JPH05341119A - 自動車用窓ガラス - Google Patents

自動車用窓ガラス

Info

Publication number
JPH05341119A
JPH05341119A JP15082492A JP15082492A JPH05341119A JP H05341119 A JPH05341119 A JP H05341119A JP 15082492 A JP15082492 A JP 15082492A JP 15082492 A JP15082492 A JP 15082492A JP H05341119 A JPH05341119 A JP H05341119A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
window glass
protective film
ultraviolet
oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15082492A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Kawaguchi
淳 川口
Hiroaki Kobayashi
浩明 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Sheet Glass Co Ltd filed Critical Nippon Sheet Glass Co Ltd
Priority to JP15082492A priority Critical patent/JPH05341119A/ja
Publication of JPH05341119A publication Critical patent/JPH05341119A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/34Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions
    • C03C17/3411Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions with at least two coatings of inorganic materials
    • C03C17/3417Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions with at least two coatings of inorganic materials all coatings being oxide coatings

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Optical Filters (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】単板の状態で使用可能な耐久性をもち、紫外線
遮蔽性能を有する自動車に適した窓ガラスを提供する。 【構成】透明なガラス板の上に紫外線遮蔽性の膜と保護
膜が順次被覆された自動車用窓ガラスで、紫外線遮蔽性
の膜が、酸化銅、酸化アルミニウムおよび酸化錫の金属
酸化物より選ばれた少なくとも1種と酸化亜鉛との混合
物からなり、その混合物中には酸化亜鉛が40〜90重
量%含まれ、保護膜は波長550nmにおける屈折率が
1.4〜1.7のシリコンと酸素とを含む透明な膜であ
り、その厚みが50nm以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車用窓ガラスに関
し、とりわけ単板の状態で使用可能な耐久性をもち、紫
外線遮蔽性能を有する自動車用窓ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の窓ガラスには、座席シー
トなどの内装品が紫外線で劣化するのを防止したり、車
に乗る人の日焼けを防止するために、紫外線を遮断する
機能を有する窓ガラスが要求されている。
【0003】紫外線を遮蔽するガラスとしては、特開平
1ー245201号公報に開示されている透明な基材の
上に酸化亜鉛の薄膜を設けたもの、特開平1ー2050
79号公報に開示されている酸化珪素を含有させた酸化
チタン膜をガラス板に被覆したもの、特開平2ー486
02号公報に開示されている二酸化珪素を含む、酸化イ
ンジウムあるいは酸化バナジウムの膜をガラス板に被覆
したものが知られている。また、紫外線を遮蔽する物質
としては特開昭64ー61325号公報に開示されてい
る酸化第2鉄と酸化チタンの固溶体が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】自動車の窓ガラスのよ
