JPH05342728A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数のテープカセットを装置本体に挿入し選
択的または、連続的に記録再生を行なう簡易な磁気記録
再生装置を得る。 【構成】 デッキベース６の上部に回転可能なように支
承された回転リング３１を配置し、その回転リング３１
に揺動可能なようなカセットハンガ３３を懸架し、回転
リング３１の外周に設けられた歯車部３２と噛み合う駆
動部３４とテープカセット押し付けアーム３５とデッキ
ベース押上アーム３９を配置し、回転リング３１を回転
させて定位置に停止させ、デッキベース６を押し上げて
カセットハンガ３３内のテープカセット２を選択するよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、複数のテープカセッ
トを選択して記録再生を行なうビデオテープレコーダな
どの回転磁気ヘッドを備えた磁気記録再生装置に関し、
更に詳しくは回転磁気ヘッドを内装する回転ドラムに対
して、テープカセット内の磁気テープを導き、出し入れ
するための可動テープガイドを配置したデッキベースと
テープカセット出し入れ装置内のテープカセットを有機
的に結合させた磁気記録再生装置に係わるものである。

【０００２】

【従来の技術】図１３〜図１７は特開昭６３−５３７４
２号公報に示されている磁気記録再生装置を示す図で、
テープカセットに対しデッキベースを回動中心により支
承して駆動装置により回動させて係合させるようにした
ものであって、図１３は従来のデッキベースを回動させ
るメカニズムのテープカセット挿入時のロック状態を示
す側面図、図１４は従来のテープカセットを挿入したと
きの状態を示す側面図、図１５はテープカセットとデッ
キベースが係合した状態を示す側面図である。また図１
６はデッキベースおよび回転ドラムとテープカセットの
位置関係を示す平面図、図１７はその正面図である。図
において、１は装置本体、２はテープカセット、２ａは
テープカセットの前蓋、４は回転磁気ヘッドを内蔵しビ
デオ信号を記録再生するようになされた回転ドラム、３
はテープカセット内の磁気テープを引出し回転ドラムに
巻回する可動テープガイド、５は前蓋２ａを一定量押上
げ開けるカセットオープン機構、６は磁気テープ走行系
および可動テープガイド３を配置したデッキベース、７
はデッキベース６を回動させるための回動軸、８は装置
本体に取り付けられデッキベースの回動中心の回動軸７
を支持するデッキベース回動軸支持部、９はテープカセ
ット２に巻き込まれて回転ドラム４によりビデオ信号を
記録再生するための磁気テープ、１１はデッキベース６
に固着されデッキベースの回動制御部を内蔵し可逆回転
モータにより構成された回動駆動部、１２は小プーリ、
１３は大プーリ、１４は小プーリ１２と大プーリ１３と
の間にかけられたベルト、１５はウォーム、１６はウォ
ームホイル、１６ａは１６のウォームホイルの回転軸、
１６ｂはウォームホイルと一体構造の歯車部、１９はデ
ッキベース６に取り付けられた駆動歯車部、２０は装置
本体１の内部に一体的に設けられ１９の駆動歯車部が噛
み合うようになされた内歯歯車部で、その内半径が大き
いためにほぼラック状の形状をしている。２１はテープ
カセット２を引き出すテープカセット引出しレバー、２
２はテープカセット引出しレバー２１に設けられた切欠
き部、２３はテープカセット引出しレバー２１の回動
軸、２４はテープカセット２がデッキベース６と係合し
たとき磁気テープがずれないようにするテープカセット
押し付けバネ、２５はカセットハウス、２６はカセット
ハウス２５の側面に設けられた溝である。

