JPH05344708A - 電力変換器 - Google Patents

電力変換器

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JPH05344708A
JPH05344708A JP4150371A JP15037192A JPH05344708A JP H05344708 A JPH05344708 A JP H05344708A JP 4150371 A JP4150371 A JP 4150371A JP 15037192 A JP15037192 A JP 15037192A JP H05344708 A JPH05344708 A JP H05344708A
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明照 植田
Hiroshi Narita
博 成田
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光幸 本部
Hidetoshi Aizawa
英俊 相沢
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、自己消弧形半導体スイッチング素子
を複数個直列接続して構成した電力変換器におけるゲー
ト駆動装置の小形化及び省電力化により高効率化を図
る。 【構成】リアクトルと自己消弧形スイッチング素子とを
1アーム当りに複数個直列接続し、各スイッチング素子
に並列にスナバ回路を接続し、各スイッチング素子のゲ
ートに接続するゲート駆動回路によりスイッチング素子
を駆動して、直流電圧を交流電圧に或いは交流電圧を直
流電圧に変換する電力変換器において、リアクトルやス
ナバ回路に蓄積されるエネルギーより各ゲート駆動回路
に電力を供給する直流電源を生成する手段と、これらの
直流電源と並列に接続して各ゲート駆動回路に電力を供
給する補助電源とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は直流送電用や周波数変換
用における電力変換器に係り、特に1アーム当り自己消
弧形半導体スイッチング素子を複数個直列接続して構成
する高電圧・大容量電力変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体スイッチング素子を複数個直列接
続して構成した高電圧・大容量電力変換器を駆動するた
めの各スイッチング素子のゲート電源は、実公平2−319
09号公報に記載のように大地側から絶縁変圧器を直列に
接続し、各変圧器二次側からそれぞれのゲート駆動装置
に電力を供給する方法や、あるいは特公昭53−40860 号
公報に記載のようにサイリスタを使用した装置において
主回路電位から得る方法がある。また、そのほかに特開
昭55−32449 号公報や特開昭63−124777号公報に記載の
ようにスナバ回路電流を変流器を介して主回路からゲー
ト電源を得る方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
電力系統に用いられる直流送電用や周波数変換用の高電
圧・大容量電力変換器では、例えば直流電圧が125k
Vにもなり、自己消弧形半導体スイッチング素子に4.
5kV 級の大容量のゲートターンオフサイリスタ(以
下GTOと略す)を用いた場合、1アーム当りの直列接
続数は100個近くになる。このため、GTOのゲート
駆動回路の電源を直列の絶縁変圧器から得ようとすると
大地側の最下段の絶縁変圧器容量は、最上段の絶縁変圧
器に比べスイッチング素子の数、あるいはスイッチング
素子の複数個直列接続を単位としたモジュールの数に相
当する容量の倍数となり装置が大型となる。また、それ
ぞれの電位に絶縁変圧器を設ける方法では、変圧器容量
は同じとなるが高電位にある変圧器の一次巻線(大地
側)と二次巻線(装置側)間の絶縁が容易ではない。さ
らには、サイリスタのゲート駆動電力はターンオン時の
み必要なのに対し、GTOではターンオン,ターンオフ
両方のゲート駆動電力が必要であり、この駆動電力はG
TOデバイス容量が大きくなるほど、あるいは装置の搬
送周波数が高くなるほど大きくなる。例えば、上記高電
圧・大容量電力変換器の場合、1アーム当りの直列接続
数を100個、三相ブリッジ接続、搬送周波数500H
