層403及び内濾過層404を配設した内部中
空容器状の同心円型のフィルターエレメントFを作成
し、前記内部中空状のフィルターエレメントFの上端面
に圧入口406を形成し、当該圧入口406からフィル
ターエレメントFの内部空間に汚染流体を圧入して外円
筒401及び内円筒402を通じて濾過済流体を外部に
排出する構成とした場合である。
【0043】このようなフィルターエレメントFは、濾
過装置内部に組み込んで使用される。図11及び図12
は、図3及び図4で示したものと同種のフィルターエレ
メントFを組み込んだ濾過装置の最も基本的な態様を示
している。濾過装置は、濾過対象流体の流入口6を有す
る外筒7と、濾過後流体の流出路を兼ね且つ下端に流出
口8を開設したパイプ状の中心アース電極9を有し、前
記外筒7と中心アース電極9間に形成される流体通過空
間に前記フィルターエレメントFを装着した構成であ
る。フィルターエレメントFは、上端及び下端に外嵌さ
れた絶縁パッキン4,4を絶縁素材製の上部フィルター
押え10及び下部フィルター押え11によって押さえる
ことによって所定位置に取り外し可能に固定されてい
る。フィルターエレメント上下端に絶縁パッキン4,4
を介在させることによって、上部フィルター押え10、
下部フィルター押え11とフィルターエレメントF間に
間隙が発生することを完全に防止し、流体が中心アース
電極9を経て流出口8から装置外部に排出されるために
は、フィルターエレメントF内を必ず通過するようにし
ている。また流入口6は外筒7の下部側に設け、且つ中
心アース電極9の上端を開口させることで、ポンプ等の
圧力によって流入口6から流入した流体がフィルターエ
レメントF内を上方へ向かいながら横切って中心アース
電極9の上端開口部12に至り、当該中心アース電極9
の中を通って中心アース電極9下端に形成された流出口
8から装置外部に排出されるという迂回路を形成してい
る。
【0044】外筒7と中心アース電極9は同電位であ
り、他方、フィルターエレメントFに対しては電位が与
えられている。電位の与え方は外部設置された荷電源1
3から引き込まれた導入線14,14の一方を外筒7に
接続し、他方を導入線絶縁碍子15を用いて外筒7と電
気的に絶縁した状態で外筒7内に導き、フィルターエレ
メントF表面に圧接した荷電用スプリング16を介して
フィルターエレメント全体に対して電位を与えている。
印加される電圧の種類及び大きさは処理対象である流体
の種類及び除去対象となる不純物粒子の種類によって適
宜選択され、例えば、0.1〜5000V/cmの直流又
は交流電圧、あるいは直流と交流の複合電圧を採用する
ことができる。流体中の粒子は流体の性質や粒子自身の
性質によって、正負の帯電傾向が異なり、またその界面
電位(ゼーター電位)の大きさも流体の固有抵抗の大き
さにより相違するため、荷電圧の値と正負の極性は流体
とその粒子の性質によって決定する必要がある。具体的
にはスイッチによる正負の切替え、スライダックによる
電圧調整が採用できる。
【0045】このような構成の濾過装置は、ポンプ等を
用いて、外筒7下部側の流入口6より処理対象流体が圧
入される。流入口6より圧入された流体は、フィルター
エレメントF内を上向きに横切って中心アース電極9の
上端開口部12に至り、中心アース電極9内を上から下
に向かって流れ、中心アース電極9下端の流出口8から
装置外部に排出される。
【0046】フィルターエレメントFはその全体が炭素
繊維等の繊維状導電性素材より構成されているため、フ
ィルターエレメント全体が同電位に帯電し、フィルター
エレメント内を通過する流体中の不純物微粒子は、フィ
ルターエレメントFにクーロン力によって強く直接引き
つけられ、フィルターエレメントFを構成する炭素繊維
に捕捉される。微粒子はクーロン力によって吸引される
ことから、フィルターエレメントの濾目の大きさよりも
はるかに小さな微粒子、例えば直径0.1μm程度のカ
ーボンブラックや数オングストローム程度の色素が捕捉
される。捕捉される微粒子は濾目の大きさよりもはるか
に小さいことから、フィルターエレメントは目詰まりす
ることなく長期間にわたって濾過層としての機能を発揮
することができる。またフィルターエレメントに電気的
に付着した微粒子はフィルターエレメントと同電位に帯
電し、この付着した微粒子の帯電層がプレコート層(ケ
ーク層)を形成し、濾目の大きさを実質的に小さくした
のと同じ効果が発揮されて濾過精度はより高められる。
このような効果は活性炭を用いた場合にも同様に発揮さ
れる。
【0047】また、微粒子はクーロン力によって直接吸
引されることに加えて、微粒子に作用する電界が微粒子
の保有するゼーター電位を打ち消す結果、分子間引力に
