JPH05340565A - 氷蓄熱装置 - Google Patents

氷蓄熱装置

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JPH05340565A
JPH05340565A JP14708192A JP14708192A JPH05340565A JP H05340565 A JPH05340565 A JP H05340565A JP 14708192 A JP14708192 A JP 14708192A JP 14708192 A JP14708192 A JP 14708192A JP H05340565 A JPH05340565 A JP H05340565A
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JP
Japan
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water
ice
aqueous solution
circulation path
heat exchanger
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JP14708192A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Asano
等 浅野
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 過冷却解消部と蓄熱槽とが分離して配設され
た氷蓄熱装置に対し、熱損失を伴う手段を用いることな
く、熱交換器への氷の進展を抑制する。 【構成】 過冷却解消部の上流側において、氷点温度以
上の水によって循環路配管(2a)の内周壁に沿って水
膜(W)を形成する。これによって、この内周壁面と前
記過冷却解消部から上流側へ進展する氷との間の摩擦係
数を低下させる。これにより、氷が循環路配管(2a)
の内周壁に付着することを抑制して、熱交換器に氷が進
展することを抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、氷蓄熱装置に係り、特
に、水又は水溶液を過冷却状態まで冷却した後、この過
冷却状態を解消することによってスラリー状の氷を生成
し、該氷を蓄熱槽内に貯留するようにしたものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、空気調和装置等に設けられて
いる氷蓄熱装置として、冷房負荷のピーク時における電
力需要の軽減及びオフピーク時における電力需要の拡大
を図ることに鑑みて、例えば、特開昭63−21717
1号公報に開示されるように、冷房負荷のピーク時にお
ける冷熱として利用するためのスラリー状の氷を冷房負
荷のオフピーク時に生成して蓄熱槽に貯留しておく所謂
ダイナミック型の氷蓄熱装置が知られている。
【0003】この種の氷蓄熱装置の一例について説明す
ると、図5に示すように、水の循環路(a)に、蓄熱槽
(b)、ポンプ(c)、熱交換器(d)及び過冷却解消
部(e)を備えさせる。そして、図5に矢印で示すよう
に、ポンプ(c)によって蓄熱槽(b)内に貯留されて
いる水を取出して熱交換器(d)に送込み、該熱交換器
(d)によってこの水を過冷却状態まで冷却する。その
後、この水を過冷却解消部(e)に導入して撹拌などの
手段によって過冷却状態を解消させてスラリー状の氷を
生成する。そして、この生成された氷を蓄熱槽(b)に
回収してこの蓄熱槽(b)に冷熱を蓄熱するようにして
いる。このように、この種の氷蓄熱装置にあっては過冷
却解消部(e)において氷を生成するため、製氷時の冷
凍機の効率が高いものである。また、水の代りに水溶液
が採用される場合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな氷蓄熱装置においては、水の過冷却度が大きい場合
や循環路(a)における過冷却水の流量が小さいような
場合には、図6に示すように、過冷却解消部(e)で生
成された氷(I)が管内壁に付着し、この付着した氷の
周辺において過冷却状態が解消し、このため氷(I)が
水の流れの上流側に向って進展することがある。そし
て、この氷の進展が熱交換器(d)にまで達した場合に
は、該熱交換器(d)の冷却管表面に氷が付着すること
になって熱交換効率が大幅に低下してしまうことになる
と同時に冷却管の閉塞を招き熱交換器が破損してしまう