zの条件で、4.5kV−3kA 級のGTO1個のゲー
ト必要電力200Wとすると、GTOの総数は600個
であるから、装置全体で必要なゲート駆動電力は120
kWと大容量になる。このため、上記従来技術のように
主回路からゲート電源を得る方法が考えられるが、GT
Oのような自己消弧形半導体スイッチング素子を駆動す
る場合、主回路に電圧を印加する前には、ゲートに誤動
作防止のための逆バイアス電圧を印加しておく必要があ
る等サイリスタとは異なる工夫が必要であり、これらを
考慮したゲート電源を得る方法については具体的に述べ
られていない。
【0004】本発明の目的は、自己消弧形半導体スイッ
チング素子を複数個直列接続して構成した高電圧・大容
量電力変換器において、上記半導体スイッチング素子を
駆動するゲート駆動装置の小形化及び省電力化による変
換器の高効率化が可能な高電圧・大容量電力変換器を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、リアクトルと
自己消弧形スイッチング素子とを1アーム当りに複数個
直列接続し、該各スイッチング素子に並列にサージ吸収
用のスナバ回路を接続し、前記各スイッチング素子のゲ
ートに接続するゲート駆動回路によりスイッチング素子
を駆動して、直流電圧を交流電圧に或いは交流電圧を直
流電圧に変換する電力変換器において、前記直流電圧を
分圧して前記各ゲート駆動回路に電力を供給する直流電
源を生成する手段、あるいは前記リアクトルや前記スナ
バ回路に蓄積されるエネルギーを回収する手段と、前記
回収したエネルギーより前記各ゲート駆動回路に電力を
供給する直流電源を生成する手段と、前記これらいずれ
か直流電源と並列に接続して前記各ゲート駆動回路に電
力を供給する補助電源とを備えたことを特徴とする。
【0006】
【作用】上記複数個直列接続された半導体スイッチング
素子の各ゲート駆動回路の電源に、電力変換器の直流側
の直流電圧を分圧して生成した直流電源を用いることに
より、前記直流電源の電位と半導体スイッチング素子と
の電位の差を小さくすることができるため、前記直流電
源を含めたゲート駆動装置における絶縁処理が軽減でき
小形化が図れる。また、ゲート駆動回路の電源として、
リアクトルやスナバ回路に蓄積されるエネルギーを回収
して直流電源を生成することにより、その電源の電位と
スイッチング素子との電位の差が小さくなるため、その
電源を含めたゲート駆動装置における絶縁処理が軽減で
き小形化が図れる。さらに、上記方法によれば、外部か
ら電力を供給する必要がないため、ゲート駆動装置の更
なる小形化と、電力変換器全体としての高効率化が図れ
る。なお、補助電源は電力変換器の始動時において直流
電圧が確立していない時にゲート駆動回路に電力を供給
するので容量としては小さくてよい。また、補助電源と
して二次電池を用いる場合、定常運転時には前記直流電
源より電池は充電されるので特別な充電装置は不用とな
るという効果がある。
【0007】
【実施例】図1に本発明の一実施例を適用した直流を交
流に変換する電力変換器(通称インバータ)の主回路構
成を示す。図1は三相の電圧形インバータを例として示
しており、6つあるアーム101〜106にはそれぞれ
自己消弧形半導体スイッチング素子が複数個直列接続さ
れている。ここでは、半導体スイッチング素子の例とし
てGTOとしている。Pはインバータの直流電源の正側
端子、Nは負側端子であり、U,V,Wは負荷側に接続
される三相交流端子である。P,N端子間には平滑コン
デンサ3aが複数個直列に接続されており、その中間点
Eは接地されている。
【0008】次にアーム内の構成であるが、アーム10
1〜106は同様の構成なのでU相の正側のアーム10
1について説明する。1アーム当りにはn個のGTO1
a〜GTO1nが直列接続されている。40aはGTO
1aとこれに付随する周辺回路を示し、この40aに相
当する回路はGTOの数だけ、即ち40nまで要する。
その一つである40aの回路の構成について説明する。
GTO1aにはGTOに流れる電流の上昇率及び過電流
を抑制するアノードリアクトル4が直列に接続され、ま
た、ダイオード6aとコンデンサ8aの直列回路からな
るスナバ回路及び帰還ダイオード2aがGTOに並列に
接続される。ここで、スナバ回路はGTOに印加される電
圧の上昇率及び過電圧を抑制するものである。スナバ回
