JPH0533952U - スライドバルブ装置の浸漬ノズル強制押下げ機構及び該強制押下げ機構用浸漬ノズル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 本考案は、ＳＶ装置の浸漬ノズル支持機構に
おいて、浸漬ノズルケースの外周に突起部を設け、浸漬
ノズル支持アームに前記突起部に係合する浸漬ノズル押
下げ用係止部を該浸漬ノズル支持アーム上部に設け、前
記浸漬ノズルケースに浸漬ノズル固定金具嵌挿孔を設け
たことを特徴とする、ＳＶ装置の浸漬ノズル強制押下げ
機構と、浸漬ノズルケースに嵌挿した浸漬ノズル固定金
具と嵌合する少なくとも１個の切り欠き溝又は上方開放
状切り欠き部を浸漬ノズル鍔部に設けたことを特徴とす
る浸漬ノズル強制押下げ機構用浸漬ノズルにある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はスライドバルブ（以下ＳＶと言う）装置の浸漬ノズル強制押下げ機構 及びこの押下げ機構に用いる浸漬ノズルに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のＳＶ装置においては、浸漬ノズルを浸漬ノズルケースに嵌合して下部ノ ズル下面に押圧する機構はあるが、浸漬ノズルを交換等のために下部ノズルから 離脱させる（取り外す）ための特段の機構はなく、自重により取り外しを行なっ ている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

下部ノズルと浸漬ノズルの接合部には溶鋼の侵入（地金差し）があり、又使用 したパッキングの焼結等により、両者が固着状態となり、従来の押付装置を解除 し浸漬ノズルケースが下降しても浸漬ノズルは自重落下せず、人力による「はつ り」等により取り外しているのが現状であり、狹隘かつ高温下の作業となり危険 を伴い、かつまた浸漬ノズルセッテングの自動化の障害ともなっていることが知 られている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案者等は、従来方式の諸欠点を解決するために種々検討、実験の結果、本 考案の浸漬ノズル強制押下げ機構並びに該強制押下げ機構用浸漬ノズルを開発し たものであり、本考案の技術的構成は、ＳＶ装置の浸漬ノズル支持機構において 、浸漬ノズルケースの外周に突起部を設け、浸漬ノズル支持アームに前記突起部 に係合する浸漬ノズル押下げ用係止部を該浸漬ノズル支持アーム上部に設け、前 記浸漬ノズルケースに浸漬ノズル固定金具嵌挿孔を設けたことを特徴とする、Ｓ Ｖ装置の浸漬ノズル強制押下げ機構と、浸漬ノズルケースに嵌挿した浸漬ノズル 固定金具と嵌合する少なくとも１個の切り欠き溝又は上方開放状切り欠き部を浸 漬ノズル鍔部に設けたことを特徴とする浸漬ノズル強制押下げ機構用浸漬ノズル にある。

【０００５】 本考案の具体例を添付図面に基いて詳述する。

【０００６】 図１〜図３は本考案の一例を模式的に示す正面図、側面図及び下面図である。 （１）は浸漬ノズルケースであり、浸漬ノズル（１０）を図示の如く支持してい るこの浸漬ノズルケース（１）はその外周に少なくとも２個の突起部（２）を具 備している。（３）は浸漬ノズル支持アームであり、スライドケース（１１）に 設けてあるエアーシリンダーの作動により該支持アーム（３）が昇降される機構 としてある。浸漬ノズル（１０）をセットした浸漬ノズルケース（１）は図２の 位置から矢印Ａ方向に移動され、前記支持アーム（３）の上面に設けた溝（３′ ）に前記突起部（２）を嵌合して定位置とされる。

【０００７】 前記支持アーム（３）の外側でかつ前記溝（３′）部に浸漬ノズル押下げ用係 止部（４）が配設してあり、前記支持アーム（３）が下降する際には該係止部（ ４）が前記突起部（２）に当接し、従って、浸漬ノズルケース（１）を下方に押 下げる機構としてある。