うに、直接大気にさらされる状態で紫外線遮蔽性の膜を
被覆したガラスを用いる場合、被覆した膜には機械的及
び化学的耐久性が要求されるが、とりわけ化学的耐久性
に強いことが重要である。しかしながら、上記の従来の
技術では、酸やアルカリに対して優れた化学的耐久性を
維持し、かつ、スクラッチ等の機械的耐久性に優れた紫
外線遮蔽性を有するガラスを得るのは困難であった。本
発明は、従来の技術よりも改善された化学的耐久性と耐
摩耗強度を有し、そのため単板で使用ができるととも
に、反射色調が目で見ても目立たない光学特性を有し自
動車用の窓ガラスとして好適に用いられる窓ガラスを提
供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明なガラス
板の上に紫外線遮蔽性の膜と保護膜が順次被覆された自
動車用窓ガラスであって、前記紫外線遮蔽性の膜は、酸
化亜鉛が40〜90重量%含まれ、前記酸化亜鉛の残部
として酸化銅、酸化アルミニウムおよび酸化錫からなる
金属酸化物群より選ばれた少なくとも1種が含まれ、そ
の厚みは可視光線波長域において500〜600nmで
極小反射率を有するように被覆され、前記保護膜は、波
長550nmにおける屈折率が1.4〜1.7のシリコ
ンと酸素とを含む透明な膜であり、その厚みが50nm
以上とした自動車用窓ガラスである。
【0006】本発明にかかる紫外線遮蔽性の膜は、酸化
銅、酸化アルミニウムおよび酸化錫からなる金属酸化物
群より選ばれた少なくとも1種と酸化亜鉛との混合物か
らなり、前記混合物中には酸化亜鉛が40〜90重量%
含まれる。酸化亜鉛の含有量が40重量%より少ないと
紫外線遮蔽性能が低下し、一方酸化亜鉛の含有量が90
重量%よりも多いと紫外線遮蔽性の膜の耐久性能が低下
する。膜の紫外線遮蔽性と耐久性の両者を実用的レベル
にバランス良く確保する上で、前記混合物中の酸化亜鉛
の含有量は60〜90%とするのがより好ましい。
【0007】紫外線遮蔽性の膜の厚みは、紫外線の遮蔽
特性、可視光線の透過率および反射率を考慮して定めら
れるが、紫外線遮蔽性を確保し、かつ、可視光線波長領
域のほぼ中心波長である550nmにおいて反射率を極
小にし反射色調が目立たないように定められる。このた
めに、紫外線遮蔽性の膜の光学膜厚は、250〜300
nmの整数倍の厚みにするのが好ましい。
【0008】最外側の保護膜は、窓ガラスの実用的耐久
性を確保し、かつ、反射色調を目立たないようにするた
めに、厚みが50nm以上被覆された波長550nmに
おける屈折率が1.4〜1.7のシリコンと酸素を含む
透明な膜である。ここで、ガラスの反射色調が目立つか
目立たないかの評価は、必ずしも容易でないが、ハンタ
ー色座標(L、a*、b*)で色を表したときに、a*
*の絶対値が共に4以下であるときに、反射色調が肉
眼で窓ガラスを見たときに目立たないということが実験
的に確かめられた。そして、同時に500〜600nm
の波長範囲内の反射率の極小値が4%以下とすること
が、色調を目立たないようにする上でさらに好ましいこ
とが実験的に確かめられた。
【0009】本発明にかかる保護膜としては、シリコ
ン、ジルコニウム、炭素、窒素および酸素とからなり、
化学組成が次式で表せる膜を用いることができる。
【0010】SiZrjkmn(j、k、m、nは原
子分率) 0.2≦j≦0.5、0.3≦k≦0.8、0.2≦m
≦1.0、n≧1.2 j、k、m、nは必要とする耐久性や透明性を考慮して
上記範囲内で定められる。すなわち可視域の全波長にわ
たって透明であることを重視する場合は、mを小さな値
としnを相対的に大きな値とする。高耐摩耗性と高化学
的耐久性と低屈折率を同時に満足させるためにはjの値
は0.2〜0.5の範囲にされる。jの値が0.2より
小さいと化学的耐久性がやや低下する。jの値が0.5
より大きいと光の吸収が生じやすくなるので好ましくな
い。また、kの値を0.8以下、mの値を1.0以下、
nの値を1.2以上とした保護膜は、可視域における光
学的な吸収が実質的に生じることがない500nmの波
長における屈折率が1.4〜1.7の透明な膜となり、
可視域において高透過性、低反射性で、かつ、耐久性が
優れた紫外線遮蔽性を有する窓ガラスの保護膜とするこ
とができる。kとmの値の下限値は厳密に定めにくい
が、その値は耐摩耗性と関連し、十分な耐摩耗性を有し
た膜とするためには、kの値は0.3以上、mの値は
0.2以上とするのが好ましい。j、k、m、nの値を
上記の範囲内に定めることによって、保護膜の表面の平
滑性が増し耐摩耗性が向上する。
【0011】また、本発明にかかる保護膜としては、シ
リコン、タンタル、炭素、窒素および酸素とからなり、
