JPH05339287A - ヘパリン結合活性を有する新規な蛋白質 - Google Patents

ヘパリン結合活性を有する新規な蛋白質

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JPH05339287A
JPH05339287A JP4145125A JP14512592A JPH05339287A JP H05339287 A JPH05339287 A JP H05339287A JP 4145125 A JP4145125 A JP 4145125A JP 14512592 A JP14512592 A JP 14512592A JP H05339287 A JPH05339287 A JP H05339287A
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JP
Japan
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protein
heparin
sequence
buffer solution
amino acid
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Pending
Application number
JP4145125A
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English (en)
Inventor
Michio Kimura
道夫 木村
Motofumi Itou
泉文 伊藤
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Sanofi Aventis KK
Original Assignee
Hoechst Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 下記配列表に示す、幼若ラットの脳から分離
された59個のアミノ酸残基の配列からなるヘパリン結
合活性を有する新規な蛋白質。 【効果】 細胞増殖剤、創傷治療剤および骨疾患治療剤
として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヘパリン結合活性を有す
る新規な蛋白質に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、細胞の増殖を調節する生体由
来の蛋白質として、種々の成長因子が発見され、その一
次構造(アミノ酸配列)や性質が明らかにされてきた。
それらの成長因子の中に、ヘパリンと高い親和性を持つ
ヘパリン結合性成長因子(HBGFs)とよばれる一群
の蛋白質が知られている。HBGFsの中で最も良く知
られているものに、1930年代に発見された酸性繊維芽細
胞成長因子(aFGF)や塩基性繊維芽細胞成長因子
(bFGF)があげられる。また最近発見されたHBG
F−8またはOSF−1とよばれる成長因子もヘパリン
結合能を有する蛋白質である。
【0003】これらの蛋白質は、神経細胞の分化促進作
用や骨芽細胞の増殖促進作用が知られており、神経機能
の低下や骨形成能の低下を伴う疾患の治療への応用が期
待されている。またこれらのヘパリン結合性成長因子の
有する繊維芽細胞の増殖促進能より、これらの蛋白質は
外傷や火傷による創傷の治療剤としての応用も期待され
ている。しかし、これまでに見いだされたヘパリン結合
性成長因子は、必ずしも目的とするこれらの治療剤とし
ての特性を十分に有しているわけではなく、更に新しい
上記の諸活性を有する蛋白質が求められていた。
【0004】一方、本発明の蛋白質と同一のアミノ酸配
列が既に知られているか否かを調べるために、最新の蛋
白質配列データベースを用いて検索したところ、本発明
の蛋白質と同一の既知蛋白質は存在しなかった。
【0005】さらに、最新のDNA配列データベースで
既知のDNA配列の検索を行ったところ、本発明の蛋白
質に関連したDNA配列が、1984年に Van Beveren ら
(Virology,135,p229〜243)により報告されたゲッ歯
類の骨肉腫ウィルスであるFBR−MSVのプロウィル
スのDNA配列中の一部に見つかった。即ち、FBR−
MSVプロウィルスの、上記文献第2図中の塩基番号で
第2719番目の“T”から第3168番目の“T”ま
での450塩基長の、上記文献の筆者らによりv−fo
xと名付けられた遺伝子部分のアンチセンス鎖中のオー