虞れもあって、安定した製氷運転を行うことができない
ことになってしまう。
【0005】そこで、この氷の進展を防止するために、
図6の如く熱交換器(d)と過冷却解消部(e)との間
の循環路(a)の一部にヒータ(f)を備えさせて管壁
を加熱しておき、該ヒータ(f)の配設位置において氷
(I)を融解することによって進展する氷(I)が熱交
換器(d)に達することがないようにして該熱交換器
(d)への氷(I)の付着を抑制することが考えられ
る。
【0006】しかしながら、このような構成では、この
ヒータ(f)が配設されている部分の管壁を常に0℃以
上に保っておく必要があり、この管壁部分では常に過冷
却水が流れていることから、この部分を0℃に維持する
ためには多くの熱量を必要とする。このために、消費電
力が大きくなってしまい、また、このヒータ(f)によ
って加熱された水は製氷に寄与しないことになるので製
氷効率の低下に繋ってしまうといった不具合があった。
【0007】そこで、本発明の発明者は、氷進展のメカ
ニズムについて考察を行い、氷と管壁との間の摩擦係数
が、この氷進展に大きく拘っていることを見出した。
【0008】本発明は、この点に鑑みてなされたもので
あって、氷と管壁との間の摩擦係数を考慮することで、
ヒータ等のような熱損失を伴う手段を用いることなく、
熱交換器への氷の進展を抑制することができる構成を得
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、過冷却解消部の上流側において、循
環路の内壁面に水又は水溶液の膜を形成し、この膜によ
って、熱交換器に向って進展する氷と循環路の内壁面と
の間の摩擦係数を小さくするような構成とした。具体的
に請求項1記載の発明は、水又は水溶液と該水又は水溶
液で生成されるスラリー状の氷とを貯蔵するための蓄熱
槽(3)と、冷却装置に接続され、前記水又は水溶液を
過冷却状態まで冷却するための熱交換器(5)と、該熱
交換器(5)と前記蓄熱槽(3)との間で前記水又は水
溶液を強制循環させるための循環路(2)と、該循環路
(2)における熱交換器(5)の下流側に配設され、前
記熱交換器(5)で冷却された前記水又は水溶液の過冷
却状態を解消させて前記水又は水溶液を相変化させてス
ラリー状の氷にする過冷却解消手段(6)とを備えた氷
蓄熱装置を前提としている。そして、前記熱交換器
(5)の下流側で且つ前記過冷却解消手段(6)の上流
側に、循環路(2)の内壁に沿って氷点温度以上の水又
は水溶液の膜(W)を形成して、前記過冷却解消手段
(6)から上流側に向って進展する氷と前記循環路
(2)の内壁面との間の摩擦係数を低下させる摩擦係数
低減手段(7)を設けるような構成とした。
【0010】請求項2記載の発明は、前記請求項1記載
の氷蓄熱装置において、摩擦係数低減手段(7)に、熱
交換器(5)上流側の水又は水溶液を該熱交換器(5)
をバイパスして摩擦係数低減手段(7)に導入する連通
管(8)を接続する。そして、この接続管(8)により
摩擦係数低減手段(7)に導入された水又は水溶液によ
って、進展する氷と循環路(2)の内壁面との間の摩擦
係数を低下させる膜(W)を形成するような構成とし
た。
【0011】請求項3記載の発明は、前記請求項1記載
の氷蓄熱装置において、過冷却解消手段(6)の下流側
に、循環路(2)内の氷と水とを分離する分離器(9)
を配設する。また、この分離器(9)と摩擦係数低減手
段(7)とを戻り管(10)によって接続する。そし
て、前記分離器(9)で分離された水又は水溶液を、戻
り管(10)を経て摩擦係数低減手段(7)に供給し
て、この摩擦係数低減手段(7)に供給された水又は水
溶液によって、進展する氷と循環路(2)の内壁面との
間の摩擦係数を低下させる膜(W)を形成するような構
成としている。
【0012】請求項4記載の発明は、前記請求項1,2
又は3記載の氷蓄熱装置において、循環路(2)を形成
する循環路配管(2a)に多数の開口(2c),(2
c),…を形成し、この開口(2c),(2c),…か
ら循環路(2)に氷点温度以上の水又は水溶液を供給し
て、循環路配管(2a)の内壁に沿って水又は水溶液の
膜(W)を形成するように、摩擦係数低減手段(7)を
構成している。
【0013】請求項5記載の発明は、前記請求項1,2
又は3記載の氷蓄熱装置において、循環路(2)を形成
する循環路配管(2a)を切断し、この切断された循環
路配管(2a)の端面同士を所定寸法を存して対向して