化学組成が次式で表せる膜を用いることができる。
【0012】SiTajkmn(j、k、m、nは原
子分率) 0.2≦j≦0.5、0.3≦k≦0.8、0.2≦m
≦1.0、n≧1.2 j、k、m、nは必要とする耐久性や透明性を考慮して
上記範囲内で定められる。すなわち可視域の全波長にわ
たって透明であることを重視する場合は、mを小さな値
としnを相対的に大きな値とする。高耐摩耗性と高化学
的耐久性と低屈折率を同時に満足させるためにはjの値
は0.2〜0.5の範囲にすることが好ましい。jの値
が0.2より小さいと化学的耐久性が低下し、jの値が
0.5より大きいと光の吸収が生じやすくなる。また、
kの値を0.8以下、mの値を1.0以下、nの値を
1.2以上とした保護膜は、可視域における光学的な吸
収が実質的に生じることがない500nmの波長におけ
る屈折率が1.4〜1.7の透明な膜となり、可視域に
おいて高透過性、低反射性で、かつ、耐久性が優れた紫
外線遮蔽性を有する窓ガラスの保護膜とすることができ
る。kとmの値の下限値は厳密に定めにくいが、その値
は耐摩耗性と関連し、十分な耐摩耗性を有した膜とする
ためには、kの値は0.3以上、mの値は0.2以上が
好ましい。j、k、m、nの値を上記の範囲内に定める
ことによって、保護膜の表面の平滑性が増し耐摩耗性が
向上する。
【0013】また、本発明にかかる保護膜としては、ニ
ッケル、チタン、タンタル、ニオブ、アルミニウム、タ
ングステンからなる群から選ばれ1種の元素Mとシリコ
ンとの合金の酸窒化物であり、化学組成が次式で表せる
膜を用いることができる。
【0014】SiMjmn(j、m、nは原子分率) 0.2≦j≦0.5、0.2≦m≦1.0、n≧1.2 j、m、nは必要とする耐久性や透明性を考慮して上記
範囲内で定められる。すなわち可視域の全波長にわたっ
て透明であることを重視する場合は、mを小さな値とし
nを相対的に大きな値とする。高耐摩耗性と高化学的耐
久性と低屈折率を同時に満足させるためにはjの値は
0.2〜0.5の範囲にすることが好ましい。jの値が
0.2より小さいと化学的耐久性が低下し、jの値が
0.5より大きいと光の吸収が生じやすくなる。また、
mの値を1.0以下、nの値を1.2以上とした保護膜
は、可視域における光学的な吸収が実質的に生じること
がない500nmの波長における屈折率が1.4〜1.
7の透明な膜となり、可視域において高透過性、低反射
性で、かつ、耐久性が優れた紫外線遮蔽性を有する窓ガ
ラスの保護膜とすることができる。mの値の下限値は厳
密に限定しにくいが、その値は耐摩耗性と関連する値で
あって、十分な耐摩耗性を有した膜とするためには、m
の値は0.2以上とするのが好ましい。j、m、nの値
を上記の範囲内に定めることによって、保護膜の表面の
平滑性が増し耐摩耗性が向上する。
【0015】さらに、本発明の保護膜としては、SiO
2膜を用いることができる。上記の保護膜の下限の厚み
は、紫外線遮蔽膜の保護性能を確保する上で50nmで
あり、上限の厚みは、特に保護性能の上からは限定され
ないが、保護膜を短時間で被覆するという被膜の形成時
間を短くする上から100nmを越えないことが好まし
い。膜の厚みが100nmを越えて増加しても保護性能
は大きく向上しない。
【0016】本発明にかかる透明なガラス板としては、
とくにそのガラス組成は限定されない。フロートプロセ
スで製造されたソーダ石灰シリカ組成のガラス板が好ん
で用いられる。
【0017】また、ガラス板と紫外線遮蔽性の膜の間ま
たは紫外線遮蔽性の膜と保護膜の間に、チタン、ジルコ
ニウム、ハフニウム、クロムからなる群から選ばれた1
種の金属の窒化物の膜を設けると、熱線遮蔽性と紫外線
遮蔽性を併せ持つ耐久性に優れた窓ガラスとすることが
できる。これらの金属窒化物の膜は、熱線遮蔽性を失わ
ない程度にそれらの金属の酸化物が膜中に混合して含ま
れていたり、金属と窒素と酸素とが化学結合した酸窒化
物として含まれていてもよい。上記の金属の窒化物また
は酸窒化物の膜の厚みは、可視光線透過率を高くするに
は薄い方が好ましく、熱線の遮蔽性を大きくするために
は厚い方が好ましいが、とりわけ自動車の窓ガラスとし
て要求される可視光線透過率を70%以上とするには、
1〜5nmの範囲が好ましい。さらに前記熱線遮蔽性の
膜は、低屈折率の膜と高屈折率の膜が交互に積層された
多層膜の構成であってもよい。これらの被膜の厚みは遮
蔽したい熱線の波長をλとすると、その光学膜厚は約λ
/4に定められる。ここで高屈折率の膜としては、Ti
2、SnO2、In23、ITO、ZrO2、Ta25
などの膜を例示でき、低屈折率の膜としては、Si
2,Al23、ZnO、SnO2、SiZrjkmn
(0.2≦j≦0.6、0≦k≦0.8、0≦m≦1.
