JPH05345092A - 洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 脱水の進捗度に応じた脱水の制御が定量的に
行え、余分な脱水が省略でき省エネルギーにも役立つ。 【構成】 直流モータ３の回転数とチヨツパのデユーテ
イから脱水運転時の含水率（含水布重量／乾布重量）を
演算し、その結果に基づいて脱水時間を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、直流モータを備えた洗
濯機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、洗濯機の脱水運転はタイマーによ
る時間運転で行なわれ、布の脱水状況・含水率を検出
し、脱水時間を制御するものはなかつた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】これは、脱水運転時の
含水率を検出するには、回転中の負荷重量もしくは脱水
槽の重量を検出しなければならず、適当なセンサが見あ
たらなかつた。

【０００４】また、乾燥した状態の重量も検出する必要
があつた。

【０００５】本発明は、上記に鑑み、脱水の進捗度に応
じた脱水の制御が定量的に行え、余分な脱水が省略でき
省エネルギーにも役立つ洗濯機の提供を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明請求項１による課
題解決手段は、脱水運転時に、回転数検出手段２２とフ
イードバツク制御手段２５の信号により、脱水運転開始
時から一定時間後にモータ３が定速の回転数になるよう
制御するモータ回転制御手段２７と、前記モータが定速
回転になったときに、モータの回転数とチヨツパのデユ
ーテイとから、含水した被洗濯物の負荷重量を演算する
負荷重量演算手段２８と、この演算結果と、予め記憶さ
れたモータ定速回転時の被洗濯物乾燥重量とチヨツパの
デユーテイの関係とから被洗濯物の含水率を演算する含
水率演算手段２９と、この演算結果に基づいて前記モー
タを定速回転させながら以後の脱水時間を制御する脱水
制御手段３０とが設けられている。

【０００７】

【作用】上記課題解決手段において、モータ３に直流モ
ータを採用することにより、モータ駆動を制御している
インバータのドライブ回路を介してモータ印加電圧を可
変しているチヨツパのデユーテイを一定に固定すれば、
モータ回転数とモータトルクとは一義的な関係となる。

【０００８】このことより、脱水回転中のモータ回転数
を一定に固定すれば、チヨツパのデユーテイの値により
負荷重量（含水率）がセンシングできる。

【０００９】つまり、脱水回転時のモータ回転数が、あ
る一定の定速回転数に達するまでの時間を任意の負荷で
一定となるように制御すれば、モータがその一定の定速
回転数に達した時、負荷重量とチヨツパのデユーテイは
一義的な関係にあることから、チヨツパのデユーテイに
より負荷重量が判る。

【００１０】また、あらかじめ乾燥した状態での重量が
判つている負荷にて、脱水回転中の前記モータ定速回転
時の負荷重量とチヨツパのデユーテイの関係式を制御マ
イコンに入力しておくことにより、脱水回転中の負荷重
量が計算できる。これより、乾燥した状態の負荷重量と
脱水時の負荷重量より含水率が求まる。

【００１１】このように、含水率が判れば、従来のよう
に時間定格で脱水を行なうのに比べ、脱水の進捗度に応
じた脱水の制御が定量的に行える。また、余分な脱水
（含水率の低い脱水）が省略でき省エネルギーにも役立
つ。

【００１２】

【実施例】以下、本発明に係る全自動洗濯機と直流ブラ
シレスモータの制御を図面に基づいて説明する。図１は
本発明洗濯機に使用される直流ブラシレスモータの制御
回路ブロツク図、図２は本発明に係る全自動洗濯機の構
成図、図３はマイコンからのＰ−Ｔｒ６相出力とＰＷＭ
出力およびベースドライブ信号のタイミングチヤート、
図４は直流モータの回転数とトルクの関係を示す図、図
５は脱水運転時の定速回転数に達した時の負荷重量とチ
ヨツパのデユーテイの関係を示す図、図６は脱水運転時
のモータ回転数とチヨツパのデユーテイの関係を示す
図、図７は脱水運転時の脱水時間と負荷の含水率の関係
を示す図である。

【００１３】本発明は、大容量タイプの全自動洗濯機に
おいて特に有効であり、図２の如く、この洗濯機１は、
洗濯物を入れる洗濯・脱水槽２と直流ブラシレスモータ
３とが、減速用プーリー４ａ，４ｂにてベルト５でつな
がつている。