配設してこの両端面間に間隙(S)を形成し、この間隙
(S)から循環路(2)に氷点温度以上の水又は水溶液
を供給して、循環路配管(2a)の内壁に沿って水又は
水溶液の膜(W)を形成するように、摩擦係数低減手段
(7)を構成している。
【0014】
【作用】上記の構成により、本発明では、以下に述べる
ような作用が得られる。請求項1記載の発明では、循環
路(2)を強制循環している水又は水溶液が熱交換器
(5)によって過冷却状態まで冷却され、この過冷却状
態の水又は水溶液が過冷却解消手段(6)において相変
化されてスラリー状の氷となる。その後、この氷は循環
路(2)を流れて蓄熱槽(3)に達し、該蓄熱槽(3)
に蓄冷熱として貯留される。このような製氷動作と同時
に、摩擦係数低減手段(7)によって、前記熱交換器
(5)の下流側で且つ前記過冷却解消手段(6)の上流
側において、循環路(2)の内壁に沿って氷点温度以上
の水又は水溶液の膜(W)が形成される。このため、前
記過冷却解消手段(6)の周辺部で循環路(2)の配管
内壁に氷が付着し、この氷が上流側に向って進展するよ
うな場合、前記膜(W)によって進展する氷と循環路
(2)の内壁面との間の摩擦係数が低下されているの
で、この水膜(W)の生成されている部分では氷の壁面
付着が不能となってその進展が行われないことになる。
このため、熱交換器(5)の冷却管表面に氷が付着して
製氷能力が大幅に低下することや熱交換器の冷却管が閉
塞して該熱交換器が破損するようなことが回避されるこ
とになる。
【0015】請求項2記載の発明では、熱交換器(5)
上流側の水又は水溶液が連通管(8)により前記熱交換
器(5)をバイパスして摩擦係数低減手段(7)に導入
され、この導入された水又は水溶液によって、進展する
氷と循環路(2)の内壁面との間の摩擦係数を低下させ
る膜(W)が形成される。そして、この膜(W)によっ
て、進展する氷と循環路(2)の内壁面との間の摩擦係
数が低下されて氷の進展が防止される。このように循環
路(2)内の水又は水溶液を有効に利用することによっ
て前記膜(W)を生成することができる。
【0016】請求項3記載の発明では、過冷却解消手段
(6)の下流側に配設された分離器(9)によって分離
された水又は水溶液が戻り管(10)により摩擦係数低
減手段(7)に導入され、この導入された水又は水溶液
によって、進展する氷と循環路(2)の内壁面との間の
摩擦係数を低下させる膜(W)が形成される。そして、
この膜(W)によって、進展する氷と循環路(2)の内
壁面との間の摩擦係数が低下されて氷の進展が防止され
る。このように本発明にあっても循環路(2)内の水又
は水溶液を有効に利用することによって前記膜(W)を
生成することができ、また、摩擦係数低減手段(7)に
氷が導入されるようなことが確実に防止できる。
【0017】請求項4記載の発明では、摩擦係数低減手
段(7)における循環路(2)の循環路配管(2a)に
形成された多数の開口(2c),(2c),…から循環
路(2)に水又は水溶液が供給されて、循環路配管(2
a)の内壁に沿って水又は水溶液の膜(W)が形成され
る。これにより、前記膜(W)の形成領域を十分に確保
することができ、この膜形成領域は開口(2c)の形成
位置によって任意に設定することができる。
【0018】請求項5記載の発明では、摩擦係数低減手
段(7)の作製時には、循環路配管(2a)を切断し
て、夫々の端面を所定間隔を存した位置として所定位置
に支持するようにする。つまり、その両端面に形成され
た間隙(S)を水又は水溶液の供給路として利用できる
ことになり、簡単な作製工程でもって摩擦係数低減手段
(7)を得ることができる。
【0019】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1には本例の氷蓄熱装置(1)の全体構成を示
している。この図1に示す如く、本例の氷蓄熱装置
(1)は、水の循環路(2)に、蓄熱槽(3)、ポンプ
(4)、熱交換器(5)、本発明でいう過冷却解消手段
としての過冷却解消部(6)が備えられて成っている。
以下、各部材について説明する。
【0020】蓄熱槽(3)は上方が開放された略立方体
状の箱体であって、その内部には、水及びこの氷蓄熱装
置によって生成されたスラリー状の氷が貯留されるよう
になっている。ポンプ(4)は、配管を介して前記蓄熱
槽(3)の側面下端部に接続されており、蓄熱槽(3)
内の下層部分に貯留されている水を取出すようになって