0、n≧1.2)を例示することができる。
【0018】本発明にかかる、紫外線遮蔽性の膜、保護
膜、熱線遮蔽性の膜は公知のスパッタリング法を用いて
連続的に被覆することができる。紫外線遮蔽性の膜は、
たとえば亜鉛とアルミニウム合金をターゲットに用いて
酸素を含む反応性スパッタリングにより被覆することが
できる。シリコンとジルコニウムと炭素と酸素と窒素を
含む保護膜の被覆方法としては、炭化シリコンと炭化ジ
ルコニウムの混合物の焼結体からなるターゲットを用
い、酸素と窒素を含む減圧された雰囲気内で行う反応性
スパッタリング法を用いるのが好ましい。またシリコン
とタンタルと炭素と酸素と窒素を含む保護膜の被覆方法
としては、炭化シリコンと炭化タンタルの混合物の焼結
体からなるターゲットを用い、酸素と窒素を含む減圧さ
れた雰囲気内で行う反応性スパッタリング法を用いるの
が好ましい。上記の元素Mとシリコンとの合金の酸窒化
物である化学式SiMjmn(j、m、nは原子分
率)で表せる保護膜は、金属Mのシリサイドをターゲッ
トに用い、酸素と窒素の減圧した雰囲気中で行う反応性
スパッタリング法により被覆することができる。反応性
スパッタリングを行う際の雰囲気のガス組成を変えるこ
とにより保護膜の組成を調整することが可能である。
【0019】紫外線遮蔽性の膜、保護膜、熱線遮蔽性膜
の膜組成および厚みを適当に選ぶことにより、可視光線
透過率が70%以上で反射色調が目立たない紫外線遮蔽
性を有する、自動車の窓ガラスに適したガラスにするこ
とができる。本発明の窓ガラスを自動車に装着するとき
は、膜面を外側にしても良いが膜に傷が付きにくいとい
う観点から内側にするのが好ましい。また、フロントガ
ラス、リアガラス、サイドガラスのいずれにも用いるこ
とができる。
【0020】
【作用】紫外線遮蔽性の膜は、紫外線を遮蔽作用を有す
る酸化亜鉛と、酸化銅、酸化アルミニウム、酸化錫から
選ばれた膜の化学的耐久性を向上させる金属酸化物が紫
外線の遮蔽性を低下させない範囲で含まれているので、
その化学的耐久性が酸化亜鉛単独の膜よりも改善されて
いる。さらに、前記紫外線遮蔽性の膜とその上に被覆さ
れる1.4〜1.7の屈折率を有するシリコンと酸素を
含む透明な保護膜の光学干渉作用により、本発明の窓ガ
ラスは、反射色調が目立たない光学特性と化学的安定性
と耐摩耗性を併せもつ。
【0021】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説
明する。図1は、本発明の窓ガラスの一実施例の一部断
面図で、自動車用窓ガラス1は、透明なガラス板2上に
紫外線遮蔽性の膜3が被覆され、紫外線遮蔽性の膜3の
上に保護膜4が被覆されている。図2は本発明の窓ガラ
スの他の実施例で、自動車用窓ガラス1は、透明なガラ
ス板2の上に紫外線遮蔽性の膜3が被覆され、紫外線遮
蔽性の膜3の上に熱線遮蔽性の膜5が被覆され、熱線遮
蔽性の膜5の上に保護膜4が被覆されている 。実施例1 2つのカソードが設置されたマグネトロンスパッタ装置
の第一のカソードには亜鉛70重量%銅30重量%から
なる合金ターゲットを、第二のカソードには炭化珪素7
0重量%炭化ジルコニウム30重量%からなる焼結体タ
ーゲットを設置した。清浄にされた4mm厚のブロンズ
着色透明フロートガラス(可視光線透過率79.6%、
紫外線透過率73.1%)をスパッタ装置の真空槽に入
れ、真空ポンプで5.3×10-4Paまで真空に排気し
た。その後、アルゴン80容量%酸素20容量%の混合
ガスを真空槽内に導入し0.4Paに調節した。そし
て、直流の電力を第1カソードに外部電源から投入し、
ガラス上に亜鉛と銅の酸化物膜からなる紫外線遮蔽性の
膜を270nm被覆して、スパッタリングを停止した。
その後真空槽内を圧力0.4Paのアルゴン10容量%
窒素40容量%酸素50容量%の組成の雰囲気として、
第2のカソードに直流の電力を外部電源から投入し、亜
鉛と銅の酸化物膜の上にシリコン、炭素、ジルコニウ
ム、窒素および酸素からなる保護膜を67nm被覆し
て、ガラスを真空槽から取り出し、サンプル1を得た。
