JPH05343743A - ZnSe発光素子 - Google Patents

ZnSe発光素子

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Publication number
JPH05343743A
JPH05343743A JP14433392A JP14433392A JPH05343743A JP H05343743 A JPH05343743 A JP H05343743A JP 14433392 A JP14433392 A JP 14433392A JP 14433392 A JP14433392 A JP 14433392A JP H05343743 A JPH05343743 A JP H05343743A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cell
light emitting
substrate
molecules
nitrogen
Prior art date
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Pending
Application number
JP14433392A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Hishida
有二 菱田
Tadao Toda
忠夫 戸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 発光効率の高いZnSe発光素子を提供す
る。 【構成】 発光素子に不純物としてClとLiの両者を
含むn型ZnSe層を用いる。添加不純物濃度はClモ
ル濃度≧Liモル濃度の関係にあり、n型ZnSe層は
分子線エピタキシャル法などにより形成される。チャン
バ1内の中心に(100)面を主面とするGaAs基板
6を乗せる支持台7が配置され、その前にシャッタがあ
る。チャンバ内を高真空に保持し、基板6を615℃に
加熱して表面を清浄化した後、所定温度250〜450
℃に保持する。次いでZn用セル2,Se用セル3,L
i用セル4及びCl用セル5を所望の分子線量になるよ
う加熱し、各セルから各分子を蒸発させ、基板主面上に
LiとClを含むn型ZnSe層を形成する。Clの近
傍にあるZn格子点に空孔が生成することによる深いエ
ネルギ準位の発生をLiの存在により阻止できるため、
青色発光強度が非常に強くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はZnSe発光素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ZnSeは室温で約2.7eVのバンド
ギャップと、直接遷移型のバンド構造を持つことから、
発光ダイオード等の発光素子の材料として注目されてい
る。
【0003】特に、最近ではダイオードレーザにZnS
eを用いる研究開発が活発に進められている。例えば、
雑誌「O PLUS E」の1991年12月号の第1
18頁乃至124頁に記載されている。
【0004】ところで、n型ZnSe層は、ドーパント
して一般にCl(塩素)がドープされていたが、発光ダ
イオード、ダイオードレーザ等の発光素子の発光効率が
悪いと言った問題があった。このように発光効率が悪く
なるのは、前記Clの近傍にあるべきZnの位置に空孔
子が形成されてなるデープレベルが発生するためと考え
られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
点を鑑み成されたものであり、高発光効率のZnSe発
光素子を提供することを目的する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のZnSe発光素
子は、不純物としてClとLiを含むn型ZnSe層を
用いたことを特徴とする。
【0007】
【作用】n型ZnSe層のドーパントがClとLiであ
ると、前記Clの近傍にあるべきZnの位置に空孔子が
形成されてなるデープレベルの発生をLiにより阻止で
きると考えられ、発光素子の発光効率が向上する。
【0008】
【実施例】本発明のZnSe発光素子に係る一実施例に
ついて図を参照しつつ説明する。
【0009】本実施例のZnSe発光素子で用いるn型
ZnSe層はドーパント(不純物)がCl(塩素)とL
i(リチウム)であり、該Liは斯るn型ZnSe層が
半絶縁性半導体にならない程度に添加されている。即
ち、このn型ZnSe層中のドーパントであるCl及び