【０００８】 更に、本考案機構に用いる浸漬ノズル（１０）は後述する構造としてあり、前 記浸漬ノズルケース（１）に少なくとも１個の浸漬ノズル固定金具（６）用の丸 形状又は角形状の嵌挿孔（５）が設けてあり、この嵌挿孔（５）に前記固定金具 （６）を嵌挿して、浸漬ノズル鍔部に設けた上部開放状切り欠き部（１６′）に 嵌合して、浸漬ノズルケース（１）が下降する際に該浸漬ノズルケース（１）に 嵌挿した浸漬ノズル固定金具（６）が浸漬ノズル（１０）を押圧し、該ノズルケ ース（１）と浸漬ノズル（１０）を一体的に下降しうる機構としてある。

【０００９】 浸漬ノズル鍔部に設ける切り欠き部は、前述のような上部開放状でなく直線状 溝又は底面Ｒ付溝とし、浸漬ノズル固定金具（６）も図示の如く断面が角形状で なく丸形状でもよい。

【００１０】 更に浸漬ノズルケース（１）は前記嵌挿孔（５）を上下に２分割型とすること により、嵌挿孔（５）の機械加工を容易とすることができる。

【００１１】 図３の下面図に示す如く、ＳＶ装置のスライドケース（２層式）又はシールケ ース（３層式）に取り付けてあるエア・シリンダー（１２）に連結してある浸漬 ノズル支持アーム（３）を９０°回動して、浸漬ノズル（１０）をセットした浸 漬ノズルケース（１）を前記支持アーム（３）上に載置し、矢印Ａ方向に移動し て、突起部（２）をアーム（３）の上面の溝（３′）に位置決めし、しかるのち 、エア・シリンダー（１２）を軸としてアーム（３）を矢印Ｂの如く９０°回動 し、エア・シリンダー（１２）の上動により浸漬ノズル（１０）の上端面を下部 ノズル（１５）の下端面に密着固定し、注湯作業に入る。

【００１２】 浸漬ノズルの交換に当っては前述のセッテングと逆の動作を行なうものである が、浸漬ノズルが焼付き等により下部ノズルに固着されていても、エア・シリン ダー（１２）の作動により支持アーム（３）に設けた浸漬ノズル押下げ用係止部 （４）が浸漬ノズルケース（１）の外周に設けた突起部（２）に当接し、強制的 に浸漬ノズルケース（１）を押し下げ、浸漬ノズル（１０）は前述の如く浸漬ノ ズルケース（１）に浸漬ノズル固定金具（６）で係止してあるので、浸漬ノズル 上端面の固着部が剥離されて下部ノズル下端面より離脱される。

【００１３】 図４は本考案の他の実施態様を示す側面図である。この例は本出願人がさきに 出願した（特願平３−１４３，１７３号）「スライドバルブ装置の浸漬ノズル取 付機構」に本考案機構を適用したものである。この出願は、溶融金属容器底面の ＳＶ装置スライドケース又はシールケースにリング状回転盤（３０）を回動可能 に装着し、該回転盤はその下面に平坦部と突出傾斜部とを設け、該平坦部と突出 傾斜部に亘ってボール受け溝を設け、前記スライドケース又はシールケースに設 けた一対のブラケット（３１）に回動自在でかつ上下に摺動する機構を有する浸 漬ノズル支持アーム（２３）を枢着し、前記支持アームはその上端部に前記ボー ル受け溝に係合する球形状の突起又は回転可能なボール（３２）を備え、その下 端部に浸漬ノズル保持用フック（３３）を具備することを特徴的構成とするもの であり、前記浸漬ノズル支持アーム（２３）に浸漬ノズル押下げ用係止部（２４ ）を前記フック（３３）の上方に設けたものであり、浸漬ノズル（１０）のノズ ルケース（１）への固定手段は前述の例と同様とし、かつ同一符号は同一部材を 示す。

【００１４】 図５及び図６は本考案に用いる浸漬ノズルの縦断面図であり、図５は浸漬ノズ ル固定金具（６）を嵌装する切り欠き溝（１６）を設けた例であり、該切り欠き 溝（１６）の断面形状は前記固定金具（６）の断面形状とほゞ相似形とするのが よい。