サンプル1の分光透過率曲線および反射率曲線を図3に
用いたガラス板とともに示す。
【0022】同様の方法により、紫外線遮蔽性の膜と保
護膜の厚みを種々変えたサンプル2、3、4を得た。
サンプル1〜4の膜構成を表1に、可視光線の透過率と
反射率、紫外線透過率(UV透過率)、反射光と透過光
による色調を表2に、膜の耐摩耗性、耐アルカリ性およ
び耐酸性を表3に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】実施例2 2つのカソードが設置されたマグネトロンスパッタ装置
の第一のカソードには亜鉛70重量%アルミニウム30
重量%からなる合金ターゲットを、第二のカソードには
炭化珪素50重量%炭化タンタル50重量%からなる焼
結体ターゲットを設置した。清浄にされた4mm厚のブ
ロンズ着色透明フロートガラスをスパッタ装置の真空槽
に入れ、真空ポンプで5.3×10-4Paまで真空に排
気した。その後、アルゴン20容量%酸素80容量%の
混合ガスを真空槽内に導入し0.4Paに調節した。そ
して、直流の電力を外部電源から第1カソードに投入
し、ガラス上に亜鉛とアルミニウムの酸化物膜からなる
紫外線遮蔽性の膜を285nm被覆して、スパッタリン
グを停止した。その後真空槽内を圧力0.4Paのアル
ゴン10容量%窒素40容量%酸素50容量%の組成の
雰囲気として、第2のカソードに直流の電力を外部電源
から投入し、亜鉛とアルミニウムの酸化物膜の上にシリ
コン、タンタル、炭素、窒素および酸素とからなる保護
膜を66nm被覆して、ガラスを真空槽から取り出しサ
ンプル5を得た。同様の方法により、紫外線遮蔽性の膜
と保護膜の厚みを種々変えたサンプル6、7、8を得
た。
【0027】サンプル5〜8の膜構成を表1、可視光線
の透過率と反射率、紫外線透過率(UV透過率)、反射
光と透過光による色調を表2に、膜の耐摩耗性、耐アル
カリ性および耐酸性を表3に示す。 実施例3 2つのカソードが設置されたマグネトロンスパッタ装置
の第一のカソードには亜鉛80重量%錫20重量%から
なる合金ターゲットを、第二のカソードには石英ガラス
のターゲットを設置した。清浄にされた4mm厚のブロ
ンズ着色透明フロートガラスをスパッタ装置の真空槽に
入れ、真空ポンプで5.3×10-4Paまで真空に排気
した。その後、アルゴン20容量%酸素80容量%の混
合ガスを真空槽内に導入し0.4Paに調節した。そし
て、直流の電力を第1カソードに外部電源から投入し、
ガラス上に亜鉛と錫の酸化物膜からなる紫外線遮蔽性の
膜を275nm被覆して、スパッタリングを停止した。
その後真空槽内を圧力0.4Paのアルゴンの雰囲気と
して、第2のカソードに高周波電力を投入し、亜鉛と錫
の酸化物膜の上にSiO2の保護膜を71.7nm被覆
して、ガラスを真空槽から取り出しサンプル9を得た。
同様の方法により、紫外線遮蔽性の膜と保護膜の膜厚を
変えたサンプル10を得た。
【0028】サンプル9および10の膜構成を表1、可
視光線の透過率と反射率、紫外線透過率(UV透過
率)、反射光と透過光による色調を表2に、膜の耐摩耗
性、耐アルカリ性および耐酸性を表3に示す。 実施例4 2つのカソードが設置されたマグネトロンスパッタ装置
の第一のカソードには亜鉛85重量%銅15重量%から
なる合金ターゲットを、第二のカソードにはニッケル3
0重量%シリコン70重量%からなるターゲットを設置
した。清浄にされた4mm厚のブロンズ着色透明フロー
トガラスをスパッタ装置の真空槽に入れ、真空ポンプで
5.3×10-4Paまで真空に排気した。その後、アル
ゴン20容量%酸素80容量%の混合ガスを真空槽内に
導入し0.4Paに調節した。そして、直流の電力を第
1カソードに外部電源から投入し、ガラス上に亜鉛と銅
の酸化物膜からなる紫外線遮蔽性の膜を273nm被覆
して、スパッタリングを停止した。その後真空槽内を圧
力0.4Paのアルゴン10容量%窒素40容量%酸素
50容量%の組成の雰囲気として、第2のカソードに直
流の電力を外部電源から投入し、亜鉛と銅の酸化物膜の
上にニッケルとシリコンの酸窒素化物からなる保護膜を