よる微粒子の凝集粗粒化が同時に進行し、微粒子の捕捉
はより効果的に行われる。
【0048】本実施例の流体濾過装置はフィルターエレ
メント全体が濾過層であると同時に荷電極としても機能
し、フィルターエレメント全体が同電位に帯電している
ために、このなかを通過する流体は常にクーロン力によ
る吸引作用を受ける。しかもフィルターエレメントは炭
素繊維より構成され、微視的には糸状繊維が至近距離で
集合した微細な構造を有し、流体中の不純物粒子に対し
て至近距離から電気的吸引力を発揮することから、その
濾過精度は極めて高い。しかも、繊維状間には実質的に
無数の流体通過空間が形成されているから、大量の流体
を高効率で処理できる。また不純物粒子はクーロン力に
よって捕捉するものであるから濾目の大きさを不純物粒
子の大きさよりもはるかに大きなものにすることが可能
で、優れた濾過精度を発揮しながらフィルターの目詰ま
りの発生が少なく寿命の長い流体濾過装置が得られる。
そして、長期間の連続使用の結果、フィルターエレメン
トが目詰まりしたときには、フィルターエレメントのみ
を取り替えることによって対処できる。
【0049】図13及び図14として示すものは、図7
で開示したものと同種のフィルターエレメントFを組み
込んだ濾過装置の実施例である。この装置では導電性素
材製の荷電極を兼ねた濾過層3,3の間に活性炭等の吸
着剤やイオン交換樹脂等の濾過層Aを介在させ、更に濾
過層3と巻き芯2との間に誘電体繊維糸等の誘電体素材
よりなる濾過層Bを介在させたフィルターエレメントF
を組み込んでいる。このような濾過装置では、荷電板を
兼ねた濾過層3、3が発揮するクーロン力による不純物
粒子の吸引作用に加えて、活性炭による分子レベルの吸
着作用も同時進行することになる。また、濾過層Bを構
成する誘電体は電界中で分極してコンデンサー効果を発
揮し、あたかも多数の電極が存在するのと同じ効果をも
たらすことができる。
【0050】図15及び図16は、図11及び図12と
して示した実施例の応用実施例であり、外筒7とフィル
ターエレメントFとの間に、仕切り兼用荷電板17を同
心状に設けた場合である。仕切り兼用荷電板17は側流
防止板18によって上端が支持され、他方、下端が絶縁
碍子19によって外筒7に固定されている。側流防止板
18は絶縁素材から形成されており上部フィルター押え
を兼ねている。そして、外筒7の上部側に開設した流入
口6から入った流体を外筒7と仕切り兼用荷電板17と
の間の空間を下方へ向けて一旦流したのち、フィルター
エレメントF内を上向きに横切らせることによって中心
アース電極9の上端開口部12に至るように工夫されて
いる。側流防止板18は仕切り兼用荷電板17の上端を
支えるとともに仕切り兼用荷電板17の上部空間を閉鎖
しており、外筒上部位置から流入した流体が、仕切り兼
用荷電板17の上部を乗り越えてフィルターエレメント
Fに直接侵入することを防止している。
【0051】このような流体濾過装置では、ポンプの圧
力で外筒上部位置から外筒7の接線方向に圧入した流体
を、外筒7と仕切り兼用荷電板17との間の空間を回転
させながら流し、遠心力と電界作用による微粒子の凝集
粗粒化を促進させて増粒した微粒子を沈降させている。
このようにフィルターエレメントFを通過させる前に微
粒子の増粒を行うことによって、フィルターエレメント
Fの負荷を軽減し、フィルターエレメントFの寿命を更
に延ばしている。
【0052】上述の各実施例は、単一のフィルターエレ
メントFを用いた場合であったが、フィルターエレメン
トFは複数個用いることもできる。図17及び図18は
フィルターエレメントFを放射状に複数個配置した場合
であり、各フィルターエレメントFに対応して中心アー
ス電極9も複数個設けた構成である。また、外筒7内部
空間の下部側を隔板20で仕切って集合空間21を形成
し、前記各中心アース電極9下端の各流出口8を集合空
間21内に連通させ、当該集合空間21内に集めた処理
済流体を集合空間21に連通して設けた集合流出口22
を通じて濾過装置外部に排出する構成としている。この
ような構成の濾過装置は大量の処理液を濾過する用途に
適している。尚、図中23はフィルターエレメントFを
締付け固定するための締付棒であり、図中24は締付ネ
ジである。
【0053】図19及び図20は図8で開示したフィル
ターエレメントFを用いた実施例である。基本構造は図
12とほぼ同様であるが、この実施例ではフィルターエ
レメントFの下端面を支持するフィルター受け用絶縁樹
脂板407を、緩衝用スプリング408を用いて上方へ
押し上げることによってフィルターエレメントFを固定
している。尚、図中409はシール用Oリングである。