【００１４】洗濯・脱水槽２には、水流をつくるパルセ
ータ６と、ギヤ、クラツチが入つている減速機構７とが
つながつている。

【００１５】ここで、直流モータ３を使用するのは、主
に始動時に大きなトルクを得やすくするためである。ま
た、ブラシレスモータを使用するのは、整流子とブラシ
の接触摩耗によるモータの耐久性が低下するのを防止す
るためである。

【００１６】次に、この直流モータ３の制御部を図１に
基づいて説明する。この直流モータ制御部では、交流電
源１１を整流平滑回路１２にて直流に平滑し、また制御
回路としてマイコン１３のＰ−Ｔｒ６相出力１４をドラ
イブ回路１５を介して、電力変換回路１６（インバー
タ）のパワートランジスタ（Ｐ−Ｔｒ）をスイツチング
することにより直流モータ３に直流電圧を印加してい
る。その印加電圧を可変するため、図１の如く、Ｐ−Ｔ
ｒ６相出力１４の上アームとマイコン１３のＰＷＭ出力
１７の論理和をＯＲ回路１８でとり、Ｐ−Ｔｒ１〜６の
ベースドライブ出力を制御し、チヨツパのデユーテイを
可変している。

【００１７】また、直流モータ３の回転数制御として
は、フオトインタラプタ等を使用して直流モータ３の回
転数を回転数センサ１９により、マイコン１３の回転数
入力端子にパルス入力する。ホール素子等を使用した位
置センサ２０ａ、２０ｂ、２０ｃにより、位置検出回路
２１を介して直流モータ３のロータ位置をマイコン１３
のロータ位置検出手段２６に入力し、その入力信号パタ
ーンに応じた出力をＰ−Ｔｒ６相出力１４より出力し、
直流モータ３を励磁するとともに、上記チヨツパのデユ
ーテイを可変することによりモータ印加電圧を可変し回
転数制御を行つている。

【００１８】図３は、マイコン１３から出力されるＰ−
Ｔｒ６相出力１４とＰＷＭ出力１７、およびドライブ回
路１５を介した後のベースドライブ信号のタイミングチ
ヤートを示す。

【００１９】このような直流モータ３の制御を行なう洗
濯機１において、前記直流モータ３の回転数を検出する
回転数検出手段２２と、前記チヨツパのデユーテイを制
御するデユーテイ制御手段２３と、モータ回転数Ｎと目
標回転数Ｎ１を比較する比較手段２４と、該比較手段２
４による比較結果に基づいて、その後チヨツパのデユー
テイをフイードバツク制御するフイードバツク制御手段
２５と、脱水運転時に、回転数検出手段２２とフイード
バツク制御手段２５の信号により、脱水運転開始時から
一定時間後にモータ３が定速の回転数になるよう制御す
るモータ回転制御手段２７と、前記モータ３が定速回転
になったときに、モータ３の回転数とチヨツパのデユー
テイとから、含水した被洗濯物の負荷重量を演算する負
荷重量演算手段２８と、この演算結果と、予め記憶され
たモータ定速回転時の被洗濯物乾燥重量とチヨツパのデ
ユーテイの関係とから被洗濯物の含水率を演算する含水
率演算手段２９と、この演算結果に基づいて前記モータ
３を定速回転させながら以後の脱水時間を制御する脱水
制御手段３０とを備えている。

【００２０】前記回転数検出手段２２は、回転数センサ
１９と、この信号を入力して演算するマイコン１３内の
ＣＰＵを含む概念である。デユーテイ制御手段２３、比
較手段２４、フイードバツク制御手段２５、モータ回転
制御手段２７、負荷重量演算手段２８、含水率演算手段
２９および脱水制御手段３０は、マイコン１３内のデー
タＲＡＭ、プログラムＲＯＭ、ＣＰＵ等から構成され
る。

【００２１】一般に、チヨツパのデユーテイを固定した
場合、直流モータ３の回転数とトルクは図４のような関
係となる。従つて、チヨツパのデユーテイと直流モータ
３の回転数が判れば、トルク、つまり負荷重量が判る。

【００２２】次に、脱水運転時、乾燥した状態での重量
が判つている負荷で十分含水した後、脱水の一定時間後
の回転数を定速になるよう制御を行なえば、負荷重量と
チヨツパのデユーテイは図５のような関係となる。これ
より、脱水の一定時間後に定速の回転数になるように制
御を行なえば、チヨツパのデユーテイから負荷重量が判
る。