66nm被覆して、ガラスを真空槽から取り出し、サン
プル11を得た。同様の方法により、紫外線遮蔽性の膜
と保護膜の厚みを種々変えたサンプル12、13、14
を得た。
【0029】サンプル11〜14の膜構成を表1、可視
光線の透過率と反射率、紫外線透過率(UV透過率)、
反射光と透過光による色調で評価した光学特性を表2
に、膜の耐摩耗性、耐アルカリ性および耐酸性で評価し
た耐久性を表3に示す。 比較例 実施例1で用いたマグネトロンスパッタ装置の第一のカ
ソードには亜鉛のターゲットを設置した。清浄にされた
4mm厚のブロンズ着色透明フロートガラスをスパッタ
装置の真空槽に入れ、真空ポンプで5.3×10-4Pa
まで真空に排気した。その後、アルゴン20容量%酸素
80容量%の混合ガスを真空槽内に導入し0.4Paに
調節した。そして、直流の電力を第1カソードに外部電
源から投入し、ガラス上に酸化亜鉛からなる紫外線遮蔽
性の膜を271.5nm被覆して、スパッタリングを停
止した。このガラスを真空槽から取り出し比較サンプル
1を得た。同様の方法により、異なる膜厚の酸化亜鉛膜
を被覆した比較サンプル2、3、4を得た。比較サンプ
ル1〜4の可視光線の透過率と反射率、紫外線透過率
(UV透過率)、反射光と透過光による色調を表2に、
膜の耐摩耗性、耐アルカリ性、耐酸性を表3に示した。
また、比較例1の分光透過率曲線および分光反射率曲線
を図3に示した。
【0030】本発明の実施例のサンプル1〜14と比較
例1〜4とから、本発明により可視光線反射率が10%
以下反射色調のa*,b*の絶対値が共に4以下の、肉眼
で見て色調が目立たない紫外線遮蔽性のガラスが得られ
ていることが分かる。また、サンプル1〜14の耐アル
カリ性と耐酸性は、比較サンプル1〜4に比較してその
テスト前後の透過率変化が小さく、化学的安定性が改善
された紫外線遮蔽ガラスが得られたことが分かる。
【0031】
【発明の効果】本発明の紫外線遮蔽性を有する窓ガラス
は、反射色調が目立たず、かつ、単板で使用できる化学
的耐久性を有しているので、自動車の窓ガラスに用いた
とき、自動車の内装品が紫外線により劣化するのを抑制
するとともに、自動車の色デザインを損なわない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車用窓ガラスの一実施例の一部断
面図である。
【図2】本発明の自動車用窓ガラスの他の実施例の一部
断面図である。
【図3】サンプル1、比較サンプル1、サンプル1およ
び比較サンプル1にそれぞれ用いたガラス板の分光透過
率と分光反射率を示す図。
【符号の説明】
1・・・自動車用窓ガラス、2・・・ガラス板、3・・
・紫外線遮蔽性の膜、4・・・保護膜、5・・・熱線遮
蔽性の膜

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明なガラス板の上に紫外線遮蔽性の膜と
    保護膜が順次被覆された自動車用窓ガラスであって、前
    記紫外線遮蔽性の膜は、酸化亜鉛が40〜90重量%含
    まれ、前記酸化亜鉛の残部として酸化銅、酸化アルミニ
    ウムおよび酸化錫からなる金属酸化物群より選ばれた少
    なくとも1種が含まれ、その厚みは可視光線波長域にお
    いて500〜600nmで極小反射率を有するように被
    覆され、前記保護膜は、波長550nmにおける屈折率
    が1.4〜1.7のシリコンと酸素とを含む透明な膜で
    あり、その厚みが50nm以上とした自動車用窓ガラ
    ス。
  2. 【請求項2】前記紫外線遮蔽性の光学膜厚を、250〜
    300nmの整数倍としたことを特徴とする請求項1に
    記載の自動車用窓ガラス。
  3. 【請求項3】前記紫外線遮蔽性の膜に含まれる酸化亜鉛
    が60〜90重量%であることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の自動車用窓ガラス。
  4. 【請求項4】前記保護膜の厚みが100nmを越えない
    請求項1乃至3のいずれかの項に記載の自動車用窓ガラ