また図中の矢印は流体の流れ方向を示している。
【0054】図21及び図22は図10で開示した内部
中空容器状のフィルターエレメントFを組み込んだ濾過
装置の実施例である。この実施例では汚染流体はフィル
ターエレメントFの上端面に設けられた圧入口406か
らフィルターエレメントFの内部空間に圧入され、フィ
ルターエレメントFの内部空間に圧入された汚染流体は
内濾過層404を通過した後、内円筒402に開設した
孔部を経由してフィルターエレメントF外部に流出した
り、あるいは外濾過層403を通過した後、外円筒40
1に開設した孔部を経由してフィルターエレメントF外
部に流出したりする。そしてフィルターエレメントFか
ら外部流出した濾過済流体は、当該フィルターエレメン
トFの下面を支持するフィルター受け用絶縁樹脂板42
0に所定間隔で設けられた排出用開口421を通じて濾
過済流体集合空間422に集めたのち、外筒7の下部側
壁に開設された集合流出口22を通じて濾過装置外部に
排出される。フィルターエレメントFは締付けボルト4
23によって濾過装置内に簡易に組み込まれている。こ
のような濾過装置では、除去された微粒子凝集体はフィ
ルターエレメントFの中空の内部空間に堆積することに
なる。濾過層の目詰まりは真空計で感知できるようにし
ておき、ポンプ圧が所定圧以上となったならば、目詰ま
りしたと判断してフィルターエレメントFを取り替え
る。本実施例ではフィルターエレメントFはパッケージ
化されており、濾過装置本体内への取付けも締付けボル
ト423によって締めつけ固定されているだけであるか
ら取り外しは容易である。本実施例装置は、フィルター
エレメントF内部への微粒子凝集体の堆積量が増えて濾
過能力が低下した場合には、フィルターエレメントFを
取り替えるだけで、濾過能力を復活させることができ、
しかも取り外したフィルターエレメントFはそのまま廃
棄することができる。本実施例は加工油や加工液など切
り粉が多く混在する汚染流体の濾過に適している。本実
施例装置では微粒子凝集体はフィルターエレメントF内
部に堆積するのみでタンク本体内部には微粒子凝集体は
残らないので、タンク内部の清掃が不要であり、メンテ
ナンスが容易である。
【0055】以上述べたものは円筒形状の外筒7より構
成されたタンク内に円筒状又は同心円筒状に形成したフ
ィルターエレメントを組み込んだ場合であったが、本発
明は円筒状タンク以外のタンクへの適用も考慮され、ま
た、フィルターエレメントの形状も円筒形以外のものを
採用することもできる。図23及び図24として示すも
のは、既設の箱型タンク内に組み込んで使用することを
目的としたユニット化した濾過装置である。この濾過装
置ユニットは荷電極を兼用した導電性素材製の平板状濾
過層411と濾過層支持用多孔板412を積層したもの
を、流体吸引用密閉タンク413の側壁部に配するとと
もに、平板状濾過層411から離れた位置にアース極で
ある金属製多孔板414を配した構成である。そして、
当該濾過装置ユニットは既存のタンク内に設置して使用
する。このような濾過装置ユニットを既設タンク内に組
み込んで、濾過済流体吸出口415から流体吸引用密閉
タンク413内の流体を吸引すると、濾過装置ユニット
内には、図中矢印で示す方向に流体が移動して、流体の
濾過が行われる。即ち、タンク内の汚染流体は金属製多
孔板414を経由した後、荷電極を兼ねた平板状濾過層
411を通過することによって流体中の微粒子の除去が
行われ、流体吸引用密閉タンク413内に入った濾過済
流体は濾過済流体吸出口415から外部に排出される。
流体は吸引ポンプ416によって吸い出され、その吸い
出し圧力は真空計417によって監視する。この装置は
上面開放型の既設のタンク内に組み込むことが可能であ
り、既設のタンクを無駄にすることなく濾過装置を構成
できるから、低コストで濾過装置を提供できるととも
に、濾過装置専用のタンクを別途必要としないので省ス
ペース化にもつながる。また微粒子凝集体はタンク上面
開放型のタンク底部に堆積するから、清掃が容易であり
メンテナンス性に優れている。また、本実施例は濾過済
み流体をポンプで吸引するためポンプの摩耗が少ない利
点があり、更に必要な真空度が維持することが容易で、
ポンプの故障も少なくできる。
【0056】
【発明の効果】本発明は、導電性素材を用いて構成した
濾過層を兼ねた荷電極と、前記荷電極に対応する対向電
極とを、濾過対象である流体の通過路途上に配置すると
ともに、前記荷電極と対向電極との間に直流又は交流或
いは直流と交流の複合電圧を印加することを提案した。
また流体の通過間隙を多設した導電性素材によってフィ
ルターエレメントの濾過層の全体を構成するか、あるい