【０００３】次に動作について説明する。図１３に示す
ようにテープカセット２を装置本体１に矢印Ｄの方向に
挿入すると、テープカセット押し付けバネ２４によりテ
ープカセット２の上面を押しつけた状態でテープカセッ
ト２がカセットハウス２５内にセットされる。次に図示
を省略したテープカセット２が装置本体１に装着された
ことを感知するセンサが働き、可逆回転モータによって
構成されたデッキベース回動駆動部１１が回転し、その
回転軸に固着された小プーリ１２が回転する。その小プ
ーリ１２と大プーリ１３の間にかけられたベルト１４に
よりウォーム１５に伝達され、ウォームホイル１６を矢
印Ｆ方向に回転させる。

【０００４】また、テープカセット引き出しレバー２１
がウォームホイル１６と連動して移動するため、ウォー
ムホイル１６の回転に従ってテープカセット引き出しレ
バー２１が回動軸２３を中心として回動する。そのこと
によりテープカセット引き出しレバー２１の切り欠き部
２２にウォームホイル回転軸１６ａが噛み合いデッキベ
ース６の回動を阻害していた状態から解放し、デッキベ
ース６が回動可能になる。

【０００５】さらに駆動部１１を回転させ、同様にウォ
ームホイル１６を矢印Ｆ方向に回転させると、ウォーム
ホイル１６と一体構造の歯車部１６ｂとデッキベース６
に設けられた駆動歯車部１９が矢印Ｆ方向と逆方向に回
転する。装置本体１内部に設けられた内歯歯車部２０と
その駆動歯車部１９が噛み合っているためデッキベース
６が矢印Ｅ方向に回動する。

【０００６】次に、図１５に示すように、テープカセッ
ト２とデッキベース６が係合し、カセットオープン機構
５によってテープカセット２の前蓋２ａを一定量押し上
げる。次に図１５に示すように、可動テープガイド３に
よって磁気テープ９をテープカセット２から引出し、回
転ドラム４に巻回して記録再生を行なう。

【０００７】次に記録再生を終了すると、可動テープガ
イド３によって引き出されて回転ドラム４に巻回されて
いた磁気テープ９は、可動テープガイド３の移動にとも
なってテープカセット２内に収納され、テープカセット
は外部へ取り出し可能になる。図示は省略したが磁気テ
ープ９がテープカセット２内に収納したことを感知する
センサにより感知し、デッキベース６を矢印Ｅと逆方向
に回動するためにデッキベース回動駆動部１１を逆回転
させてウォームホイル１６を矢印Ｆと逆方向に回転し、
デッキベース６に設けられた駆動歯車部１９を回転させ
てデッキベース６を矢印Ｅと逆方向に回動する。そのこ
とによりカセットオープン機構５によって開けられてい
た前蓋２ａもデッキベース６が下がることにより閉じら
れる。

【０００８】デッキベース６が定位置まで下がると、図
示は省略しているが検知センサが作動し、さらに回動駆
動部１１がウォームホイル１６を回転させる。このウォ
ームホイル１６に連結されたテープカセット引出しレバ
ー２１はウォームホイル１６の回転方向に回動軸２３を
中心として回動し、ウォームホイルの回転軸１６ａに切
り欠き部２２が噛み込み、デッキベース６の回動をロッ
クすると共に、テープカセット２を押し出し排出する。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】以上のように構成され
た従来の磁気記録再生装置においては、複数のテープカ
セットを選択的に、または連続的に記録再生することが
出来なかった。

【００１０】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、複数のテープカセットを装置本
体に装着して選択的に、または連続的に記録再生を行な
うことのできる磁気記録再生装置（一台の装置の中に複
数のテープカセットを装着できるいわゆるマルチカセッ
ト方式ビデオテープレコーダ）を得ることを目的として
いる。