    ス。
  5. 【請求項5】前記保護膜が、シリコン、ジルコニウム、
    炭素、窒素および酸素とからなり、次の化学式で表せる
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載
    の自動車用窓ガラス。 SiZrjkmn(j、k、m、nは原子分率) 0.2≦j≦0.5、0.2≦k≦0.8、0.3≦m
    ≦1.0、n≧1.2
  6. 【請求項6】前記保護膜が、シリコン、タンタル、炭
    素、窒素および酸素とからなり、次の化学式で表せるこ
    とを特徴とする請求項1乃至4に記載の自動車用窓ガラ
    ス。 SiTajkmn(j、k、m、nは原子分率) 0.2≦j≦0.5、0.3≦k≦0.8、0.2≦m
    ≦1.0、n≧1.2
  7. 【請求項7】前記保護膜が、ニッケル、チタン、タンタ
    ル、ニオブ、アルミニウム、タングステンからなる群か
    ら選ばれ1種の元素Mとシリコンとの合金の酸窒化物で
    あり、次の化学式で表せることを特徴とする請求項1乃
    至4に記載の自動車用窓ガラス。 SiMjmn(j、m、nは原子分率) 0.2≦j≦0.5、0.2≦m≦1.0、n≧1.2
  8. 【請求項8】前記保護膜がSiO2であることを特徴と
    する請求項1乃至4に記載の自動車用窓ガラス。
JP15082492A 1992-06-10 1992-06-10 自動車用窓ガラス Pending JPH05341119A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15082492A JPH05341119A (ja) 1992-06-10 1992-06-10 自動車用窓ガラス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15082492A JPH05341119A (ja) 1992-06-10 1992-06-10 自動車用窓ガラス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05341119A true JPH05341119A (ja) 1993-12-24

Family

ID=15505209

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15082492A Pending JPH05341119A (ja) 1992-06-10 1992-06-10 自動車用窓ガラス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05341119A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006014608A1 (en) * 2004-07-21 2006-02-09 Tru Vue, Inc. Substrate coating
CN105478267A (zh) * 2015-12-24 2016-04-13 浙江海洋学院 一种大面积钢体表面喷涂二氧化钛薄膜的喷涂系统和方法
CN106706618A (zh) * 2016-12-09 2017-05-24 重庆市三星精艺玻璃股份有限公司 一种夹层玻璃生产用标记工具
CN106770239A (zh) * 2016-12-09 2017-05-31 重庆市三星精艺玻璃股份有限公司 一种玻璃板标记方法
CN109485271A (zh) * 2019-01-22 2019-03-19 福建工程学院 一种抗辐射、抗静电、隔热镀膜玻璃及其制备方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006014608A1 (en) * 2004-07-21 2006-02-09 Tru Vue, Inc. Substrate coating
CN105478267A (zh) * 2015-12-24 2016-04-13 浙江海洋学院 一种大面积钢体表面喷涂二氧化钛薄膜的喷涂系统和方法