路のダイオード6aとコンデンサ8aの接続点とコンデ
ンサ9aの一端はダイオード7aで図示の極性で接続さ
れる。コンデンサ9aの両端は回生回路10aの入力側
に接続されると同時にある所定の範囲の直流入力電圧に
対して、一定の直流電圧を出力するDC−DCコンバー
タ30の入力側に接続され、このコンバータ30の出力
側はゲート駆動回路12aの入力側に接続される。回生
回路10aの入力側電圧は、通常は、ほぼ所定の直流電
圧e1 に保つように回生回路10aにより制御されてい
るものとする。さらに、ゲート駆動回路12aの入力側
には電池等の補助電源11が接続される。回生回路10
aの出力側は平滑コンデンサ3aの両端に接続される。
5aは電圧を均等に分担させるための分圧抵抗である。
【0009】図2は図1で示した本発明の一実施例中の
回生回路10aの詳細を示す。この回生回路はエネルギ
ーをPN側の直流電源に回生するための回路であり、こ
こで示した回路はDC−DCコンバータと呼ばれる周知
の回路で、この例では直列共振形を示している。簡単に
動作を述べると、コンデンサ9aを電源(電圧e1 )と
して、帰還ダイオード14a,14bに並列に接続した
半導体スイッチ13a,13bを交互にオン,オフさせ
ることにより変圧器16aの一次側にはコンデンサ17
aとリアクトル18aによって共振電流(交流電流)が
流れる。それを二次側でダイオード15a,15bによ
って整流し、平滑コンデンサ3aに回生するものであ
る。
【0010】図3は図1で示した本発明の一実施例中の
ゲート駆動回路12aの詳細を示す。これも一種のDC
−DCコンバータである。変圧器16bの一次巻線側は
プッシュプル形に構成され、コンバータ30からの入力
を電源として半導体スイッチ13c,13dを交互にオ
ン,オフさせることにより高周波の交流電圧を発生させ
る。これを二次側でダイオード15c〜15fで整流し
てそれぞれオン用の電源コンデンサ29aとオフ用の電
源コンデンサ29bに充電する。そして、図示しない制
御回路からの信号により、オンゲート信号の場合は半導
体スイッチ13eを、オフゲート信号の場合は半導体スイ
ッチ13fをオンしてGTOにゲート信号を送る。
【0011】次に、本発明の一実施例の動作について述
べる。まずGTO1aがオフしている状態では、スナバ
回路のコンデンサ8aにはPN間の直流電圧をGTOの
直列接続の個数で分担された電圧が充電されている。G
TO1aがターンオンするとコンデンサ8aの蓄積エネ
ルギーはコンデンサ8a−ダイオード7a−コンデンサ
9a(回生回路10a一次側)−アノードリアクトル4
−GTO1aの閉回路によってコンデンサ9aは充電さ
れ、この充電エネルギーはコンデンサ9aの電圧が所定
値になるまで回生回路10aを介して電源側の平滑コン
デンサ3aに回生される。
【0012】次に、GTO1aがオンからオフになった
状態では、アノードリアクトル4の蓄積エネルギーはコ
ンデンサ8aに充電されていき、1アーム当りのスナバ
回路用コンデンサの電圧の総和がインバータ入力直流電
圧よりも大きくなった場合は、そのエネルギーはアノー
ドリアクトル4−ダイオード6a−ダイオード7a−コ
ンデンサ9aの閉回路で回生回路に送られる。すなわ
ち、GTOがオン,オフ動作をする毎にアノードリアク
トル及びスナバ回路に蓄えられたエネルギーが回生回路
に送られる。したがって、このエネルギーの一部を図示
のようにゲート駆動回路12aの入力として取り込み、
GTOを駆動するゲート駆動電力として利用する。ゲー
ト駆動に要する電力は、試算によるとアノードリアクト
ル及びスナバ回路に蓄えられたエネルギーの数%以下で
ある。以上述べたように、電力変換器が運転されている
時は、GTOを駆動するためのゲート駆動電力は主回路
から充分供給できるが、起動時には次のような点を考慮
しなければならない。すなわち、インバータを起動する
には電源電圧が確立していなければならないが、GTOの
ゲート端子に逆バイアス電圧を印加していない状態で電
源電圧を印加すると、GTOが誤点弧して過電流が流れ
る怖れがある。また、起動当初は、主回路からゲート電
力を得られないので、定常的にゲート電力が供給される
までの数サイクルの期間GTOをオン,オフできるだけ
のゲート駆動電力が必要である。このため、図1に示す
ようにゲート駆動回路12aの入力側に補助的な電源と