いる。また、熱交換器(5)は、前記ポンプ(4)から
導入された水を過冷却状態まで冷却するものであって、
本発明でいう冷却装置としての図示しない冷凍機に接続
されている。そして、過冷却解消部(6)は前記熱交換
器(5)において過冷却状態まで冷却された水の過冷却
状態を、撹拌等の手段を用いて解消してこの水を相変化
つまり氷化させるようになっている。また、前記循環路
(2)の下流端は前記蓄熱槽(3)の上方に位置してお
り、過冷却解消部(6)において生成された氷を蓄熱槽
(3)に貯留させるようにしている。
【0021】そして、本例の特徴とする構成の1つとし
て、前記熱交換器(5)の下流側で且つ過冷却解消部
(6)の上流側に位置する配管には本発明でいう摩擦係
数低減手段としての氷進展防止部(7)が配設されてい
る。以下、この氷進展防止部(7)及びその周辺の構成
について説明する。この氷進展防止部(7)には、前記
ポンプ(4)の下流側に連通する連通管(8)が接続さ
れており、この連通管(8)によって前記ポンプ(4)
から導出された水が熱交換器(5)をバイパスして氷進
展防止部(7)に導入されるようになっている。また、
この連通管(8)にはバルブ(8a)が介設されてい
る。
【0022】次に、前記氷進展防止部(7)の構成につ
いて説明する。図2に示すように、この氷進展防止部
(7)は、前記循環路(2)を形成している循環路配管
(2a)と、前記連通管(8)の下流端部分であって前
記循環路配管(2a)よりも大径に形成された水供給部
(8b)とによって2重空間構造が形成されて成ってい
る。そして、この氷進展防止部(7)に位置する前記循
環路配管(2a)は、その周囲の全体に亘って多数の小
径の開口(2c),(2c),…が形成されており、こ
の開口(2c),(2c),…によって循環路配管(2
a)内部と水供給部(8b)内部とが連通されるように
なっている。また、前記水供給部(8b)は、前記循環
路配管(2a)における開口(2c)の形成領域の全体
を覆うようになっている。従って、前記連通管(8)か
ら氷進展防止部(7)に導入された水は、水供給部(8
b)を経て多数の開口(2c),(2c),…夫々から
循環路(2)内に供給されて、この循環路配管(2a)
の内周壁周辺において、図2に仮想線で示すような薄膜
状態で成る水膜(W)を形成するようになっている。
【0023】次に、上述の如く構成された氷蓄熱装置
(1)の製氷動作について説明する。この製氷動作時に
は前記バルブ(8a)を開状態にしておいて、ポンプ
(4)を駆動させて蓄熱槽(3)内に貯留されている水
を取出して熱交換器(5)に送込む。また、このポンプ
(4)の駆動開始と同時に図示しない冷凍機が駆動され
て、該冷凍機から熱交換器(5)に送込まれた液冷媒
が、この熱交換器(5)において水との間で熱交換を行
って蒸発し、この熱交換器(5)において前記水が過冷
却状態まで冷却される。その後、この過冷却状態となっ
た水は、液相状態を保ったまま氷進展防止部(7)を経
て過冷却解消部(6)に達する。そして、この過冷却解
消部(6)に導入された過冷却状態の水は、撹拌などの
手段によって過冷却状態が解消されて相変化し、スラリ
ー状の氷となる。このようにして過冷却解消部(6)で
生成されたスラリー状の氷は、この過冷却解消部(6)
から更に下流側に流されて、蓄熱槽(3)に回収され、
この蓄熱槽(3)に冷熱が蓄熱されることになる。
【0024】そして、このような製氷動作と同時に、上
述したように、バルブ(8a)が開状態とされているこ
とにより、ポンプ(4)から導出された水の一部は、前
記連通管(8)に導入され、該連通管(8)から氷進展
防止部(7)に導入された後、水供給部(8b)を経て
多数の開口(2c),(2c),…夫々から循環路
(2)内に供給される。これによって、上述した如く、
この循環路配管(2a)の内周壁近傍においては図2に
仮想線で示すような薄膜状態で成る水膜(W)が形成さ
れる。
【0025】そして、このような状態において、循環路
(2)における水の過冷却度が大きい場合や循環路
(2)における過冷却水の流量が小さいような場合に
は、過冷却解消部(6)で生成された氷が循環路(2)
の管内壁に付着し、それが水の流れの上流側に向って進
展することになる。そして、このように氷が進展するよ
うな場合、この進展してきた氷が氷進展防止部(7)に
達すると、該氷進展防止部(7)では循環路配管(2
a)の内周壁に水膜(W)が形成されていることによっ
て、氷は内周壁に固着することができないことになる。