は導電性素材製の濾過層を複数層設けたフィルターエレ
メントをも提案した。このような本発明よれば、フィル
ターエレメント全体あるいはフィルターエレメントの広
範囲な部分を帯電状態となすことができ、フィルターエ
レメントの径方向深部にいたるまで電界を直接作用させ
ることが可能で、フィルター深部においても不純物粒子
に対する優れた捕捉効果が発揮でき、フィルターを通過
する全行程において流体に対して常時強いクーロン力を
作用させて、流体中の不純物を吸引することができる。
そして、この吸引力はクーロン力によるものであり、し
かも極めて強いものであるから、例えば色素等の濾目よ
りもはるかに小さな不純物粒子も効率良く捕捉すること
ができる。また濾目の大きさも不純物粒子の大きさより
もはるかに大きなものを採用することができるから、長
期間連続使用しても目詰まりを起こすことのない寿命の
長い濾過装置を得ることができるとともに濾目が大きい
ことから、大量の流体を処理できる。
【0057】また、微小な不純物粒子はクーロン力によ
って直接吸引されることに加えて、電界作用による不純
物粒子の凝集粗粒化も同時進行することによって、不純
物粒子の捕捉効率をより高めている。
【0058】導電性素材を同心円状に配置した内部中空
容器状のフィルターを構成するとともに、当該フィルタ
ーを着脱可能な構造となし、当該フィルターを荷電極を
兼ねた濾過層として用いた場合は、次の効果が発揮でき
る。即ち、除去された微粒子凝集体はフィルターエレメ
ントの中空の内部空間に堆積するので、微粒子凝集体の
堆積量が増えて濾過能力が低下した場合には、フィルタ
ーエレメントを取り替えるだけで、濾過能力を復活させ
ることができ、しかも取り外したフィルターエレメント
Fはそのまま廃棄することができる。したがって加工油
や加工液など切り粉が多く混在する汚染流体の濾過に適
している。また微粒子凝集体はフィルターエレメント内
部に堆積するのみでタンク本体内部には微粒子凝集体は
残らないので、タンク内部の清掃が不要であり、メンテ
ナンスが容易である。
【0059】導電性素材で構成された平板状フィルター
を荷電極を兼ねた濾過層として用い、当該濾過層を既設
タンクに浸漬設置する構成としたときには、既設のタン
クを無駄にすることなく濾過装置を構成できるから、低
コストで濾過装置を提供できる。また濾過装置専用のタ
ンクを別途必要としないので省スペース化にもつなが
る。
【0060】荷電極を兼ねた濾過層を炭素繊維、活性炭
等の表面積の大きい導電性素材から形成したときには、
密集した微細な繊維が全て荷電極としての機能を発揮す
るので、処理流体中の不純物粒子を効率良く捕捉するこ
とができ、しかも、繊維状間には実質的に無数の流体通
過空間が形成されているので、大量の流体を高効率で処
理できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】直流電圧を印加した場合の微粒子の凝集過程を
示す概念説明図
【図2】交流電圧を印加した場合の微粒子の凝集過程を
示す概念説明図
【図3】本発明のフィルターエレメントの一実施例を示
す斜視図
【図4】同フィルターエレメントの断面図
【図5】(イ),(ロ)はフィルターエレメントの巻き芯
の部分拡大図
【図6】導電性素材製の濾過層を構成する素材を示し、
(イ)は糸体、(ロ)は紐体、(ハ)はシート体、
(ニ)は円筒成形体を示す
【図7】導電性素材製の濾過層を複数層設けた実施例を
示す断面図
【図8】フィルターエレメントの他の実施例を示し、
(イ)は横断面図、(ロ)は縦断面図
【図9】フィルターエレメントの他の実施例を示し、
(イ)は横断面図、(ロ)は縦断面図
【図10】フィルターエレメントの他の実施例を示し、
(イ)は横断面図、(ロ)は縦断面図
【図11】流体濾過装置の1実施例を示す径方向端面説
明図
【図12】同実施例の流体濾過装置の縦方向端面説明図
【図13】流体濾過装置の他の実施例を示す径方向端面
説明図
【図14】同実施例の流体濾過装置の縦方向端面説明図
【図15】流体濾過装置の他の実施例を示す径方向端面
説明図
【図16】同実施例の流体濾過装置の縦方向端面説明図
【図17】流体濾過装置の他の実施例を示す径方向端面
説明図
【図18】同実施例の流体濾過装置の縦方向端面説明図
【図19】流体濾過装置の他の実施例を示す径方向端面
説明図
【図20】同実施例の流体濾過装置の縦方向端面説明図
【図21】流体濾過装置の他の実施例を示す径方向端面
説明図
【図22】同実施例の流体濾過装置の縦方向端面説明図
【図23】既設タンク内に設置する濾過装置ユニットの
一実施例を示す横方向端面説明図
【図24】同実施例の縦方向端面説明図
【符号の説明】