【００１１】

【課題を解決するための手段】この発明に係る磁気記録
再生装置は、磁気テープ走行系および可動テープガイド
を配置したデッキベース上面に、当該デッキベースの回
動軸中心と直角な中心軸により回転可能に支承された回
転リングを設け、この回転リングを駆動装置により可逆
的に回転させてカセット出し入れのための定位置で停止
させることができるようにした。さらに、その回転リン
グに揺動可能なように懸架したカセットハンガを互いに
重複しないような位置に配設して常時バネにより付勢し
て定位置に係留し、このカセットハンガ内に摺動可能な
ようにバネにより付勢されて定位置に係留されたカセッ
トトレイにテープカセットを装着し、上記回転リングを
回転させカセットハンガをテープカセット出し入れ位置
すなわち磁気記録再生位置において停止させ、カセット
ハンガを下方向に回動させる。次にデッキベースを上方
向に回動させ、テープカセットとデッキベースを係合さ
せて可動テープガイドにより磁気テープをテープ走行系
内に引出して回転ドラムに巻回して磁気記録再生を行う
ようにしたものである。

【００１２】また、カセットハンガ内に摺動可能なよう
にバネにより付勢され定位置に係留し、また上記バネに
より付勢状態と反対方向に摺動するための駆動装置によ
りカセットが出し入れ可能になるようにカセットトレイ
にラック部を設け、カセット出し入れ位置において装置
本体に上記ラックと駆動装置の歯車部が噛み合うように
駆動装置を配置したものである。

【００１３】さらに、カセットトレイにテープカセット
の底部に設けられた凹部に係合するようにバネにより付
勢された係止爪部と、カセットハンガ内部上面にテープ
カセットを押しつけるためのバネを設けた。

【００１４】

【作用】この発明に係る磁気記録再生装置は、カセット
テープを収容した複数のカセットハンガを備えた回転リ
ングを回転させることで、複数のテープカセットを選択
してデッキベースに装着することができるとともに、カ
セットハンガを回転リングに揺動可能なように懸架し、
バネにより付勢し傾けて係留したので、デッキベースの
上面にある部品との干渉をさけて回転可能になる。

【００１５】また、カセットトレイに設けられたラック
部が装置本体のカセット出し入れ位置にあるカセットト
レイ駆動部の歯車と噛み合い、バネにより付勢されてい
る方向と逆方向に、その駆動部の回転によってカセット
トレイが摺動し、カセットトレイの出し入れを行なう。

【００１６】また、カセットトレイにバネにより付勢さ
れた係止爪がテープカセット底面にある凹部と係合し、
またカセットハンガ内部の上面にテープカセットを押し
付けるためのバネを設けテープカセット上面を押し付け
カセットハンガ揺動時にもテープカセットの位置ずれが
生じない。

【００１７】

【実施例】

実施例１．以下、この発明の実施例１を図について説明
する。図１は実施例１の外観を示す斜視図、図２はこの
実施例１の装置本体の上蓋を取り除いた上面図、図３は
この実施例１の装置本体の前蓋を取り除いた正面図、図
４はこの実施例１の装置本体の横蓋を取り除いた側面図
でテープカセットが装置本体に挿入された状態を示した
図、図５はこの実施例１の装置本体の側面図でデッキベ
ースとテープカセットが係合した状態を示した図、図６
はこの実施例１の装置本体の側面図でテープカセットが
上方に揺動した状態を示した図、図７はテープ押し下げ
アームの回動駆動部の構造の詳細を示す斜視図、図８は
カセットハンガ部の構造の詳細を示す斜視図、図９はカ
セットハンガ部の部分断面図でカセット出し入れ位置の
状態を示した詳細図、図１０はカセットハンガ部の部分
断面図でバネによって定位置に係留された状態を示す詳
細図、図１１はカセットハンガ部の部分断面図であって
カセットトレイが摺動した状態を示す詳細図、図１２は
デッキベースおよび回転ドラムとテープカセットの位置
関係を示す略線的平面図である。

【００１８】図１において、１は装置本体で、装置構造
を兼ねたカバーの正面にはテープカセット出し入れのた
めの角穴１ａがあけられており、操作のためのスイッチ
類が配設されている。２はテープカセット、３０はテー
プカセットの出し入れを行なうためのカセットトレイ
で、詳細な構造については後述する。