して11を接続する。この電源11としては、二次電池
を用い、この二次電池を起動前に充電しておき、上記し
た逆バイアス電圧、起動当初のゲート駆動電力さらには
回生回路10aやゲート駆動回路12aの制御用電源と
して利用する。これらの電力はGTOを定常的にオン,
オフするゲート電力に比べ十分小さいので二次電池で十
分対応ができる。なお、この補助電源11として例えば
太陽電池のような一次電池を使用してもよい。太陽電池
とすると、常に周囲の光エネルギーを吸収して電力に変
換するので充電をする必要が無い。さらには、この太陽
電池と前記した二次電池を組み合わせると二次電池の起
動前充電が不要となる。このほか、大地側から絶縁変圧
器を直列に接続してそれぞれの電位にある絶縁変圧器二
次側出力を整流して補助電源としても良い。この場合、
絶縁変圧器の一次,二次間の絶縁が問題となるが、GT
Oをオン,オフする定常的なゲート駆動電力を送らなく
てよいので変圧器容量は小さくてすみ、小形になる。
【0013】以上述べたように、本実施例によれば、変
換器動作中に、アノードリアクトルやスナバ回路の主回
路部分で発生するエネルギーを回生回路により電源に回
生する時、そのエネルギーの一部をゲート駆動電力とし
て利用するので外部から電力を供給する必要がないた
め、電力変換器全体としての高効率化が図れる。
【0014】また、アノードリアクトルやスナバ回路の
主回路部分からゲート駆動の電源を生成するので、その
電源の電位とGTOのゲートとの電位の差が小さくなる
ため、その電源を含めたゲート駆動装置における絶縁処
理が軽減でき小形化が図れる。
【0015】図4は本発明の他の実施例を示す主回路の
部分構成である。GTOを複数個直列に接続し、このG
TOに回路上必要な付属部品を接続して一つの単位とし
たものを、モジュールと呼ぶことにする。実際の大容量
変換器ではGTOの直列数が多いので定格電圧に応じて
このモジュールを必要数だけ直列接続する。図4ではモ
ジュールの回路50a内にGTOが3個直列接続されて
いる場合を例として示すが、直列数はこの数に限定され
ることなく、自由に増減できる。本実施例ではモジュー
ルの直列数はm個とし、回路50mは直列数m番目のモ
ジュールで回路50aと同じ回路構成である。すなわ
ち、回路50a内においてGTO1a〜1cにそれぞれ
帰還ダイオード2a〜2c及びスナバ回路のダイオード
6a〜6c,コンデンサ8a〜8cが並列に接続されて
いる。スナバ回路のコンデンサ8a〜8cの蓄積エネル
ギーはダイオード7a〜7cを介してコンデンサ9a及
び回生回路10aに送られる。図4における動作は図1
と同様なので省略する。ゲート駆動回路12a′は変圧
器16b′によって二次巻線を複数組設け、二次側出力
をそれぞれ絶縁してゲート電力を送る。このゲート駆動
回路12a′は、ゲート駆動回路12aに比べ変圧器の
二次巻線が複数組になる点だけが異なる。本実施例によ
れば、補助電源11はモジュール内に一つでよいので回
路構成が簡単になる。なお、図1及び図4の実施例では
アノードリアクトルとGTOのスナバ回路のエネルギー
を回生回路で処理する回路で示したが、これに限定され
ることなく、アノードリアクトル回路のみ、あるいはG
TOのスナバ回路のみを回生回路で処理する回路にも適
用できるものである。
【0016】図5は本発明の他の実施例を示す主回路の
部分構成である。図において、GTOの直列数は1個の場
合であり、図2と同符号は同一内容を示す。図5では回
生回路10aの入力側に変流器19aを設け、変流器1
9aの出力をダイオードブリッジ20aで全波整流して
コンデンサ21aに充電し、ゲート駆動回路12aの入
力とする。ゲート駆動回路12aの入力側には、補助電
源11も接続される。この構成における動作は、回生回
路10aの半導体スイッチ13a,13bが交互にオ
ン,オフすることにより発生する入力側の交流電流を変
流器19aを介して取り出し、この電力をゲート電力と
して利用する。すなわち、図1の実施例がゲート電力源
として電圧を利用するのに対し、本実施例では電流を利
用するところが異なる。
【0017】本実施例によれば、ゲート電力を取り出す
手段として変圧器に比べ絶縁が比較的容易な変流器を用
いるので部品製作上有利となる。なお、本実施例ではG
TO直列数が1個の場合について述べたが、図4のよう
に、GTOを複数個直列接続したモジュール単位に設け