F フィルターエレメント A,B 濾過層 1 孔部 2 巻き芯 3 濾過層 4 絶縁パッキン 5 筒状成形体 6 流入口 7 外筒 8 流出口 9 中心アース電極 10 上部フィルター
押え 11 下部フィルター押え 12 上端開口部 13 荷電源 14 導入線 15 導入線絶縁碍子 16 荷電用スプリ
ング 17 仕切り兼用荷電板 18 側流防止板 19 絶縁碍子 20 隔板 21 集合空間 22 集合流出口 23 締付棒 24 締付ネジ 401 外円筒 402 内円筒 403 外濾過層 404 内濾過層 405 吸着剤 406 圧入口 407 フィルター受け用絶縁樹脂板 408 緩衝用スプリング 409 シール用O
リング 411 平板状濾過層 412 濾過層支持
用多孔板 413 流体吸引用密閉タンク 414 金属製多孔
板 415 濾過済流体吸出口 416 吸引ポンプ 417 真空計 420 フィルター
受け用絶縁樹脂板 421 排出用開口 422 濾過済流体
集合空間 423 締付けボルト
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B03C 5/00 ZAB A 8925−4D B 8925−4D

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性素材を用いて構成した濾過層を兼
    ねた荷電極と、前記荷電極に対応する対向電極とを、濾
    過対象である流体の通過路途上に配置するとともに、前
    記荷電極と対向電極との間に直流電圧を印加して濾過層
    全体を帯電させ、荷電極と対向電極との間の空間に浮遊
    する流体中微粒子に対して直流電圧によるクーロン力を
    広範囲に作用させ、微粒子を凝集粗粒化して微粒子凝集
    体を生成したのち、当該微粒子凝集体を流体の流れに沿
    って荷電極を兼ねた導電素材製濾過層内に流し込んで当
    該導電素材製濾過層を通過させることにより流体中の微
    粒子を除去してなる流体中微粒子の荷電凝集濾過方法。
  2. 【請求項2】 導電性素材を用いて構成した濾過層を兼
    ねた荷電極と、前記荷電極に対応する対向電極とを、濾
    過対象である流体の通過路途上に配置するとともに、前
    記荷電極と対向電極との間に交流電圧を印加して濾過層
    全体を帯電させ、荷電極と対向電極との間の空間に浮遊
    する流体中微粒子に対して交流電圧による振動エネルギ
    ーを広範囲に作用させ、微粒子を凝集粗粒化して微粒子
    凝集体を生成したのち、当該微粒子凝集体を流体の流れ
    に沿って荷電極を兼ねた導電素材製濾過層内に流し込ん
    で当該導電素材製濾過層を通過させることにより流体中
    の微粒子を除去してなる流体中微粒子の荷電凝集濾過方
    法。
  3. 【請求項3】 導電性素材で構成された円筒型のフィル
    ターを、荷電極を兼ねた濾過層として用いてなる請求項
    1又は2記載の流体中微粒子の荷電凝集濾過方法。
  4. 【請求項4】 導電性素材を同心円状に配置した内部中
    空容器状のフィルターを構成するとともに当該フィルタ
    ーを着脱可能な構造となし、当該フィルターを荷電極を
    兼ねた濾過層として用いてなる請求項1又は2記載の流
    体中微粒子の荷電凝集濾過方法。
  5. 【請求項5】 導電性素材で構成された平板状フィルタ
    ーを、荷電極を兼ねた濾過層として用い、当該濾過層を
    既設タンクに浸漬設置してなる請求項1又は2記載の流
    体中微粒子の荷電凝集濾過方法。
  6. 【請求項6】 導電性を有する吸着剤を用いて荷電極を
    兼ねた濾過層を構成してなる請求項1又は2記載の流体
    中微粒子の荷電凝集濾過方法。
  7. 【請求項7】 濾過対象である流体の通過路途上に配置
    され、流体中の不純物粒子を除去するフィルターエレメ
    ントにおいて、 流体の通過間隙を多設した導電性素材によってフィルタ
    ーエレメントにおける濾過層の全体を構成するととも
    に、且つその上下端をシール材を兼ねた絶縁パッキンに
    よって閉止し、前記導電性素材製の濾過層を荷電極とし
    て利用して濾過層全体に荷電効果がおよぶようにしたフ
    ィルターエレメント。
  8. 【請求項8】 濾過対象である流体の通過路途上に配置
    され、流体中の不純物粒子を除去するフィルターエレメ
    ントにおいて、 流体の通過間隙を多設した導電性素材製の濾過層と誘電
    体素材又は吸着剤より形成された濾過層を交互に配する
    ことによってフィルターエレメントを構成するととも