プンリーディングフレーム(ORF:Open Reading Fra
me)を翻訳したところ、本発明の蛋白質によく似たアミ
ノ酸配列をコードしている部分があることがわかった。
【0006】しかし、v−foxのアンチセンス鎖のO
RFにコードされているアミノ酸配列はアミノ酸残基で
133個の長さを有し、本発明の蛋白質の59個のアミ
ノ酸残基の約2倍の大きさである。また本発明の蛋白質
はこのv−foxのアンチセンス鎖由来のアミノ酸配列
の75番目のLys残基からC末に相当する133番目
のPhe残基に至る59個のアミノ酸配列と59個中5
6個のアミノ酸残基が一致しているものであり同一では
ない。更に、FBR−MSVウィルスの遺伝子が翻訳さ
れる際、このv−foxのアンチセンス鎖のORFが実
際に翻訳されて133個のアミノ酸の長さを有する蛋白
質が合成されるかどうかは明らかにされていない。
【0007】また、上記文献中で Van Beveren らは、
宿主の動物細胞が自分の染色体中に本来持っているc−
fox遺伝子がDNA配列から実際に転写され、約1K
bの長さのmRNAを合成していることを、生後14日
目の幼若マウスの頭部を含むマウスの各組織で明らかに
した。しかし、この報告者らはc−foxをコードする
mRNAの存在は、ノザンブロットアナリシスで証明し
たが、このmRNAからどれだけの長さを持つ、N末端
およびC末端がどのようなアミノ酸残基を有する蛋白質
が、実際に動物細胞中で合成されているかは全く明らか
にしていない。
【0008】他方、最近になって、Michiels らはマウ
ス細胞由来のc−foxをクローニングし、そのDNA
配列を決定し、このc−DNAが133個のアミノ酸残
基からなる蛋白質をコードしていることを報告した(Ar
ch. Int. Physiol. Biochim., 1990年, 98, B140)。ま
た、Michiels らはこの報告の中で、FBR−MSVウ
ィルスの宿主細胞の形質転換効率にv−foxは関与し
ているらしいことを示唆している。しかしながら、Mich
iels らも、c−fox遺伝子が実際にどのような蛋白
質を最終的に合成させるのか、何ら明らかにしていない
し、本発明の59個のアミノ酸配列を有する蛋白質には
全く言及していない。
【0009】
【問題を解決するための手段】本発明者等は、従来知ら
れていたヘパリン結合性の成長因子が多く脳から単離さ
れていることに注目した。さらに、本発明者等は、脳の
材料として、特に各種成長因子の量と活性が高いことが
予期される生後14日後の幼若動物の脳を用いた。より
具体的には、生後14日目の幼若ラットの脳を材料とし
て、ヘパリンに高い親和性を有する蛋白質をいくつか分
離し、その中の一つを均一になるまで精製して、全アミ
ノ酸配列を決定し、本蛋白質が全く新規なアミノ酸配列
を有するものであることを見出した。
【0010】次いで、本蛋白質の生物学的活性を調べた
ところ、本蛋白質はヘパリン結合活性の他に繊維芽細胞
の増殖を促進する性質を有することを見い出した。本蛋
白質はHBP−p7と名ずけられた。
【0011】
【実施例】以下に、実施例により、本発明をさらに具体
的に説明する。 〔実施例1〕 HPB−p7の精製 生後14日目の幼若ラットの脳を採取し、精製に用いる
まで凍結保存(液体窒素で凍結後、−60℃で保存)し
た。精製には100gの凍結ラット脳を用い、まず組織
破砕用緩衝液(20mM Tris-HCl, pH 7.2, 1mM PMSF, 5
mM EDTA)300ml中にて30秒間、3回組織を破砕
をした。次に、この破砕液を150,000×gで1時
間遠心分離し、遠心沈殿物を得た。この遠心沈殿物を組
織破砕用緩衝液で洗浄した後、再度150,000×g
で1時間遠心分離した。この沈殿物を可溶化緩衝液(50
mM Tris-HCl, pH 8.5, 50 mM NaCl, 50 mM Octylglucos
ide,1mM PMSF,5mM EDTA)300mlにて可溶化
し、その溶液について150,000×gで1時間遠心
分離した。この遠心沈殿物を再び可溶化緩衝液で可溶化
し、150,000×gで1時間遠心分離し、この二つ
の遠心分離の上清を合わせて以下のカラム操作に用い
た。
【0012】ヘパリンカラム緩衝液(50mM Tris-HCl, p
H 8.5, 50mM NaCl,5mM Octylglucoside)で平衡化し
たヘパリンセファロースカラム(1.6cm径×15cm長、フ