ることができ、この場合は、上記したように補助電源1
1はモジュール内に一つでよいので回路構成が簡単にな
る。
【0018】図6は本発明の他の実施例を示す主回路の
部分構成である。一般にスナバ回路は図示のようにダイ
オードとコンデンサの直列回路に並列に放電用の抵抗を
接続する。本実施例ではこの抵抗22aに直列に変圧器
16cを接続してもう一方の端子をダイオード6aとコ
ンデンサ8aの接続点に接続する。変圧器16cの出力
はダイオード15gで整流してコンデンサ19cに充電
し、ゲート駆動回路12aの入力とする。この構成にお
ける動作を次に述べる。変圧器16cの入力側巻線に印
加する電圧としては、GTOがターンオフする時はダイ
オード6aでバイパスされるため、ターンオンしてコン
デンサ8aが放電する時のみである。これを図7を用い
て説明する。同図は変圧器16cの鉄心のB−H曲線で
ある。同図において片極性のみ励磁すると磁束密度は、
最大磁束密度Bsと点hで示す残留磁束密度Brの範囲
ΔB02しか利用できず鉄心がすぐ飽和して変圧器から電
力があまりとれない。そこで、鉄心にΔH1 だけ磁界を
逆バイアスして点iまで移動させると磁束密度はΔB01
まで利用でき、変圧器からより大きい電力が供給でき
る。そのため、本実施例では変圧器16cは磁界を逆バ
イアスするための材質が組み込まれた鉄心を使用する。
本実施例によれば、特に回生回路を設けなくても従来の
スナバ回路からゲート電力が得られるので回路構成が簡
単となり、また、磁界逆バイアス機能付き鉄心の変圧器
を用いるのでより大きい電力が得られる。なお、本実施
例では放電用の抵抗があるものとして述べたが、放電用
の抵抗を無くした場合にも適用できるものである。
【0019】図8は本発明の他の実施例を示す主回路の
部分構成である。同図において、GTOの直列数は1個
の場合を示す。図6の実施例がスナバ回路のエネルギー
を変圧器で取り出すのに対し、本実施例では変流器を用
いる。すなわち、GTO1a のスナバ回路のコンデンサ8a
に接続された導体に変流器19bを挿入し、変流器出力
をダイオードブリッジ20bにより全波整流してコンデ
ンサ21bに充電して、ゲート駆動回路12aの入力と
する。本実施例によれば、上記したようにゲート電力を
取り出す手段として変圧器に比べて絶縁が比較的容易な
変流器を用いるので部品製作上有利となる。また、GT
Oがターンオン及びターンオフする時は変流器には互い
に逆極性の電流が流れるので、鉄心のセット,リセット
が行われ変流器が小形化できる。
【0020】図9は本発明の他の実施例を示す主回路の
部分構成である。本実施例は、図8の実施例と同様スナ
バ回路のエネルギーを変流器で取り出す構成で、GTO
を複数個直列接続した場合である。同図において、回路
50eはGTOを3個直列接続したモジュールの場合を
示す。回路40c〜40eは同じ回路構成である。この
構成において、回路40c〜40eのダイオードブリッ
ジ直流出力の正側端子a1〜a3,負側端子b1〜b3
は、コンデンサ21cに並列に入力され、そのエネルギ
ーは、ゲート駆動回路12a′を介してGTO1a〜1
cのゲートへそれぞれ送られる。
【0021】本実施例によれば、図8で示した実施例に
比べ、補助電源11はモジュール内に一つでよいので回
路構成が簡単になる。また、ゲート駆動回路入力側コン
デンサに各GTOからの変流器出力を並列に入力してい
るので、GTO個々からゲート電力を得る場合に比べゲ
ート駆動回路入力電圧が同一となり、したがってゲート
電力も同一となる。これは、GTO直列接続の場合には
ターンオン,ターンオフする時、分担電圧が揃いやすい
ことを意味し、重要な点である。
【0022】図10は本発明の他の実施例を示す主回路
の部分構成である。図9の実施例と異なる点は、各ダイ
オードブリッジから充電されたコンデンサ21d〜21
fを直列接続し、この直列接続したコンデンサの両端子
電圧をゲート駆動回路12a′の入力としていることであ
る。
【0023】本実施例によれば、図9の実施例と同様の
効果のほか、次のような効果がある。すなわち、変流器
はある値の巻線比(変流比)で電流を二次側にとりだし
コンデンサに充電する。ここで例えば、一次と二次の巻
線比を1:5と仮定すると、二次側の電圧が200Vだ
と、一次側は40Vになる。この電圧は、GTOのアノ