【００１９】図２から図１２の各図において、３は可動
テープガイド、４は磁気ヘッドを内蔵した回転ドラム、
５はカセットの前蓋２ａを一定量押し上げるためのカセ
ットオープン機構、６は磁気テープ走行系および可動テ
ープガイド３を配置したデッキベース、３１はデッキベ
ース６の上面に配置されたデッキベース６の回動軸中心
と直角に回転中心を持った回転リングで、外周部に歯車
部３２が設けられている。３３は回転リング３１に懸架
され、バネによって付勢され定位置に係留したカセット
ハンガで、構造については後述する。３４は回転リング
３１の外周に設けられた歯車部３２と噛み合う歯車部を
持ち、可逆回転モータと減速機を一体とした回転リング
駆動部で、装置本体１に取り付けられている。３５はカ
セットハンガ３３を押し下げて、磁気記録再生位置すな
わちカセット出し入れ位置に押し下げるテープカセット
押し下げアームａ、３６はテープカセット押し下げアー
ム３５に取り付けられたローラａ、３７はテープカセッ
ト押し下げアームａ３５を押しあて回動させるためのス
ライドベース、３８はスライドベースに取り付けたロー
ラｂ、３９はデッキベース６を回動させて持ち上げるア
ームｂ、４０はアームｂ３９に取り付けられたローラ
ｃ、４１はアームｂ３９に取り付けられた歯車部、４２
は歯車部４１と噛み合う歯車部、５０は回転リングを装
置本体に回転可能に支承している支持部、６２はカセッ
トトレイを摺動させる駆動部である。

【００２０】図３に示す４９はカセットハンガ揺動用ヒ
ンジ、５８はデッキベース押し上げアームａ３５を駆動
する可逆回転モータと減速機を一体構造とした駆動部、
４６はアームａ３５の回転軸、５９はアームａ３５の回
動軸４６に固着され駆動部５８と噛み合う歯車部であ
る。図４〜図６に示す７はデッキベース６の回動軸、８
はデッキベース６の回動軸７の支持部、４３はローラｃ
の回転軸、４４はデッキベース６の支持部、４５はテー
プカセット押し下げアームの回動支持部、４６はテープ
カセット押し下げアームの回動軸、４７はカセットハン
ガ３３を付勢するバネａ、４８はテープカセット押し下
げアームを付勢するバネｂ、４９はカセットハンガ揺動
用ヒンジ、５０は回転リング支持部、５１は回転リング
３１支持部のローラｄ、５２は回転リング３１に設けら
れた溝、６３はカセットトレイ３０を付勢するバネｄ、
６４はカセットハンガ３３の側面に設けられた溝、６９
はカセットトレイ３０を摺動させる駆動部の回転軸、７
０はカセットトレイ回転軸６９に固着されカセットトレ
イ３０に設けられた歯車部と噛み合う歯車部である。

【００２１】図７に示す５３はスライドベース３７を付
勢しているバネｃ、５５はスライドベース３７に設けら
れた溝部、５４はスライドベース３７に取り付けられテ
ープカセット押し下げアームａ３５に押し当て回動させ
るためのローラｅ、４４は装置本体に設けられたバネｂ
５３の取付部、５７は装置本体に取り付けられたピンで
ある。図８に示す２ｂはテープカセット２の底面に設け
られた凹部、６１はカセットトレイ３０に設けられたラ
ック部、６２はカセットトレイ３０を摺動させる可逆回
転モータと減速機を一体構造とした駆動部、６９はカセ
ットトレイ３０を摺動させる歯車部を一体とした回転
軸、７０はカセットトレイ回転軸と一体とされカセット
トレイ駆動部６２と噛み合う歯車部、６３はカセットハ
ンガ３３に設けられカセットトレイ３０を定位置に保持
するために付勢するバネｄ、６４はカセットハンガ３３
に設けられた長穴部、６５はカセットハンガ３３に設け
られカセットトレイ３０を付勢するバネｄを取り付ける
ためのピン、６６はカセットトレイ３０に設けられ長穴
部により案内されて６４からカセットハンガ３３を貫通
してカセットトレイ３０を付勢するバネｄを取り付ける
固定部、６７はカセットトレイ３０に設けられバネによ
り付勢されテープカセット２底面の凹部に係合する係止
爪、６８はカセットハンガ３３に設けられテープカセッ
ト２を上面から押しつけるバネである。

