JPH0534107B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、生砂を中子予備成形キヤビテイ内に
吹込み充填した後、圧縮型により圧縮して中子を
造型する生砂中子造型機において、前記生砂の吹
込み圧力を制御する方法に関する。

（従来技術） 近年上記のような生砂中子造型機が開発実用化
されているが、生砂の充填量は、吹込み圧力、生
砂の性状、中子予備成形キヤビテイの形状などに
よつて変化し、生砂の吹込み充填量が多すぎると
予備成形体を所定寸法まで圧縮しきれない状態と
なり所定寸法の中子が得られず、また生砂の吹込
み充填量が少なすぎると圧縮型による圧縮硬度が
不十分となり所要の強度が得られなくなるという
問題がある。

このため従来の生砂中子造型機の中子予備成形
キヤビテイ内への生砂充填量は、造型された中子
の硬度、寸法、形状、表面状態等を目視により判
断して生砂を吹込み充填するための圧縮空気圧力
を作業者が手作業により圧力調整弁を操作して吹
込み圧力を変更するようにしていた。

しかし、手作業による圧力調整は微調整が困難
なため造型された中子の寸法、硬度などが十分満
足したものとはならず特に金型を変更した当初に
は最適条件をみつけるまでに造型不良が多く出る
問題がある。さらに造型した中子の良否判断と圧
力調整に人手を要するため造型装置の自動化のネ
ツクとなつていた。

（発明の目的） 本発明は上記の問題に鑑みて成されたものであ
つて、所要の硬度および寸法を有する生砂中子を
容易かつ確実に造型するための吹込み圧力制御方
法を提供するものである。

（実施例） 以下に本発明を実施するようになした装置の構
成を第１図により説明すると、１は図示されない
フレームに上向きに取付けられた上向シリンダ
で、そのピストンロツド１ａ先端には昇降テーブ
ル２が固着連結してあつて、該昇降テーブル２の
上面には、下型３が取付けられている。

該下型３の上面には所望中子の下半部形状に対
応する形状を含む凹部４が形成されていて、後述
する吹込型あるいは圧縮型を嵌入させることによ
つて中子予備成形キヤビテイあるいは所望中子に
対応するキヤビテイを画成するようになつてい
る。

５は下型３の上方に適当な間隔をおいて配設さ
れたブロータンクであつて、上端に砂供給口６を
設けると共に上側部に圧縮空気供給口７が設けら
れている。該砂供給口６には開口部８ａを備えた
スライドゲート８を介して砂シユート９が連設し
てあると共にスライドゲート８はゲートシリンダ
１０のピストンロツド１０ａに連結してあつてゲ
ートシリンダ１０の作動により砂供給口６が開閉
するようになつている。

また該ブロータンク５の下端部にはその下面中
央部に所望中子の上半部形状高さよりも深い凹部
１１を形成すると共に前記下型３の凹部４に摺動
嵌入し、もつて中子予備成形キヤビテイを画成す
る吹込み型１２が固着されており、該ブロータン
ク５の底板中央部と吹込み型１２の中央部とを貫
通して砂吹込み孔１３が穿設されている。

なお１４は、一端を前記吹込み型１２の下面周
辺部に開口すると共に他端を吹込み型１２の側壁
に開口させた排気孔であり、ベントプラグ１５が
嵌合されている。

前記ブロータンク５の下端外周部には、ストツ
パ１６が吹込み型１２を包囲して固着されてお
り、該ストツパ１６の下面は前記下型３の上面外
周部と当接可能にされている。

１７は図示されないローラコンベヤ上に載置さ
れた枠体状の走行フレームであり、該走行フレー
ム１７上には取付部材１８が切離し可能にして載
置されていて、該取付部材１８の下面中央部には
荷重センサー１９を介して圧縮型２０が固着され
ている。

なお該圧縮型２０には、その下面に所望中子の
上半部形状に対応する凹部２１が形成されている
と共に前記下型３の凹部４に摺動嵌入可能な外形
に形成されている。

また取付部材１８の下面には圧縮型２０を包囲
してストツパー２２が固着されていて、該ストツ
パー２２の下面には、前記下型３の上面外周部と
当接可能にされている。

前記走行フレーム１７外側面には横向シリンダ
２３のピストンロツド２３ａが連結されていて、
該シリンダ２３の伸縮作動により前記圧縮型２０
及び荷重センサー１９が走行フレーム１７及び取
付部材１８を介して前記下型３と吹込み型９との
間位置へ入出移動可能に配設されているのであ
る。

前記荷重センサー１９は導線２４及び入・出力
インタフエース２５を介して演算装置２６に結線
してあつて、圧縮型２０を上向きに押したときの
力を荷重センサー１９により検出して導線２４及
び入・出力インタフエース２５を介して演算装置
２６に送信するようにしてある。

この演算装置２６には中子形状に対応する圧縮
型２０による圧縮力が記憶されていると共に圧縮
力と生砂の吹込み圧力の多数個の実験データーか
ら成る実験相関式が予め記憶させてあり、運転開
始後は造型毎に新しいデーターと最も古い実験デ
ーターとが入れ替えられて、新しい実験相関式が
この演算装置２６によつて演算、記憶されるよう
になつている。２７は、図示されない圧縮空気源
と前記ブロータンク５の圧縮空気供給口７とを連
通する導管であり該導管２７には圧縮空気源側か
ら比例電磁式圧力調整弁２８、吹込み弁２９が順
次取付けられていて、該比例電磁式圧力調整弁２
８は電気信号により容易に圧縮空気圧力のアナロ
グ制御可能に設けられていると共に導線３０及び
入・出力インタフエース２５を介して演算装置２
６に結線してある。そしてこの演算装置２６に前
記圧縮型２１による圧縮力が入力されると、演算
装置２６に予め記憶されていた前記実験相関式に
よつて吹込み圧縮空気圧力が算出されると共にこ
の吹込み圧縮圧力は電気信号として演算装置２６
から入・出力インタフエース２５及び導線３０を
介して比例電磁式圧力調整弁２８に伝えられて吹
込み圧縮空気圧力を調整するようになつている。