ードとカソード間電圧に加算されるため、GTOにとっ
てはそれだけ余分の耐圧が必要となる。そこで、本実施
例のように、変流器出力を直列にすると、同じ二次電圧
とするにはGTO直列接続数分の1(ここでは1/3)
ですみ、その分GTOの耐圧が楽になる。
【0024】図11は本発明の他の実施例を示す主回路
の部分構成である。本実施例では、GTO1個毎に平滑
コンデンサからゲート駆動用の電源を得る場合を示して
いる。同図において、平滑コンデンサ3a〜3cは、そ
れぞれ各GTOに対応して分割している。平滑コンデン
サ3a〜3cに並列に接続された抵抗5a〜5cは分圧
用であるが、平滑コンデンサの分担電圧が揃っていれば
特に必要はない。
【0025】回路23a〜23cは上記で記述したもの
と同じ回路構成である。
【0026】本実施例によれば、上記複数個直列接続さ
れたGTOの各ゲート駆動回路の電源に電力変換器の直
流側の直流電圧を分圧して生成した直流電源を用いるこ
とにより、直流電源の電位とGTOとの電位の差を小さ
くすることができるため、直流電源を含めたゲート駆動
装置における絶縁処理が軽減でき小形化が図れる。ま
た、インバータの直流入力電源として用いている平滑コ
ンデンサから得るので、電力が容易に得られる効果があ
る。なお、本実施例ではGTO1個にゲート電源が一組
の場合を示したが、GTOを複数個直列接続してゲート
電源を一組としてもよい。この場合には、平滑コンデン
サもGTO複数個を単位とした数に分割する。こうすれ
ば、回路構成が簡単になる効果がある。さらに、平滑コ
ンデンサは分割せずに、ゲート電源用として平滑コンデ
ンサに比べ小さな値のコンデンサを上記のようにGTO
1個または複数個単位に設けてもよい。この場合は、大
きい容量の平滑コンデンサを分割するよりも製作が容易
となる効果がある。
【0027】図12は本発明の他の実施例を示す主回路
の部分構成である。図11の実施例ではインバータ入力
の直流電圧を分圧してゲート駆動電源を生成したが、本
実施例ではインバータの動作によりインバータの直流側
に設けた平滑コンデンサ3に流入または流出する電流が
流れる電流を変流器19eにより取り出し、これよりゲ
ート駆動電源を生成する。
【0028】本実施例によれば、上記したようにゲート
駆動電力を取り出す手段として変圧器に比べて絶縁が比
較的容易な変流器を用いるので部品製作上有利となる。
なお、本実施例ではGTO1個にゲート電源が一組の場
合を示したが、GTOを複数個直列接続してゲート電源
を一組としてもよい。こうすれば、回路構成が簡単にな
る効果がある。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、複数個直列接続された
半導体スイッチング素子の各ゲート駆動回路の電源に電
力変換器の直流側の直流電圧を分圧してゲート駆動電源
を生成することにより、直流電源の電位と半導体スイッ
チング素子との電位の差を小さくすることができるた
め、直流電源を含めたゲート駆動装置における絶縁処理
が軽減でき小形化が図れる。
【0030】また、ゲート駆動回路の電源として、リア
クトルやスナバ回路に蓄積されるエネルギーを回収して
ゲート駆動電源を生成することにより、外部から電力を
供給する必要がないため、電力変換器全体としての高効
率化が図れる。さらには、このゲート駆動電源によって
も、その電源の電位とスイッチング素子との電位の差が
小さくなるため、その電源を含めたゲート駆動装置にお
ける絶縁処理が軽減でき小形化が図れる。
【0031】また、補助電源は電力変換器の始動時にお
いてしかゲート駆動回路に電力を供給しないので容量と
しては小さくてよく、二次電池を用いる場合、定常運転
時には前記直流電源より電池は充電されるので特別な充
電装置は不要となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す電力変換器の主回路構
成図である。
【図2】本発明の一実施例中の回生回路を示す。
【図3】本発明の一実施例中のゲート駆動回路を示す。
【図4】本発明の他の実施例を示す主回路の部分構成図
である。
【図5】本発明の他の実施例を示す主回路の部分構成図
である。
【図6】本発明の他の実施例を示す主回路の部分構成図
である。
【図7】図6の動作説明図である。
【図8】本発明の他の実施例を示す主回路の部分構成図
である。