Liの濃度は、Clのモル濃度≧Liのモル濃度の関係
にある。
【0010】このn型ZnSe層は図1に示す例えばM
BE(分子線エピタキシャル)装置を用いて形成され
る。
【0011】図1において、1はチャンバー、2はZn
用分子線蒸発源セル、3はSe用分子線蒸発源セル、4
はLi用分子線蒸発源セル、5はCl用分子線蒸発源セ
ルである。前記Zn用セル2、Se用セル3、Li用セ
ル4、及び前記Cl用セル5には、それぞれ原料Zn
(純度:99.9999%以上)、原料Se(純度:9
9.9999%以上)、原料Li(純度:99.9%以
上)、及び原料ZnCl 2(純度:99.999%以
上)が充填されている。
【0012】前記各セル2、3、4、5の出射口の前部
には、図示しないがそれぞれセルシャッタが設けられて
いる。
【0013】前記チャンバー1内の中心部には一主面が
(100)面であるGaAs基板6を支持する支持台7
が配置されている。そして、前記支持台7の前部に図示
しないメインシャッタが配置されている。
【0014】以下、図1を用いて斯るn型ZnSe層の
成長方法を説明する。
【0015】最初に、前記基板6を化学的に表面を洗浄
した後、前記チャンバー1内に(100)面が表になる
ように支持台7に配置する。その後、チャンバー1内を
例えば10-9torr以下の真空に保持する。
【0016】次に、前記基板6を615℃で20分加熱
して、該基板6の表面の清浄化を行った後、該基板を所
定の基板温度(望ましくは250℃〜450℃)に保持
する。
【0017】その後、Zn用セル2、Se用セル3、L
i用セル4、及びCl用セル5を所望の分子線量になる
様に加熱保持して、各セルよりそれぞれZn分子、Se
分子、Li分子、及びCl分子を蒸発させる。
【0018】そして、前記Zn分子の分子線、Se分子
の分子線、Li分子の分子線、及びCl分子の分子線
を、前記基板6の(100)面上に照射して、Li及び
Clドープのn型ZnSe層を形成する。
【0019】以下に、一具体例を示す。
【0020】基板温度は320℃程度、Zn用セル2
(加熱温度:300℃程度)からのZn分子線量は1×
10-7torr程度、Se用セル3(加熱温度:120
℃程度)からのSe分子線量は4×10-7torr程度
であり、Li用セル4の加熱温度は220℃、Cl用セ
ル5の加熱温度は50℃である。
【0021】図2は上述のようにしてGaAs基板6上
にエピタキシャル成長させた本実施例のn型ZnSe層
の温度16Kにおけるフォトルミネッセンススペクトル
(PLスペクトル)の一例を示す。又、図3及び図4に
斯る実施例のドーパントであるClとLiの代わりにド
ーパントとしてそれぞれClのみ、Liのみ用いた点以
外は同様の成長条件である比較例の温度16Kにおける
フォトルミネッセンススペクトルを示す。尚、本実施例
と比較例のフォトルミネッセンススペクトルはHe−C
dレーザ装置の波長325nmレーザ光により励起した
ものであり、また図3、図4の縦軸はそれぞれ図2の縦
軸の30倍、300倍である。
【0022】本実施例である図2から、波長460nm
付近の青色発光が強く、この強度は図3と図4にそれぞ
れ示すCl、Liドープのみのものに比べて、それぞれ
約100倍、200倍であり、また波長560nm付近
の前記デープレベルに起因するSA発光は弱いことが判
る。
【0023】また、比較例であるClドープのものを示
す図3から、波長560nm付近にClの近傍にあるべ
きZnの位置に空孔子が形成されてなるデープレベルに
起因するSA発光が強いことが判る。
【0024】上述したように、ドーパントとしてClと
Li(Clのモル濃度≧Liのモル濃度)の両方を用い
るn型ZnSe層は、ドーパントとしてClのみを用い
るn型ZnSe層、またLiのみを用いる半絶縁制半導
体(室温)であるZnSe層に比べて、青色発光強度が
非常に強くなる。また、前記デープレベルに起因するS
A発光も弱くなることが判る。
【0025】このように、青色発光の強度(発光効率)
が向上するのは、前記Clの近傍にあるべきZnの位置
に空孔子が形成されてなるデープレベルの発生を阻止で
きたためと考えられる。
【0026】上記実施例では、GaAs基板上にn型Z
nSe層が形成され、光励起により青色発光を行う青色
発光素子について述べたが、本実施例のn型ZnSe層
とp型ZnSe層とがpn接合してなる発光ダイオー
ド、ダイオードレーザ等の発光素子に用いても、発光効
率が向上する。
【0027】ところで、発光ダイオード、ダイオードレ
ーザ等の発光素子に用いるp型ZnSe層の形成方法と
しては、MBE法(分子線エピタキシャル法)を用いて