    に、且つその上下端をシール材を兼ねた絶縁パッキンに
    よって閉止し、前記導電性素材製の濾過層を荷電極とし
    て利用して径方向深部にも荷電効果がおよぶようにした
    フィルターエレメント。
  9. 【請求項9】 濾過層を構成する導電性素材として炭素
    繊維、活性炭等の表面積の大きい導電性素材を用いてな
    る請求項7又は8記載のフィルターエレメント。
  10. 【請求項10】 炭素繊維製の紐体を糸巻き状に巻回
    するか、又は炭素繊維製の布を多層巻きすることによっ
    て濾過層を形成してなる請求項9記載のフィルターエレ
    メント。
  11. 【請求項11】 濾過対象流体の流入口を有する外筒
    と、濾過後流体の流出路を兼ねるパイプ状の中心アース
    電極を有し、前記外筒と同極となした中心アース電極間
    に形成される流体通過空間に、導電性素材を用いて構成
    した荷電極を兼ねた濾過層を具備したフィルターエレメ
    ントを装着するとともに、外筒及び中心アース電極と荷
    電極であるフィルターエレメントとの間に濾過対象であ
    る流体の固有抵抗に応じた電圧を印加してなる流体濾過
    装置。
  12. 【請求項12】 印加電圧として0.1〜5000V/
    cmの直流又は交流電圧、あるいは直流と交流の複合電圧
    を採用してなる請求項11記載の流体濾過装置。
JP4192193A 1992-03-16 1993-02-04 流体中微粒子の荷電凝集濾過方法及び当該方法に用いるフィルターエレメント並びに流体濾過装置 Expired - Fee Related JPH08210B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4192193A JPH08210B2 (ja) 1992-03-16 1993-02-04 流体中微粒子の荷電凝集濾過方法及び当該方法に用いるフィルターエレメント並びに流体濾過装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4-22959 1992-03-16
JP2295992 1992-03-16
JP4192193A JPH08210B2 (ja) 1992-03-16 1993-02-04 流体中微粒子の荷電凝集濾過方法及び当該方法に用いるフィルターエレメント並びに流体濾過装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05345147A true JPH05345147A (ja) 1993-12-27
JPH08210B2 JPH08210B2 (ja) 1996-01-10

Family

ID=26360254

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4192193A Expired - Fee Related JPH08210B2 (ja) 1992-03-16 1993-02-04 流体中微粒子の荷電凝集濾過方法及び当該方法に用いるフィルターエレメント並びに流体濾過装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08210B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008007784A (ja) * 2007-08-20 2008-01-17 S F Plan:Kk 椿油の精製装置
CN105408026A (zh) * 2013-07-15 2016-03-16 不来梅大学 用于分离包括导电材料和非导电材料的混合物的方法和设备
CN106573184A (zh) * 2014-07-25 2017-04-19 康明斯过滤Ip公司 具有变化的过滤介质包特性的过滤元件
JP2018176080A (ja) * 2017-04-14 2018-11-15 アマノ株式会社 電気集塵装置
CN110342613A (zh) * 2018-04-03 2019-10-18 华东理工大学 一种电化学微滤水处理方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5887476B2 (ja) * 2011-05-17 2016-03-16 パナソニックIpマネジメント株式会社 濾過器

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62147773U (ja) * 1986-03-13 1987-09-18