CN106706618A (zh) * 2016-12-09 2017-05-24 重庆市三星精艺玻璃股份有限公司 一种夹层玻璃生产用标记工具
CN106770239A (zh) * 2016-12-09 2017-05-31 重庆市三星精艺玻璃股份有限公司 一种玻璃板标记方法
CN106770239B (zh) * 2016-12-09 2019-03-05 重庆市三星精艺玻璃股份有限公司 一种玻璃板标记方法
CN106706618B (zh) * 2016-12-09 2019-03-05 重庆市三星精艺玻璃股份有限公司 一种夹层玻璃生产用标记工具
CN109485271A (zh) * 2019-01-22 2019-03-19 福建工程学院 一种抗辐射、抗静电、隔热镀膜玻璃及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7005188B2 (en) Transparent substrate with an antireflection, low-emissivity or solar-protection coating
US5772862A (en) Film comprising silicon dioxide as the main component and method for its productiion
JP3139031B2 (ja) 熱線遮蔽ガラス
JP4986862B2 (ja) 光学膜のための耐傷性空気酸化性保護層
EP0495979B1 (en) An electrically-conductive, light-attenuating antireflection coating
US5267081A (en) Rearview mirror
EP3004015B1 (en) Low-emissivity glazing
EP2270554A1 (en) Low reflection glass and protective plate for display
SE514138C2 (sv) Överdragen platta för användning i laminerad enhet samt förfarande för att framställa plattan
US20130070340A1 (en) Antireflective coating and substrates coated therewith
EP0436741A1 (en) DC sputtering method and target for producing films based on silicon dioxide
EP1448491A2 (en) Heat treatable coated articles with metal nitride layer and methods of making same
JPH0558680A (ja) 熱線遮蔽ガラス
MX2007011247A (es) Composicion de recubrimiento con propiedades solares.
JP2021520336A (ja) Ir反射層(複数可)及び酸窒化ケイ素ジルコニウム層(複数可)を有するコーティングされた物品並びにその作製方法
JP2001523358A (ja) 熱放射線を反射する積層体を具備した透明基材
EP1893543A1 (en) Coated glass pane
JP2831064B2 (ja) 一体構造の太陽光遮蔽用ガラス板
JP2004514636A (ja) 金属反射用の薄層を含む多層皮膜を有する透明基板
JP2950886B2 (ja) 選択透過膜付きガラスの製造方法
EP0735009B1 (en) Heat reflecting glass
JPH05341119A (ja) 自動車用窓ガラス
JP2811885B2 (ja) 熱線遮蔽ガラス
JP3200637B2 (ja) 熱線遮蔽ガラス
EP1809582B1 (en) Dichroic mirror