【００１５】 図６は浸漬ノズル固定金具（６）の装着用切り欠き部を上方開放状切り欠き部 （１６′）とした例であり、断面形状Ｌ型でなく角部にＲをつけた形状であって もよい。

【００１６】 これら切り欠き部の切削方向は、２層式ＳＶ装置では浸漬ノズルの溶鋼吐出口 （１７）の吐出口軸線と直交する方向に切削配置し、又３層式ＳＶ装置では浸漬 ノズルの溶鋼吐出口（１７）の吐出口軸線上に切削配置する方が浸漬ノズル固定 金具（６）をセットする作業性が良好であるが、但し前記とは逆方向の配置でも 機構的に何ら問題はない。

【００１７】

【考案の効果】

（１）従来はＳＶ装置の下部ノズルに固着された浸漬ノズルを突棒等で人力に より切り離す、高温下の危険な作業を行なっているが、本考案機構とすることに より遠隔操作で浸漬ノズルの切り離しが可能となり作業の安全性が大巾に向上す ると共に作業時間の短縮が図れる。

【００１８】 （２）浸漬ノズルの装着が機械化されたことにより、装着の正確性と共に、該 ノズルの着脱を全自動化することが可能となった。

【００１９】 （３）従来のＳＶ装置にも部材の僅かな改良により本考案機構を適用すること が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の浸漬ノズル強制押下げ機構の一例を模
式的に示す正面図。

【図２】本考案の浸漬ノズル強制押下げ機構の一例を模
式的に示す側面図。

【図３】本考案の浸漬ノズル強制押下げ機構の一例を模
式的に示す下面図。

【図４】本考案機構の他の例を示す正面図。

【図５】本考案浸漬ノズルの一例を示す縦断面図。

【図６】本考案浸漬ノズルの他の例を示す縦断面図。

【図７】図５の上面図。

【図８】図６の上面図。

【符号の説明】

１ 浸漬ノズルケース ２ 突起部 ３及び２３ 浸漬ノズル支持アーム ４及び２４ 押下げ用係止部 ５ 固定金具嵌挿孔 ６ 浸漬ノズル固定金具 １０ 浸漬ノズル １０′ 浸漬ノズル鍔部 １１ スライドケース １２ エアシリンダー １４ ノズル孔 １５ 下部ノズル １６ 切り欠き溝 １６′ 上方開放状切り欠き部 １７ 溶鋼吐出口 ３１ ブラケット ３２ ボール ３３ 浸漬ノズル保持用フック

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ＳＶ装置の浸漬ノズル支持機構におい
   て、浸漬ノズルケース（１）の外周に突起部（２）を設
   け、浸漬ノズル支持アーム（３）に前記突起部（２）に
   係合する浸漬ノズル押下げ用係止部（４）を該浸漬ノズ
   ル支持アーム（３）上部に設け、前記浸漬ノズルケース
   （１）に浸漬ノズル固定金具（６）用嵌挿孔（５）を設
   けたことを特徴とする、ＳＶ装置の浸漬ノズル強制押下
   げ機構。
2. 【請求項２】 前記浸漬ノズルケース（１）を浸漬ノズ
   ル固定金具用嵌挿孔（５）を通して水平方向に２分割型
   とした請求項１記載のＳＶ装置の浸漬ノズル強制押下げ
   機構。
3. 【請求項３】 浸漬ノズルケース（１）に嵌挿した浸漬
   ノズル固定金具（６）と嵌合する少なくとも１個の切り
   欠き溝（１６）又は上方開放状切り欠き部（１６′）を
   浸漬ノズル鍔部（１０′）に設けたことを特徴とする浸
   漬ノズル強制押下げ機構用浸漬ノズル。
4. 【請求項４】 前記切り欠き溝（１６）又は上方開放状
   切り欠き部（１６′）の切削方向と浸漬ノズルの溶鋼吐
   出口（１７）の軸線方向とを所定の位置関係とした請求
   項３記載の浸漬ノズル強制押下げ機構用浸漬ノズル。