つまり、管内壁面と氷との間の摩擦係数が非常に小さく
なっていることによって氷は氷進展防止部(7)よりも
上流側に進展することができなくなる。また、この水膜
(W)を形成している水は、熱交換器(5)をバイパス
して氷進展防止部(7)に導入されているために、循環
路(2)内の水が有効に利用されており、また、その温
度は氷点温度以上となっており、これによって、進展し
ていた氷は、その一部が融解されることにもなって管内
壁面から剥離されて下流側へ流されて蓄熱槽(3)に回
収される。従って、氷の進展は氷進展防止部(7)の下
流側までに止められ、熱交換器(5)にまで達するよう
なことはない。従って、熱交換器(5)の冷却管表面に
氷が付着して製氷能力が大幅に低下したり、熱交換器
(5)の冷却管が閉塞して該熱交換器(5)が破損して
しまうようなことが回避されることになって、安定した
高効率の製氷動作を継続して行うことができる。また、
前記水膜(W)は、前記摩擦係数を低下させることを目
的としているため、その水膜(W)内の水の流量は小さ
くてもよく、従って、連通管(8)への水の供給量は水
膜(W)を形成するのに十分な量であればよい。また、
この流量の調整はバルブ(8a)によって行うこともで
きる。また、前記開口(2c)の数や開口面積を大きく
するようにすれば、膜(W)の形成領域を十分に確保す
ることができ、更には、開口(2c)の形成位置によっ
て膜形成領域を任意に設定することもできることにな
る。
【0026】(第1変形例)次に、請求項3記載の発明
に係る第1の変形例について説明する。本例は、氷進展
防止部(7)において水膜(W)を形成するための水の
供給構造の変形例であるため、その特徴とする部分につ
いてのみ述べるに止める。図3に示すように、過冷却解
消部(6)の下流側には、該過冷却解消部(6)におい
て生成された氷と氷化されなかった水とを分離する分離
器(9)が介設されている。そして、この分離器(9)
と氷進展防止部(7)との間は戻り管(10)によって
接続されており、この戻り管(10)にはポンプ(1
1)が介設されている。そして、前記分離器(9)は氷
と水とを分離して氷を蓄熱槽(3)側に、水を戻り管
(10)を介して氷進展防止部(7)側に夫々導出する
ようになっている。また、氷進展防止部(7)の構成は
上述した実施例と同様である。
【0027】従って、本例の氷蓄熱装置(1)における
製氷動作にあっては、分離器(9)で分離され戻り管
(10)を経て氷進展防止部(7)に戻された水によっ
て循環路配管(2a)の内周壁周辺に水膜(W)を形成
し、この水膜(W)によって氷の進展を防止するように
なっている。また、分離器(9)が配設されていること
により、氷進展防止部(7)に氷が導入されるようなこ
とが確実に防止できるので装置の信頼性を向上すること
ができる。尚、本例の場合にも、戻り管(10)におけ
る水の供給量は水膜(W)を形成するのに十分な量であ
ればよい。
【0028】(第2変形例)次に、請求項5記載の発明
に係る第2の変形例について説明する。本例は、氷進展
防止部(7)の変形例であるため、その特徴とする部分
についてのみ述べるに止める。図4に示すように、本例
の氷進展防止部(7)では、連通管(8)の下流端部分
である水供給部(8b)の内部において循環路配管(2
a)の一部が切断されて、その両端面が所定寸法(t)
を存して対向するように配設されている。従って、この
循環路配管(2a)の切断された各端面間には所定寸法
の間隙(S)が形成されており、この間隙(S)によっ
て循環路配管(2a)の内部と水供給管(8b)の内部
とが連通されるような構成とされている。
【0029】つまり、本例の製氷時における水膜(W)
の生成動作としては、連通管(8)から水供給管(8
b)に導入された水が前記間隙(S)から循環路配管
(2a)に導入され、該循環路配管(2a)の内周壁周
辺に仮想線で示すような水膜(W)を形成することにな
る。
【0030】従って、本例の構成では、氷進展防止部
(7)の作製時には、循環路配管(2a)を切断して、
夫々を所定間隔(t)を存した位置で水供給管(8b)
に支持させるようにすればよく、上述した実施例の如く
循環路配管(2a)に多数の開口(2c)を形成する必
要がないので、作製工程の簡略化が図れることになる。
尚、上述した各実施例では循環路に製氷用の水を流通さ
せるような構成としたが、水に限らずブライン等の水溶
液を流通させるようにしてもよい。また、請求項1記載