亜鉛(Zn)分子線、セレン(Se)分子線、及び窒素
(N2)分子線を照射し、ZnSe層に窒素をドープす
る方法が知られている。しかしながら、この方法では窒
素分子のZnSeへの付着係数が小さく、ZnSe結晶
中に窒素を殆ど取り込めなかった。また、窒素よりも反
応性の高いアンモニア(NH3)を用いた斯る方法でも
ZnSe結晶中に窒素を殆ど取り込むことができなかっ
た。
【0028】このようにp型ZnSe層中の窒素を高濃
度にできないため、発光ダイオード、ダイオードレーザ
等の発光素子の発光効率が悪いと言った問題もあった。
【0029】ZnSe結晶中の窒素を高濃度にドープす
るために、Applied Physics Lett
er Vol.49,p1348〜p1350(198
6)に記載されているような窒素イオンドーピングやA
pplied Physics Letter Vo
l.57,p2127〜p2129(1990)に記載
されているような窒素原子ドーピングが行われている。
これらの窒素イオンドーピングや窒素ドーピングはZn
Seへの付着係数が向上するものの、窒素イオンや窒素
原子を生成するために複雑な機構が必要であり、特に窒
素イオンドーピングの場合には、照射損傷のためにp型
ZnSe層の結晶性の低下が著しかった。
【0030】窒素を高濃度にドープできるp型ZnSe
層の成長方法を本願出願人は見い出した。図5は斯る方
法で用いられるMBE装置の一例の要部模式図である。
尚、図1と異なる点は、Li用セル4及びCl用セル5
を取り除いて代わりにはNH 3(アンモニア)用ガスク
ラッキングセル104を設けた点であり、図1に対応す
る部分には同一符号を付してその説明は割愛する。
【0031】前記NH3用ガスクラッキングセル104
はNH3を熱分解するための加熱機構が内蔵され、該N
3用セル104にはNH3供給ボンベ105が接続され
ている。尚、このNH3用セル104には、Zn用セル
2及びSe用セル3と同様に出射口の前方に図示しない
セルシャッタが設けられている。
【0032】そして、前記基板6上へのp型ZnSe層
の成長は次のように行った。
【0033】最初に、前記n型ZnSe層の形成と同様
に、前記基板6を化学的に表面を洗浄した後、前記チャ
ンバー1内に(100)面が表になるように支持台7に
配置する。その後、チャンバー1内を例えば10-9to
rr以下の真空に保持する。
【0034】次に、前記基板6を615℃で20分加熱
して、該基板6の表面の洗浄化を行った後、該基板を所
定の基板温度(望ましくは250℃〜450℃)に保持
する。
【0035】その後、Zn用セル2、Se用セル3を所
望の分子線量になる用に加熱保持して、各セル2、3よ
りそれぞれZn分子、Se分子を蒸発させる。
【0036】一方、NH3供給ボンベ105よりNH
3(アンモニア)ガスが前記ガスクラッキングセル10
4に流量制御されて供給され、該NH3ガスがセル10
4内で所望温度(望ましくは850℃以上、より望まし
くは950℃以上)で加熱分解される。
【0037】そして、前記Zn分子の分子線、Se分子
の分子線、及びドーパント原料であるNH3ガスが加熱
分解されてなるガス(以下、加熱分解されたNH3ガス
と呼ぶ)線が、前記基板6の(100)面上に照射され
て窒素ドープのp型ZnSe層が形成される。
【0038】以下に、一具体例を示す。
【0039】基板温度は320℃程度、Zn用セル2
(加熱温度:300℃)からのZn分子線量は望ましく
は(1〜2)×10-7torr、例えば1×10-7to
rr程度、Se用セル3(加熱温度:120℃)からの
Se分子線量は望ましくは(2〜4)×10-7tor
r、例えば4×10-7torr程度、ガスクラッキング
セル104からのNH3ガスが950℃程度で加熱分解
されてなるガス線量は望ましくは2.8×10-8〜2.
7×10-7torr、例えば5×10-8torr程度で
ある。
【0040】図6は上述のようにしてGaAs基板6上
にエピタキシャル成長させたp型ZnSe層の温度16
Kにおけるフォトルミネッセンススペクトルの一例を示
す。又、図7は斯る実施例とはNH3ガスを熱分解しな
い点以外は同様の成長条件で作成した比較例の温度16
Kにおけるフォトルミネッセンススペクトルを示す。
尚、これらのフォトルミネッセンススペクトルはHe−
Cdレーザ装置の波長325nmレーザ光により励起し
たものである。
【0041】比較例である図7には、窒素に由来するD
Aペア発光やエキシトン発光が見られないが、本実施例
の図6には、窒素に由来するDAペア発光8やエキシト