【００２３】以上のことから、本発明では、脱水運転
時、一定時間後の回転数を定速になるよう制御を行なえ
ば、定速に到達した時のチヨツパのデユーテイの値によ
り負荷重量が判る。

【００２４】また、その負荷重量に対する乾燥した状態
での負荷点（チヨツパのデユーテイ値）はあらかじめマ
イコン１３内のＲＯＭに書き込まれており、これよりそ
の後、定速脱水回転数における含水率がマイコン１３内
で計算できるのである。

【００２５】こうすることにより、脱水時間を負荷重量
に適した時間、つまり、脱水時間と含水率は図７に示す
関係にあるため、含水率がＡに達した時点で脱水を終了
するような制御を行なえば、無駄な脱水を行なわず脱水
時間の短縮と省エネルギーが図られる。

【００２６】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、本発明の範囲内で上記実施例に多くの修
正および変更を加え得ることは勿論である。例えば、上
記実施例では、回転数検出手段２２は回転数センサ１９
からの信号により回転数を検出していたが、これに代わ
りロータ位置を検出する３個の位置センサ２０ａ，２０
ｂ，２０ｃを用いて、その入力信号から回転数を検出す
るよう構成してもよい。また、本発明による直流モータ
の制御はブラシレス式のものに限らずブラシを用いた直
流モータの制御にも適用できることは勿論である。さら
に、電力変換回路１６はパワートランジスタ以外の電力
変換素子であつてもよい。

【００２７】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
１の発明によると、直流モータで回転数制御する時、直
流モータの回転数とチヨツパのデユーテイから脱水運転
時の含水率を演算しているので、脱水運転時の負荷重量
が判り、その結果に基づいて脱水時間を制御しているの
で、脱水時間の短縮が図れ、省エネルギーが図れるとい
った優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明洗濯機に使用される直流ブラシレスモー
タの制御回路ブロツク図

【図２】本発明に係る全自動洗濯機の構成図

【図３】マイコンからのＰ−Ｔｒ６相出力とＰＷＭ出力
およびベースドライブ信号のタイミングチヤート

【図４】直流モータのチヨツパのデユーテイ値が一定の
ときのモータ回転数とトルクの関係を示す図

【図５】脱水運転時の定速回転数に達した時の負荷重量
とチヨツパのデユーテイの関係を示す図

【図６】脱水運転時のモータ回転数とチヨツパのデユー
テイの関係を示す図

【図７】脱水運転時の脱水時間と負荷の含水率の関係を
示す図

【符号の説明】

１ 洗濯機 ２ 洗濯・脱水槽 ３ 直流ブラシレスモータ ６ パルセータ ７ 減速機構 １１ 交流電源 １２ 整流平滑回路 １３ マイコン １４ Ｐ−Ｔｒ６相 １５ ドライブ回路 １６ 電力変換回路 １７ ＰＷＭ出力 １８ ＯＲ回路 １９ 回転数センサ ２０ａ〜２０ｃ位置センサ ２１ 位置検出回路 ２２ 回転数検出手段 ２３ デユーテイ制御手段 ２４ 比較手段 ２５ フイードバツク制御手段 ２６ ロータ位置検出手段 ２７ モータ回転制御手段 ２８ 負荷重量演算手段 ２９ 含水率演算手段 ３０ 脱水制御手段

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗濯・脱水槽を駆動する直流モータと、 該直流モータの回転を制御するため直流モータの印加電
   圧を変化させる電力変換回路と、 該電力変換回路にドライブ回路を介してチヨツパのデユ
   ーテイを制御する信号を出力する制御回路とを備えた洗
   濯機において、 前記直流モータの回転数を検出する回転数検出手段と、 チヨツパのデユーテイをフイードバツク制御するフイー
   ドバツク制御手段と、 脱水運転時に、回転数検出手段とフイードバツク制御手
   段の信号により、脱水運転開始時から一定時間後にモー
   タが定速の回転数になるよう制御するモータ回転制御手
   段と、 前記モータが定速回転になったときに、モータの回転数
   とチヨツパのデユーテイとから、含水した被洗濯物の負
   荷重量を演算する負荷重量演算手段と、 この演算結果と、予め記憶されたモータ定速回転時の被
   洗濯物乾燥重量とチヨツパのデユーテイの関係とから、
   被洗濯物の含水率を演算する含水率演算手段と、 この演算結果に基づいて前記モータを定速回転させなが
   ら以後の脱水時間を制御する脱水制御手段とが設けられ
   たことを特徴とする洗濯機。