の発明の範囲内にあっては水膜(W)を形成するための
水を、循環路(2)内の水を利用することなく外部から
供給するようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】上述してきたように、本発明によれば、
以下に述べるような効果が発揮される。請求項1記載の
発明によれば、熱交換器(5)の下流側で且つ過冷却解
消手段(6)の上流側に、循環路(2)の内壁に沿って
氷点温度以上の水又は水溶液の膜(W)を形成して、前
記過冷却解消手段(6)から上流側に向って進展する氷
と前記循環路(2)の内壁面との間の摩擦係数を低下さ
せる摩擦係数低減手段(7)を設けるような構成とし、
氷が過冷却解消手段(6)から上流側に向って進展する
ような場合、前記膜(W)によって進展する氷と循環路
(2)の内壁面との間の摩擦係数を低下させて氷の壁面
付着を不能として該氷の進展を防止するようにしたため
に、熱交換器(5)の冷却管表面に氷が付着して製氷能
力が大幅に低下するようなことが回避され、従来のヒー
タ等のような熱損失を伴う手段を用いることなく、熱交
換器(5)への氷の進展を抑制することができ、氷蓄熱
装置の製氷能力の向上を図ることができ、また、熱交換
器(5)の冷却管が閉塞して該熱交換器が破損するよう
なことが防止できる。
【0032】請求項2記載の発明によれば、摩擦係数低
減手段(7)に、熱交換器(5)上流側の水又は水溶液
を該熱交換器(5)をバイパスして摩擦係数低減手段
(7)に導入する連通管(8)を接続し、この接続管
(8)により摩擦係数低減手段(7)に導入された水又
は水溶液によって、進展する氷と循環路(2)の内壁面
との間の摩擦係数を低下させる膜(W)を形成するよう
な構成としたために、循環路(2)内の水又は水溶液を
有効に利用して前記膜(W)を生成することができ、装
置全体としての構造の簡略化を図ることができる。
【0033】請求項3記載の発明によれば、過冷却解消
手段(6)の下流側に、循環路(2)内の氷と水とを分
離する分離器(9)を配設し、この分離器(9)と摩擦
係数低減手段(7)とを戻り管(10)によって接続し
て、前記分離器(9)で分離された水又は水溶液を、戻
り管(10)を経て摩擦係数低減手段(7)に供給し
て、この摩擦係数低減手段(7)に供給された水又は水
溶液によって、進展する氷と循環路(2)の内壁面との
間の摩擦係数を低下させる膜(W)を形成するような構
成としたため、本発明にあっても循環路(2)内の水又
は水溶液を有効に利用することによって前記膜(W)を
生成することができ、また、摩擦係数低減手段(7)に
氷が導入されるようなことが確実に防止できるので装置
の信頼性を向上することができる。
【0034】請求項4記載の発明によれば、循環路
(2)を形成する循環路配管(2a)に多数の開口(2
c),(2c),…を形成し、この開口(2c),(2
c),…から循環路(2)に氷点温度以上の水又は水溶
液を供給して、循環路配管(2a)の内壁に沿って水又
は水溶液の膜(W)を形成するように、摩擦係数低減手
段(7)を構成したために、前記膜(W)の形成領域を
十分に確保することができ、この膜形成領域は開口(2
c)の形成位置によって任意に設定することができる。
【0035】請求項5記載の発明によれば、循環路
(2)を形成する循環路配管(2a)を切断し、この切
断された循環路配管(2a)の端面同士を所定寸法を存
して対向して配設してこの両端面間に間隙(S)を形成
し、この間隙(S)から循環路(2)に氷点温度以上の
水又は水溶液を供給して、循環路配管(2a)の内壁に
沿って水又は水溶液の膜(W)を形成するように、摩擦
係数低減手段(7)を構成したために、摩擦係数低減手
段(7)の作製時には、循環路配管(2a)を切断し
て、夫々の端面を所定間隔を存した位置として所定位置
に支持するのみで作製できるので、作製作業の簡略化を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の氷蓄熱装置における配管系統図であ
る。
【図2】氷進展防止部の縦断面図である。
【図3】配管系の変形例を示す図1相当図である。
【図4】氷進展防止部の変形例を示す図2相当図であ
る。
【図5】従来例における氷蓄熱装置の配管系統図であ
る。
【図6】従来の氷進展抑制構造を示す縦断面図である。
【符号の説明】