ン発光9が見られる。このことから、本実施例では、N
3ガスを加熱分解してなるガスを用いることにより、
窒素のZeSeへの付着係数が増加していることが判
る。また、本実施例では、波長460nm付近の青色発
光強度が強くなっている事が判る。
【0042】このように、Zn分子線及びSe分子線を
照射してZnSe層を形成する際に、アンモニア分子線
を加熱分解してなるガスを照射するので、前記ZnSe
層への窒素の付着力が向上するので、窒素濃度を高くで
きた。また、このp型ZnSe層の結晶性の劣化も抑制
できた。
【0043】これは、NH3が熱分解してH、H2と活性
の高い窒素化合物または活性の高い窒素、即ち、N、N
H、NH2が発生して、これら窒素、窒素化合物がZe
Se層へ照射されるためであると考えられる。
【0044】上述では、GaAs基板上にp型ZnSe
層が形成され、光励起により青色発光を行う青色発光素
子について述べたが、n型ZnSe層、特に、前記Li
とClを含有するn型ZnSe層と、p型ZnSe層が
pn接合してなる発光ダイオード、ダイオードレーザに
用いても発光効率が向上する。
【0045】また、p、n型ZnSe層を形成するため
の分子線の原料は、上記例に限定されず、種々の化合
物、有機金属化合物を適宜利用できる。
【0046】尚、上記p、n型ZnSe層は微量のSま
たはTeが含まれたものも含む。
【0047】また、上記例ではGaAs基板を用いた
が、ZnSe基板の例えば(100)面上にZnSe層
を形成してもよく、更にZeTe、ZeS、GaP、A
lAs、CdS、CdTe、ZnSSe、ZnSTe、
ZeSeTe、ZeSeSTe等のZeSeの格子定数
に近い格子定数をもつ遷亜鉛鉱型結晶のIII族元素とV
族元素の化合物、またII族元素とVI族元素の化合物の
基板でもよい。
【0048】
【発明の効果】本発明のZnSe発光素子は、n型Zn
Se層に不純物として、ClとLiの両方を用いるの
で、発光が高効率になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で用いるMBE装置の要部模
式断面図である。
【図2】上記実施例に係るフォトルミネッセンススペク
トル図である。
【図3】比較例のフォトルミネッセンススペクトル図で
ある。
【図4】比較例のフォトルミネッセンススペクトル図で
ある。
【図5】上記実施例に係る他のMBE装置の要部模式断
面図である。
【図6】上記実施例に係るフォトルミネッセンススペク
トル図である。
【図7】比較例のフォトルミネッセンススペクトル図で
ある。
【符号の説明】
2 Zn用分子線蒸発源セル 3 Se用分子線蒸発源セル 4 Li用分子線蒸発源セル 5 Cl用分子線蒸発源セル 6 GaAs基板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不純物としてClとLiを含むn型Zn
    Se層を用いたことを特徴とするZnSe発光素子。
JP14433392A 1992-06-04 1992-06-04 ZnSe発光素子 Pending JPH05343743A (ja)

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JP14433392A JPH05343743A (ja) 1992-06-04 1992-06-04 ZnSe発光素子

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JP14433392A JPH05343743A (ja) 1992-06-04 1992-06-04 ZnSe発光素子

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11566176B2 (en) 2019-04-19 2023-01-31 Samsung Electronics Co., Ltd. Semiconductor nanocrystal particles and devices including the same

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11566176B2 (en) 2019-04-19 2023-01-31 Samsung Electronics Co., Ltd. Semiconductor nanocrystal particles and devices including the same

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