このように構成された装置の作動について説明
すると、第１図の状態でゲートシリンダ１０を伸
長作動させてスライドゲート８を開とし、砂シユ
ート９よりブロータンク５内に生砂を定量投入
し、ゲートシリンダ１０を縮引作動してスライド
ゲート８を閉とする。

次に上向シリンダ１を伸長作動させて下型３を
持ち上げ凹部４内に吹込み型１２を嵌入させ下型
３の上面周囲をストツパ１６の下面に当接し型合
せを行うことにより中子予備成形キヤビテイを画
成する。

ここで、演算装置２６に予め記憶されている圧
縮圧力と吹込み圧力の実験相関式より吹込み圧力
が算出され、この電気信号は演算装置２６から
入・出力インタフエース２５及び導線３０を介し
て比例電磁式圧力調整弁２８に送られ、比例電磁
式圧力調整弁２８は所望の吹込み圧力に調整され
る。この状態で吹込み弁２９を開くと圧力調整さ
れた圧縮空気は導管２７を介し圧縮空気供給口７
よりブロータンク５内に供給されブロータンク５
内の生砂を砂吹込み孔１３を介して前記中子予備
成形キヤビテイ内に吹き込み充填され中子予備成
形体が成形される。尚生砂と共に吹込まれた圧縮
空気はベントプラグ１５及び排気孔１４を介して
大気に放出される。

次に上向シリンダ１を縮引作動させて下型３の
凹部４に中子予備成形体を付着させた状態にして
吹込み型１２から下型３を分離下降させる。次に
横向シリンダ２３が伸長作動して圧縮型２０を走
行フレーム１７と共に下型３の直上位置まで移動
させて停止する。

再度上向シリンダ１が伸長作動して下型３を持
ち上げ、やがて下型３上に保持された中子予備成
形体の上面が圧縮型２０の凹部２１に当接してこ
れを持ち上げ、これにより取付部材１８が走行フ
レーム１７から切り離されると共に取付部材１８
の背面が砂吹込み型１２の下面に当接する。さら
に上向シリンダ１の伸長作動が続けられて圧縮型
２０が下型３の凹部４内に嵌入してゆき中子予備
成形体を圧縮してゆく。そして圧縮型２０が所定
深さまで嵌入すると下型３の上面外周部がストツ
パ２２に当接して上向シリンダ１の伸長作動が停
止される。

この際シリンダ１の伸長力は中子予備成形体の
圧縮力として圧縮型２０で受けると共にストツパ
２２により受けられている。ここで圧縮型２０で
受けられた圧縮力は荷重センサー１９により検出
され、導線２４及び入・出力インタフエース２５
を介して演算装置２６に入力されると共に、この
圧縮力と前記吹込み圧力のデータは演算装置２６
に記憶されている最も古いデータと入れ替えられ
て新規の実験相関式として演算され、演算装置２
６に記憶される。この新規の実験相関式に基づき
次回の吹込み圧力が決定される。

次に上向シリンダ１が縮引作動をして圧縮型２
０及び下型３をテーブル２と共に下降すると圧縮
型２０はやがて荷重センサー１９及び取付部材１
８を介して走行フレーム１７に係止されて下降を
停止し、これにより圧縮型２０が下型３から分離
し、その結果所望形状の中子が下型３に保持され
た状態で得られる。

前記上向シリンダ１の縮引作動が終了し、下型
３が最下端まで下降したのち、横向シリンダ２３
が縮引作動して走行フレーム１７を元の位置に復
帰させる。

その後適宜の手段（図示されない中子押出し機
構）により下型３から中子を取り出して中子造型
を完了し、次の中子造型に移るのである。

尚本発明の実施例として中央部上下面に突起部
がある中子の造型に関して第１図により説明した
が、第２図のように凹部１１，２１が形成されて
いない吹込み型１２、主び圧縮型２０を使用して
偏平状の中子を造型する場合にも同様にして実施
し得ることはもち論である。

（発明の効果） 本発明は上記説明から明らかなように中子予備
成形体を圧縮型により圧縮成形する際の圧力を検
出して、この圧力によつて次回の生砂の吹込み圧
を制御するものであるから、圧縮時の圧力は所定
の範囲内におさまり生砂の性状、その他外部条件
が変つても常に最適な状態で生砂中子を造型でき
るなどの効果を有し、この種業界に寄与する効果
は著大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施する装置の要部断面図、
第２図は別の実施例を示す装置の要部断面図であ
る。 ３：下型、４：凹部、５：ブロータンク、１
２：吹込み型、１９：荷重センサー、２０：圧縮
型、２８：比例電磁式圧力調整弁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 所望中子の形状よりも高さ方向に拡大された
   中子予備成形キヤビテイ内に生砂を吹込み充填し
   て中子予備成形体を成形し、該中子予備成形体
   を、下面に所望中子上部形状を形成した圧縮室に
   より所望厚さになるまで圧縮して生砂中子を造型
   する生砂中子造型機における生砂の吹込み圧力制
   御方法であつて、前記圧縮型による中子予備成形
   体の圧縮時の圧縮力を荷重センサーにより検出す
   ると共に検出された前記圧縮力から次回の生砂吹
   込み圧力を決定することを特徴とする生砂中子造
   型機における生砂の吹込み圧力制御方法。