(1) 氷蓄熱装置 (2) 循環路 (3) 蓄熱槽 (5) 熱交換器 (6) 過冷却解消部(過冷却解消手段) (7) 氷進展防止部(摩擦係数低減手段) (8) 連通路 (9) 分離器 (10) 戻り管 (W) 水膜 (S) 間隙

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水又は水溶液と該水又は水溶液で生成さ
    れるスラリー状の氷とを貯蔵するための蓄熱槽(3)
    と、 冷却装置に接続され、前記水又は水溶液を過冷却状態ま
    で冷却するための熱交換器(5)と、 該熱交換器(5)と前記蓄熱槽(3)との間で前記水又
    は水溶液を強制循環させるための循環路(2)と、 該循環路(2)における熱交換器(5)の下流側に配設
    され、前記熱交換器(5)で冷却された前記水又は水溶
    液の過冷却状態を解消させて前記水又は水溶液を相変化
    させてスラリー状の氷にする過冷却解消手段(6)とを
    備えた氷蓄熱装置において、 前記熱交換器(5)の下流側で且つ前記過冷却解消手段
    (6)の上流側には、循環路(2)の内壁に沿って氷点
    温度以上の水又は水溶液の膜(W)を形成することによ
    って、前記過冷却解消手段(6)から上流側に向って進
    展する氷と前記循環路(2)の内壁面との間の摩擦係数
    を低下させる摩擦係数低減手段(7)が設けられている
    ことを特徴とする氷蓄熱装置。
  2. 【請求項2】 摩擦係数低減手段(7)には、熱交換器
    (5)上流側の水又は水溶液を該熱交換器(5)をバイ
    パスして摩擦係数低減手段(7)に導入する連通管
    (8)が接続されており、この接続管(8)により摩擦
    係数低減手段(7)に導入された水又は水溶液によっ
    て、進展する氷と循環路(2)の内壁面との間の摩擦係
    数を低下させる膜(W)を形成するように構成されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の氷蓄熱装置。
  3. 【請求項3】 過冷却解消手段(6)の下流側には、循
    環路(2)内の氷と水とを分離する分離器(9)が配設
    されており、この分離器(9)と摩擦係数低減手段
    (7)とは戻り管(10)によって接続されていて、前
    記分離器(9)で分離された水又は水溶液が戻り管(1
    0)を経て摩擦係数低減手段(7)に供給され、この摩
    擦係数低減手段(7)に供給された水又は水溶液によっ
    て、進展する氷と循環路(2)の内壁面との間の摩擦係
    数を低下させる膜(W)を形成するように構成されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の氷蓄熱装置。
  4. 【請求項4】 摩擦係数低減手段(7)は、循環路
    (2)を形成する循環路配管(2a)に多数の開口(2
    c),(2c),…が形成されており、この開口(2
    c),(2c),…から循環路(2)に氷点温度以上の
    水又は水溶液を供給して、循環路配管(2a)の内壁に
    沿って水又は水溶液の膜(W)を形成するように構成さ
    れていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の氷
    蓄熱装置。
  5. 【請求項5】 摩擦係数低減手段(7)は、循環路
    (2)を形成する循環路配管(2a)が切断され、この
    切断された循環路配管(2a)の端面同士が所定寸法を
    存して対向して配設されてこの両端面間に間隙(S)が
    形成されており、この間隙(S)から循環路(2)に氷
    点温度以上の水又は水溶液を供給して、循環路配管(2
    a)の内壁に沿って水又は水溶液の膜(W)を形成する
    ように構成されていることを特徴とする請求項1,2又
    は3記載の氷蓄熱装置。
JP14708192A 1992-06-08 1992-06-08 氷蓄熱装置 Withdrawn JPH05340565A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011208890A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Takasago Thermal Eng Co Ltd 製氷安定方法及び氷製造装置

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