アルマシア社、スウェーデン)に、上記の遠心上清をア
プライし、同カラム緩衝液で洗浄し、次に0.5M N
aClを含有する同緩衝液で洗浄後0.5M〜2.5Mの
NaClを含有する同緩衝液のリニアグラジェントで溶
出した。溶出した主各画分をCMカラム緩衝液(20mMリ
ン酸緩衝液、pH 6.5)で2倍に希釈し、同緩衝液で平衡
化したCM−HPLCカラム(8.2mm径×75mm長、ウォ
ーターズ社、アメリカ)にアプライし、NaClを含有
する同緩衝液のリニアグラジュエントにより溶出した。
溶出した主画分をさらに、逆相HPLCにより疎水性カ
ラム(Cosmosil 5C4-300、4.6mm径×250mm長、ナカライ
社)にアプライし、アセトニトリルによるリニアグラジ
ュエントにより溶出し、SDS−アクリルアミド電気泳
動にて、約7Kダルトンの分子量を示す単一の蛋白質を
得た。この蛋白質の最終的な収量は約20μgであっ
た。
【0013】〔実施例2〕 HBP−p7の物理化学的
性質及び配列決定 HBP−p7の全アミノ酸配列は、自動N末端アミノ酸
配列分析機(アプライドバイオシステム社、アメリカ)
により決定した。配列表1にそのアミノ酸配列を示す。
【0014】〔実施例3〕 HBP−p7の生物学的活
性 繊維芽細胞株NIH3T3細胞を用いて、精製HBP−
p7の細胞増殖促進活性を測定した。24穴のプラスチ
ックプレートに1穴当たり1.0×104個のNIH3T
3細胞を含む1mlの5%のウシ胎児血清を含有するD
ME培地(ダルベコ最小必須培地)を添加しCO2イン
キュベーター中にて37℃で24時間培養した。次い
で、0.2% のウシ血清を含むDME培地に培地交換し
さらに24時間培養した。この後、精製したHBP−p
7を適当な濃度になるように調製し、細胞培養液に添加
し、さらに16時間培養を続け、次いで各ウエル当たり
20mCiの 3H−チミジン溶液を50μl(1mC
i)、培養液に加えさらに4時間培養した。培養後、各
ウエルをリン酸緩衝液を含む生理食塩水で3度、次いで
10%冷トリクロロ酢酸で2度洗浄し、0.4mlの0.
5M NaOH溶液を加えて、さらに30分間、37℃
で培養した。この結果、得られた上清について放射活性
を測定したところ細胞増殖活性が確認された。
【0015】
【発明の効果】本発明により提供されたHBP−p7
は、細胞の増殖剤に、また創傷治療剤として用いること
ができる。また、骨形成に関与する蛋白質として骨疾患
治療剤として用いることができる。
【0016】なお、本発明により見いだされたアミノ酸
配列をコードする任意のDNA配列を有する遺伝子を用
い、一般の遺伝学的手法により、微生物あるいは動物培
養細胞を用いて、HBP−p7の組み替え蛋白質を生産
することは、当業者においては容易なことである。
【0017】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:59 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源 生物名:ラット(Rattus norvegicus) 株名:Sprague-Dawley 組織の種類:脳組織 配列 Lys Val His Gly Ser Leu Ala Arg Ala Gly Lys Val Arg Gly Gln Thr 1 5 10 15 Pro Lys Val Ala Lys Gln Glu Lys Lys Lys Lys Lys Thr Gly Arg Ala 20 25 30 Lys Arg Arg Met Gln Tyr Asn Arg Arg Phe Val Asn Val Val Pro Thr 35 40 45 Phe Gly Lys Lys Lys Gly Pro Asn Ala Asn Ser 50 55
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07K 99:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表1に示す59個のアミノ酸残基の
    配列を含む蛋白質。
  2. 【請求項2】 配列表1に示す59個のアミノ酸残基の
    配列より成る蛋白質。
JP4145125A 1992-06-05 1992-06-05 ヘパリン結合活性を有する新規な蛋白質 Pending JPH05339287A (ja)

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