【００２２】次にこの実施例１の動作について説明す
る。前述のように構成された磁気記録再生装置におい
て、図１のようにテープカセット２をカセットトレイ３
０に乗せ装置本体１に挿入する。装置本体１に挿入する
動作については後述する。図２，図３はテープカセット
２を装置本体１に複数個（図では３個）装着した状態を
示し、デッキベース６の上面に回転可能なように支承さ
れた回転リング３１に、互いが重複しないように複数個
（図では３本）のテープカセット２が保持されいる。回
転リング３１の外周に設けられた歯車部３２が可逆回転
モータと減速機を一体構造にした回転リング駆動部に設
けられた歯車部３４と噛み合っており、可逆的に回転す
る。図示を省略した位置検知センサ、例えばリミットス
イッチによって位置を検出して、上記モータと一体とし
た減速機により構成した回転リング駆動部３４を停止さ
せる構成となっている。テープカセット２の出し入れ位
置で停止したことを確認し、デッキベース回動駆動部５
８を回転させることによりデッキベース回動駆動部５８
の歯車部とテープカセット押し上げアームｂ３９の回転
軸４６に固着されデッキベース回動駆動部４１と噛み合
う歯車を回転させ、デッキベース押し上げアームｂ３９
を回動させデッキベース６を押し上げる。

【００２３】さらに詳しく説明する。図４はテープカセ
ット２を装置本体１に挿入した時の側面図を示してお
り、図のようにデッキベース６の上面に回転できるよう
に支承された回転リング３１にカセットハンガ３３を懸
架し、カセットハンガ３３の上面をテープカセット押し
下げアームａ３５により押し下げた状態を初期位置とし
説明する。回転リング３１に懸架されバネａ４７によっ
て付勢されたカセットハンガ３３をテープカセット押し
下げアームａ３５により押し付けて、テープカセット２
の出し入れ位置すなわちテープカセット出し入れ可能な
状態になされている。位置検知スイッチによってテープ
カセット２の位置を検出しテープカセット２が出し入れ
位置にあることを検知する。次に図示を省略した磁気記
録再生装置のテープ走行系を動作させるスイッチ例えば
記録モードスイッチを入れると、デッキベース６下部に
あり可逆回転モーターと減速機を一体構造とした駆動部
５８が回転し、回転駆動軸６０に設けられた歯車部４２
とアームｂ３９に回動軸に設けられた歯車部４１が噛み
合い回転することでアームｂ３９が回動しアームｂ３９
に取り付けられたローラｃ４０によってデッキベースが
押し上げられる。このとき、図示を省略したアームｂ３
９の回動状態を検知する装置によりアームｂ３９の回動
状態を検知する。図５はデッキベース６がデッキベース
回動軸７を中心として回動し、カセットトレイ３０内の
テープカセット２と係合した状態を示している。

【００２４】アームｂ３９に取り付けられたローラｃ４
０がデッキベース６とテープカセット２が係合する位置
に来たとき装置本体１に対してアームｂ３９が垂直にな
り、デッキベース６の底面に設けられた切欠き部にロー
ラｃが係合して固定する。デッキベース６がテープカセ
ット２と係合する前に、デッキベース６の上面に配置し
てあるカセットの前蓋２ａを一定量押し上げるカセット
オープン機構５が当接し、デッキベース６がテープカセ
ット２と係合することによりテープカセット２の前蓋２
ａが一定量開く構造になっている。図では省略したがテ
ープカセット２とデッキベースが正常に係合しているか
検知する検知装置により正常に係合されているか検知す
る。