【図9】本発明の他の実施例を示す主回路の部分構成図
である。
【図10】本発明の他の実施例を示す主回路の部分構成
図である。
【図11】本発明の他の実施例を示す主回路の部分構成
図である。
【図12】本発明の他の実施例を示す主回路の部分構成
図である。
【符号の説明】
1a〜1c…GTO(ゲートターンオフサイリスタ)、
3,3a〜1c…平滑コンデンサ、4…アノードリアク
トル、6a〜6c,7a〜7c…ダイオード、8a〜8
c,9a,21a〜21g…コンデンサ、10a…回生
回路、11…第二の電源、12a,12a′…ゲート駆
動回路、16a〜16c,16b′…変圧器、19a,
19b,19e…変流器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本部 光幸 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 相沢 英俊 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自己消弧形スイッチング素子を1アーム当
    りに複数個直列接続し、該各スイッチング素子のゲート
    に接続するゲート駆動回路によりスイッチング素子を駆
    動して、直流電圧を交流電圧に或いは交流電圧を直流電
    圧に変換する電力変換器において、 前記直流電圧を分圧して前記各ゲート駆動回路に電力を
    供給する第1の直流電源を生成する手段と、 前記第1の直流電源と並列に接続して前記各ゲート駆動
    回路に電力を供給する電池からなる補助電源とを備えた
    ことを特徴とする電力変換器。
  2. 【請求項2】リアクトルと自己消弧形スイッチング素子
    とを1アーム当りに複数個直列接続し、該各スイッチン
    グ素子に並列にサージ吸収用のスナバ回路を接続し、前
    記各スイッチング素子のゲートに接続するゲート駆動回
    路によりスイッチング素子を駆動して、直流電圧を交流
    電圧に或いは交流電圧を直流電圧に変換する電力変換器
    において、 前記リアクトルと前記スナバ回路のうち少なくともどち
    らか一方に蓄積されるエネルギーを回収する手段と、 前記回収したエネルギーより前記各ゲート駆動回路に電
    力を供給する第2の直流電源を生成する手段と、 前記第2の直流電源と並列に接続して前記各ゲート駆動
    回路に電力を供給する電池からなる補助電源とを備えた
    ことを特徴とする電力変換器。
  3. 【請求項3】自己消弧形スイッチング素子を1アーム当
    りに複数個直列接続し、該各スイッチング素子のゲート
    に接続するゲート駆動回路によりスイッチング素子を駆
    動して、直流電圧を交流電圧に或いは交流電圧を直流電
    圧に変換する電力変換器において、 前記電力変換器の直流側の正極と負極間に接続されたコ
    ンデンサ、該コンデンサに流れる電流から前記各ゲート
    駆動回路に電力を供給する第3の直流電源を生成する手
    段と、 前記第3の直流電源と並列に接続して前記各ゲート駆動
    回路に電力を供給する電池からなる補助電源とを備えた
    ことを特徴とする電力変換器。
  4. 【請求項4】自己消弧形スイッチング素子を1アーム当
    りに複数個直列接続し、該各スイッチング素子に並列に
    サージ吸収用のスナバ回路を接続し、前記各スイッチン
    グ素子のゲートに接続するゲート駆動回路によりスイッ
    チング素子を駆動して、直流電圧を交流電圧に或いは交
    流電圧を直流電圧に変換する電力変換器において、 前記スナバ回路に蓄積されるエネルギーを回収する手段
    と、 前記回収したエネルギーより前記各ゲート駆動回路に電
    力を供給する第4の直流電源を生成する手段と、 前記第4の直流電源と並列に接続して前記各ゲート駆動
    回路に電力を供給する電池からなる補助電源とを備えた
    ことを特徴とする電力変換器。
  5. 【請求項5】請求項1乃至請求項4の何れかにおいて、
    前記電池からなる補助電源は、大地電位の交流電源から
    絶縁変圧器を介して生成する直流電源とすることを特徴
    とする電力変換器。
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