JPH0534247U - コンクリート打継ぎ用金網板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリート構造物のコンクリート打継ぎ用
部材として使用した場合、コンクリート打設時にコンク
リートに大きな圧力が作用する部分からコンクリートが
流出しないようにした。 【構成】 コンクリート打継ぎ用金網板は、多数の切込
みが開口され、かつ多数の切込みの上下間が同一方向に
傾斜された金網板１であって、各傾斜部４の外端がその
基部側に折曲げられて、各開口の間が略く字形断面に形
成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、広い面積に厚いコンクリート床をコンクリートの垂直打継ぎで施工 するような場合に、コンクリート床の打継ぎ面に打設コンクリートの流出を止め るとともに接続強度を強くするために使用する打継ぎ用金網板に関する。

【０００２】

【従来の技術】

コンクリート構造物では、コンクリートの打設量が大きな場合には、同一平面 上のコンクリート打設でも平面を区分して、垂直打継ぎにより順次コンクリート を打設するようにしている。このような垂直打継ぎをすると、打継ぎ面に作用す る剪断力に対して十分な強度を有するように連続させる必要がある。 従来のコンクリートの垂直打継ぎでは、コンクリート型枠で平面状に施工され た先打込みのコンクリート垂直面を荒くするために、ノミにより凹凸を形成した り、水ジェットにより荒い面に形成している。また多数の穿孔部に傾斜板を有す る打継ぎ板を、コンクリートの垂直打継ぎ面に使用し、打継ぎ板の両側を、打継 ぎ板から突出する傾斜板を介して結合することにより、打継ぎ強度を持たせたコ ンクリート床が知られている。（特公昭５７−１７１４８号公報）

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来のコンクリート打設において打継ぎ板を使用するものは、コンクリート打 設時に打継ぎ板を打継ぎ面に型枠の代用として使用するとともに、その打継ぎ板 をコンクリート内に埋め殺しにするので作業性が良い。しかし、従来の打継ぎ板 は、多数の穿孔部に傾斜板を有する形状であり、傾斜板の基部から外端に至るま で直線状に開口量が大きくなっているため、コンクリート打設時に、外端の大き な開口面からコンクリートが流出しやすく、特にコンクリートの厚さが大きい場 合に、大きな圧力が作用する部分から流出しやすいという問題があった。 そこで本考案は、コンクリート床などが厚いコンクリート構造物の打継ぎ用部 材として使用しても、コンクリート打設時にコンクリートに大きな圧力が作用す る部分からコンクリートが流出しないようにして、所定通りのコンクリート打設 ができるようにすることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、金属板に多数の横方向の切込みが入れられるとともに縦方向に引伸 ばされることにより切込み部が開口されているコンクリート打継ぎ用金網板であ って、上記目的を達成したものである。 すなわち金属板における多数の開口の上下間が全て同方向に傾斜され、かつそ れら傾斜部の外端が金属板の元の平面部側に折曲げられて、各開口の間が略く字 形断面に形成される。

【０００５】

【作用】

上記のコンクリート打継ぎ用金網板を使用してコンクリート打設する場合、コ ンクリートの垂直打継ぎ面に打継ぎ用金網板を配置して、コンクリートを打設す る。この場合、打継ぎ用金網板の多数の開口の上下間の傾斜部は外端が折曲げら れているため、傾斜部は外端に向かって直線的に開口面積を広くすることなく外 端近くで開口面積が狭められる。このため、打設コンクリートの厚さが大きいた めに大きな圧力が作用するような場合でも、コンクリートが金網板の開口を通過 して流出するようなことはない。なお傾斜部の外端は、金網板の基部側に向かう ように折曲げられているので、コンクリートの流出を堰止めるように作用し、コ ンクリートの流出を確実に防止できる。

【０００６】

【実施例】

本考案の実施例を図１〜３により説明する。 コンクリート打継ぎ用金網板は、例えば金属板からなる横２ｍ、縦１ｍの長方 形の金網板１に、横方向に約５．５ｃｍの切込みが平行にかつ１段ごとに１ピッ チずらして多数形成され、さらに金網板１が縦方向に引伸ばされることにより、 各切込みが図１に示すように開いて開口３に形成され、同時に上下の切込み間が 同方向に約４５°傾斜した傾斜部４に形成されている。また前記のように金網板 １に切込み２を入れる場合、例えば図３に示す固定刃５と矢印方向に移動する移 動刃６が使用され、移動刃６が図３に示される様に刃先の内側が角形に突出しい るため、切込み２の内側部分が折曲げられ、その後に前記のように引伸ばされて 、傾斜部４が折曲げ部４ａを有する断面く字形に形成されている。

【０００７】 上記のコンクリート打継ぎ用金網板を使用してコンクリート打設する場合、コ ンクリートの垂直打継ぎ面となる面に金網板１を配置する。この場合、金網板１ の多数の開口３の上下に設けられる傾斜部４の外側折曲げ部４ａが打継ぎ面の外 側となるようにして、打設コンクリートが外部に洩れないようにする。またコン クリート厚さが大きくて金網板１がその荷重や圧力で曲げられそうな場合は、金 網板１の外側に、複数本の補強材を金網板１の任意位置に係止させる。 このように固定された金網板１は傾斜部４の外端に折曲げ部４ａが設けられて いるので、金網板１の開口３は外端側が狭くされ打設コンクリートが開口３から 洩れにくく、コンクリートの厚さが大きい場合でも所定通り施工できる。

【０００８】

【考案の効果】

本考案によればコンクリートの打継ぎ面に使用する金網板は、開口に設けられ る傾斜部の外端を折曲げて断面く字形に形成しているので、開口の外端は狭めら れることになり、打設コンクリートの厚さが大きく圧力が大きな位置からもコン クリートが洩れるようなことがなく、所定通りコンクリート打設を行なうことが できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のコンクリート打継ぎ用金網板の部分斜
視図である。

【図２】打継ぎ用金網板の部分断面図である。

【図３】金網板に切込みを入れる場合の説明図である。

【符号の説明】

１ 金網板 ３ 開口 ４ 傾斜部 ４ａ 折曲げ部

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【手続補正書】

【提出日】平成３年１１月２０日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図３

【補正方法】変更

【補正内容】

【図３】

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属板に多数の横方向の切込みが入れら
   れるとともに縦方向に引伸ばされることにより切込み部
   が開口されているコンクリート打ち継ぎ用金網板であっ
   て、金属板における多数の開口の上下間が全て同方向に
   傾斜され、かつそれら傾斜部の外端が金属板の元の平面
   部側に折曲げられて、各開口の間が略く字形断面になっ
   ていることを特徴とするコンクリート打継ぎ用金網板。