【００２５】次に図１２に示すように、可動テープガイ
ド３によって磁気テープ９がテープカセット２から引き
出され回転ドラム４に巻回する。次に装置本体１のテー
プカセット選択スイッチを押すと位置検知装置によりテ
ープカセットの位置を検出し、テープ選択モードに入
る。図６に示すように、アームｂを回動させる駆動部５
８を回転させてスライドベース３７にアームｂ３９に取
り付けられたローラｃ４０を当接させ、スライドベース
３７をスライドさせる。図７は上記スライドベース駆動
機構の詳細図であり、図においてバネｃ５３によって付
勢されたスライドベース３７に、アームｂ３９に取り付
けられたローラｃ４０が当接してスライドベース３７を
スライドさせる。スライドベース３７がスライドするこ
とによりスライドベース３７に取り付けられたローラｅ
５４がテープカセット押し下げアームａ３５に当接して
バネｂ４８によって付勢された方向と逆方向に回動し、
図５に示す状態からテープ押し下げアーム３５に取り付
けられたローラａ３６がカセットハンガ３３から外れて
図６の状態になり、カセットハンガ３３がバネａ４７に
より付勢されて定位置に係留される。図示を省略してい
るカセットハンガ３３からローラａ３６が外れたことを
検知する検知装置が動作すると、回転リング３１の外周
の歯車部３２と噛み込まれた回転リング駆動部３４が回
転し、上記位置検出装置によって回転リング３２に懸架
されたカセットハンガ３０が他の任意の位置で停止す
る。

【００２６】次にカセットハンガ３３とカセットトレイ
３０の関係について説明する。図８はカセットハンガ３
３の構造の詳細を示した斜視図、図９，図１０，図１１
はカセットハンガ３３の部分断面図である。図８に示す
カセットトレイ３０のバネによって付勢された係止爪６
７がテープカセット２の凹部２ｂに係合する。図では省
略したがテープカセット２がカセットトレイ３０に装着
されたことを検知するセンサによってテープカセット２
がカセットトレイ３０に正常に装着されたことを検知
し、カセットトレイ３０の両側上面に設けられたラック
６１に、可逆回転モータと減速機を一体構造にしたカセ
ットトレイ駆動部６２の歯車部が噛み合い、駆動部６２
を回転させてカセットハンガ３３内の定位置に収納す
る。カセットトレイ３０が収まると、カセットハンガ３
３内部上面にある板バネ６８がテープカセット２の上面
を押し付け、係止爪６７と係合し、カセットトレイ３０
がカセットハンガ３３内の定位置に収納されているか検
知する検知装置が、カセットトレイ３０が定位置に収納
されていることを確認すると、次の動作に入るようにな
っている。

【００２７】次に、カセット選択スイッチを押すと図１
０のようにカセット押し下げアーム３５に取り付けられ
たローラａ３６がはずれ、カセットハンガ３３を付勢し
ていたバネａ４７によってカセットハンガ３３が定位置
に係留されることによりカセットトレイ駆動部６２の歯
車部とカセットトレイ３０上面に設けられたラック部６
１が噛み合わなくなり、回転リング駆動部３４で回転リ
ング３１を可逆的に回転させることが出来る。そのと
き、カセットトレイ３０が傾くのでカセットハンガ３３
に設けられたバネｄ６３の固定部６５とカセットトレイ
３０に設けられカセットハンガ３３の溝６４からでた固
定部６６によってバネ６３を固定し、カセットトレイ３
０をそのバネ６３で付勢して定位置に収めてある。

【００２８】次に、カセット選択モードから他のモード
に移るときの動作は、カセット押し下げアーム３５が下
がりそのアームに取り付けてあるローラａ３６がカセッ
トハンガ３３を押し下げ図９の示す状態になり、カセッ
トトレイ３０の上面に設けられたラック６１とカセット
トレイ駆動部６２が噛み合い固定される。テープ取り出
しモードの時は、カセットトレイ駆動部６２がカセット
トレイ３０の上面に設けられたラック部６１と噛み合
い、駆動部を前述とは逆方向に回転させてカセットトレ
イ３０をスライドさせることによりテープカセット２を
排出する。

【００２９】なお、上記実施例１では３本のテープカセ
ットを収納した例を説明したが、２本以上の適当な数で
あってもよい。また、テープカセットはＶＨＳ方式のカ
セットとして説明したが、他の方式のカセット、例えば
ベーター方式，８ミリ方式，ＤＡＴ方式などであっても
よい。

【００３０】

【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るので、以下に記載されるような効果がある。

【００３１】複数のカセットハンガを傾けて回転リング
に懸架しているため、デッキベースの上面に部品の張り
出すのを回避することが出来る。また傾いて懸架されて
いるため平面に配置したものより寸法を小さくすること
ができるとともに、テープカセット出し入れ時に人間工
学的に手で出し入れしやすい状態となる。

【００３２】複数のカセットハンガ内に装填されている
テープカセットを選択してデッキベースに装着されてい
る回転ドラムと係合させる機構をアーム機構で構成して
いるので、簡易にデッキベースを回動させるための装置
やテープカセットを押しつけデッキベースに係合させる
装置を得ることが出来る。

【００３３】複数本のテープカセットを使い分けること
が出来るので、複数の放送番組を記録するときにテープ
カセットを装置内で自動的に交換し記録することが出来
る。また、長時間の記録を行なうときテープカセットを
順次装置内で交換するため長時間の自動記録ができる。

【００３４】テープカセットの下面の凹部とカセットト
レイに設けられた係止爪を係合させて固定するため、テ
ープカセットがカセットトレイ上での位置決めが出来る
とともに、カセットハンガ内部上面に設けられたテープ
カセット押し付けバネによりテープカセット上面を押し
付けて固定するので、カセットハンガが揺動してもテー
プカセットがずれることがない。

【００３５】例えば、ビデオテープレコーダ１２として
構成した場合、従来の１本のテープカセットを使用した
ビデオテープレコーダとほぼ同等の大きさの小型軽量な
マルチカセット方式ビデオテープレコーダを得ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例１の外観を示す斜視図であ
る。

【図２】実施例１の装置本体の上蓋を取り除いた平面図
である。

【図３】実施例１の装置本体の前蓋を取り除いた正面図
である。

【図４】実施例１の装置本体の横蓋を取り除いた側面図
で、テープカセットが装置本体に挿入された状態を示す
図である。

【図５】実施例１の装置本体のデッキベースとテープカ
セットが係合した状態を横蓋を取り除いて示した側面図
である。

【図６】実施例１の装置本体のテープカセットが装置本
体の上方に揺動した状態を横蓋を取り除いて示した側面
図である。

【図７】実施例１のテープ押し下げアームの回動駆動部
の構造の詳細を示す斜視図である。

【図８】実施例１のカセットハンガ部の構造を示す斜視
図である。

【図９】実施例１のカセットハンガ部の部分断面図でテ
ープカセットを出し入れする定位置に固定された状態を
示す図である。

【図１０】実施例１のカセットハンガ部の部分断面図で
カセットハンガがバネによって定位置に係留された状態
を示す図である。

【図１１】実施例１のカセットハンガ部の部分断面図で
カセットハンガ内のカセットトレイがテープカセットを
着脱する位置に摺動した状態を示す図である。

【図１２】実施例１のデッキベースおよび回転ドラムと
テープカセットの位置関係を示す平面図である。

【図１３】従来例のデッキベースを回動させるメカニズ
ムのテープカセット挿入時のロック状態を示す側面図で
ある。

【図１４】従来例のテープカセットを挿入したときの状
態を示す側面図である。

【図１５】従来例のテープカセットとデッキベースが係
合した状態を示す側面図である。

【図１６】従来例のデッキベースおよび回転ドラムとテ
ープカセットの位置関係を示す平面図である。

【図１７】従来例のデッキベースおよび回転ドラムとテ
ープカセットの位置関係を示す正面図である。

【符号の説明】

１ 装置本体 ２ テープカセット ２ｂ テープカセット底面の凹部 ３ 可動テープガイド ４ 回転ドラム ６ デッキベース ７ 回動軸 ８ デッキベース回動軸支持部 ９ 磁気テープ ３０ カセットトレイ ３１ 回転リング ３３ カセットハンガ ５０ 回転リング支持部 ６７ 係止爪

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 装置本体と、この装置本体に揺動可能に
   取り付けられ回転ドラム，磁気テープ走行系および可動
   テープガイドが配設されているデッキベースと、上記装
   置本体に回転可能に支承されそれぞれカセットトレイを
   摺動可能に保持する複数のカセットハンガが円周にそっ
   て配設されて揺動可能に支持されている回転リングと、
   この回転リングを回転させて所望のカセットトレイを上
   記装置本体に設けられた定位置に停止させる機構と、こ
   の定位置に停止したカセットトレイを出入りさせる機構
   と、上記デッキベースを上記定位置に停止し揺動機構に
   よって所定位置に傾けられたカセットトレイ内のテープ
   カセットから磁気テープを引き出して回転ドラムに巻回
   させる動作位置と上記回転リングの回転を妨げない待機
   位置との間に揺動させる揺動機構とを備えた磁気記録再
   生装置。
2. 【請求項２】 装置本体と、この装置本体に揺動可能に
   取り付けられ回転ドラム，磁気テープ走行系および可動
   テープガイドが配設されているデッキベースと、上記装
   置本体に回転可能に支承されそれぞれカセットトレイを
   摺動可能に保持する複数のカセットハンガが円周にそっ
   て配設されて揺動可能に支持されている回転リングと、
   この回転リングを回転させて所望のカセットトレイを上
   記装置本体に設けられた定位置に停止させる機構と、こ
   の定位置に停止したカセットトレイを出入りさせる機構
   と、上記デッキベースを上記定位置に停止し揺動機構に
   よって所定位置に傾けられたカセットトレイ内のテープ
   カセットから磁気テープを引き出して回転ドラムに巻回
   させる動作位置と上記回転リングの回転を妨げない待機
   位置との間に揺動させる揺動機構とを備え、上記カセッ
   トハンガはバネにより付勢されて定位置に保持されてお
   り、内蔵するカセットトレイに設けたラック部が上記装
   置本体に設けた駆動装置の歯車部の回転により当該カセ
   ットハンガ内で可逆的に摺動するようにしたことを特徴
   とする磁気記録再生装置。
3. 【請求項３】 装置本体と、この装置本体に揺動可能に
   取り付けられ回転ドラム，磁気テープ走行系および可動
   テープガイドが配設されているデッキベースと、上記装
   置本体に回転可能に支承されそれぞれカセットトレイを
   摺動可能に保持する複数のカセットハンガが円周にそっ
   て配設されて揺動可能に支持されている回転リングと、
   この回転リングを回転させて所望のカセットトレイを上
   記装置本体に設けられた定位置に停止させる機構と、こ
   の定位置に停止したカセットトレイを出入りさせる機構
   と、上記デッキベースを上記定位置に停止し揺動機構に
   よって所定位置に傾けられたカセットトレイ内のテープ
   カセットから磁気テープを引き出して回転ドラムに巻回
   させる動作位置と上記回転リングの回転を妨げない待機
   位置との間に揺動させる揺動機構とを備え、上記テープ
   カセットを上記カセットトレイに設けた係止爪が当該テ
   ープカセットの底部に設けられた凹部に係合して係止す
   ると共に、カセットハンガに設けられたバネで押しつけ
   て固定するようにしたことを特徴とする磁気記録再生装
   置。