JPH01114981U (ja) * 1988-01-27 1989-08-02
JPH0489617U (ja) * 1990-12-11 1992-08-05

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62147773U (ja) * 1986-03-13 1987-09-18
JPH01114981U (ja) * 1988-01-27 1989-08-02
JPH0489617U (ja) * 1990-12-11 1992-08-05

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008007784A (ja) * 2007-08-20 2008-01-17 S F Plan:Kk 椿油の精製装置
CN105408026A (zh) * 2013-07-15 2016-03-16 不来梅大学 用于分离包括导电材料和非导电材料的混合物的方法和设备
CN106573184A (zh) * 2014-07-25 2017-04-19 康明斯过滤Ip公司 具有变化的过滤介质包特性的过滤元件
CN106573184B (zh) * 2014-07-25 2019-07-19 康明斯过滤Ip公司 具有变化的过滤介质包特性的过滤元件
JP2018176080A (ja) * 2017-04-14 2018-11-15 アマノ株式会社 電気集塵装置
CN110342613A (zh) * 2018-04-03 2019-10-18 华东理工大学 一种电化学微滤水处理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08210B2 (ja) 1996-01-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5593560A (en) Fluid-filtering device for filtering out particulates in fluid
JPH07106283B2 (ja) 荷電コアレッサー型油水分離装置
US2573967A (en) Electrical precipitation method
EP0206688A2 (en) Electrostatic adsorptive fluid filtering apparatus
US5244550A (en) Two liquid separating methods and apparatuses for implementing them
JP3405278B2 (ja) 荷電凝集フイルターコアレッサー型油水分離装置およびシステム
CN104998502B (zh) 一种细颗粒物净化设备
KR890005261B1 (ko) 액체여과장치
JPH05345147A (ja) 流体中微粒子の荷電凝集濾過方法及び当該方法に用いるフィルターエレメント並びに流体濾過装置
JP2591495B2 (ja) 超精密濾過システム及び当該システムを用いた超精密濾過方法
CN109867402B (zh) 油水分离装置及油水分离方法
GB2177625A (en) Fluid filtering apparatus
US3544441A (en) Electrostatic filtering for cleaning dielectric fluids
RU102195U1 (ru) Фильтрующий материал и фильтр для очистки воды
CN116676124A (zh) 一种新型油液净化系统
WO2020190505A1 (en) Electro-kinetic separation of salt and solid fines from crude oil
CN203048693U (zh) 小型含润滑油污水处理装置
JP2006088144A (ja) 流体濾過装置
JPH0377603A (ja) 二液分離装置
JP3236570B2 (ja) 水溶性液の荷電凝集濾過方法並びにその装置及びシステム
JP2014128777A (ja) 粒子凝集分離回収装置及び粒子凝集分離回収方法
CN115487586B (zh) 电晶膜复合滤芯
CN1206014C (zh) 沉淀式除污器
RU2115459C1 (ru) Способ фильтрования жидкости и устройство для его осуществления
CN113969181B (zh) 催化裂化油浆中固体颗粒的分离装置及方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees